協議離婚の進め方を詳しく解説!事前準備や話し合う内容は?
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
協議離婚とは、夫婦間の話し合いによって離婚を成立させることです。離婚方法のなかで最も手軽といえますが、具体的にどのように進めていくのか、パッとイメージできるでしょうか?
このページでは、協議離婚の進め方や決めるべき内容、合意できた後の流れなど、協議離婚におけるポイントを詳しく解説していきます。
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協議離婚の進め方と流れ
協議離婚は、主に次のような流れで進めていきます。
- ①離婚を切り出す
- ②離婚条件を話し合う
- ③合意できたら「離婚協議書」を作成し、取り決めた内容を記載する
- ④「離婚協議書」を「公正証書」にする
- ⑤「離婚届」を役所に提出する
それぞれのステップについて、さらに詳しく見ていきましょう。
相手に離婚を切り出すには準備が必要
協議離婚を進めるには、まず相手に「離婚したい」と伝える必要があります。
離婚を切り出す方法は、口頭、メール、内容証明郵便などがありますが、相手と話し合いが可能であれば口頭で伝えるのが一般的です。
離婚を切り出すタイミングは、「相手が冷静に話を受け入れやすいとき」を狙うのが重要です。また、話し合いをスムーズに進めるため、離婚を切り出す前に以下のような準備をしておくとよいでしょう。
- 離婚原因となった相手の不法行為(浮気、DV、モラハラなど)の証拠を集めておく
- 住まいや仕事はどうするかなど、離婚後の生活プランを考えておく
- 夫婦の共有財産を確認しておく
- 希望する離婚条件をまとめておく
さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
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協議離婚で話し合うべき離婚条件
協議離婚では、「離婚するかどうか」だけでなく、離婚条件についても話し合う必要があります。
協議離婚で話し合うべき離婚条件は、以下のようなものです。
慰謝料
慰謝料は、相手の不法行為によって精神的苦痛を受けた場合に請求できます。例えば、相手が不貞行為(肉体関係のある浮気)、DV、モラハラなどをしたケースが代表的です。
「離婚すれば必ずもらえる」というわけではないので、注意しましょう。
離婚する際の慰謝料は、100万~300万円が相場とされています。
ただし、協議離婚では夫婦が合意すれば金額は自由に設定できるので、相場を上回る、あるいは下回る金額になる場合もあります。
協議離婚での慰謝料の請求については、以下のページもご覧ください。
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財産分与
財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産を、離婚時に分け合う制度です。
分与の割合は、基本的に「2分の1」となります。どちらかが専業主婦(主夫)でも、半分ずつ分け合うのが基本です。
ただし、協議離婚では、双方が合意すれば財産分与の割合は自由に決められます。2分の1ルールにとらわれず、自由な割合で財産分与することも可能です。
財産分与の詳しい内容は、以下のページをご覧ください。
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年金分割
年金分割とは、婚姻期間中に夫婦それぞれが納めた「厚生年金保険料(※かつての共済年金も含みます)」の記録を合算し、離婚時に分け合う制度です。
年金分割の按分割合は最大で2分の1とされているため、協議離婚する際は上限に注意が必要です。
ただし、「第3号被保険者」=会社員や公務員の配偶者に扶養されている主婦(夫)については、扶養期間が“3号分割”の対象となります。
3号分割の場合、厚生年金保険料の記録を、夫婦の話し合いなしに2分の1の割合で分け合うことが可能です。
年金分割のしくみについて、さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
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親権
2026年4月より、父母がともに親権を持つ「共同親権」を選択できるようになる見込みです。そのため、離婚時は以下の2点について話し合う必要があります。
- 単独親権と共同親権のどちらにするか
- 単独親権の場合、どちらを親権者とするか
後から親権者を変えるのはとても難しいため、「とりあえず母親にしておこう」「早く離婚したいから親権は譲ってしまおう」などと安易に判断するのは避けましょう。離婚後に共同親権に変更したい場合も、家庭環境などによっては認めてもらえない可能性があります。
離婚時は、離婚後の環境や経済力、子供の意思などを踏まえ、親権について十分協議するのがポイントです。
