うつ病で別居したい……間違った方法で別居しないためには

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

最愛の配偶者やご自身が、「うつ病」という、対人関係や社会生活に大きな影響を及ぼす病気になってしまったとしたら、満足なコミュニケーションをとることができなくなり、夫婦の関係にひびが入ってしまうおそれがあります。

もしかしたら、うつ病のために精神的な余裕がなくなった配偶者の言動によって、深く傷つくことがあるかもしれませんし、逆にご自身がうつ病である場合、配偶者の何気ない言動によって、繊細になった心が堪え難いほどに傷つけられてしまうこともあるかもしれません。

ギクシャクとした関係のまま同居を続けても、互いにフラストレーションが溜まるだけです。そこで、感情が爆発してしまう前に、一度、離婚を前提とした別居をしてみるのも良いのではないでしょうか。

本記事では、夫婦の一方がうつ病になった場合に別居することの可否等、別居する際に必要となる知識について解説します。

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うつ病とは

うつ病とは、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることが原因で発症する、気分の落ち込みや物事に対する興味・関心の低下といった精神的な症状と、不眠や食欲不振等の身体的な症状を主な特徴とする病気です。主にストレスや生来の性格等が相互に作用して発症するといわれており、2週間以上症状が継続することが診断基準のひとつとなっています。

うつ病の治療方針は、リラックスできる環境下で休養をとることを第一に、症状に応じて薬物療法や心理療法を行うというものです。早い人は治療を始めて3ヶ月程度で回復することもありますが、再発を防ぐために、症状が落ち着いてからも半年~1年ほどは薬物療法を続けなければなりません。

配偶者がうつ病になったらまずは治療の努力を

夫婦には、法律上、互いに助け合いながら婚姻生活を継続する義務があるため、うつ病になった配偶者を手助けし、婚姻生活を維持していくことが求められます。したがって、この夫婦の義務を果たすことなく、うつ病になった配偶者を置いて離婚することは容易ではありません。

配偶者がうつ病になってしまったら、ストレスの要因をできる限り取り除き、治療に専念できる環境を用意する等、配偶者に対して誠実に対応しましょう。

話し合いができない場合は別居という方法も

うつ病の配偶者の病状等を考えると、離婚についてなかなか切り出しにくいかもしれません。また、ご自身がうつ病である場合、冷静に話し合えない状態であることもあるでしょう。

そのようなときは、別居することをご検討ください。精神的に不安定な配偶者と離れれば、同居時に感じていた大きなストレスから解放されますし、看病のために割いていた時間分、仕事や趣味に没頭することができます。また、配偶者の言動に抑圧されてうつ病になっていた場合等には、回復のきっかけになるでしょう。

離婚と別居の関係や、うつ病を理由とする離婚の成否等について解説した記事を以下に挙げましたので、併せてご覧ください。

別居期間が長いと離婚しやすい

日本では、夫婦の合意がある場合を除き、法定離婚事由がある場合に限って離婚が認められます。したがって、この法定離婚事由のひとつである、「婚姻を継続し難い重大な事由があること」という事情があれば、婚姻関係が破綻していると判断され、離婚が認められると考えられます。

この点、別居しているという事実は、婚姻関係が破綻しているか否かを判断する際の材料のひとつになり得ます。そして、別居期間が長引き、夫婦が没交渉である期間が長くなるほど、関係性が改善される見込みがなく、婚姻関係が破綻していると判断される可能性が高くなることになります。

別居したら離婚調停を利用する

離婚協議で話がまとまらなかった場合には、離婚調停を申し立てることができます。調停では、調停委員を介して協議を進めることになるため、原則として、夫婦が顔を合わせる機会はありません。そのため、夫婦二人だけで行う離婚協議より冷静に話し合うことが可能ですし、第三者的視点が加わることで、よりスムーズに話し合いを進めることができるようになる可能性が高いといえます。

なお、うつ病の配偶者の病状が重く、離婚するかどうかの意思決定ができない場合には、いかなる離婚手続きも進められません。そのような場合は、代理人となる成年後見人の選任を申し立て、成年後見人を相手に手続きを進めていくことになります。

