離婚調停を申し立てられたら?対応方法や弁護士に依頼するメリットを解説
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
ある日突然、家庭裁判所から書類が届いた!
中身を見てみると、配偶者から離婚調停を申し立てられた……
驚くのは当然のことです。
しかし、このまま書類を放っておいてはいけません。
放っておくと、ご自身に不利な状況になりかねません。
まずは、中身を確認して、やるべきことをやりましょう。
そこで、本記事では……
・離婚調停を申し立てられたときの対応方法
・離婚調停を申し立てられた側は不利になってしまうのか?
など、離婚調停を申し立てられた方に向けて、参考になるように様々な角度から解説していきます。
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離婚調停を申し立てられたときの対応方法
離婚調停とは、家庭裁判所の裁判官や調停委員を交えて離婚に関する問題を話し合いで解決する手続きをいいます。
配偶者の方から離婚調停を申し立てられ、家庭裁判所から書類が届いたら、びっくりして動揺するのも無理はありません。
しかし、離婚調停を申し立てられてしまった以上は、しっかりと準備して対応しなければなりません。
離婚に応じたくないからといって放置していると、離婚訴訟を提起されるおそれもあります。
離婚調停を申し立てられたら、しかるべき対応をする必要があります。
配偶者から離婚調停を申し立てられて対応する時の流れについて、次の4つが挙げられます。
- ① 自分の主張を整理する
- ② 書類の内容を確認する
- ③ 答弁書を作成・提出する
- ④ 調停期日に出席する
次項でそれぞれ詳しく確認していきます。
離婚調停については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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①自分の主張を整理する
相手が作成した離婚調停の申立書には、相手の一方的な希望が記載されていますので、ご自身が相手の希望条件に対して、どのような主張をするのか明確にする必要があります。
具体的には、離婚に応じるかどうかや、離婚に応じるなら慰謝料、財産分与、子供の親権、養育費、面会交流などご自身が希望する離婚条件を整理しなければいけません。
自分の希望を明確にしたら、次に譲れる点、譲れない点を整理して落としどころを考えておきます。
ある程度、ご自身の主張をまとめておくと、調停での話し合いをスムーズに進めることができます。
②書類の内容を確認する
家庭裁判所から届く封筒には、地域によって異なりますが、以下の書類などが入っていることが多いです。
- 期日通知書
- 調停申立書
- 答弁書の書式
上記書類の調停申立書には、相手の言い分が記載されています。
期日通知書には、初回の調停期日の日時、場所、事件番号、担当部署、連絡先などが記載されていますので、目を通しておくようにしましょう。
答弁書には、裁判所からの指示や質問が記載されています。
他にも、連絡先を記入する書類などが入っていることもあるでしょう。
離婚調停を円滑に進めるためのものですので、きちんと確認して必要に応じて記載し裁判所に提出しましょう。
③答弁書を作成・提出する
答弁書とは、相手の申立てに対する自分の意見をまとめた書面になります。
離婚調停を担当する調停委員にこちらの言い分を事前に伝えて理解してもらい、調停期日をスムーズに進めるために必要なものになります。
通常、初回調停期日が開催される日の1週間までに答弁書を作成して提出します。
裁判所から送られてきた書類のなかに、答弁書のひな形と記載方法の説明書が同封されていますので参考にして、該当する箇所にチェックを入れたり、意見を記載したりして作成していきます。
離婚調停の答弁書について、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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④調停期日に出席する
調停期日通知書に記載された第1回調停期日の日時に家庭裁判所へ行きます。
裁判所によって異なりますが、まずは家庭裁判所の書記官室に行って受付をすることが多いです。
その後の行動については、裁判所職員から指示があります。通常は控え室で待つように指示されます。
控え室で待っていると、調停委員に案内されて調停室に入ります。
調停手続きは、調停を申し立てた側である“申立人“と申し立てられた側である“相手方“が交代で調停室に呼ばれて裁判官や調停委員と話し合いをします。
約30分程度で交代し、申立人・相手方が2回ずつ話し合いをして、合計2時間程度かかるというのが調停期日の基本的なパターンです。
相手が裁判官や調停委員と話している間は控え室で待機することになります。
第1回調停期日で離婚するかどうかや、離婚に関する条件がまとまれば、調停成立となって離婚が成立します。
第1回調停期日での話し合いがまとまらなければ、この日の調停を終えて、次回の調停期日の日程調整を行って、第2回、第3回と調停期日が繰り返されることになります。
調停期日で何度も話し合いを重ねても離婚に関して合意できない場合や、そもそも相手が調停期日に出席せずに話し合いが出来ない場合などは調停不成立となります。
調停不成立となれば、離婚調停は終了し離婚していない状態のままになります。
離婚調停が終了すると、お互いに離婚訴訟を提起できるようになります。
離婚調停の流れについて、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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離婚調停を無断欠席したらどうなる?
