アルコール依存症の配偶者に慰謝料を請求したい

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

アルコール依存症は、一度発症すると完治することはないといわれており、回復できずに飲酒し続けると様々な臓器に悪影響を及ぼし、命を落とす人もいるほど危険な病気です。

配偶者がアルコール依存症になったら、パートナーとして支えていくには相当な労力を要し、次第に肉体も心も疲れ切ってしまうことでしょう。

結果的にアルコール依存症の配偶者と離婚することになった場合、それまで強いられてきた精神的苦痛を少しでも癒すため、相手に慰謝料を支払ってほしいと望む方もいるかと思います。本ページでは、「アルコール依存症の配偶者に対する慰謝料請求」について解説していきます。配偶者がアルコール依存症になり、離婚して慰謝料を請求したい方にとって参考となれば幸いです。

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アルコール依存症の配偶者と離婚するときの慰謝料

慰謝料を請求できるのは、相手に不法行為があった場合です。アルコール依存症は不法行為とはいえないため、「配偶者がアルコール依存症だから」という理由だけでは、慰謝料を請求することはできません。実際に請求するかどうかは本人の自由ですが、裁判において、慰謝料請求を認めてもらうことは難しいといえます。

ですが、配偶者がアルコール依存症になり、そのせいで暴力を振るわれている、モラハラをされているといった事情がある場合、暴力やモラハラが不法行為にあたるため、慰謝料を請求することができます。このように、個別の事情によっては、アルコール依存症の配偶者に対して、慰謝料請求が可能になることがあります。

慰謝料請求を認めてもらうための証拠

前述したとおり、個別の事情によっては、アルコール依存症の配偶者に対して慰謝料を請求することができます。しかし、裁判で慰謝料請求を認めてもらうためには、請求理由となった事実を立証する証拠が必要です。

アルコール依存症の配偶者から、暴力(DV)や、DVの一種であるモラハラの被害を受けていて、慰謝料請求する場合の証拠については、こちらをご覧ください。

相手がアルコール依存症患者だと証明するには

アルコール依存症が原因で生じた事情について慰謝料を請求する際、相手がアルコール依存症患者であることを証明するにはどうしたら良いのでしょうか?

アルコール依存症は、精神障害者保健福祉手帳の交付対象とされています。医師によってアルコール依存症であると診断された場合、日常生活や社会生活に支障をきたしており、初診から6ヶ月以上経過している人は、精神障害者保健福祉手帳の交付申請をすることが可能です。交付された精神障害者保健福祉手帳は、相手がアルコール依存症患者であることを証明するために有用だといえます。

アルコール依存症の配偶者に離婚慰謝料を請求する流れ

アルコール依存症の配偶者と離婚し、慰謝料を請求する流れは、通常の離婚のケースと同様です。離婚慰謝料を請求する流れについて、詳しくは下記のページで解説していますので、ぜひご覧ください。

なお、裁判所を介さずに当事者間で話し合って離婚慰謝料について取り決めた場合、後に「言った」「言わない」の水掛け論になるおそれがあるため、合意内容はきちんと書面に残し、公正証書のかたちにしておくことをおすすめします。

アルコール依存症と慰謝料に関する裁判例

アルコール依存症とまではいかなくとも、配偶者の飲酒が離婚や慰謝料請求の理由の一つとなり、慰謝料請求が認められた裁判例を2つご紹介します。

【東京地方裁判所 平成16年2月2日判決】

事案の概要

原告(妻)が被告(夫)に対し、「婚姻を継続し難い重大な事由」を理由に、離婚や慰謝料等を請求したという事案です。

原告は、「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたると主張した被告の行動の一つに、被告は酒好きで、支払を後払いにすることにして飲酒していたこと等の「経済観念の欠如」を挙げていました。

なお、被告は、裁判所からの呼び出しを受けながらも、2回にわたる本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面も提出しませんでした。

