親子交流(面会交流)を父親が拒否する場合の対処法|父親が子供に会ってくれないとき
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
離婚により母親が親権者・監護者となった場合は、子供と離れて暮らす父親は子供と親子交流(面会交流)をすることができます。
しかし、なかには子供と会いたがらず、親子交流(面会交流)をしたがらないケースもあります。
父親はなぜ親子交流(面会交流)をしたがらないのでしょうか。
子供が健やかに成長してくためには、両親と交流を持ち、どちらからも愛されていると実感できることが望ましいでしょう。
この記事では、子供と親子交流(面会交流)をしたがらない父親に対し、親子交流(面会交流)をしてもらうことはできるのか、そもそも子供に会いたがらない理由とはどのようなものかについて解説していきます。
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親子交流(面会交流)を父親が拒否する・子供に会いたがらない場合
まれではありますが、子供に会いたがらず、親子交流(面会交流)に消極的な父親もいます。
しかし、親子交流(面会交流)を通して親子の時間を持つことで、子供は離れて暮らす父親にも愛されていると自覚ができ、自己肯定感を高められます。また、両親から愛されていると実感できるかどうかは、子供の健やかな成長に大きく関わります。
子供の精神的な成長のためには、できる限り両親がそろった状態で育てることが望ましいですが、夫婦は元々他人同士であるため、分かり合えない部分もあるでしょう。しかし、「夫婦」としては続けていくことができず離婚という選択をする場合でも、子供と親の関係はずっと続いていきます。
子供が身体的・精神的に健やかに成長するため、非監護親(子供と離れて暮らす親)に親子交流(面会交流)をしてもらうには、どうしたらいいのでしょうか。
次項から詳しく見ていきましょう。
親子交流(面会交流)については、以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
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父親(非監護親)が子供に会いたがらない理由とは?
父親(非監護親)が子供に会いたがらない理由には、以下のようなものが考えられます。
●子供と会わない方が子供のためだと思っている
例えば、養育費を支払っていない、同居中にモラハラやDVをしてしまったなどという理由から、良い父親として子供に会うことができないという負い目があり、子供に会いたがらない場合もあります。
●離婚した元妻と関わりたくない
親子交流(面会交流)の実施にあたっては、元夫婦間で面会場所や時間を調整するために連絡を取り合う必要がありますが、元夫婦間の確執が強い場合には、離婚した元妻とは一切連絡を取りたくない、関わりたくないと思っている場合もあります。
●再婚して再婚相手との子供ができた
新しく子供ができた場合は、再婚後の家庭や子供を大事にしている場合もあるでしょう。また、再婚相手から元妻との子供に会わないでほしいと言われている可能性も考えられます。
このような事情を抱えていたとしても、子供が父親に会いたいと言う場合は会わせた方が子供のためになることもあります。
では、子供に会わない父親に親子交流(面会交流)してもらうには、どうしたら良いでしょうか。
次項から詳しく解説していきます。
子供に会わない父親に親子交流(面会交流)してもらうには?
子供に会わない父親に、親子交流(面会交流)してもらうには以下の方法が挙げられます。
- ① まずは間接交流を提案してみる
- ② 話し合いで親子交流(面会交流)を求める
- ③ 親子交流調停(面会交流調停)を申し立てる
- ④ 調停不成立なら親子交流審判(面会交流審判)へ移行
これらは一体どのような方法なのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。
①まずは間接交流を提案してみる
親子交流(面会交流)の方法は、子供と父親が直接会って交流を持つことだけではありません。父親が親子交流(面会交流)に対し消極的である場合は、「間接交流」という方法を取ってみるのも良いでしょう。
間接交流では、親子が面会して交流する場合よりも、時間的・心理的拘束感が少なく、実施のハードルが低いため、面会に消極的な父親でも受け入れてくれる可能性が高まります。
間接交流には、以下のような方法があります。
【間接交流の例】
- 子供から手紙やメールを送る
- 母親から子供の写真や成長記録などを父親に送付する
- ZoomやSkypeなどのオンラインツールで交流を行う
このように間接的に親子交流(面会交流)を行うことで、父親も負担なく子供と交流することができるでしょう。間接交流を何度か繰り返し、慣れてきたら直接の親子交流(面会交流)を実施できるよう話し合うことも大切です。
②話し合いで親子交流(面会交流)を求める
父親と母親が親子交流(面会交流)の実施についてしっかりと話し合うことも大切です。
親子交流(面会交流)は、離れて暮らす父親が普段からいかに子供のことを大切に思っているのかということを伝えるための重要な機会です。そして子供は普段できない父親とのコミュニケーションを通じて、自分が父親からも愛されていること、父親に支えられていることを実感できます。
