家出した妻に離婚や慰謝料を請求できる?相場や婚姻費用を解説
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
妻が家出した場合、その行為が悪意の遺棄にあたれば、離婚や慰謝料を請求できる可能性があります。
ただし、家出したという事実だけで悪意の遺棄が認められるわけではありません。妻が家を出た理由や夫婦関係の状況、別居に至った経緯などを踏まえて判断されます。
この記事では、家出した妻に離婚や慰謝料を請求できるケースや慰謝料の相場、請求の進め方などについてわかりやすく解説します。
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います
離婚問題ご相談予約受付来所・オンライン法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。
※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。
お電話でのご相談受付
0120-979-164
24時間予約受付・年中無休・通話無料
メールでのご相談受付
メール相談予約受付家出した妻に離婚や慰謝料を請求できる?
話し合いや調停で双方が離婚に合意していれば、家出の理由を問わず離婚できます。また、妻が慰謝料の支払いに合意すれば、慰謝料を請求することも可能です。
一方、裁判で離婚を求める場合は、民法770条に定められた法定離婚事由が必要です。妻による一方的な家出は、法定離婚事由の一つである悪意の遺棄に該当する可能性があります。
悪意の遺棄とは、夫婦の一方が正当な理由なく同居義務や協力義務、扶助義務を放棄する行為のことです。
例えば、妻が正当な理由なく家を出て別居を続けたり、生活費の分担や連絡を一方的に拒否したりしている場合は、悪意の遺棄と認定される可能性が高いでしょう。
その場合、離婚原因として主張できるだけでなく、慰謝料を請求できるケースもあります。
悪意の遺棄になるケース
妻の家出が「悪意の遺棄」にあたる場合は、離婚や慰謝料を請求できる可能性があります。
もっとも、悪意の遺棄と認められるかどうかは、家出の理由や別居に至った経緯、夫婦関係の状況なども踏まえて判断されるのが一般的です。
悪意の遺棄に該当する可能性のあるケース
- 夫婦関係に大きな問題がなかったにもかかわらず、理由を告げずに家出した
- 「一人で暮らしたい」などの理由で、夫婦間の話し合いをせず一方的に別居を始めた
- 義父母との不和を理由に、夫と話し合いをせず実家に帰り、そのまま同居を拒否している
- 正当な理由なく長期間連絡を絶ち、夫婦関係の修復に応じない
悪意の遺棄にならないケース
妻が家出したからといって、必ずしも「悪意の遺棄」にあたるわけではありません。正当な理由がある別居であれば、離婚や慰謝料請求は認められない可能性があります。
悪意の遺棄に該当しない可能性が高いケース
このようなケースでは、妻が同居義務や扶助義務を一方的に放棄したとはいえないため、悪意の遺棄と認められないのが一般的です。
また、妻が家出する前から夫婦関係が悪化しており、すでに修復困難な状態にあった場合は、「家出した」という事実だけで慰謝料を請求するのは難しいでしょう。
妻の家出で請求できる慰謝料の相場はいくら?
妻の家出が「悪意の遺棄」と認められた場合、慰謝料の相場はおおむね数十万~300万円程度とされています。
一般的には、離婚に至らないケースでは50万~150万円程度、離婚に至ったケースでは200万~300万円程度が一つの目安です。
もっとも、実際の金額は別居期間の長さや婚姻期間、子供の有無、精神的苦痛の程度などを踏まえて総合的に判断されます。
離婚慰謝料の相場について、詳しくは以下のページをご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
相場より高額になるケースとは?
