養育費が支払われない場合の対処法は?6つの方法や注意点など
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
取り決めたはずの養育費が、離婚後に支払われないケースは少なくありません。
養育費の支払いは法律上の義務なので、相手が養育費を支払わない場合は「直接連絡して請求する」「内容証明郵便で請求する」などの対応を取る必要があります。
本記事では、養育費が支払われない場合の6つの対処法や注意点などを詳しく解説していきます。相手から養育費を支払ってもらえずお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
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養育費が支払われない場合の6つの対処法
相手から養育費が支払われない場合の対処法は、次の6つです。
- ① 相手に連絡する
- ② 内容証明郵便で養育費を請求する
- ③ 養育費請求調停を申し立てる
- ④ 履行勧告を申し立てる
- ⑤ 履行命令を申し立てる
- ⑥ 強制執行を申し立てる
基本的には①から順に行い、相手がどう出るのかを見ます。相手の出方次第では、強制執行を申し立てて養育費を回収することになります。
6つの対処法をあらかじめ理解しておくと、スムーズに対応できるでしょう。
①相手に連絡する
養育費が支払われない場合、まずは相手に直接連絡して支払いを求めます。
連絡方法は、電話やメール、手紙などで問題ありません。直接連絡して支払いを催促した事実がわかれば、裁判などで有効な証拠となり得ます。電話で催促する場合は、録音などで相手とのやり取りを記録しておくとよいでしょう。
「相手の連絡先を知らない」「相手に連絡しても繋がらない」などの場合は、把握している相手の情報をもとに、別の手段でアプローチをかける必要があります。
②内容証明郵便で養育費を請求する
直接連絡しても相手が支払いに応じないときは、内容証明郵便で養育費を請求します。
内容証明郵便とは、郵便局が差出人や郵便の内容、差出日などを証明してくれるサービスです。
裁判などでも証拠として利用できるため、“正式な督促”とされており、こちらの本気度が伝わる手段といえます。
ただし、内容証明郵便には法的な強制力がないため、相手が無視すればそこまでです。支払うかどうかは相手に委ねられており、相手の住所がわからなければ内容証明郵便を送ることもできません。
③養育費請求調停を申し立てる
内容証明郵便を送っても相手が応じない場合は、養育費請求調停を申し立てましょう。
養育費請求調停とは、家庭裁判所を介して相手に養育費の支払いを求める手続きです。調停委員が双方から意見を聴き、調停案の提示などを行ってくれます。
当事者双方が合意できれば、「調停調書」が作成されて手続きは終了です。一方、双方が合意できなければ「調停不成立」となり、自動的に審判手続に移行します。
調停は、当事者が顔を合わさずに話し合いが進むため、円滑な解決を期待できるのがメリットです。
養育費請求調停については、以下のページもご覧ください。
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④履行勧告を申し立てる
調停や審判で決定したにもかかわらず、相手から養育費が支払われない場合は、家庭裁判所に対して履行勧告を申し立てます。
履行勧告とは、家庭裁判所の手続きで決定した取り決めを守らない者に対して、裁判所から義務を果たすよう促してもらえる制度です。主に電話や書面で相手に勧告するのが一般的です。
履行勧告の申立ては、費用をかけず手軽に行えるため、家庭裁判所を通して相手に支払いを促す“最初の手段”として有効です。
ただし、あくまで養育費の支払いを促すだけなので、強制力はありません。
⑤履行命令を申し立てる
履行勧告をしても相手が養育費の支払いに応じない場合は、家庭裁判所に対して履行命令を申し立てます。
履行命令とは、家庭裁判所の手続きで決定した取り決めを守らない者に対して、裁判所から期限内に支払うよう命令してもらえる制度です。命令に従わない場合は10万円以下の過料に処される可能性があるため、履行勧告よりも厳しい制度といえます。
強制力はないものの、相手に重いプレッシャーを与えられるため、相手が履行勧告に応じない場合の“次の手段”として有効です。
⑥強制執行を申し立てる
相手が履行命令にも応じない場合は、強制執行を申し立てます。
強制執行とは、裁判などで確定した支払いを守らない債務者に対して、国が強制的に財産などを差し押さえてお金を回収する手続きです。
離婚協議書や口約束のみの場合、直ちに強制執行することはできません。
強制執行は強力な債権回収の手続きなので、申し立てる際は、相手の住所や差し押さえる財産を明確にしておく必要があります。
差し押さえ可能なのは「債権」「不動産」「動産」の3つで、生活に必要な衣類や寝具、家電などは差し押さえできません。ただし、テレビなどが複数台ある場合、2台目以降は差し押さえの対象となる可能性があります。
| 債権 |
|
|---|---|
| 不動産 |
|
| 動産 |
|
強制執行の流れや必要書類などは、以下のページをご覧ください。
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未払い養育費の対応を弁護士に相談するメリット
相手が養育費の支払いに応じない場合、弁護士に相談すると以下のようなメリットを得られます。
- 相手が養育費の支払いに応じる可能性が高まる
- 未払い養育費の請求や回収に最適な方法を提案、サポートしてもらえる
