専業主婦が離婚準備でやるべきことは?リスクやポイントなど解説
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
専業主婦の離婚では、事前準備がその後の生活に大きく影響します。収入の確保や住まい、生活費、子供の学校など様々な準備が必要なので、急いで話を進めると離婚後に苦労するおそれがあります。
離婚後に「思っていた生活と違った」と後悔しないためにも、起こり得るリスクを理解し、早めに選択肢を整理しておくことが重要です。
この記事では、専業主婦が離婚に向けてやっておくべき準備やポイントを、分かりやすく解説します。
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専業主婦が離婚するリスク
専業主婦が離婚を考える際、あらかじめ知っておきたい主なリスクは以下のとおりです。
- 金銭面の不安
離婚後は夫の収入に頼れないため、生活費や住居費を自分で賄う必要があります。貯蓄が十分でない場合、将来への不安が大きくなりやすい点に注意が必要です。 - 仕事を見つけにくい
長期間家庭に入っていた場合、職歴の空白が不利に働く可能性があります。希望条件と現実の差に戸惑う方も少なくありません。 - 家事や育児を一人で担う負担
離婚後は家事・育児・仕事を一人で担う生活となり、心身の負担が増す可能性があります。
離婚後に悲惨な状況やみじめな思いをしないためにも、リスクを知ったうえで準備を進めることが大切です。
専業主婦が離婚に向けてやっておくべき準備
専業主婦の離婚を前向きに進めるには、事前準備が欠かせません。ここでは、離婚を考え始めた段階で確認しておきたい項目を解説します。
- ①離婚後の生活をシミュレーションする
- ②仕事を見つける
- ③離婚後に住む場所を確保する
- ④夫の収入・財産を把握する
- ⑤離婚にかかる費用を算出する
- ⑥離婚を有利に進めるための証拠を集める
- ⑦子供の親権について考える
- ⑧養育費・養育環境・面会交流(親子交流)などを検討する
- ⑨シングルマザーの助成金・手当を調べる
①離婚後の生活をシミュレーションする
離婚後の生活を具体的にイメージするためには、まず生活費のシミュレーションが欠かせません。家賃や食費、光熱費といった毎月の支出に加え、子供がいる場合は教育費も含めて考える必要があります。
専業主婦の場合、離婚によって夫の健康保険から外れます。ご自身で国民健康保険などへ加入することになるため、保険料の負担が増える点にも注意が必要です。
また、離婚後に住まいと仕事を同時に探すのは負担が大きいため、離婚前から転居先や就職先を検討しておくと、離婚後の生活を落ち着いてスタートできます。
②仕事を見つける
離婚後の生活を安定させるためには、継続的な収入を得られる仕事を確保することが重要です。
専業主婦の場合、長い間仕事から離れていた影響で、すぐに希望どおりの職に就けないケースも見られます。そのため、離婚を決意した段階から少しずつ就職活動を始めておくと、気持ちにも余裕が生まれるでしょう。
また、資格やパソコン操作などの基本的なスキルを身につけておくと、応募できる求人の幅が広がります。子供がいる場合は、勤務時間や急な休みに理解のある職場かどうかも重視したいポイントです。
自治体やハローワークでは、ひとり親世帯向けの就労支援制度や相談窓口を設けているところもあり、無理のない再スタートを後押ししてくれます。
③離婚後に住む場所を確保する
離婚後の生活基盤を整えるうえで、住む場所の確保は避けて通れない課題です。新たに賃貸物件を探す場合は、毎月の家賃だけでなく、敷金や礼金などの初期費用も含めて、無理のない範囲で見積もる必要があります。
専業主婦の場合、収入が安定するまで賃貸契約が難しい場合もあるため、保証人の有無や入居条件を早めに確認しておくと安心です。
財産分与で自宅の譲渡を受ければ、住み慣れた環境で生活を続けることができます。また、実家に一時的に戻ることや、公営住宅、母子生活支援施設などの公的支援制度を利用する方法も有効です。
④夫の収入・財産を把握する
離婚に向けた準備段階では、夫の収入や財産をできる限り把握しておくことが大切です。婚姻費用や養育費は、基本的に「夫の直近の年収」を基に金額が算定されるため、源泉徴収票や給与明細、確定申告書などの写しを保管しておきましょう。
財産分与を求める場合は、預貯金や不動産、保険、株式など、夫名義の財産についても確認が必要です。
財産分与では、夫婦それぞれが保有している財産を合算したうえで分配が検討されるため、全体像を把握できるかどうかが話し合いの結果に影響します。収入や財産を事前に整理しておけば、離婚条件の交渉を有利に進められる可能性があります。
⑤離婚にかかる費用を算出する