このように、親子交流(面会交流)がいかに子供の成長において重要であるかを父親にしっかりと伝えましょう。
また、「なぜ子供と会いたくないのか」理由を聞き取り、解決策を模索していくのも重要となります。
父親が親子交流(面会交流)に合意できたら、取り決めた内容を書面に残しておきましょう。これは、後から「言った・言わない」のトラブルを防ぐためです。
書類は公正証書に残しておく方法をおすすめします。公正証書は原本を公証役場が保管するため、改ざんや紛失のリスクがない点で安心できます。
③親子交流調停(面会交流調停)を申し立てる
親子交流(面会交流)について、当事者間の話し合いでまとまらない場合は、家庭裁判所に親子交流調停(面会交流調停)を申し立てることができます。この調停は、離婚前でも離婚した後でも申立てが可能です。
調停では、調停委員2名が当事者の間に入り、交互に調停委員と話し合いを進めます。直接元配偶者に会うことがないため、本音を話しやすく、話し合いがスムーズに進む可能性が高まります。
親子交流調停(面会交流調停)では、主に子供との関係、希望する親子交流(面会交流)の条件、親子交流(面会交流)で不安に思うことなどを聞かれます。
また、場合によっては家庭裁判所調査官が調査に入るケースもあります。
調停はあくまでも当事者間の話し合いです。そのためお互いが親子交流(面会交流)について合意できなければ、調停は不成立となります。
親子交流調停(面会交流調停)については、以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
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④調停不成立なら審判へ移行
調停はあくまでも話し合いであるため、合意に至らないこともあります。その場合、調停手続きは不成立となり、審判に移行します。
審判は、調停と異なり話し合いによる手続きではありません。審判では、当事者や関係者から提出された資料・書類や家庭裁判所調査官が行った調査の結果など、さまざまな資料に基づいて、裁判官が親子交流(面会交流)の可否について判断を下します。
ただし、父親が親子交流(面会交流)に消極的な場合は、審判で親子交流(面会交流)の実施を認める判断がされる可能性は低いです。なぜなら、父親が親子交流(面会交流)を望まない場合は、親子交流(面会交流)を無理に実施しても子供の利益、子供の健全な育成にいい影響を及ぼさない可能性が高いからです。
非監護親である父親に対して親子交流(面会交流)を求めた判例
【さいたま家庭裁判所 平成19年7月19日 判決】
(事案の概要)
離婚時に子供は2歳であり、母親が親権者(監護権者)となり、子供と一緒に暮らしていました。その後6年間非監護親である父親とは親子交流(面会交流)を行っていませんでしたが、子供が全く記憶にない父親に会いたがり、母親が父親に対し親子交流(面会交流)を求めました。
(裁判所の判断)
子供の父母を取り巻く様々な事情を考慮した結果、6年も子供に会っていないことから、すぐに直接親子交流(面会交流)をすることは、子の福祉に必ずしも合致するものではなく、消極的にならざるを得ない。将来的には、環境を整えて、直接面会の実施も考えられるが、当分の間は間接的に手紙のやり取りを通じて交流することが相当である。と判断されました。
離婚時に「親子交流(面会交流)をしない」という合意をしていた場合
離婚の際に、当事者間で親子交流(面会交流)を行わないと合意することは可能です。
しかし、親子交流(面会交流)では子供の健康や福祉が最も重視されます。そのため、当事者間で親子交流(面会交流)を行わない旨の合意がなされたとしても、子供が非監護親である父親との面会を希望した場合には、面会を拒否する正当な理由がない限り、監護親である母親または非監護親である父親が親子交流(面会交流)を拒否することはできません。話し合いで決着がつかない場合は、親子交流調停(面会交流調停)を申し立てると良いでしょう。
子供に会うことに消極的な父親(非監護親)に対して親子交流(面会交流)を実現できた事例
夫は、婚姻当初から依頼者を無視したり、暴力や暴言を吐いたりすることを繰り返していました。そのため、依頼者はうつになってしまいましたが、それでも夫は依頼者を追い詰めるような発言を繰り返し、最終的には、警察の介入をきっかけに別居しました。
夫が出て行ったことで依頼者のうつは急速に改善されました。ところが、父親がいなくなった子供たちが精神不安定となってしまったため、離婚のほか、離婚後の夫と子供たちの関係をどうしたら良いかと当事務所にご相談いただきました。
担当弁護士は、離婚調停を申し立て、その中で親子交流(面会交流)について調整していくようにしました。依頼者は子供たちの精神安定のために、積極的な親子交流(面会交流)を求めました。
しかし夫は、親子交流(面会交流)の約束をすっぽかしたり、大幅に遅刻したり子供たちとの親子交流(面会交流)に積極的とは言えませんでした。そのため、担当弁護士が調停期日において、問題点を話し合い、安定して親子交流(面会交流)が実施できるように互いの着地点を見出していきました。
その結果、夫には、月1回の親子交流(面会交流)をする方法によって父子関係を保っていくことを約束させました。
父親との親子交流(面会交流)に関するQ&A
- Q:
父親に対して子供との親子交流(面会交流)を、裁判所を通して義務付けることはできますか?
