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【2019年】婚姻費用の算定表が改訂されました | 比較と具体例

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

2019年(令和元年)11月12日に、婚姻費用の標準算定方式・算定表(令和元年版)が改定されることが報道され、同年12月23日に新婚姻費用算定表が公表されました。

以前の婚姻費用算定表は、2003年に作成されたものであり、当時と税金、生活状況、社会制度等での変化が多く、新婚姻費用算定表が作成されるうえで、最新の統計資料に更新されています。

婚姻費用は、夫婦の別居後等において、配偶者や子供の生活を維持するうえで不可欠なものですが、以前の婚姻費用算定表では、生活費として低額すぎるとの批判がありました。
また、婚姻費用は養育費に比べてあまり認知されておらず、別居後等において生活費が支払われていないにもかかわらず、婚姻費用を請求していないケースを法律相談でよく聞きます。

新婚姻費用算定表では、以前に比べて婚姻費用を高く請求することが可能ですので、生活費を受け取っていないにもかかわらず、婚姻費用を請求していない場合には、この機にぜひ婚姻費用の請求を考えてみてはいかがでしょうか。

【注意点】
新婚姻費用算定表について調べる場合は、2016年に日本弁護士連合会(日弁連)から発表された婚姻費用の新算定表と間違わないように気をつけてください。
日弁連の新算定表は、「高すぎる」との声もあり、裁判所ではほとんど採用されていません。
そのため、新婚姻費用算定表を調べる場合には、最高裁判所が公表したものに準じているのか確認する必要があります。

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新婚姻費用算定表が使われるのはいつから?

新婚姻費用算定表は、2019年(令和元年)12月23日に公表されています。同日以降に婚姻費用を取り決める場合は、原則的に、既に調停中や審判中のものであっても、新婚姻費用算定表を用いて計算されます。

ただし、過去に婚姻費用を決めている場合に、何の手続きもしないで配偶者が新婚姻費用算定表に基づいて婚姻費用が増額されるというものではないので注意が必要です。
新婚姻費用算定表に基づいて請求する場合は、改めて裁判手続き等をする必要があります。

新婚姻費用算定表と旧婚姻費用算定表との比較

婚姻費用を最新の統計をもとに算定したことにより、生活費指数と基礎収入の算定割合が変わりました。
その結果、新婚姻費用算定表上、全ての区分において、今までと変わらないか、増加することになり、旧婚姻費用算定表と比べて減少する世帯はありませんでした。

婚姻費用の算定の具体例

5歳と10歳の子供をもつ夫婦で、妻は専業主婦で収入無し、夫は会社員で700万円の収入があったとします。また、夫婦不和で妻が子供2人を連れて別居した場合を想定します。

新婚姻費用算定表の見方

  1. ①まず、適切な算定表を選びます。事例では、0~14歳の子供が2人なので、「婚姻費用・子2人表(第1子及び第2子0~14歳)」を選びます。
  2. ②事例において、収入が相手より少なく、子供を連れて家を出た妻を権利者といいます。権利者の収入は0なので、表の下部横軸上【権利者の年収/万円】の給与0を基準にします。
  3. ③婚姻費用を支払う側を義務者といい、事例では夫が義務者となります。義務者の収入は700万円なので、表の縦軸上【義務者の年収/万円】の給与700を基準にします。
  4. ④横軸の0の欄を上に伸ばした線と、縦軸の700の欄を右に伸ばした線が交差するところが、婚姻費用の支払額(受取額)になります。
  5. ⑤事例では、交差するところが16~18万円となっているので、標準的な婚姻費用はこの額になります。

旧婚姻費用算定表との比較

上記の事例で、新婚姻費用算定表によれば16~18万円ですが、旧婚姻費用算定表では14~16万円になります。
そのため、新婚姻費用算定表では、同じ所得関係であっても月額1~2万円程度の差が生じることが分かります。

2019年度版 婚姻費用計算ツール

新しい婚姻費用算定表をもとにした自動計算ツールをご用意しました。簡単にシミュレーション結果が表示されますので、ぜひご利用ください。

新婚姻費用算定表が高すぎて支払えない場合

新婚姻費用算定表が高すぎて支払えない場合には、協議や調停のなかで婚姻費用を下げてもらうように話し合うしかありません。算定表の基準はあくまでも目安であるため、必ず算定表に基づいた金額にしなければならないというものではありません。

婚姻費用について合意したにもかかわらず、婚姻費用を支払わない場合、強制執行されるリスクがあります。また、滞納分について金額が過大になり支払えない場合には、破産したとしても婚姻費用は非免責債権であるため免責されません。

ただし、多くの世帯で、旧婚姻費用算定表と比較して1~2万円程度の差が生じることになりますが、新婚姻費用算定表が高すぎるという方の場合、旧婚姻費用算定表でも高すぎると感じている可能性があります。その場合、住宅ローンや借金、その他生活費の使い方等、算定表に表れない事項で困窮されているおそれがあります。

算定表はあくまでも簡易算定表であり、特別に配慮する事項があれば、婚姻費用は減額されることもありますので、新婚姻費用算定表が高すぎて支払えないという方は、専門家にご相談ください。

婚姻費用は離婚を円滑に行うための第一歩です

離婚をしたいけれども、あまり争わずに穏便に離婚したいという方は多いのではないでしょうか。実際の統計上でも、最近は調停離婚の割合が増えてきているものの、それでも9割近くは話し合いによる協議離婚で離婚しています。

円滑に協議離婚が成立する場合は特に問題ないのですが、話し合いがなかなかまとまらず、協議がずるずると長引くケースでは、私の経験上、権利者が婚姻費用を請求していないか、義務者が婚姻費用の相場額より多額の生活費を渡しているケースが多いように感じます。

権利者にとって、離婚の協議を進めていくうえで、婚姻費用は生活を維持するために不可欠です。離婚の協議をする際には、婚姻費用をしっかり請求して合意することが大切でしょう。

また、新婚姻費用算定表となり、従来に比べ1~2万程度多く請求できるようになったことにより、婚姻費用の請求はより重要性を増したと思います。

離婚や婚姻費用でお困りの方は、ぜひ弁護士法人ALGにご相談ください。

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