離婚調停を無断欠席すると、裁判官や調停委員の心証が悪くなります。
特に予定を確認されて「大丈夫です」と述べた後に無断欠席をしてしまうと、裁判官や調停委員に対して、「約束事をきちんと守らない人」、「だらしない人」という印象を与えかねません。
夫婦間に子供がいる場合は、子供に関する問題について話し合おうとしない態度として受け取られ、親権者としての適性に欠けると判断されるおそれがあります。
無断欠席が続いて話し合いで合意はできないと判断されて調停不成立となれば、最終的に相手から離婚訴訟を提起される可能性があります。
離婚訴訟でも無断欠席をし続けると、申し立てた側である原告が勝訴しご自身にとって不利な判決が下される可能性は高くなります。
離婚調停の欠席に関しては、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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どうしても出席できない場合は?
指定された調停期日の日にやむを得ない事情があってどうしても出席できない場合は、事前に家庭裁判所の担当書記官宛てに電話をして、出席できない旨を伝えるようにしましょう。
その場合、裁判官の判断によって期日変更を提案されて調停期日の再調整をすることがあります。
また、申立人の事情のみを聞くために予定どおり調停が開催される場合もあります。
事前に出席できないことを伝えておけば、裁判官や調停委員の心証が悪くなることもなく、今後の進行にも影響は及びません。
そのほかにも、弁護士に依頼して、自らの代わりに調停期日に予定通り出席して対応してもらう方法もあります。
離婚調停を申し立てられた側は不利になってしまうのか?
離婚調停を申し立てられた側の方が必ず不利になるというようなことはありません。
ただし、離婚調停を申し立てた側は、離婚に関する意見や気持ちの準備ができていますが、申し立てられた側は気持ちの準備ができていないため、うまく調停委員に主張ができないことがあるかもしれません。
また準備不足により申し立てた側の主張に反論するための証拠集めが十分にできず、うまく反論できないという事態も起こり得ます。
このような場合は、正直に裁判官や調停委員に「まだ自分の考えや伝えたいことがまとまっていないので、次回の調停期日まで時間をください。」と伝えればいいのです。
そして、時間の猶予をもらい、しっかり準備・対策を整えて次の調停に挑めば、不利になりにくいでしょう。
離婚調停を申し立てられたら弁護士に依頼すべき?
離婚調停は必ずしも弁護士に依頼して進めないといけないというルールがあるわけではないので、離婚調停を申し立てられても、ご自身で対応することも可能です。
しかし、離婚調停は弁護士に依頼して進めることを強くお勧めします。
“弁護士に依頼するメリット“や弁護士に相談するベストなタイミング”について、次項より詳しく解説していきます。
弁護士に依頼するメリット
離婚調停を申し立てられた際に、弁護士に依頼すると次のようなメリットがあります。
●有利な内容で合意できる可能性が高まる
離婚調停では離婚するかどうかだけでなく、親権、慰謝料、財産分与、養育費など様々な離婚条件を取り決める必要があります。弁護士であれば、法的観点から主張することで有利な離婚条件で相手や調停委員に納得を得られやすくなります。
●証拠集めのサポートをしてもらえる
こちらの主張を裏付けるために証拠は重要です。
弁護士であれば、離婚調停でどのような証拠が必要になるかアドバイスができます。
またアドバイスだけでなく、弁護士の職権である弁護士会照会という制度を利用して証拠を集めることもできます。
●精神的負担の軽減や時間や手間の省略になる
日々の仕事や家事・育児をしながら離婚調停を進めていくことは大変精神的ストレスが大きいものです。
弁護士に依頼すると弁護士が代わりに離婚調停で必要な書面の作成・提出、裁判所とのやりとりなどを行いますので、時間や手間を大幅に省くことができます。
弁護士に相談するベストなタイミングは?