親権については、以下のページでも詳しく解説しています。
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養育費
離婚後に子供と一緒に暮らす(子供を養育する)側は、相手に養育費を請求できます。
養育費とは、子供が経済的に自立するまでに必要な費用(衣食住・学費・医療費など)のことです。
離婚しても親子であることに変わりはないので、子供と離れて暮らす親も養育費を負担する義務があります。
養育費の金額は、子供の人数や年齢、父母それぞれの年収をベースに決めるのが一般的です。
養育費については、以下のページで詳しく解説しています。
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面会交流
面会交流(親子交流)とは、離れて暮らす子供と定期的にコミュニケーションをとることです。子供と直接会って遊んだり、写真・メール・プレゼントなどでやり取りしたりするのが一般的です。
面会交流のルールは、夫婦で話し合って決められます。
どのくらいの頻度で行うか、1回あたりの面会時間、待ち合わせ場所、連絡方法、学校行事への参加の可否などを具体的に決めておきましょう。
取り決めが曖昧だと、後々トラブルになるおそれがあるため注意が必要です。
面会交流についてもっと詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。
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離婚協議書を作成する
離婚について相手と合意し、離婚条件も取り決めたら、「離婚協議書」を作成しましょう。
離婚協議書とは、協議離婚で話し合って決めた内容をまとめた書面のことです。
作成義務はありませんが、口約束のみだと、離婚後にトラブルが発生しても「言った言わない」の争いになるおそれがあります。特に、慰謝料や養育費などお金に関する離婚条件は“未払い”のトラブルも多いため、合意内容は書面に残しておくのが基本です。
離婚協議書があれば、合意内容を示す客観的証拠として役立つでしょう。
離婚協議書の作成方法などは、以下のページで解説しています。
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離婚協議書を公正証書にするメリット
離婚協議書を公正証書にしておくと、より信頼性の高い証拠として扱われるメリットがあります。
公正証書とは、専門知識を備えた“公証人”が作成する書面で、公証役場で作成できます。離婚協議書を公正証書化することで、言った言わないのトラブルを未然に防止できるでしょう。
また、公正証書に“強制執行認諾文言”を付けると、離婚後に慰謝料や養育費などが支払われないときも、裁判所の手続きを経ることなく直ちに強制執行ができます。
強制執行では、相手の財産を差し押さえ、強制的にお金を回収することが可能です。
公正証書のメリットや作成方法は、以下のページもご覧ください。
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離婚届を役所に提出する
離婚条件について合意し、離婚協議書を作成した後は、離婚届を役所に提出します。離婚届が受理された時点で、協議離婚が成立します。
離婚届は、「夫婦の本籍地」または「夫婦の所在地の役所」に提出するのが基本です。
本籍地以外の役所に提出する場合は、夫婦の戸籍謄本が必要となるため注意しましょう。
離婚届の書き方は、以下のページで詳しく解説しています。
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離婚届には2人の証人が必要
離婚届の証人欄には、成年(18歳以上)2名の署名が必要です。協議離婚は夫婦間の話し合いだけで成立するため、第三者による確認が必須とされています。
証人が記入する内容は、以下のとおりです。
- 氏名(署名)
- 生年月日
- 住所(住民票に記載のとおり)
- 本籍(戸籍謄本に記載のとおり)
成年であれば誰でも証人になれるため、友人などでも問題ありません。また、弁護士に依頼することも可能です。
証人の役割は、あくまで離婚が夫婦の合意に基づくものであると確認することなので、法的な責任を問われることはありません。
協議離婚が成立するまでの期間はどのくらいかかる?
協議離婚が成立するまでの期間は夫婦によって異なりますが、数ヶ月~1年というケースが多いです。
離婚条件の話し合いがスムーズに進み、お互いが合意できれば、最短1日で離婚が成立する場合もあります。一方、親権や財産分与などで揉めると、話し合いが長引く傾向があります。
「相手が離婚に反対している」「話し合いがまとまらない」などの場合は、夫婦で解決するのが難しいため、調停に進んだ方が得策でしょう。
調停では、家庭裁判所の裁判官や調停委員が夫婦の間に入るので、話し合いがスムーズに進む可能性が高く、早期解決が期待できます。
協議離婚に応じてくれない場合や決裂した場合はどうする?
