マザコン夫と離婚したい!うんざりする5つの特徴と離婚する方法
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
結婚後、夫がマザコンだったと気付く方は少なくありません。あまりにも頻繁に母親と連絡を取っていたり、なんでも母親に聞いたりする姿を見ると、「離婚したい」と思うのも当然です。
しかし、マザコンを理由に離婚するにはポイントがあり、簡単には認められないこともあります。必要な準備を整えたうえで、離婚を切り出すことが重要です。
本記事では、マザコン夫の特徴や対処法、離婚の進め方などを詳しく解説していきます。夫のマザコンに悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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マザコンの定義とは?「母親思い」とは違う?
「マザコン」に明確な定義はありませんが、一般的には母親を絶対的な存在ととらえ、依存する人をいいます。例えば、「母親の考えを最優先する」「母親がいないと何も決められない」など、精神的に自立できていない人がマザコンとされます。
一方、「母親思い」は、母親を気遣いながらも、自分で考え優先順位を決めることができます。そのため、母親だけを特別視することもありません。
また、マザコン夫は妻よりも母親を大事にすることがほとんどです。どんな時でも母親にベッタリな夫の姿を見て、愛情が冷めてしまい、妻から離婚を切り出すケースが多くみられます。
マザコン夫の5つの特徴
マザコン夫の特徴で多いのが、以下の5つです。
- ①物事を自分で判断せず母親に相談する
- ②妻や子供より母親を優先する
- ③何かと妻と母親を比較する
- ④家族や夫婦のことをなんでも母親に話す
- ⑤度を越して実家に行く回数や連絡が多い
以下でそれぞれ具体的に解説していきます。「自分の夫もマザコンかもしれない」と思われた方は、これらの特徴にあてはまるかチェックしてみてください。
①物事を自分で判断せず母親に相談する
マザコン夫は、「母親の意見が100%正しい」と考える傾向があります。そのため、自分で物事を考えず、すべて母親に従うのが特徴です。
例えば、子供の教育方針やマイホームの購入、夫婦間の問題などは、本来夫婦2人で話し合って解決すべき問題です。しかし、マザコン夫は真っ先に母親に相談し、意見を求めるのが一般的です。
また、仮に夫婦間で答えが出ても、母親が別の意見を出してくればそちらに従うべきと考えます。妻にも母親の意見を強要し、夫婦喧嘩に発展することも少なくありません。
②妻や子供より母親を優先する
家族よりも母親を優先するのは、マザコン夫の典型的な特徴です。
例えば、前々から家族で出かける予定だった日や、子供の学校行事がある日でも、母親から連絡があればすぐにかけつけます。そのため、家族の予定がキャンセル・延期となることも多々あります。
自分が夫であり、父親であるという自覚が欠如しているのでしょう。
また、妻と母親が衝突する、いわゆる「嫁姑問題」が発生しても、マザコン夫は母親の味方に付くことが多いです。
例えば、姑が家事や育児のやり方について口出ししてきた際、妻に助けを求められても、「お母さんが正しい」と一蹴されることがあります。それどころか、母親と一緒に妻を責めるような発言をしてくることも珍しくありません。
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③何かと妻と母親を比較する
マザコン夫は、あらゆる場面で妻と母親を比較する傾向があります。
例えば、料理をすれば「お母さんの方が上手いし品数も多い」、育児をすれば「お母さんの方が効率良くできる」など、妻を見下す発言もよくみられます。
性格や服装など個人的な部分についても比較されるため、妻は相当なストレスを感じることでしょう。
また、すべてを母親基準で考えるため、妻にも母親と同じやり方を強要してくることも多いです。
例えば、母親が専業主婦だった場合、家事や育児は当然女性がするものだと決めつけ、一切手伝わないパターンです。
妻が手伝いを頼んでも、「お母さんは全部やってくれた」と反論されることも少なくありません。
④家族や夫婦の事をなんでも母親に話す
家庭の事情をなんでも母親に話そうとするのは、マザコン夫の典型的な特徴です。
日常的な夫婦の会話や子供の教育方針など、なんでも母親に話すため、家庭の状況はすべて筒抜けです。中には夫婦のデートや旅行の予定を伝え、母親を同行させる夫もいます。
また、妻の些細なミスや子供の失敗も漏れなく報告されるため、義母から「夫がかわいそう」「あなたの教育が悪い」などと説教されることもあります。
母親と毎日長電話している場合や、義母がこちらの状況を知りすぎている場合、要注意といえるでしょう。
⑤度を越して実家に行く回数や連絡が多い
休日のたびに実家に帰るなど頻繁に母親に会いに行く夫は、マザコンの可能性があります。
マザコン夫は、たとえ仕事が忙しくても、実家が遠くても、母親に会うためであれば手間を惜しまない傾向があります。
また、毎日のように母親と電話やメール、ラインでやり取りするなど、連絡の頻度が多すぎる場合も要注意です。
常に母親中心の生活になるため、家庭が疎かになり、妻や子供は寂しい思いをさせられることも少なくありません。
もっとも、母親の身体や健康を心配して連絡を取るのは当然のことです。マザコンにあたるかどうかは、実家に帰る理由や会話の内容も踏まえて判断しましょう。
夫のマザコンを治すことはできるの?
