離婚調停は女性が有利?7つのポイントや弁護士依頼のメリットなど
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
離婚調停とは、家庭裁判所の調停委員を介して、離婚の可否や離婚条件について話し合い、合意を目指す手続きです。性別によって有利・不利が決まるものではなく、状況や証拠、これまでの実績などが判断材料となります。
この記事では「離婚調停は女性が有利なのか?」という疑問に対し、親権や経済面、調停委員との関係など、女性が有利に進めるためのポイントを具体的に解説します。
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離婚調停は女性が有利?
親権争いやDV被害の保護などの観点から、離婚調停は女性が有利といわれることもあります。
ただし、性別だけで判断されることはありません。調停委員はあくまでも公平な立場です。
ここからは、以下の点について、「女性が有利」といわれる背景を探っていきます。
- 性別に関わらず有利・不利はない
- 親権争いは女性が有利になりやすい
性別に関わらず有利・不利はない
離婚調停は、家庭裁判所の調停委員が夫婦間の話し合いを仲介する手続きであり、性別によって結果が左右されることはありません。調停委員は公平・中立な立場で調停を進行し、当事者の主張や証拠、子供の養育環境などを総合的に判断します。
「女性が有利」といわれる背景には、育児への関与度や収入の差、DV・モラハラ被害の保護といった要素が影響しています。結果として女性側が有利に見えることがありますが、性別による優遇ではなく、事実に基づいた判断によるものです。
親権争いは女性が有利になりやすい
離婚調停で親権をめぐる争いが生じた場合、調停委員は「監護実績」や「子供の福祉(しあわせ)」を重視して判断します。特に子供が幼い場合は、母親が育児の中心を担っているケースが多く、監護の継続性や生活環境の安定性から、母親が親権を得やすい傾向があります。
日常的に子供の監護をしている実績がある場合、調停委員はその環境を維持することが子供の利益につながると判断するのが一般的です。こうした背景が、「女性が親権争いに有利」といわれる理由とされています。
ただし、父親が主たる監護者である場合や、母親に育児放棄・虐待などの問題がある場合は、父親が親権を取得する可能性は十分にあります。
女性が離婚調停を有利に進めるための7つのポイント
離婚調停は、感情と現実が入り混じる難しい場面です。有利に進めるためには、事前に情報を集め、証拠を整理し、冷静に対応する準備が欠かせません。ここでは、調停を有利に進めるために押さえておきたい7つのポイントを紹介します。
- ① 離婚条件の優先順位を決める
- ② 主張を裏付ける証拠を準備する
- ③ 親権獲得のため経済的に安定する
- ④ 冷静に対応する
- ⑤ 事前に陳述書を提出する
- ⑥ 調停委員の心証を悪くしないように気を付ける
- ⑦ 弁護士への依頼を考える
①離婚条件の優先順位を決める
女性が調停を有利に進めるには、自分が望む離婚条件を整理し、優先順位を明確にしておくことが重要です。離婚調停は、1回あたり約2時間と限られた時間内で進行するため、効率的に話し合いを進めるには事前準備が欠かせません。
優先順位を決めておくことで、限られた時間の中でも主張を的確に伝えられ、調停委員の理解を得やすくなります。また、譲れる条件と譲れない条件を整理しておくことで、相手との妥協点を見つけやすくなり、調停成立の可能性も高まります。
②主張を裏付ける証拠を準備する
財産分与や慰謝料の請求、親権の獲得など、希望する条件を実現するには、客観的な証拠の提出が重要です。例えば、相手に不倫やDV・モラハラなどの有責行為がある場合、その事実を裏付ける証拠(写真・診断書・録音・SNSの投稿など)を事前に準備しておけば、調停を有利に進められる可能性が高まります。
証拠が不十分だと、調停委員が相手を説得する材料に乏しく、交渉が難航するおそれもあります。そのため、離婚調停に臨む前に、必要な証拠の整理・収集が非常に重要です。
モラハラやDVの証拠については、以下のページで詳しく解説しています。
③親権獲得のため経済的に安定する
親権を希望する場合、育児の実績だけでなく、経済的な安定も重要な判断材料です。調停委員は、子供が安心して暮らせる環境を維持できるかどうかを重視するため、安定した職や収入、住居など生活基盤を整えることが欠かせません。養育費や教育費を継続的に負担できる見通しがある場合も、親権獲得に有利に働く要素となります。