離婚を進める前に、どの程度の費用がかかるのかを把握しておくと、気持ちにも余裕が生まれます。専業主婦は収入面への不安を感じやすいため、あらかじめ金銭的な見通しを立てておくことが大切です。
離婚の方法には、夫婦の話し合いのみで成立する「協議離婚」と、家庭裁判所の手続きを利用する「離婚調停」「離婚裁判」があります。
協議離婚は離婚届を提出すれば成立するため、手続き自体に費用はほとんどかかりません。ただし、離婚条件の取り決めを確実に残す目的で「公正証書」を作成する場合は、その作成費用が必要になります。
離婚調停や離婚裁判は、自分で手続きを行えば費用を抑えられますが、弁護士に依頼すると別途費用が発生します。どの方法を選ぶかで費用負担の大きさが変わるため、状況に応じた方法を見極めることが重要です。
⑥離婚を有利に進めるための証拠を集める
夫の浮気やDV、モラハラが離婚原因の場合、客観的な証拠を事前に集めておくことが欠かせません。証拠があれば慰謝料請求を検討できるほか、話し合いがまとまらなくても裁判で離婚が認められやすくなります。
慰謝料の金額は数十万~300万円程度が目安とされますが、行為の内容や期間により増減します。
【証拠の具体例】
- 不貞行為
- ラブホテルや不貞相手宅に出入りする写真・動画
- 肉体関係が推測されるメッセージのやり取り
- 探偵の調査報告書
- モラハラ・DV
- 暴言や暴行現場を記録した録音・録画データ
- 医師の診断書、通院記録
- 警察や相談窓口への相談履歴
- DVやモラハラを記録した日記やメモ
感情に任せて相手を問い詰める前に、事実を裏付ける資料を整理しておくと、冷静な交渉につながります。
モラハラ、DVの証拠について詳しくは、以下の各ページをご参考ください。
⑦子供の親権について考える
離婚届を提出する際、未成年の子供がいる場合は親権者を記入する必要があります。そのため、離婚前に誰が親権を担うか十分に話し合っておきましょう。
法改正により、離婚後も父母が共同で親権を持つ「共同親権」を選択できる制度が施行され、家庭の事情に応じた判断が可能となりました。一方、従来どおり単独親権を選ぶことも可能です。
親権の判断では、これまでの監護状況や子供の生活環境が重視されるため、専業主婦であっても親権が認められる可能性は高いです。幼い子供については主に世話をしてきた親が親権者となる傾向があり、15歳以上では子供の意思も考慮されます。
母親が有利とされる背景については、以下の各ページをご参考ください。
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⑧養育費・養育環境・親子交流(面会交流)などを検討する
離婚後も子供が安心して生活できるよう、養育費や親子交流(面会交流)、養育環境について事前に整理しておくことが大切です。
「養育費」とは、子供が自立するまでに必要な生活費や教育費のことで、子供と同居する親から同居しない親に請求することができます。金額は、父母それぞれの収入や子供の人数などを踏まえて検討されます。
「親子交流」は、離婚後に別居する親が子供と定期的に会い、交流するための取り決めです。子供の気持ちや生活リズムを優先し、無理のない頻度や方法を検討するのが重要になります。
また、子供を連れて引っ越す場合は、転園や転校先を早めに調べ、できるだけ環境の変化による負担を減らす配慮が必要です。
⑨シングルマザーの助成金・手当を調べる
離婚後の生活を支えるため、シングルマザーが利用できる支援制度を事前に確認しておくと安心です。主な手当や助成金には、次のようなものがあります。
- 児童扶養手当
- 児童育成手当
- 女性福祉資金の貸付
- ひとり親家庭等医療費助成制度
- ひとり親住宅手当
- 特別児童扶養手当
- 障害児福祉手当
- 寡婦控除
- ひとり親家庭自立支援教育訓練給付金
- 交通機関の運賃割引
- 各種減免制度
- 生活保護
どのような制度が受けられるかは自治体ごとに異なるため、事前に窓口で確認しておきましょう。
母子家庭の手当については、以下のページもご参考ください。
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メール相談予約受付専業主婦が離婚準備する際のポイント
離婚前に別居した場合は婚姻費用を請求できる
離婚後の生活に不安がある場合、すぐに離婚せず「別居」を検討する方法もあります。別居中であれば、離婚が成立するまで婚姻費用の分担を請求できる可能性が高いです。
「婚姻費用」とは、婚姻中の夫婦が、お互いの生活を維持するために必要な費用のことです。専業主婦や収入の少ない側は、収入の多い配偶者に対して生活費(婚姻費用)を請求できます。