マザコンは病気ではないので、治すのは難しいでしょう。生まれてから形成されてきた人格は、簡単に治るものではありません。
そもそも本人はマザコンだと自覚がないことも多いので、夫にどう伝えるかも難しい問題です。
夫に指摘しても、「俺はマザコンじゃない!母親を大切にして何が悪い!」といわれるのが目に見えています。
マザコンを治すには、夫自身に周囲とのズレを自覚してもらうことが重要です。それが難しければ、このまま我慢して婚姻関係を続けていくか、離婚を決断するか、どちらか選択する必要があります。
夫のマザコンを理由に離婚できる?
夫のマザコンだけを理由に、離婚を成立させるのは難しいのが基本です。通常、離婚が認められるには法律上の「離婚事由」が必要ですが、マザコンはこれに該当しないためです。
なお、離婚方法には協議離婚・離婚調停・離婚裁判の3つがあり、離婚の条件や進め方がそれぞれ異なります。
| 協議離婚 | 夫婦間で話し合って離婚する方法 |
|---|---|
| 離婚調停 | 家庭裁判所で裁判官や調停委員を交えて話し合いで離婚する方法 |
| 離婚裁判 | 家庭裁判所に裁判を提起して、和解もしくは判決で離婚する方法 |
このうち、「協議離婚」と「離婚調停」については、夫婦の合意があれば理由を問わず離婚が成立します。そのため、夫のマザコンを理由に離婚することも可能です。
夫の同意が得られなければ、「離婚裁判」を起こし、最終的に裁判所に離婚を認めてもらうことになります。
離婚裁判では離婚理由として認められない可能性が高い
裁判で離婚を認めてもらうには、以下の「法定離婚事由」が必要となります。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄(必要な生活費を渡さないなど)
- 3年以上の生死不明
- 回復の見込みがない重度な精神病
- その他婚姻を継続し難い重大な事由
マザコンは、このうち「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性があります。具体的には、夫のマザコンが原因で家庭環境が悪化したり、夫婦関係が破綻したりした場合、離婚が認められやすいといえます。
法定離婚事由については、以下のページで詳しく解説しています。
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マザコン夫と離婚する際の注意点
離婚について話し合う際、マザコン夫はまず母親に相談する可能性が高いです。また、息子から相談を受けた母親が夫婦の話し合いに同席することも十分想定されます。
姑が離婚に反対している場合、夫の同意を得るのはまず難しいでしょう。マザコン夫にとって母親の意見は絶対ですから、「お母さんが言うなら離婚しない」と考えるのが自然です。
話し合いが一向に進まない場合、早めに弁護士に相談・依頼し、サポートしてもらうのが良いでしょう。
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メールで相談するマザコン夫と離婚する方法
マザコン夫との離婚をスムーズに進めるには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- ①離婚理由に該当しそうな証拠を集める
- ②義母が離婚に賛成してくれるように働きかける
- ③別居を検討する
- ④離婚問題に強い弁護士に相談する
それぞれの詳細について、以下で解説していきます。
①離婚理由に該当しそうな証拠を集める
裁判で離婚を認めてもらうには、マザコンの影響がわかる証拠を提示する必要があります。
裁判所は「客観的な証拠」に基づいて離婚の可否を判断するため、有力な証拠を集めておくことが重要です。
例えば、「マザコンを注意したら暴力を受けた」という場合、怪我の写真や診断書が証拠となります。
また、「母親と比較されて暴言を吐かれた」といった場合、音声や録画データが有効です。モラハラに認定され、離婚が認められやすくなると考えられます。
そのほか、夫が不倫している場合も、証拠があれば離婚できる可能性が高いといえます。
離婚に必要な証拠については、以下のページで詳しく解説しています。
②義母が離婚に賛成してくれるように働きかける
マザコン夫にとって「母親の意見は絶対」なので、義母が離婚に賛成すれば、夫も離婚に同意してくれる可能性があります。
母親の意見に左右される夫に嫌気がさすかもしれませんが、離婚を実現するための手段だと割り切り、義母に働きかけてみるのもひとつの方法です。
③別居を検討する
別居期間があると、「夫婦関係は破綻している」とみなされ、離婚が認められやすくなります。裁判で争う場合、少なくとも3~5年の別居期間が必要となるでしょう。
別居期間が長ければ長いほど、裁判を有利に進められる可能性も高くなります。