相手に離婚の意思がない場合や、離婚条件の折り合いがつかない場合、協議離婚の成立は難しいでしょう。その場合、以下のような対処法を検討する必要があります。
別居する
別居することで、お互いが冷静に考える時間を持つことができます。少し時間を置いてから再び話し合うと、スムーズに進む可能性もあるでしょう。
また、別居期間が長くなると、「夫婦関係はすでに破綻している」として、裁判で離婚が認められる可能性があります。離婚が認められる別居期間の目安は、一般的に3~5年程度とされています。
別居中の生活費は、“婚姻費用”として相手に請求できるため、忘れずに請求しましょう。
一般的には収入の多い方から少ない方へ支払われますので、相手の収入の方が多いときは婚姻費用の請求が可能です。
別居について、詳しくは以下のページをご覧ください。
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離婚調停を申し立てる
お互いが意見を譲らず、協議離婚の成立が難しい場合は、「離婚調停」の申立ても視野にいれましょう。
離婚調停は、家庭裁判所で行う話し合いの手続きです。
家庭裁判所の調停委員が仲介人となり、話し合いを進めてくれるので、当事者同士で話し合うよりもスムーズに進み、意見がまとまる可能性があります。最終的に夫婦が合意できれば、「離婚成立」となります。
離婚調停を有利に進めるには、調停委員を味方につけることが重要です。
弁護士に依頼すれば、調停委員との話し方についてアドバイスを受けられるだけでなく、調停の場に同席してもらうことも可能です。
離婚調停に不安がある方は、弁護士の力を借りてみてはいかがでしょうか。
離婚調停についての詳しい内容は、以下のページをご覧ください。
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弁護士に交渉を依頼する
相手との話し合いが難しい場合は、弁護士に交渉を依頼するのが有効です。離婚問題を得意とする弁護士に依頼すれば、円滑に離婚を成立させられる可能性が高まります。
離婚協議の交渉を弁護士に依頼すると、以下のようなメリットを得られます。
- 相手との交渉を任せられるため、ストレスが軽減される
- 相手が交渉に応じやすくなる
- 希望した条件で離婚できる可能性が高まる
- 調停や裁判に発展した場合もサポートを受けられる
- 離婚協議書や公正証書の作成をサポートしてもらえる など
離婚問題を弁護士に依頼するメリットについて、さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
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協議離婚を進める際の注意点
協議内容を録音しておく
協議離婚を進める際は、話し合った内容(協議内容)を録音しておくことをおすすめします。
協議離婚の話し合いは、複数回にわたって行うケースが多いです。録音しておけば、前回までに話し合った内容を確認できるため、効率良く協議を進めることができます。相手が意見をコロコロ変えたり、協議が長引いたりするのも防止できるでしょう。録音データは、調停や裁判での証拠としても利用可能です。
また、録音自体はプライバシーの侵害にならないため、相手の許可を得る必要はありません。
プライバシーの侵害になる可能性があるのは、録音データを悪用したり、流出したりした場合です。
また、ここでの録音は“秘密録音”というもので、第三者がこっそり録音する“盗聴”とは異なるため違法ではありません。
感情的にならず冷静に話し合う
感情的にならず、冷静に話し合えるよう努めることが重要です。
協議離婚は、夫婦が話し合いで離婚を成立させる方法なので、話し合いが進まなければ成立は遠ざかる一方です。感情的になり、暴言を吐けば、自身に不利に働くおそれもあります。
相手と揉めたときは、「冷却期間を設ける」「相手の話を最後まで聞く」などの姿勢を見せることが大切です。すぐに否定せず、相手の立場や状況を理解するよう努めることで、相手は「話を聞いてくれた」と感じ、お互いに冷静さを取り戻しやすくなります。
証拠を出すタイミングを見計らう
相手の不貞行為やDVなどの証拠は、タイミングを見計らって出すのがポイントです。
最初からすべて出すのではなく、相手の言い分を聞きながら、言い逃れができないようなタイミングで出すと良いでしょう。
