共同親権になると児童扶養手当はどうなる?受給への影響を詳しく解説
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
2026年から共同親権が施行され、離婚後も父母双方が親権者となるケースがあります。
これにより、「共同親権になると、現在受給している児童扶養手当はどうなるのか」と不安を抱く方も少なくありません。
ただし、共同親権になっただけで受給資格を失うわけではなく、実際の養育状況などをもとに判断されます。
本記事では、共同親権と児童扶養手当の関係や受給要件、起こり得るトラブルなどについて詳しく解説します。
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共同親権になったことだけで、直ちに児童扶養手当(母子手当)が受給できなくなるわけではありません。
児童扶養手当は、父母の離婚などにより、ひとり親家庭で子供を養育する人を支援するものです。
共同親権とは、離婚後も父母双方が親権を持ち、子供に関する重要事項を共同で決める制度です。
児童扶養手当を受給できるかは、親権者かどうかではなく、ひとり親家庭に該当するか、子供と同居して主に養育しているかなどの要件で判断されます。
したがって、共同親権であっても、一定の要件を満たせば受給できる可能性があります。
共同親権でも児童扶養手当を受給できるケース
共同親権であっても、一定の要件を満たせば児童扶養手当を受給できる可能性があります。
ただし、子供の生活実態や養育状況によって判断されるため、具体的なケースごとに確認することが大切です。
- ① 子供と同居して主に養育している場合
- ② 父母が子供の養育を分担している場合
子供と同居して主に養育している場合
子供と同居し、日常的に養育している場合は、児童扶養手当の受給対象となる可能性があります。
受給の可否は、父母双方が親権を持つかどうかだけでなく、子供の生活実態などを踏まえて判断されます。
具体的には、子供の居住場所、生活費の負担、学校生活や日常生活の世話を主に誰が担っているかなどです。
そのため、共同親権であっても受給できなくなるわけではなく、実際の監護・養育の状況に基づいて、個別に認定が行われます。
父母が子供の養育を分担している場合
共同親権のもとで、子供が父母双方の家を行き来する場合は、受給要件を個別に確認する必要があります。
どちらが実際に子供を主として監護・養育しているかなど、生活実態を踏まえて自治体が判断するため、一律の基準はありません。
判断に迷う場合は、事前に市区町村の担当窓口へ相談するとよいでしょう。
共同親権になると児童扶養手当の受給額は変わる?
共同親権になったことだけを理由に、児童扶養手当の受給額が変わるわけではありません。
児童扶養手当の受給額は、受給者本人の所得状況や扶養している家族の人数、子供の人数など、法律で定められた基準に基づいて決定されます。
そのため、共同親権の有無だけで判断されるものではなく、個々の家庭の状況や所得などを確認したうえで支給額が決まります。
元配偶者の所得は合算される?
共同親権であっても、別居している元配偶者の所得が、児童扶養手当の算定に合算されるわけではありません。
児童扶養手当の所得制限は、基本的に受給者本人の所得をもとに判断されます。
ただし、受給者と同居している扶養義務者(祖父母など)がいる場合は、その方の所得も判定の対象となります。
扶養義務者の所得が一定額以上の場合、受給者本人の所得にかかわらず、児童扶養手当が全部支給停止となる場合があるため注意が必要です。
養育費を受け取ると受給額に影響する?
児童扶養手当では、受け取った養育費の8割相当額が所得として算定されます。
そのため、養育費の受給額によっては、児童扶養手当の受給額が減額されたり、所得制限により受給対象外となったりする可能性があるため注意が必要です。
共同親権だから児童扶養手当が減るのではなく、受給者本人の所得や養育費、扶養義務者の所得などを総合的に判断して支給額が決定されます。
詳しくは、養育費の取り扱いについて解説した関連記事も参考にしてください。
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共同親権の児童扶養手当を巡るトラブルと対処法
共同親権では、児童扶養手当の制度を誤解していたり、離婚時の取り決めが不十分だったりすると、トラブルにつながることがあります。
主なトラブルとしては、次のようなものが挙げられます。
- ① 受給者をどちらにするか揉める
- ② 養育費の減額を求められる
受給者をどちらにするか揉める
共同親権で、週替わりに子供を監護している場合など、児童扶養手当の受給者をどちらにするか揉めるケースがあります。
受給者の判断は、親権の有無だけではなく、子供の生活状況や監護の実態などをもとに確認されます。
相手との話し合いだけで判断せず、まずはお住まいの市区町村の担当窓口に相談し、現在の状況を伝えたうえで確認することが大切です。
当事者同士での解決が難しい場合は、弁護士などの専門家に相談することも有効な方法です。
養育費の減額を求められる
共同親権になると、「児童扶養手当を受給しているなら養育費を減額してほしい」と元配偶者から求められるケースがあります。
しかし、児童扶養手当を受給していることだけを理由に、養育費が減額されるわけではありません。
また、共同親権を選択した場合でも、親には子供を扶養する義務があるため、養育費の支払い義務がなくなることもありません。
養育費の減額を求められて対応に悩んだ場合は、離婚問題に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。
養育費の減額の拒否については、以下のページで詳しく解説しています。
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共同親権と児童扶養手当に関するQ&A
- Q:
共同親権になると児童扶養手当の受給者が変更されてしまいますか?
- A:
共同親権になっても、児童扶養手当の受給者が自動的に変わることはありません。
受給者は、親権者であるかどうかではなく、子供と同居し主に養育しているかなどの受給要件によって判断されます。
そのため、共同親権であっても、生活実態に変更がなければ受給者が変わらないケースもあります。一方、子供の生活場所や養育の中心となる人が変わった場合は、受給要件の確認が必要となるため、市区町村の窓口へ相談しましょう。
- Q:
共同親権になると児童扶養手当の受給額は減額されますか?
- A:
共同親権を選択したことだけを理由に、児童扶養手当の受給額が減額されることはありません。
ただし、受給額は受給者本人の所得や扶養親族の人数、受け取った養育費などを考慮して決定されます。
そのため、共同親権ではなく、所得や養育費などの状況が変わった場合は、受給額が変動する可能性があります。
- Q:
児童扶養手当を受給している場合、共同親権を選択しない方がよいですか?
- A:
児童扶養手当を受給していることだけを理由に、共同親権を避ける必要があるとはいえません。
共同親権であっても、受給要件を満たしていれば児童扶養手当を受給できる可能性があります。
共同親権を選択するかどうかは、手当の受給だけで判断するのではなく、子供の利益や離婚後の親子関係、父母の協力体制などを踏まえて、慎重に検討することが大切です。
共同親権による児童扶養手当への影響に不安を感じている方は弁護士までご相談ください
共同親権の導入により、児童扶養手当を受給できるか、受給者は誰になるのか、養育費への影響はあるのかなど、不安や疑問を抱える方も少なくありません。
制度を正しく理解しないまま話し合いを進めると、離婚後のトラブルにつながるおそれがあります。
弁護士法人ALGでは、共同親権や児童扶養手当、養育費など、離婚に関する幅広いご相談に対応しています。
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