また、別居にはお互いが冷静になり、話し合いをスムーズに進められるメリットもあります。別居中に夫も反省し、マザコンが改善される可能性もあります。
なお、別居中の生活費については、夫に「婚姻費用」として請求が可能です。
婚姻費用とは、夫婦の生活に必要なお金のことで、双方で分担することが義務付けられています。別居してもこの義務は変わりませんので、専業主婦や収入が少ない方はしっかり請求しましょう。
また、子供の親権獲得を目指す場合、別居後も子供と一緒に暮らすことが重要です。養育実績が十分であれば、裁判所に親権が認められやすくなるためです。
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④離婚問題に強い弁護士に相談する
マザコン夫と話し合う場合、夫がいちいち母親に相談したり、義母が口出ししてきたりして、解決まで時間がかかる可能性が高いです。
弁護士に依頼すれば、夫との交渉窓口を任せられるため、話し合いがスムーズに進むと期待できます。また、弁護士が適切な離婚条件を提示するため、金銭面などで損をする心配もありません。
なお、折り合いがつかず調停や裁判に発展した場合も、必要な対応や証拠についてしっかりサポートを受けられるため、安心です。
特に裁判については高度な専門知識と経験が必要ですので、有利に進めるためにも「離婚問題に詳しい弁護士」を探すことをおすすめします。
マザコンを理由とした離婚で慰謝料請求はできる?
マザコンのみを理由に、夫に慰謝料を請求するのは難しいといえます。マザコンは性格の問題であり、夫に責があるわけではないからです。
もっとも、マザコンの事実以外にも、浮気や不倫、DV、モラハラなどの不法行為があれば、慰謝料を請求できる可能性はあります。
ただし、裁判所に慰謝料を認めてもらうには、浮気やDVに関する“客観的な証拠”が必要です。有力な証拠があると慰謝料も高額になりやすいため、日頃から少しずつ集めておくと良いでしょう。
なお、妻の中には「義母にも慰謝料を請求したい」と思われる方もいるでしょう。
しかし、離婚は夫婦間の問題ですので、義母に慰謝料を請求することはできないのが基本です。
ただし、義母から過度なモラハラを受け、うつ病を患ったようなケースでは、例外的に義母に対しても慰謝料を請求できる可能性があります。
マザコン夫との離婚に関するQ&A
- Q:
マザコン夫の母親が子供の面倒をみるという場合、親権争いに影響はありますか?
- A:
シングルマザーに比べ、義母の家は養育環境が整っているため、親権争いに発展する可能性はあります。しかし、親権はそれまでの養育実績が重視されるため、必ずしも義母の主張がとおるわけではありません。
主に妻が子育てを担ってきた場合や、子供が母親との生活を望んでいる場合、親権は妻に認められる可能性が高いでしょう。
また、別居する際は必ず子供も連れていくことが重要です。別居期間中もしっかり子育てできていれば、より親権が認められやすくなるためです。
一度義母に子供を渡すと、返してもらえなくなるおそれがあるため注意が必要です。
- Q:
マザコン夫と離婚した後の生活で困らないために、やっておくべきことはありますか?
- A:
離婚後の生活に備え、財産分与の対象となる「共有財産」や、夫の預金口座の情報などを把握しておくと良いでしょう。なお、夫の口座を勝手に調べると怪しまれるおそれがあるため、弁護士に相談しながら行うことをおすすめします。
また、離婚をゴールとせず、その後の生活について見通しを立てておくことも重要です。特に仕事や住居はすぐに必要となるため、離婚前に準備を整えておく必要があります。
専業主婦だった方は、早めに就職活動を始めるようにしましょう。
マザコン夫と離婚したい場合は一人で悩まず弁護士に相談しましょう
マザコンを理由として離婚は、簡単には認められないのが現状です。しかし、マザコンがきっかけで夫婦関係が壊れてしまった場合など、状況によっては離婚が認められる可能性もあります。
「夫が母親の肩ばかり持って自分の味方は全然してくれない…」など、夫のマザコンに悩む女性は少なくありません。耐え切れず、離婚を決意することもあるでしょう。弁護士にご相談いただければ、離婚するためにはどのような手順で進めればいいのか、どのような証拠を集めた方がいいのか等、丁寧にアドバイスいたします。
また、マザコン夫とのやり取りも任せられるため、精神的にも楽になると考えられます。マザコン夫との離婚についてご不安があるときは、早期解決のためにも、まずは弁護士にご相談ください。
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

- 監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)