妻の家出による慰謝料額は、悪意の遺棄の内容や夫婦関係への影響などを踏まえて決まります。例えば次のような事情がある場合は、相場より高額になる可能性があります。
- 正当な理由なく長期間にわたって家出し、夫婦関係の修復を拒否している
- 連絡を絶つ、生活費の負担を拒むなど、悪意の遺棄の態様が悪質である
- 婚姻期間が長く、家出による精神的苦痛が大きい
- 未成年の子供がおり、妻の家出によって夫が一人で育児や家事を担う状況になった
- 家出が原因で夫婦関係が破綻し、最終的に離婚に至った
- 妻が家出だけでなく、不貞行為などの不法行為もしていた
もっとも、慰謝料額は個別の事情によって大きく異なるため、一概にいくらになるとはいえません。適正な金額を把握するためにも、弁護士へ相談し、見通しを確認することをおすすめします。
離婚慰謝料の増額事由について、詳しくは以下のページをご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
家出した妻に離婚や慰謝料請求する方法
家出した妻に離婚や慰謝料を請求する場合は、次の流れで進めるのが一般的です。
離婚慰謝料の請求方法や離婚の方法について、詳しくは以下の各ページをご覧ください。
家出した妻へ婚姻費用(生活費)を支払う必要はある?
妻が正当な理由なく家出し、一方的に別居を始めた場合は、婚姻費用の支払いが免除または減額される可能性があります。
婚姻費用とは、夫婦や子供が生活するために必要な費用全般のことで、食費や住居費、医療費、子供の養育費などが含まれます。
夫婦には扶助義務があるため、本来であれば、別居中であってもそれぞれの収入に応じて婚姻費用を分担しなければなりません。
しかし、正当な理由のない家出(悪意の遺棄)が行われた場合は、例外的に婚姻費用の支払いで考慮される可能性があります。
妻の家出と婚姻費用の関係について、詳しくは以下のページをご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
妻が子供を無断で連れ出した場合
妻が子供を無断で連れ出して別居を始めた場合、婚姻費用の支払いが問題となることがあります。
婚姻費用には子供の養育費も含まれるため、妻が子供を監護している場合は、婚姻費用の支払い義務が生じるのが基本です。
ただし、婚姻費用のうち、妻自身の生活費部分については減額または認められない可能性があります。
また、同居中は夫が主に子供を養育していたにもかかわらず、妻が無断で連れ出したような場合は「違法な連れ去り」と判断される場合があり、親権や監護権に影響することもあります。
時間が経つほど現在の監護状況が重視されるため、早い段階で子の引渡しや監護者指定の申立てを検討することが重要です。
子供の連れ去りについて、詳しくは以下のページをご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います
離婚問題ご相談予約受付来所・オンライン法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。
※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。
お電話でのご相談受付
0120-979-164
24時間予約受付・年中無休・通話無料
メールでのご相談受付
メール相談予約受付家出した妻に離婚・慰謝料請求する際の注意点
悪意の遺棄を証明する証拠が必要
家出した妻に離婚や慰謝料を請求する場合、妻による「悪意の遺棄」を裏付ける証拠の確保が重要です。客観的な証拠があれば、交渉や調停、裁判などを有利に進めやすくなります。
例えば、次のような資料が証拠となる可能性があります。
-
メールやLINEなどの記録
家出の経緯や別居の意思、一方的に家を出た事実がわかるもの -
手紙やメモ、SNSの投稿
別居理由や夫婦関係に関する妻の考えが確認できるもの -
住民票や賃貸借契約書
別居の事実や別居開始時期がわかるもの -
通話履歴や連絡記録
夫が関係修復を求めたにもかかわらず、妻が応じなかった状況を示すもの -
生活費に関する資料
妻が生活費の負担を拒否していた事実などがわかるもの
離婚における「有責配偶者」について、詳しくは以下のページをご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
妻の家出中に浮気(不倫)をしない
妻の家出中に浮気(不倫)するのは避けましょう。
妻が家出して別居中であっても、離婚が成立するまでは法律上の婚姻関係が続いています。そのため、別居中に妻以外の女性と不貞行為をすると、夫が新たな離婚原因を作ったと判断される可能性があります。
結果的に妻への慰謝料請求が難しくなったり、反対に妻から慰謝料を請求されたりするおそれがあるため注意が必要です。
妻の家出に問題があったとしても、離婚が成立するまでは他の人との交際は避け、不必要なトラブルを招かないようにしましょう。
子供がいる場合は養育を怠らない
妻が家出し、子供が夫のもとで生活している場合は、これまでどおり養育を続けることが重要です。食事や教育、通院などの日常的な世話を適切に行い、その状況を記録に残しておくとよいでしょう。
一方で、虐待やネグレクトが認められると、離婚後の親権を決める際に不利な事情として考慮されるおそれがあります。
親権の判断では「子供の利益」が重視されるため、別居中であっても、子供が安心して生活できる環境を維持するよう心掛けましょう。
家出した妻との離婚・慰謝料請求に関するQ&A
- Q:
妻が子供を置いて家出した場合、離婚や慰謝料請求を有利に進めることはできますか?