裁判所の判断

裁判所は、被告には暴力のほか、わがまま、飲酒やパチンコによる浪費癖、精神障害のある息子の養育に関する無理解といった問題点があること等を、事実として認めました。

そのうえで、「婚姻を継続し難い重大な事由」があることを認め、離婚事由があるということができるとしました。そして、被告の有責行為により約28年間の結婚生活が破綻に至ったこと等に照らすと、被告が不法行為損害賠償責任により支払うべき慰謝料の金額として、100万円が相当であると判断しました。

【東京地方裁判所 平成16年1月15日判決】

事案の概要

原告(夫)が被告(妻)に対し、「悪意の遺棄」を理由に、離婚と慰謝料の支払いを求め(本訴)、その一方で、被告が原告に対し、「悪意の遺棄」あるいは「婚姻を継続し難い重大な事由」を理由に、離婚と慰謝料の支払いを求めた(反訴)という事案です。

被告は、離婚と慰謝料を請求した原因として、原告が、被告と婚姻してから程なくして仕事を辞めた後は定職に就かず、朝から飲酒のうえ、競馬等の賭け事に熱中して家計を省みなかったこと、元来短気な性格であったが、飲酒をするとさらに凶暴となり、いわれなく被告を殴る蹴るの暴行に及び、家中の物をあたり構わず投げて壊す始末であったこと等を挙げていました。

裁判所の判断

裁判所は、証拠に基づき、原告は、被告と婚姻した後、程なくしてほとんど仕事をしなくなり、朝から飲酒のうえ競馬等の賭け事に耽溺(たんでき)するようになったことや、飲酒のうえ被告に対して暴力を振るい、物を投げつけるなどしたこと等を認めました。

そして、このような認定判断から、原告と被告との婚姻関係は、原告の責めに帰すべき事由によって破綻し、「婚姻を継続し難い重大な事由」があるというべきだとして、被告の離婚請求には理由があると判断しました。また、原告の被告に対する暴力行為のほか、婚姻関係の破綻によって、被告は甚大な精神的苦痛を受けたものと認め、慰謝料として300万円の支払いを原告に命じました。

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アルコール依存症の配偶者への慰謝料請求に関するQ&A

Q:

アルコール依存症の配偶者からの暴力で離婚し、慰謝料を請求したが支払ってもらえない場合、義両親などに支払ってもらうことはできますか?

A:

ご質問のケースで義両親などに慰謝料を支払ってもらうことは、基本的にできません。そもそも、慰謝料の支払義務を負っているのは相手方配偶者本人であるためです。ただし、義両親などが慰謝料の支払債務を保証したような事情があれば、支払ってもらうことはできるでしょう。

Q:

配偶者がアルコール依存症により仕事をしていなかった場合、離婚時の慰謝料をもらうことはできませんか?

アルコール依存症の配偶者に対する慰謝料請求は、弁護士にお任せください

アルコール依存症の配偶者に対する慰謝料請求には、困難を要することが予想されます。というのも、単にアルコール依存症のみを理由にした慰謝料請求は、裁判においては認められにくいためです。ですが、アルコール依存症が原因で生じた事情によっては、慰謝料請求が可能になるケースもあります。

配偶者がアルコール依存症になり、離婚して慰謝料を請求したいと考えているものの、ご自身の状況で慰謝料をもらえる可能性はあるのか、悩んだときは弁護士にご相談ください。弁護士なら、法的知識に基づき、ご相談者様の状況に応じて適切にアドバイスできます。また、慰謝料請求の手続を、弁護士が代理人となって行うことも可能です。適正な金額で慰謝料を受け取るには、適切な主張・立証が重要なポイントになるため、弁護士に主張・立証をしてもらうことで、大きな安心感を得られるのではないでしょうか。

アルコール依存症の配偶者に対して慰謝料を請求する際は、後に不利益を被る事態となるのを防ぐためにも、弁護士に任せることをおすすめします。

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