※2026年度中には共同親権を選択できるようになる予定です
調停委員が親権者を判断する際のポイントについては、以下のページで詳しく解説しています。
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④冷静に対応する
離婚調停では感情的になりやすい場面もあるかもしれませんが、冷静な対応が調停成立の鍵です。
調停当日は、当事者同士が直接対面することはなく、調停委員を介して話し合いが進められます。
調停委員は公平な立場で話を聞いていますが、当事者の態度や言葉遣いから受ける印象も判断材料の一つです。落ち着いた態度で事実を丁寧に伝えることで、信頼性が高まり、主張が受け入れられやすくなるでしょう。
事前に伝えたい内容を整理し、冷静に話す準備をしておくことが、調停を有利に進めるための重要なポイントです。
⑤事前に陳述書を提出する
離婚調停は1回あたり約2時間と限られており、口頭だけで複雑な事情や主張をすべて伝えるのは難しい場合もあります。そこで有効なのが「陳述書」の提出です。
陳述書とは、自分の主張や事実関係を整理し、文書にまとめたものです。事前に裁判所へ提出しておけば、調停委員が内容を把握しやすくなり、話し合いを効率的に進められます。
文書に整理することで、誤解や情報の抜け漏れを防げて、調停委員の理解を深める助けにもなります。
離婚調停を有利に進めるための陳述書の書き方と注意点については、以下のページで詳しく解説しています。
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⑥調停委員の心証を悪くしないよう気を付ける
調停委員は中立な立場であるため、基本的にどちらか一方の味方をすることはありません。ただし、当事者の態度や言動によって調停委員の心証が左右される可能性はあります。
離婚調停を有利に進めるためには、誠実で冷静な態度を保つことが重要です。感情的な発言や攻撃的な態度は、調停委員に悪印象を与え、主張の信頼性を損なうリスクがあります。
調停の場では、落ち着いた対応を心がけるようにしましょう。
⑦弁護士への依頼を考える
離婚調停を有利に進めたいと考える女性にとって、弁護士への依頼は非常に有効な選択肢です。
弁護士に相談することで、調停申立ての手続きや陳述書の作成、証拠の収集方法などについて、的確なアドバイスを受けられます。
また、調停当日に弁護士が同行し、代わりに法的な主張をしてくれるだけでなく、精神的な安心感を得られる点も大きなメリットです。
離婚調停に不安を感じている方は、早めに弁護士への相談を検討しましょう。
女性が離婚調停を弁護士に依頼するメリット
離婚調停を有利に進めたいと考える女性にとって、弁護士から以下のようなサポートを受けられれば、精神的負担を軽減しながら、より良い条件での合意を目指すことが可能になります。
- 証拠収集に関するアドバイスを受けられる
- 申立ての手続きを任せられる
- 離婚調停に同行できる
離婚問題を弁護士に依頼するメリットについては、以下のページで詳しく解説しています。
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証拠収集に関するアドバイスを受けられる
弁護士に依頼すれば、状況に応じた適切な証拠の種類や集め方について、専門的なアドバイスを受けることができます。
例えば、相手に不倫やDV・モラハラなどの有責行為がある場合、法的に有効な証拠を選定し、調停委員に伝わりやすい形で提示しなければなりません。
弁護士は、調停委員の視点を踏まえた証拠の提示方法を熟知しており、調停を有利に進めるための戦略を立てられます。
離婚を決意した段階で早めに弁護士に相談することで、証拠の確保がスムーズになり、調停の準備も万全に整えられるでしょう。
申立ての手続きを任せられる
弁護士に依頼すれば、申立て手続きを任せられ、書類の不備や記載ミスによるトラブルを防げます。
離婚調停の申立てには、申立書や事情説明書など複数の書類を準備する必要があり、初めての方にとっては手続きが煩雑で負担に感じられるでしょう。
特に女性の場合、仕事や家事・育児に追われる中で、調停の準備まで一人で行うのは大きな負担となります。
弁護士があなたの代理人として対応すれば、精神的にも時間的にも余裕を持って調停に臨めるでしょう。
