親権争いに母親が負けることはあるのか?

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

親権は、ほとんど母親が獲得するのが実情です。令和元年度の司法統計によると、調停や審判の手続きで離婚して親権者を決めたご夫婦のうち、9割以上が親権者を母親としています。しかし、母親でも親権争いに負ける場合はあります。

それでは、母親が親権争いに負ける場合とは具体的にどのようなケースなのでしょうか?そもそもなぜ母親が親権獲得に有利とされているのか、母親が親権を獲得するためのポイントなども含め、本ページでは《母親の親権》について詳しく解説していきます。

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

離婚問題ご相談予約受付来所相談30分無料

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

お電話でのご相談受付

0120-979-039

24時間予約受付・年中無休・通話無料

メールでのご相談受付

メールで相談する

母親が親権争いに負ける場合

離婚の際に親権を決める流れ

親権の獲得には、母親が有利になることが多いです。しかし、最近では父親が育児に積極的であるご家庭も珍しくなく、母親が親権争いに負け、父親が親権を獲得することもあります。次項目より、母親が親権争いに負ける可能性があるケースをご紹介します。

なお、親権者をどちらにするか、夫婦間での話し合いや家庭裁判所の調停委員を通した話し合い(「離婚調停」)でも決められないときは、最終的に「離婚裁判」を行い、裁判所に判断を下されることになります。

子供を虐待している

母親が子供を虐待していると認定できる場合、裁判所は母親が親権者になることをほぼ認めません。

“虐待”と一口に言っても、いくつかの種類があり、テレビ番組などでよく耳にする「ネグレクト」も虐待の一種です。ネグレクトとは、子供の世話を怠り、育児放棄することをいいます。虐待の種類は、ネグレクトも含めて以下の4つです。

身体的虐待 殴る、蹴る、激しく揺さぶる、家の外に追い出す など
精神的虐待 言葉による脅し、無視、ほかの兄弟姉妹と差別して扱う、子供の前で配偶者に暴力を振るう など
性的虐待 子供への性的行為、性器や性行為を見せる、性的な動画や写真を見せる、子供をポルノグラフィの被写体にする など
ネグレクト(育児放棄) 食事を与えない、重い病気になっても病院に連れて行かない、ひどく不潔なままにする、家や自動車内に放置する など

子供を置いて別居や家出

母親が子供を置いて別居や家出をしたケースでは、親権獲得は難しくなることが予想されます。子供の世話を父親に任せたと見られるおそれがあるからです。
また、裁判では、子供の面倒を見てきた時間も重要なポイントになりますので、子供を置いて別居や家出を行った期間が長くなればなるほど、親権争いでは苦しい状況になる可能性が高まるでしょう。

精神疾患などで育児ができない

母親が精神疾患などにかかっており、育児ができない場合には、親権を得ることは難しくなります。
ただし、精神疾患にかかっていたら絶対に親権獲得できないというわけではありません。親権争いに負ける可能性が考えられるのは、精神疾患により、子供を十分に育てることができないほど健康状態が悪いと判断された場合などです。

育児を父親が行っている

育児は夫婦で助け合って行っていくものであり、裁判所が親権を判断するときには、これまでの子育ての状況も重視されます。そのため、母親が父親を頼りきりで、育児をすべて父親が行っている場合には、母親は親権争いで不利になる可能性があります。

子供が父親と暮らすことを望んでいる

子供が15歳以上のケースでは、裁判所は子供の意思を尊重します。また、10歳前後の子供の意見も尊重されることが多いです。
そのため、「転校したくない」「いつも遊んでくれるお父さんと一緒にいたい」といった理由から、子供本人が父親と暮らしたがっている場合、年齢によっては子供の意思が尊重され、母親が親権争いに負けることがあります。