- A:
妻が子供を置いて家出した場合、離婚や慰謝料請求で夫側に有利な事情として扱われる場合があります。
特に、妻が正当な理由なく家を出て、育児や監護を放棄している場合は、「悪意の遺棄」に該当すると判断されやすいでしょう。ただし、交渉では別居後の子供の監護状況や夫による養育実績なども重要な判断要素となるため、ご自身に有利な事情を揃えておくことがポイントです。
- Q:
妻が不倫をして家出した場合、不倫相手にも慰謝料請求できますか?
- A:
妻が家出だけでなく不貞行為もしていた場合、妻や不倫相手に対して慰謝料を請求できる可能性があります。
ただし、別居から長期間が経過した後の不貞行為については注意が必要です。この場合、不貞行為をした時点で「すでに婚姻関係が破綻していた」と判断され、慰謝料請求が認められないおそれがあります。
不倫相手への慰謝料請求について、詳しくは以下のページをご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
- Q:
妻が家出した期間が短くても慰謝料請求はできますか?
- A:
妻の家出期間が短い場合でも、慰謝料を請求できる可能性はあります。
悪意の遺棄の「悪意」とは、夫婦としての義務を正当な理由なく放棄することをいいます。そのため、悪意の遺棄にあたるかどうかは、別居期間の長さだけで判断されるものではありません。
具体的には、残された家族が過酷な状況に置かれることをわかっていて生活費を支払わないなど、家出に至った経緯や理由、その後の対応などを総合的に考慮して判断されます。
- Q:
家出した妻と連絡がとれない場合、離婚や慰謝料請求はどのようにすればいいですか?
- A:
家出した妻と連絡が取れない場合は、住民票や戸籍の附票などから妻の住所を調査し、内容証明郵便で離婚や慰謝料請求の意思を伝える方法が考えられます。その後、必要に応じて離婚調停や裁判を申し立てることも可能です。
もっとも、相手の所在調査や手続きの進め方には専門的な知識が必要となるため、対応に悩んだ際は早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
弁護士に依頼すれば、状況に応じた適切な手続きを進めることができます。
家出した妻との離婚や慰謝料請求については弁護士にご相談ください
妻が家出した場合でも、その事実だけで離婚や慰謝料請求が認められるとは限りません。妻の家出が「悪意の遺棄」に該当することや、その事実を裏付ける証拠を確保することが重要です。
弁護士法人ALGでは、これまで数多くの離婚・男女問題を解決に導いてきました。離婚問題に詳しい弁護士が、ご相談者様の状況を丁寧に伺ったうえで、適切な解決方法をご提案いたします。
また、これまで培ってきた知識や経験を活かし、悪意の遺棄を立証するための証拠収集のアドバイスから、相手方との交渉、調停、裁判まで一貫したサポートが可能です。
家出した妻との離婚や慰謝料請求でお悩みの方は、ぜひ一度、弁護士法人ALGへご相談ください。
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

- 監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)
- 福岡県弁護士会所属。私たちは、弁護士131名、スタッフ240名を擁し(※2026年4月1日時点)、東京、札幌、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、大阪、神戸、姫路、広島、福岡、タイの国内外13拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。