- 煩雑な手続きや相手との交渉を任せられるため、負担を大きく軽減できる
- 相手にプレッシャーを与えられる
- 未払い養育費以外の問題についても相談できる など
子育てをしながら養育費を請求するのは大きな負担となるため、弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士がいれば、相手との交渉などをすべて任せられるため、子育てや仕事に専念できます。「相手から養育費を回収できるだろうか」と不安な方も、弁護士に相談することで気持ちが楽になるでしょう。
弁護士の介入によって支払われなかった養育費を回収できた事例
弁護士の介入により、養育費を回収できた弁護士法人ALGの事例を1つご紹介します。
<事案の概要>
ご依頼者様は、協議離婚する際に養育費の取り決めを行い、公正証書に記録しました。しかし、相手が10年にもわたり養育費を支払わないため、未払い養育費の回収を希望して弁護士法人ALGに依頼されました。
<弁護士の対応>
本件は、未払い養育費の時効(5年)を超える10年前からの養育費を請求しなければならない点や、相手の勤務先や連絡先が不明といった懸念点がありました。時効が完成すると、5年分が回収できなくなるためです。
そこで、弁護士は相手の戸籍を取得し、時効の進行を止めるために内容証明郵便を利用しながら、強制執行の手続きを並行して進めました。
<結果>
内容証明郵便を受け取った相手から連絡が来たため、弁護士は子供の状況や強制執行の流れなどを説明しながら相手と交渉しました。その結果、時効で請求できなくなる部分も含めて約1500万円の未払い養育費を分割払いする内容で合意できました。
養育費が支払われない場合の注意点
相手から養育費が支払われない場合は、以下の点に注意する必要があります。
- 1. 未払い養育費の請求時効は5年または10年
- 2. 元配偶者の両親には請求できない
この注意点を念頭に置かないと、養育費の回収が円滑に進まないおそれがあります。手続きを始める前に、理解を深めておきましょう。
次項で2つの注意点を詳しく解説していきます。
未払い養育費の請求時効は5年または10年
未払い養育費を相手に請求できる時効は、支払われなくなった日から5年または10年と定められています。これらの期間を過ぎると、未払い養育費の請求権が失われるため、時効が完成する前に請求しなければなりません。
時効が完成する期間は、「養育費の取り決め方法」によって以下のとおり異なります。
- 話し合いで取り決めた場合 → 5年
- 調停や審判など裁判所の手続きで取り決めた場合 → 10年
時効の効力は、相手が時効の完成を主張したときに発生します(時効の援用)。時効の援用によって相手は支払いを免れるため、あらかじめ時効を中断・延長するための手続きをとることが重要です。
養育費の時効について、さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
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元配偶者の両親には請求できない
養育費の支払義務は「非監護親」が負うため、元配偶者の両親には請求できません。
支払いをお願いすること自体は可能ですが、法的な義務はないので、強制はできないのが基本です。
しかし、以下のような場合は、義両親に養育費を請求できる可能性があります。
- 義両親が養育費の連帯保証人となっている場合
養育費の取り決めで義両親が連帯保証人となっている場合は、元配偶者の代わりに義両親が養育費を支払わなければなりません。 - 義両親に経済的な余裕がある場合
民法上、親族間にも扶養義務があるため、義両親は自分の子や孫の生活が苦しい場合は扶養しなければなりません。そのため、最低限の生活を維持するための養育費は支払う必要があります。
法改正により未払い養育費を回収しやすくなった
以前は相手の財産を特定しづらいのが問題視されていましたが、2020年4月の民法改正により、未払い養育費を回収しやすくなりました。
具体的には、裁判所に対して「第三者からの情報取得手続」の申立てを行うことで、相手の財産を特定しやすくなりました。
第三者からの情報取得手続とは、裁判所を通して、銀行などの第三者から相手の勤務先や口座情報などを取得できる手続きです。相手が財産を隠していても、給与の支払元などを特定することで、養育費の回収が行いやすくなると期待できます。
未払い養育費の請求にあたって、相手の財産を特定できないときは、第三者からの情報取得手続の申立てを検討するとよいでしょう。
相手方から養育費が支払われない場合は弁護士にご相談ください
養育費が支払われないと、子供の生活に大きな支障をきたすおそれがあります。「いつか支払ってもらえるだろう」と我慢していると、時効が完成してしまい、相手に未払い養育費を請求できなくなる可能性もあります。
相手に直接連絡しようにも、子育てや仕事をしながらのやり取りは大きな負担となるでしょう。
弁護士であれば、相手との交渉や手続きを一任できるため、精神的負担を軽減させるだけでなく、適切かつ円滑に手続きを進めていけます。「無事に養育費を回収できるだろうか」と不安な中で、弁護士の存在はあなたにとって大きな支えになるでしょう。
相手から養育費が支払われずお困りの方は、お気軽に弁護士法人ALGにご相談ください。
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

- 監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)