弁護士に相談するタイミングは、できるだけ早い段階に越したことはありません。
ベストは、裁判所から調停申立書一式が届いたタイミングで弁護士に相談することです。
調停をスムーズかつ有利に進めるためには事前準備が大切です。調停申立書一式が届いた段階から、弁護士のサポートを受けて、相手の言い分を踏まえて、こちらの主張を整理して、必要な情報や証拠を集めて調停期日に挑むのがいいでしょう。
すでに離婚調停が進んでいる場合も、離婚調停の途中から弁護士に依頼することも可能です。
はじめは自分自身で調停を進めてきたものの、調停が不利に進んでいるように感じたり、どのように調停を進めればいいのかわからなくなってしまった場合、途中からでも弁護士が介入して、必要に応じたアドバイスやサポートをすることができます。
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メールで相談する妻から離婚調停を申し立てられたが、弁護士のアドバイスにより夫婦関係を修復できた事例
【事案概要】
夫であるご依頼者様は奥様と家計管理を巡って喧嘩となり、ご依頼者様が離婚を口にしたところ、奥様は弁護士を立てて離婚調停を申し立てられました。
ご依頼者様は、離婚を口にしたことを心から後悔しており、「修復のためなら、改善できるものはすべて相手の希望を受け入れてもいい」とまでおっしゃって、今後の対応に悩まれてご相談に来られました。
【弁護士方針・弁護士対応】
まず担当弁護士は、ご依頼者様が奥様に対して謝罪の意思を書面にあらわして伝えるよう提案しました。
並行して、こちらからは夫婦円満調停を申し立てて、夫婦関係の修復を目指しました。
【結果】
調停内で弁護士と調停委員を挟んで、本人からの謝罪の場を設けた結果、奥様の態度が軟化していきました。結果、「今回限りは許す」ということになり、ご依頼者様の意思どおりに、離婚せずに無事に解決できました。
離婚調停に関するQ&A
- Q:
離婚調停を申し立てられたのですが、離婚したくない場合は拒否できますか?
- A:
離婚調停を申し立てられたからといって、離婚したくないのに離婚が成立してしまうなどということはありません。
離婚調停はあくまでも裁判官や調停委員を交えて話し合いで解決を目指す手続きです。
夫婦の一方が離婚を拒否しており、離婚について合意を得られなければ、離婚は成立しません。
そして、夫婦の話し合いは平行線のままとなるので、調停不成立となります。しかし、調停不成立となれば、離婚したい相手は次に離婚訴訟を提起してくるでしょう。
離婚訴訟では、夫婦の一方が離婚を拒否していても、不貞行為や悪意の遺棄など裁判上で認められる離婚事由(法定離婚事由)が存在する場合は、裁判所が離婚を認めることがあります。
そのため、裁判ではより一層、的確な主張や証拠が必要になるといえ、法的な知識が重要になります。
離婚訴訟の場合もやはり弁護士に相談・依頼して進めるべきです。離婚調停での離婚拒否について、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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- Q:
離婚調停を申し立てられたのですが、調停中にやってはいけないことはありますか?
- A:
離婚調停に不利になる行動があります。
離婚調停中とはいえ、まだ婚姻中ですので普段の生活において婚姻関係を破壊するような行動は慎むべきです。具体的に次のような行動は離婚調停に不利になったり、裁判官や調停委員に悪印象を与える可能性が高いものです。
- 相手に嫌がらせをしたり、悪口を言ったりする
- 配偶者以外の者と交際する
- 相手に直接連絡したり訪問したりして交渉する
- 調停を無断欠席する
- 勝手に別居する
- 子供を勝手に連れ去る
- 婚姻中に形成・維持してきた財産を勝手に処分する など
- Q:
離婚調停を申し立てられたら陳述書を作成した方が良いですか?
- A:
離婚調停で陳述書は必ず提出しなければならないものではありません。
ただし、限られた調停の時間のなかで、自分の意見を効果的に伝えて、離婚調停を有利に進めるために、陳述書は役立つと考えられます。陳述書とは、離婚に関する自分の考えや言い分、希望などを簡潔にまとめた文書をいいます。
陳述書を提出しておけば、裁判官や調停委員にこちらの考えや言い分、希望を理解してもらえるので、離婚調停がスムーズに進む可能性が高まります。離婚調停での陳述書について、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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離婚調停を申し立てられた際は、お早めに弁護士へご相談ください
配偶者から離婚調停を申し立てられた場合、そのまま書類を放っておいたり、無断欠席したりすることは避けましょう。離婚調停を申し立てられた以上は、適切な対応を取らなければなりません。
離婚調停を申し立てられてどうしたらいいかわからない方は、お早めに弁護士へご相談ください。
仮に離婚したくないのであれば、真摯に対応して今までの言動を改めて関係を修復していく必要があります。弁護士であれば、今まで培った経験やノウハウをもとに、夫婦関係が修復できるように働きかけて調停を進めていくことができます。
一方で、離婚に合意するのであれば、離婚調停のなかで親権、慰謝料、財産分与、養育費などの離婚に関する条件を取り決める必要があります。弁護士に依頼すれば、調停で法的観点から意見や要望などを代わりに主張するので、相手や調停委員を説得し有利となる内容で合意できる可能性が高まります。
離婚調停で取り返しのつかない失敗をすると一生後悔することにもなりかねません。
まずは、弁護士法人ALGにお問い合わせください。
後悔しない離婚調停を進められるように全力でサポートします。
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メールで相談する- 監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)