離婚調停について、詳しくは下記の各記事をご覧ください。

さらに詳しく
離婚調停の流れ

うつ病を理由とする別居・離婚は一人で悩まず弁護士にご相談ください

たとえ生涯をともにしようと誓った相手であっても、うつ病という大変な病にかかってしまい、回復の目途が立たなくなってしまったときには、気持ちが揺らいでしまっても無理はないかもしれません。看病をしているご自身まで体調を崩し、共倒れになってしまっては元も子もありませんから、あまりに負担が大きい場合には別居することを検討しても良いのではないでしょうか。

迷うお気持ちがあるのであれば、お気軽に弁護士にご相談ください。別居すべきかどうか、また、そもそも別居できるのかといったお悩みをはじめ、離婚に関する様々なお悩みを解消するお手伝いをいたします。

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別居で自分が不利にならないためには……

離婚したいけれども配偶者が同意しない場合、別居することで、離婚が認められる可能性が高くなります。もっとも、むやみに別居することはお勧めできません。場合によっては、不利な立場になってしまうおそれがあるからです。

離婚において不利な立場にならないように別居するためには、次項から説明するポイントに気をつける必要があります。

別居する際にはできるだけ「配偶者の同意」を得ておきましょう

別居により困窮する等、配偶者の生活に支障が出た場合、「悪意の遺棄」があったとして、慰謝料等の請求根拠になってしまうおそれがないわけではありません。配偶者と穏便に交流できる場合には、別居に際し、できるだけ「配偶者の同意」を得るようにしましょう。

もっとも、配偶者から別居の同意が得られるかどうかは当事者の状況にもよるので、心配な場合は弁護士にご相談ください。

別居中の生活費である「婚姻費用」の請求

配偶者の収入が家計の大部分を占めている場合、別居すると生活が立ち行かなくなってしまうのではないかと不安に思われる方もいるかと思います。しかし、夫婦には生活保持義務があるため、別居中も「婚姻費用」として配偶者から生活費を受け取ることができます。

もっとも、ご自身の収入の方が多い場合には、婚姻費用を支払うことになる可能性が高いので、注意が必要です。詳しくは下記の記事をご覧ください。

親権

親権者の選任にあたっては、夫婦のどちらが親権を持った方が「子供の福祉」を図れるかという点が重視されます。この点、子供を無理に新しい環境に馴染ませるよりも、離婚前からの環境を維持する方が、子供の福祉の観点からは評価されます。

子供の福祉等、親権についての詳細を知りたい方は下記の記事をご覧ください。

財産分与

夫婦の一方がうつ病であることが原因で離婚を切り出す側は、離婚後うつ病の配偶者が生活に困窮しないよう、生活を保障しなければなりません。具体的には、離婚後も経済的に援助することを約束する、配偶者の障害者認定申請に協力し、離婚後の生活費を公費で賄えるように手助けするといった方法が考えられます。また、離婚時に行われる財産分与では、原則として共有財産を2分の1ずつ分けますが、分与する割合を2分の1より大きくする等、うつ病の配偶者に対して配慮が求められることもあります。

財産分与について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

慰謝料・養育費

一方の配偶者がしたDVやモラハラ、不貞行為等によって、他方がうつ病になった場合、うつ病になった配偶者は一方の配偶者に対して慰謝料を請求することができます。その際には、一方の配偶者から受けたDVやモラハラ、または一方の配偶者がした不貞行為等の事実の証明に加え、うつ病発症との因果関係を証明する必要があります。

下記の記事は不貞慰謝料の請求方法について触れていますので、よろしければ参考にしてください。

養育費は、子供を育てていない親が支払う義務を負う、子供の監護養育のために必要な費用をいいます。たとえうつ病である配偶者が養育費の支払義務を負う側だとしても、当然に支払いが免除される、または金額が減額されることはありません。

もっとも、養育費は両親の収入等を基礎に算定されるため、うつ病になったために休職していたり、時短勤務になっていたりして収入が不安定であれば、養育費の金額には影響があるでしょう。