- A:
親子交流(面会交流)調停や審判で、親子交流(面会交流)を行うことや内容について合意した場合、合意内容を守らせるために、以下の方法があります。
●履行勧告
相手方が調停や審判で取り決めた内容を守らない場合に、取り決めをした家庭裁判所に履行勧告の申し出をし、家庭裁判所が相手方に取り決めを守るよう説得や勧告をする制度です。●間接強制
相手方が調停や審判で取り決めた通りに親子交流(面会交流)を行わない場合に、親子交流(面会交流)をしなければ、1回につき数万円の間接強制金を課すことを警告することによって相手方に心理的圧迫を加え、自発的な親子交流(面会交流)の実施を促す手続きです。間接強制をするには、調停や審判で親子交流(面会交流)の実施日時や方法について具体的な内容が決まっている必要があります。
- Q:
子供に会わない父親の代わりに、その親(子供の祖父母)が親子交流(面会交流)を希望しています。祖父母との親子交流(面会交流)を拒否できますか?
- A:
親子交流(面会交流)は離れて暮らす非監護親と子供が定期的に交流を持つことを指します。親子交流(面会交流)の主体はあくまでも「親」と「子供」であり、祖父母は含まれません。
そのため、祖父母と子供の親子交流(面会交流)は監護親の同意がない限り認められませんので、望まないのであれば、監護親は祖父母との親子交流(面会交流)を拒否することができます。後々のトラブルを避けるために、念のため、祖父母との親子交流(面会交流)は行わない旨を合意書や公正証書にまとめておくと安心でしょう。
祖父母との親子交流(面会交流)については、以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
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- Q:
父親だけでなく子供も会うことを拒否している場合は、無理に親子交流(面会交流)をしない方がいいですか?
- A:
父親だけでなく、子供も父親との親子交流(面会交流)を拒否している場合は、無理に会わせるべきではないでしょう。
確かに、親子交流(面会交流)は親子の交流の場です。親子交流(面会交流)をすることで、父親からも愛されていると認識でき、健やかな成長の促進につながるケースもあります。
しかし、子供が拒否している場合は、無理に親子交流(面会交流)をしても子供の福祉につながるとはいえません。
親子交流(面会交流)は子供の幸せを最優先に考えて決めるべきでしょう。もっとも、子供が乳幼児の場合は、嫌がっている理由をはっきりと表現することは難しく、監護親同席のうえ親子交流(面会交流)を実施した方が良い場合もあります。
一方、子供の年齢が10歳程度であれば子供の意思が重視される傾向にあります。10歳以上の年齢で親子交流(面会交流)を拒否する場合は、子供の気持ちを優先してあげましょう。
- Q:
非監護親である父親が親子交流(面会交流)をしてくれない場合、養育費はもらえないでしょうか?
- A:
親子交流(面会交流)と養育費は性質が異なるため、交換条件にはなりません。親子交流(面会交流)を行っていなくても、非監護親である父親に養育費を請求することは可能です。
離婚によって夫婦は他人同士に戻りますが、親子の縁は切れません。そのため、離婚後一緒に住まなくなっても、子供の扶養義務が発生します。よって、養育費の支払い義務があるのです。
親子交流(面会交流)をしていないことを理由に養育費の支払いを拒否された場合は、家庭裁判所に調停を申し立てましょう。
親子交流(面会交流)と養育費の関係については、以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
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離婚後の親子交流(面会交流)でお悩みなら専門家である弁護士にご相談下さい
親子交流(面会交流)は離れて暮らす親子が交流を持ち、子供が非監護親からも愛されている、大切にされていると実感できる重要な機会です。子供は両親のどちらからも愛されていると感じることで、自己肯定感を高められ、健やかな成長の促進につながります。そのため、親子交流(面会交流)は子供にとって必要だといえるでしょう。
しかし、親子交流(面会交流)に消極的な父親がいるのも事実です。父親に定期的な親子交流(面会交流)を持ってほしいと、お困りの方は私たち弁護士法人ALGにご相談ください。
弁護士であれば、あなたの代理人として相手方と親子交流(面会交流)を行うよう交渉していくことができます。
また、交渉で合意が取れない場合は、調停や審判の手続きとなりますが、弁護士がしっかりとサポートしていきます。
慣れない手続きでも、弁護士が近くにいれば安心して臨めるでしょう。
親子交流(面会交流)は子供のための権利でもあります。あきらめず、まずは私たちにご相談ください。
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

- 監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)