離婚調停に同行できる
弁護士に依頼すれば、調停期日に同行してもらうことができ、法的なサポートだけでなく、精神的な安心感も得られます。
調停当日は調停委員とのやり取りを法的観点から補足してもらえるほか、主張の整理や証拠の提示もスムーズに進められます。
調停成立の場面以外では、弁護士のみの出席も可能で、本人が欠席しても調停を進めることができます。
初めての調停で、不安や緊張から自分の気持ちを十分に伝えられないケースも多く見受けられますが、弁護士が同席することで安心して調停を進められるでしょう。
離婚調停が不成立の場合の対応
離婚調停は夫婦間の合意を目指す話し合いの場ですが、必ずしも合意によって調停が成立するとは限りません。調停が不成立となった場合、次のステップとして「離婚裁判」を起こします。
離婚裁判では、裁判所が法的根拠に基づいて離婚の可否を判断するため、離婚が認められるには「法定離婚事由」が必要です。
【法定離婚事由の具体例】
- 相手が不貞行為(不倫・浮気)をした
- 相手に収入があるのに生活費を出してくれない
- 相手からDVやモラハラを受けている
- 長期間別居しており婚姻関係が破綻している など
裁判では、これらの事由を証明するために書面や証拠の提出が求められます。調停に比べて手続きが複雑で長期化する傾向があり、精神的・経済的な負担も大きくなります。
調停の段階で合意できるに越したことはありませんが、どうしても折り合いがつかない場合は、弁護士と相談しながら裁判への準備を進めることが重要です。
離婚裁判については、以下のページで詳しく解説しています。
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女性が離婚調停をする際のよくある質問
- Q:
離婚調停でしてはいけない行動や不利になる発言はありますか?
- A:
以下のような行動や発言は、調停委員に悪印象を与え、調停が不利に進む原因となります。
- 感情的になって暴言を吐く
例:「死ねばいいと思っていた」「あいつは人間じゃない」など - 相手を過度に非難する
例:「絶対に浮気してる」「子供に関心がない」など - 虚偽の発言をする
事実と異なる主張は信頼を損ないます - 証拠の隠蔽や改ざん
調停委員の判断を誤らせる行為は不利に働きます - 無断で調停を欠席する
誠意がないと判断される可能性があります - 書類提出の遅延や不備
調停の進行に支障をきたし、心証を悪くする原因となります
不利な発言や行動を避けるためにも、事前に弁護士と相談し、調停の流れや注意点を把握しておきましょう。
離婚調停での不利な発言ややってはいけないことについては、以下のページで詳しく解説しています。併せてご参考ください。
- 感情的になって暴言を吐く
- Q:
離婚調停は申し立てた側が不利になりますか?
- A:
離婚調停は、申し立てた側が不利になるというような制度ではありません。調停はあくまでも話し合いの場です。どちらが申し立てたかによって有利・不利が決まることはありません。
ただし、申し立てた側が準備不足である場合、結果的に不利に見えることがあります。例えば、証拠が不十分だったり、主張が曖昧だったりすると、調停委員に説得力を持って伝えられず、希望する条件が通りにくくなる可能性があります。
申立てを行う際には、離婚条件の整理や証拠の収集、陳述書の作成などを事前にしっかり行い、調停に臨むようにしましょう。
女性が離婚調停を有利に進めるためにも弁護士法人ALGにご相談ください
親権や財産分与、慰謝料など、複雑な問題が絡む離婚調停では、冷静かつ戦略的に対応するために、法律の専門家である弁護士のサポートが欠かせません。
弁護士法人ALGでは、離婚調停に関する豊富な経験と実績をもとに、女性の状況に応じた適切な支援を行っています。証拠の収集から申立て手続き、調停への同席など、各段階で具体的なサポート体制を整えており、安心してご相談いただけます。
また、親権の獲得やDV・モラハラの主張など、感情的になりやすい場面でも、弁護士が冷静に対応し、ご相談者様の負担を軽減できるよう努めています。
離婚調停を有利に進めたいとお考えの方は、まずは私たちにお話をお聞かせください。
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

- 監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)