なぜ母親が親権獲得に有利とされているのか

母親が親権を得る

母親が親権獲得に有利とされている背景の一つに、「母性優先の原則」があります。母性優先の原則とは、特に子供が幼い場合は、子供は母親のもとで暮らすのが望ましいという考え方のことです。”子供が幼い“というのは、一般的に乳幼児の時期(0歳~6歳)を指します。

母親が親権を得るためのポイント

母親は親権を得やすいという統計データがありますが、より親権獲得の可能性を高めるためには、次のようなポイントを押さえておくことが大切です。

これまでの養育実績、今後の養育環境

これまでの養育実績が父親よりも豊富であることは、親権獲得に有利に働きます。養育実績とは、これまでどのくらい子育てに関わってきたか?ということです。例えば、「食事を作る」「学校行事に参加する」「お風呂に入れる」「塾の送迎をする」などが、養育実績が豊富であることをアピールするためには重要になってきます。

また、今後の養育環境が整っているかどうかも、親権の判断では重視されます。両親に協力してもらえる状況にあること等を伝え、離婚後、子育てする環境には何の問題もないと主張していきましょう。

兄弟姉妹が離れることなく一緒に住むことができるのか

裁判所は、基本的に兄弟姉妹は一緒に育った方が良い、つまり兄弟姉妹の親権者は同じにすべきと考えています。この考え方を「兄弟(姉妹)不分離の原則」といい、特に子供が幼いときには重視される傾向にあります。

そのため、母親が親権を獲得するためには、兄弟姉妹が離れずに一緒に住むことができるか?という点もポイントになってきます。

子供を養う経済力や時間があるのか

子供を養う経済力は、裁判所が親権を判断する際の基準の一つになります。具体的には、学費や生活費など、子供を育てていくうえで必要になる費用を賄うだけの収入源があるのか?ということです。
働いて得た収入だけではなく、相手から支払われる養育費や親族からの援助なども収入源になります。そのため、専業主婦で収入がなかったとしても、親権を獲得できる可能性はあります。

また、子供を養う時間も裁判所は重視します。親権獲得に向けては、離婚後も子供と過ごす時間を確保できるとアピールすることが重要です。

子供が母親を親権者とすることを望んでいるのか

法律上、審判や裁判の手続きで親権者を決めるとき、子供が15歳以上の場合には、裁判所は子供の意見を聞き取らなければならないとされています。そのため、15歳以上の子供の意思は尊重されます。また、実務上、10歳前後の場合でも子供の意思が尊重されることが多いようです。

したがって、ある程度の年齢になった子供が、「お母さんと一緒に暮らしたい」と望んでいる場合には、母親が親権を獲得できる可能性があります。

なお、子供が乳幼児の場合、子供が自らの意思で判断することは難しいですし、母性優先の原則が働きやすくなるので、母親が親権者として認められるケースが多いです。

面会交流を行うことができるのか

仮に自身が親権者になった場合、相手が面会交流を行えるようにするかどうかも、親権獲得に向けて重要なポイントの一つになります。
面会交流とは、離れて暮らす親子が交流を図る制度で、子供が父親と母親の両方からの愛情を感じられるようにと、子供のために行うものです。面会交流に対して広い心を持てている方が、親権者としてふさわしいと判断されやすくなります。

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

離婚問題ご相談予約受付来所相談30分無料

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

お電話でのご相談受付

0120-979-039

24時間予約受付・年中無休・通話無料

メールでのご相談受付

メールで相談する

離婚時に無職でも母親が親権を獲得できるのか?