具体的な金額は、夫婦それぞれの収入や子供の人数、年齢などを基に判断されます。そのため、夫の源泉徴収票や給与明細などの収入資料をあらかじめ確保しておくことが大切です。
専業主婦の婚姻費用について詳しくは、以下のページをご参考ください。
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専業主婦も夫の年金を受け取れる
離婚後の老後生活を考える際、年金分割の制度は重要なポイントです。
年金分割とは、婚姻期間中に夫が積み立てた厚生年金の記録を、離婚時に夫婦で分け合う制度です。専業主婦や収入の少ない方でも請求できるため、将来受け取る年金額を増やせる可能性があります。
老後の生活を支えるため、年金分割は見落とせない存在です。
手続きを行うには、離婚後に年金事務所で「情報提供請求」を行い、分割対象となる年金記録を確認する必要があります。
年金分割の請求期限は、基本的に「離婚した日の翌日から5年以内(令和8年4月1日前に離婚等をした場合は2年以内)」です。そのため、離婚後は早めに対応することが大切です。
熟年離婚の場合は老後の資金も考えておく
熟年離婚を考える場合、離婚後の生活費だけでなく、老後の資金まで見据えた準備が欠かせません。
現役世代に比べて収入を増やす方法が限られるため、毎月どの程度の生活費が必要になるか、長期的なシミュレーションを行うことが大切です。
あわせて、財産分与や年金分割、退職金など、離婚時に受け取れる可能性のあるお金を整理しておく必要があります。特に退職金は高額になりやすいため、財産分与できれば老後の生活を支える重要な要素となります。
受け取れるお金を把握したうえで資金計画を立てると、離婚後の生活を現実的に考えやすくなるでしょう。
取り決めた離婚条件は離婚協議書にまとめる
財産分与や慰謝料、養育費などを話し合いで決めた場合、その内容を「離婚協議書」として書面に残しておくと安心です。口約束のままでは、認識の違いが生じ、後から「言った・言わない」のトラブルに発展しやすくなります。
「離婚協議書」とは、夫婦間で合意した離婚条件を文書として整理したものです。夫婦の話し合いで離婚を成立させる場合、合意内容を書面に残すことで離婚後のトラブル防止に役立ちます。
特に養育費は支払い期間が長くなるケースが多いため、支払額や期限を明確にしておくことが重要です。
さらに、金銭の支払いについて取り決める場合は、離婚協議書を「強制執行認諾文言付公正証書」として作成しておく方法がおすすめです。強制執行認諾文言があれば、相手が支払いを怠ったときも裁判を経ずに強制執行でき、未払い分を速やかに回収できる可能性があります。
離婚協議書について詳しくは、以下のページをご参考ください。
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専業主婦が離婚準備について弁護士に相談するメリット
離婚の準備段階から弁護士に相談しておくと、離婚をスムーズに進められる可能性があります。専業主婦の方が弁護士に相談する主なメリットは、以下のとおりです。
- 離婚までの流れを整理できる
別居や証拠収集、手続きの順序などを状況に応じて整理できます。 - 経済面の不安を軽減できる
財産分与や慰謝料、婚姻費用、養育費の算定方法を踏まえ、現実的な見通しを立てられます。 - 交渉による精神的負担を減らせる
相手との交渉を任せられるため、精神的負担が軽くなります。 - 親権取得に向けた助言が受けられる
専業主婦の方が親権を得るためのポイントや注意点を把握できます。
離婚問題を弁護士に依頼するメリットについて詳しくは、以下のページをご参考ください。
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専業主婦の離婚は準備段階から弁護士にご相談ください
専業主婦の方にとって、離婚は人生の大きな転機であり、事前準備の内容が離婚後の生活を左右するケースも少なくありません。収入の確保や住まい、子供の親権や養育費など、情報不足のまま進めてしまうと、「もっと早く知っていれば違う選択ができた」と後悔するおそれもあります。
弁護士法人ALGでは、専業主婦特有の立場や背景を踏まえ、経済面・子供・将来設計まで見据えたアドバイスを行っています。財産分与や慰謝料、婚姻費用、養育費といったお金の問題はもちろん、親権や面会交流など感情が絡みやすい問題についても、冷静に選択肢を整理することが可能です。
離婚準備について少しでも迷いや不安がある場合は、お早めに弁護士へご相談ください。
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

- 監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)











