協議離婚する際の慰謝料|相場や確実に受け取る方法について
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
離婚する夫婦の多くは、夫婦の話し合いによって離婚を成立させる「協議離婚」を選択しています。
協議離婚は、離婚届を提出して受理されれば成立しますが、慰謝料などの離婚条件についても事前に決めておく必要があります。
離婚慰謝料の相場は一般的に100万~300万円程度といわれていますが、これは裁判で離婚した場合の目安です。協議離婚では、夫婦が合意すれば慰謝料の金額や支払い方法を柔軟に決められます。
この記事では、協議離婚の慰謝料相場や請求方法、慰謝料を確実に受け取るためのポイントなどについて、詳しく解説します。
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います
離婚問題ご相談予約受付来所・オンライン法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。
※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。
お電話でのご相談受付
0120-979-164
24時間予約受付・年中無休・通話無料
メールでのご相談受付
メール相談予約受付離婚慰謝料とは
離婚慰謝料とは、配偶者の不法行為が原因で離婚に至った場合に、受けた精神的苦痛に対する損害賠償として支払われるお金です。
相手の不貞行為(肉体関係を伴う浮気・不倫)やDV、モラハラなどが原因で離婚する場合には、慰謝料を請求できる可能性があります。
また、協議離婚では、夫婦の話し合いによって慰謝料の有無や金額、支払期限、支払い方法などを自由に決めることが可能です。
慰謝料を請求するには、基本的に相手の不法行為や有責行為が必要です。ただし、協議離婚では当事者同士の合意が優先されるため、相手に支払義務がなくても、双方が合意すれば慰謝料を受け取れます。
離婚慰謝料について詳しくは、以下のページをご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
協議離婚の慰謝料相場はいくら?
協議離婚では、夫婦双方が合意すれば慰謝料の金額を自由に決めることができます。
ただし、相場を大きく上回る金額を提示すると、相手の了承を得にくいことが予想されるため、まずは一般的な相場をもとに交渉を進めるのが望ましいでしょう。
離婚慰謝料の相場は、100万~300万円程度が一般的な目安です。ただし、実際の金額は離婚原因によって異なります。
| 離婚原因 | 慰謝料の相場 |
|---|---|
| 不貞行為(肉体関係を伴う浮気・不倫) | 200万~300万円程度 |
| 悪意の遺棄 | 数十万~300万円程度 |
| DV・モラハラ | 数十万~300万円程度 |
| その他(セックスレスなど) | 0万~100万円程度 |
また、離婚慰謝料の金額は「離婚原因」だけでなく、次のような事情も考慮して決定されます。
- 婚姻期間の長さ
- 子供の有無・人数
- 離婚原因となった不法行為の悪質性
- 夫婦双方の年齢
離婚慰謝料の相場について詳しくは、以下のページをご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
【離婚原因別】協議離婚で慰謝料請求する際のポイント
協議離婚で慰謝料を取り決める際は、離婚原因によって交渉の進め方やポイントが異なります。
離婚原因によっては、「慰謝料を請求できないケース」や「配偶者以外の第三者にも請求できるケース」などがあるため、注意が必要です。
ここからは、代表的な離婚原因ごとに、協議離婚で慰謝料を請求する際のポイントを解説します。
性格の不一致で協議離婚する場合の慰謝料請求
協議離婚では、夫婦双方が合意していれば、離婚原因が「性格の不一致」であっても慰謝料を受け取ることが可能です。
本来、性格の不一致はどちらか一方だけに責任があるとはいえないため、慰謝料は発生しないのが基本です。そのため、離婚理由が単なる「価値観の違い」や「考え方のずれ」だけの場合、請求が難しいケースも多いでしょう。
そこで、慰謝料ではなく「解決金」として合意を目指す方法もあります。
解決金は、夫婦が円満に離婚するために支払われる金銭をいい、必ずしも相手の責任を前提とするものではありません。
「慰謝料」の支払いに抵抗があっても、解決金という名目であれば支払いに応じてもらえる可能性があります。
性格の不一致で離婚する場合の慰謝料や解決金について詳しくは、以下の各ページをご参考ください。
モラハラにより離婚する場合の慰謝料請求
モラハラが原因で離婚する場合は、慰謝料を請求できる可能性があります。