養育費

離婚時に無職でも、母親が親権を獲得できる場合はあります。裁判所が親権を判断するとき、重視するのは経済力だけではないからです。
子供への愛情やこれまでの養育実績、離婚後の子育ての環境など、様々な事情を総合的に見て、どちらのもとで育った方が「子供の幸せ」に繋がるかを考え、親権者を決めます。
自分の希望ばかりではなく、子供にとって何が幸せかを見つめ直し、そのうえで自分の方が親権者としてふさわしいとアピールしていきましょう。

また、親権を獲得すると、子供と離れて暮らすことになった相手に対し、子育てに必要な費用として「養育費」を請求できます。
さらに、婚姻中に夫婦で協力して築き上げた財産は、離婚する際に「財産分与」をして、夫婦間で分け合うことが可能です。こうした養育費や財産分与で受け取るお金などにより、経済力で不足する分はある程度カバーできます。

妊娠中に離婚した場合の親権や養育費について

妊娠中に離婚した場合、生まれてきた子供の親権は基本的に母親が持ちます。また、妊娠中に離婚したとしても、離婚成立後300日以内に子供が生まれたのであれば、父親に養育費を請求できます。
対して、離婚成立後300日より後に子供が生まれた場合、父親に養育費を請求するには認知してもらわなければなりません。

妊娠中に離婚することになったときも、養育費や面会交流など、子供に関わる内容についてはきちんと決めましょう。

妊娠中の離婚について、詳しくは下記のページをご覧ください。

母親の親権に関するQ&A

Q:

親権を母親が獲得した場合、戸籍は父親のままになりますか?

Q:

不倫をしていた母親は親権を得られないのでしょうか?

A:

基本的に離婚原因と親権は別問題として扱われるため、不倫をしていたからといって、親権を得られなくなるわけではありません。裁判所が最も重要視するのは、「子供の幸せ」です。
不倫をしていた母親でも、今までの養育実績や経済力、子供の意思など、様々な事情から親権者としてふさわしいと判断されれば、親権を得られる可能性があります。

Q:

母親に借金がある場合は親権獲得に影響がありますか?

A:

母親に借金があっても、今まで献身的に子供の面倒を見てきた、離婚後子育てする環境が整っている等の事情があれば、母親が親権を獲得できる可能性はあります。というのも、裁判所は経済的な事情だけで親権者を決めるのではなく、そのほかの事情も踏まえて、どちらのもとで育った方が子供にとって幸せかを判断するからです。

ただし、浪費グセがある、ギャンブルに依存している等の場合には、親権獲得に不利に働くおそれがあります。

Q:

母親が親権を獲得する割合はどのくらいですか?

A:

裁判所の調停や審判の手続きを通して親権者を決めたケースでは、母親が親権を獲得する割合は全体の9割以上となっています(※令和元年度の司法統計より)。

このように、母親が圧倒的に有利な状況になっている要因の一つには、古くからある「母性優先の原則」という考え方が挙げられます。母性優先の原則とは、特に子供が幼い場合には、母親の存在が不可欠であるという考え方のことです。そのため、子供が幼ければ幼いほど、母親が親権を獲得しやすい傾向にあります。

母親の親権獲得について弁護士が親身にアドバイスをさせていただきます

離婚・親権問題を抱えている方々が置かれている状況は、人それぞれ違います。専業主婦で働いておらず、経済力に不安がある、妊娠中で日に日に大きくなっていくお腹の子の将来が心配であるなど、母親ならではのお悩みをお持ちの方もいるでしょう。

母親の親権獲得についてお悩みのときは、弁護士を頼ってみるという方法もあります。なかでも、数々の離婚・親権問題を解決してきた経験豊富な弁護士なら、安心して任せられるでしょう。培った経験と知識を活かし、お一人おひとりのご状況に最適な解決が得られるように尽力いたします。まずはお気軽にご相談ください。

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

離婚問題ご相談予約受付来所相談30分無料

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

お電話でのご相談受付

0120-979-039

24時間予約受付・年中無休・通話無料

メールでのご相談受付

メールで相談する
弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修:谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員 弁護士
保有資格弁護士(愛知県弁護士会所属・登録番号:41560)

弁護士法人ALG&Associates 事務所情報

お近くの事務所にご来所いただいての法律相談は30分無料です。お気軽にお問い合せください。

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。

関連記事