離婚の原因として相手の不貞行為やDVを主張しても、「そんな事実はない」と否定される可能性もあります。客観的な証拠があれば、相手の行為を容易に証明できるでしょう。
せっかく証拠を集めても、最初からすべて出すと自分の手の内を明かすことになってしまいます。いざというときの切り札がなくなり、話し合いを有利に進めるのが難しくなる可能性もあります。
集めた証拠を有効に使えるよう、証拠を出すタイミングは十分気を付けましょう。
子供への影響を考慮する
協議離婚を進める際は、子供の前で話し合うのは避けるべきといえます。両親が言い争っている姿は、子供の精神に悪影響を与えてしまう可能性があるためです。
離婚問題の話し合いはどうしても感情的になりやすく、時には声を荒げたり、激しい言い争いになったりすることもあります。
子供の気持ちや感情は、本人にしかわかりません。「まだ幼いから大丈夫だろう」と決めつけず、子供が学校でいない時間帯に話し合うなど、子供への影響を考慮して協議離婚を進めていきましょう。
離婚不受理届を出しておく
相手が勝手に離婚届を提出するおそれがあるときは、役所に「離婚不受理届」を出しておきましょう。
一方が勝手に提出した離婚届でも、記載内容に不備がなければ役所は受理するため、離婚が成立してしまいます。成立した協議離婚を無効にするには、「協議離婚無効確認調停」や「協議離婚無効確認訴訟」を起こさなければならず、大変な手間がかかります。
あらかじめ離婚不受理届を出しておけば、申出人本人が窓口に来ない限り、離婚届は受理されません。話し合いがまとまれば、「不受理申出取下書」を提出し、申出を取り下げることも可能です。
なお、申出人本人が離婚届を提出すれば、申出を取り下げたものとみなされるため、不受理申出取下書の提出は不要となります。
離婚不受理届についての詳しい内容は、下記のページをご覧ください。
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協議離婚の進め方に関するQ&A
- Q:
協議(話し合い)の際、第三者の立ち会いは必要ですか?
- A:
協議(話し合い)の際、第三者の立ち会いは基本的に必要ありません。
ただし、夫婦だけで話し合うと揉めてしまいそうな場合は、第三者に立ち会ってもらうことも可能です。立会人を呼ぶかは、夫婦で話し合って決めるようにしましょう。第三者に立ち会ってもらう場合、客観的に物事を見られる人を選ぶのをおすすめします。
夫婦のどちらか一方の肩を持つようでは、公平な話し合いができず、余計に揉めてしまうおそれがあるためです。協議離婚に向けての話し合いなら、離婚問題に詳しい弁護士を選ぶのも良いでしょう。
- Q:
協議離婚を進めるのではなく、いきなり離婚調停をすることはできますか?
- A:
協議離婚を進めるのではなく、いきなり離婚調停をすることもできます。
例えば、「話し合いたい」と提案しても相手が応じないと予想される場合、協議は行わず離婚調停を申し立てるケースが多いです。
離婚調停に相手が出席したら、家庭裁判所の調停委員を通した話し合いが始まります。一方、相手が裁判所の呼び出しに応じず離婚調停に出席しない場合、話し合いは始められません。夫婦の合意がなければ調停は成立しないので、無断で欠席し続けるようなら「調停不成立」となり、離婚裁判に進むのが一般的です。
協議離婚を適切に進められるか不安な場合は弁護士にご相談ください
協議離婚は、夫婦が話し合い、離婚条件などに合意することで成立します。
しかし、実際はスムーズに協議離婚できる夫婦は少なく、話し合いがうまく進まずにストレスを抱える方も多いのが実情です。
協議離婚について不安がある方は、ぜひ弁護士にご相談ください。
離婚問題に強い弁護士であれば、豊富な経験や知識を活かし、充実した法的サポートを提供できます。お一人で協議離婚を進めるよりもスムーズに、また有利な条件で離婚できる可能性も高まるでしょう。
弁護士法人ALGには、離婚問題に精通した弁護士が複数名在籍しています。今後の人生をより豊かなものにするため、協議離婚の進め方にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

- 監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)