養育費について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

さらに詳しく
子供の養育費と相場

DV、モラハラ、子供に対する虐待がある場合は証拠を集めておく

配偶者からDVやモラハラをされていたり、配偶者が子供に対して虐待をしたりしていた場合には、自身や子供の身に危険が迫っているため、別居を選択せざるを得ない場合もあるでしょう。これらの証拠は、別居すると手に入れることが難しくなってしまうため、後日裁判等で争う場合に備えて、できれば別居前から証拠を集めておくことをお勧めします。詳しくは下記の記事をご覧ください。

子供への影響

子供は、大人が思う以上に周りの状況を理解して気遣っており、うつ病になった親の変化も敏感に察します。子供を心配させまいと、親がうつ病になったことを隠すご家庭もありますが、逆に「お父さん(お母さん)が変わったのは自分のせいかもしれない」と自分を責めてしまうこともあるので、注意が必要です。また、家庭内で落ち着けず、精神的に不安定になって体調を崩してしまったり、人や物に苛立ちをぶつけるようになったり、成績が下がったりする場合もあります。親の不調が子供に与える影響は、決して小さくありません。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

経験豊富な弁護士が、アドバイスをさせていただきます

親が子供に与える影響は決して小さくはありませんから、うつ病の父母との同居は、子供にとって最良の養育環境ということはできないでしょう。子供のためを思うのであれば、別居することを選択肢に入れた方が良い場合もあるかもしれません。

お子様にとって最良の選択肢についてお悩みの方は、ぜひ弁護士にご相談ください。お子様の性格や年齢に応じて、最良とされる選択肢は異なります。様々な離婚問題を解決してきた弁護士であれば、豊富な経験に照らしてアドバイスをすることができますので、ぜひ相談することをご検討ください。

うつ病と別居に関するQ&A

Q:

配偶者がうつ病の治療費がかかることを理由に別居中の婚姻費用を支払ってくれません。諦めるしかないのでしょうか?

A:

相手方に収入があり、ご質問者様に収入がないのならば、原則として婚姻費用を請求できます。このような場合に、相手方が自身の治療費を理由に婚姻費用の支払いを拒むことは通常できません。ただし、任意に支払ってくれない場合もあるので、婚姻費用を請求する調停の申立て等、裁判所等での手続きが必要になることもあります。

詳しい対応については、弁護士にご相談ください。

Q:

夫のDVが原因でうつ病になりました。避難のために別居しようと思います。生活費を請求できるでしょうか?

A:

原則として請求できます。具体的な方法としては、別居して安全を確保した後、婚姻費用として夫に請求することが挙げられるでしょう。

ただし、避難が必要なほどのDVである場合、夫にご質問者様の居場所を知られないように注意する必要があります。

Q:

うつ病の夫と別居したいのですが拒否されています。勝手に出ていくとこちらが不利になってしまうのでしょうか?

A:

夫の状態やご相談者様の状況等により回答が変わってきます。

夫のうつ病が軽い症状で、別居しても生活に問題がなく、ご相談者様ご自身に不貞等の問題がないのであれば、別居することに問題はないと思われます。逆に、夫の病状が重く、ご相談者様の介護等がなければ生活できない場合、「悪意の遺棄」と認定されてしまうおそれがあるかもしれません。

簡単に当否を判断できる問題ではないので、弁護士にご相談いただいた方が良いでしょう。

一人で抱え込まず一度、弁護士にご相談ください

最愛の配偶者様がうつ病になってしまったご心痛、お察しします。また、仕事や家事のご負担も増え、生活習慣も変わってしまうでしょうから、ご心労も大変なものだと思います。懸命に看病しても病状に改善が見られず、夫婦の明るい未来を描くことが難しくなってしまった場合には、ご自身までもが調子を崩してしまう前に、一度距離を置いた方が良いかもしれません。

うつ病の配偶者様と距離を置くと、悪意の遺棄とみなされてしまうのではないか、薄情だと思われたりはしないだろうかと不安に思う方もいらっしゃるでしょう。そのようなご不安のある方は、ぜひお気軽に弁護士にご相談ください。

弁護士に相談すると、強引に離婚を勧められてしまうのではないかと身構える方もいらっしゃいますが、弁護士は、ご相談者様の状況をお聞きし最善と思われる道をご提案させていただいても、無理に決断を迫ることはしません。お一人で悩みを抱え込まず、ご相談者様の最大の味方となる存在である弁護士への相談を、ぜひご検討ください。

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