協議離婚では、相手と直接話し合って慰謝料を取り決めるのが一般的ですが、モラハラ配偶者と対等に話し合うのは容易ではありません。話し合いの場で責められたり、相手の主張を押し通されたりして、適正な条件で合意できないケースもあります。
そのため、相手にモラハラがある場合は、弁護士に交渉を依頼することをおすすめします。
また、モラハラは外部から見えにくく、行為者自身に自覚がないケースも少なくありません。慰謝料を請求する際は、あらかじめ録音データやメール、LINEのやり取りなど、モラハラの実態がわかる証拠を集めておくことが大切です。
モラハラの証拠やモラハラの離婚慰謝料について詳しくは、以下の各ページをご参考ください。
不貞が原因の場合は浮気相手にも慰謝料を請求できる
配偶者の浮気や不倫により離婚する場合、不貞をした配偶者だけでなく、浮気・不倫相手にも慰謝料を請求できる可能性があります。
ただし、浮気・不倫相手との交渉では、「独身だと思っていた」「夫婦関係は破綻していて、もうすぐ離婚すると聞いていた」などと主張され、支払いを拒否されるケースも少なくありません。
そのため、浮気・不倫相手への慰謝料請求を進める際は、不貞の事実や既婚者であると認識していた証拠を集めておくことが重要です。
交渉に不安がある場合は、弁護士に相談し、代理人として交渉を進めてもらうのもよいでしょう。
浮気相手への慰謝料請求について詳しくは、以下のページをご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います
離婚問題ご相談予約受付来所・オンライン法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。
※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。
お電話でのご相談受付
0120-979-164
24時間予約受付・年中無休・通話無料
メールでのご相談受付
メール相談予約受付協議離婚で慰謝料を請求する方法
協議離婚で慰謝料を請求する場合は、一般的に次のような流れで進めます。
-
①証拠を集める
慰謝料請求の根拠となる「相手の不法行為」を裏付ける証拠を集めます。 -
②夫婦間で話し合う
証拠を揃えたら、慰謝料について配偶者と話し合います。
話し合いは直接会って行うほか、メールや電話、LINEなどを利用することも可能です。 -
③応じてもらえない場合は内容証明郵便を送付する
内容証明郵便を送付することで、相手が交渉に応じるきっかけになる場合があります。 -
④双方が合意する
慰謝料の金額や支払条件について、双方が納得できれば合意成立です。 -
⑤取り決めた慰謝料の内容を「離婚協議書」(公正証書)に記載する
慰謝料の金額や支払期限、支払い方法などを具体的に記載することが重要です。分割払いの場合は、未払いが生じないようルールを明確化しておきましょう。 -
⑥離婚届を提出する
離婚届を役所に提出し、受理されると協議離婚が成立します。 -
⑦慰謝料を受け取る
取り決めた内容に従って慰謝料が支払われます。
以下のページでは、協議離婚に限らず、離婚慰謝料の一般的な請求方法と流れを紹介しています。こちらもぜひご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
相手が慰謝料に同意してくれない場合は?
相手が慰謝料に同意してくれない場合は、離婚調停を検討します。
離婚調停は、家庭裁判所の調停委員が夫婦の間に入り、双方の意見を整理しながら合意を目指す手続きです。当事者同士で直接話し合う必要がないため、感情的な対立を避けながら話し合いを進められるでしょう。
できる限り協議離婚で解決したい場合は、慰謝料の金額を見直したり、他の離婚条件を譲歩したり、相手に歩み寄る姿勢も大切です。
話し合いが平行線でまとまらない場合は、弁護士へ相談するのもおすすめです。弁護士が代理人として交渉することで、適切な条件でスムーズに解決できる可能性があります。
離婚調停について詳しくは、以下のページをご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
相手の支払い能力が乏しい場合は?
相手の支払い能力が乏しい場合には、次のような対応が考えられます。
- 一括払いではなく分割払いにする
- 慰謝料を請求しない代わりに、財産分与で多くの財産を受け取る
- 住宅ローンが残っている場合は、慰謝料の代わりに残りのローン返済を負担してもらう
双方で合意した内容は、「離婚協議書」などの書面に残しておきましょう。口約束のままでは、後になって「言った・言わない」のトラブルに発展するおそれがあります。
将来の未払いに備えるためにも、離婚協議書などの書面の有無はとても重要です。
協議離婚で慰謝料を確実に受け取るにはどうする?
協議離婚で慰謝料を確実に受け取るためには、離婚協議書を作成し、公正証書にしておくことが重要です。具体的には、次の2つのポイントを押さえておく必要があります。
- 離婚協議書を作成する
- 作成した離婚協議書は公正証書にする
離婚協議書を作成する
慰謝料を確実に受け取るためには、「離婚協議書」を作成しておくことが大切です。
離婚協議書とは、協議離婚の際に夫婦が合意した内容を記載する書面です。決まった書式はなく、個人で作成することができます。
協議離婚では、離婚条件を自由に取り決められますが、口約束だけでは、後になって「そのような約束はしていない」と主張されるおそれがあります。
離婚協議書を作成しておけば、取り決めた内容をあとで確認できるため、言い逃れや認識の違いを防ぐのに役立つでしょう。
離婚協議書について詳しくは、以下のページをご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
作成した離婚協議書は公正証書にする
慰謝料を確実に回収したい場合は、離婚協議書を「公正証書」にしておくことをおすすめします。
公正証書とは、公証役場の公証人が作成する公文書のことです。公証人が内容を確認したうえで作成するため、当事者だけで作成した離婚協議書よりも高い証明力が期待できます。
また、公正証書に“強制執行認諾文言”を付けておけば、相手が慰謝料を支払わない場合も、裁判を起こさずに「強制執行」の手続きが可能です。
協議離婚で慰謝料を請求する場合は時効に注意
慰謝料請求権には「時効」があり、期限を過ぎると相手から時効を主張され、慰謝料を請求できなくなる可能性があります。そのため、「先に離婚を成立させて、慰謝料はあとから話し合おう」と考えている場合は注意が必要です。
離婚慰謝料の時効は、一般的に離婚した時から3年とされています。この期間内に請求しなければ、権利を行使できなくなるおそれがあるため注意しましょう。
なお、離婚後に不貞(肉体関係を伴う浮気・不倫)が発覚した場合には、「不貞や加害者を知った時から3年」または「不貞があった時から20年」が時効期間です。
もっとも、具体的な時効期間は、慰謝料の内容や請求の経緯によって異なる可能性があります。
慰謝料を請求できるか不安な場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
離婚慰謝料の時効について詳しくは、以下のページをご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
協議離婚の慰謝料に関するQ&A
- Q:
熟年夫婦が協議離婚する場合、慰謝料の相場はどのくらいですか?
- A:
一般的な離婚慰謝料の目安は100万~300万円程度が目安ですが、熟年離婚では、婚姻期間の長さなどを考慮してさらに高額になる可能性があります。
熟年離婚では、長年連れ添った配偶者の不貞やDV、モラハラによって受けた精神的苦痛が大きいと判断されることがあり、慰謝料が増額されるケースも少なくありません。特に婚姻期間が長いケースでは、慰謝料の算定に影響する可能性があります。
もっとも、慰謝料の金額は婚姻期間だけで決まるわけではありません。不法行為の内容や悪質性、夫婦の年齢、収入、子供の有無など、さまざまな事情を総合的に考慮して判断されます。
熟年離婚の慰謝料について詳しくは、以下のページをご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
- Q:
協議離婚後に不倫が発覚した場合でも慰謝料を請求できますか?
- A:
協議離婚後に不倫が発覚した場合、時効が成立していなければ、慰謝料を請求できる可能性があります。
慰謝料請求の時効は、「不倫の事実や加害者を知った時から3年」または「不倫があった時から20年」のため、請求前に確認するとよいでしょう。ただし、協議離婚時に作成した「離婚協議書」や「公正証書」に“清算条項”が含まれている場合、離婚後の慰謝料請求は難しい可能性があります。
清算条項とは、「離婚に関する金銭的な問題はすべて解決済みであり、今後はお互いに請求しない」と確認する条項です。もっとも、書面を作成した時点では不倫の事実を知らず、離婚後に初めて発覚したのであれば、事情によっては慰謝料請求が認められる可能性もあるでしょう。
- Q:
協議離婚で慰謝料を分割払いにする際の注意点はありますか?
- A:
慰謝料を分割払いにする場合は、相手の支払い能力に見合った無理のない支払計画を立てることが重要です。
支払額や支払回数を現実的な内容にしなければ、途中で支払いが滞るリスクが高くなります。そのため、相手の収入や資産状況を踏まえ、無理なく支払いを続けられる条件を設定しましょう。また、取り決めた内容は離婚協議書に明記したうえで、公正証書に残しておくことをおすすめします。「強制執行認諾文言付き公正証書」を作成しておけば、未払い時も速やかに対応できるため安心です。
協議離婚の慰謝料については弁護士にご相談ください
協議離婚では、慰謝料の金額や支払い方法などを当事者同士の話し合いで決めます。しかし、法律の専門知識がないまま交渉を進めると、本来より低い金額で合意してしまったり、不利な条件を受け入れてしまったりするおそれがあるため注意が必要です。
弁護士法人ALGでは、これまで数多くの離婚・男女問題を取り扱ってきた経験を活かし、一人ひとりの状況に応じた解決策をご提案しています。不貞慰謝料やDV・モラハラなどが関係する複雑な事案にも対応しており、証拠の収集から交渉、調停まで一貫したサポートが可能です。
協議離婚に伴う慰謝料請求でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

- 監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)
- 福岡県弁護士会所属。私たちは、弁護士131名、スタッフ240名を擁し(※2026年4月1日時点)、東京、札幌、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、大阪、神戸、姫路、広島、福岡、タイの国内外13拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。











