離婚調停で親権を獲得するためのポイント

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

「親権」は、未成年の子供がいる夫婦が離婚する際、必ず決めなければならない離婚条件です。夫婦間での話し合いで決められない場合には、次なる手段として「離婚調停」を行うことになります。

離婚調停は、家庭裁判所の調停委員を間に挟んで話し合い、離婚するかどうか、親権を含めた離婚条件はどうするかを決める手続きをいいます。それでは、離婚調停で親権を獲得するためには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか?本ページで詳しく確認していきましょう。

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親権者を決める際の離婚調停の流れ

離婚調停は、主に次のような流れで進んでいきます。

  1. ①家庭裁判所に離婚調停を申し立てる
  2. ②申立てが受理されると、裁判所から夫婦双方に対し、第1回目の調停期日を知らせる「呼出状」が届く
  3. ③裁判所で第1回目の調停期日が開かれ、夫婦はそれぞれ調停委員と話していく
  4. ④必要に応じて、第2回目以降の調停期日が開かれる
  5. ⑤基本的に夫婦がお互いに合意できれば調停成立で終了する
    (※調停委員に「合意する見込みはない」と判断された場合などには、調停は不成立で終了する)

続けて、離婚調停で親権者を決めるとき、親権の獲得に向けてどのようなことが必要になるのかについて解説していきます。

なお、離婚調停の流れについて、詳しい内容は下記のページで紹介しています。こちらもぜひご覧ください。

さらに詳しく
離婚調停の流れ

親権を獲得するために必要なこと

離婚調停で親権を争う場合、家庭裁判所調査官による調査が行われることがあります。

親権を獲得するためには、この調査官調査に適切に対応することが必要になってきます。なぜなら、調査官調査の結果は、調停委員の判断に影響するからです。

調停を有利に進められるよう、調停委員を味方につけるに越したことはありません。しかし、「自分の方が親権者にふさわしい」とただ主張するだけでは、調停委員は味方になってくれないでしょう。なぜそう思うのか、裏付けとなる具体的な証拠や事実を示して、主張に説得力を持たせることが重要です。

調停委員を前にして自分の思いをきちんと伝えられるか不安なときは、弁護士に相談・依頼するという手もあります。後悔する事態とならないよう、選択肢の一つとして検討してみることをおすすめします。

家庭裁判所調査官による調査

親権や面会交流など、子供に関する離婚条件が争点になっているときは、離婚調停を進めていくなかで、家庭裁判所調査官による調査が入るケースもあります。

家庭裁判所調査官とは、心理学・社会学・教育学等の専門知識を活かし、家庭内の問題の解決などに向けた調査を行う人のことです。

具体的な調査内容としては、例えば次のようなものがあります。

  • 子供との面談
  • 夫婦それぞれとの面談
  • 家庭訪問
  • 子供が通っている保育園・幼稚園・学校などへの訪問

このような調査を通して、夫婦のどちらが親権者としてふさわしいのかを検討し、裁判官や調停委員に報告します。

調査官が重視するポイント

現在の養育状況

調査官が重視するポイントの一つに、「現在の養育状況」があります。

調査官は、現在の生活に特に問題がないのであれば、子供の生活環境はなるべく変わらない方が好ましいと考えています。この考え方を「継続性の原則」といい、家庭裁判所が親権者を判断する際にも重視するポイントになります。

これまでの養育状況

調査官は、「これまでの養育状況」も重視します。基本的には、これまで主に子供を養育してきた者が、離婚後も子育てした方がいいだろうと考えるためです。

そこで、夫婦のどちらがメインとなって子供の食事を作っていたのか、風呂に入れていたのか、寝かしつけていたのか、保育園への送り迎えをしていたのか等を確認していきます。

離婚調停で親権者を判断するポイント

離婚調停で実際に話す相手は、調停委員です。調停委員にご自身の方が親権者としてふさわしいと判断されれば、その方向で相手を説得してくれることもあります。つまり、調停委員の判断次第で、調停が有利に進むかどうかが変わる可能性があるのです。以降、調停委員が親権者を判断するポイントについて、いくつか紹介していきます。

子供への愛情

調停委員が親権者を判断するときには、子供にたくさんの愛情を注いできたかどうか?をポイントにすることがあります。

具体的には、子供と日頃からコミュニケーションが取れているのか、これまでどのくらい子供と過ごす時間を大切にしてきたか等を確認します。

ただし、子供への愛情が深ければ親権を獲得できるというわけではありません。以降で紹介するそのほかの事情も重要になってきます。

今までの監護実績

調停委員が必ずと言っていいほど重視するポイントが、今までの監護実績です。

監護実績は、食事・風呂・学習・洗濯など、子供の日常の世話をどのくらいしていたのかを示すものです。

今までの監護実績が豊富である方が、調停委員に親権者としてふさわしいと判断されやすくなります。そのため、基本的には子供といる時間が長ければ長いほど、親権獲得に有利に働くでしょう。

離婚後の経済状況

子供が成長するにつれ、進学費用等でお金がかかっていきます。そのため、離婚後の経済状況も調停委員は重視します。

ただし、収入が低いからといって必ずしも親権者としてふさわしくないと判断されるわけではありません。専業主婦(主夫)で収入がなかったとしても、親権を得ることで相手から支払われる養育費や、公的支援制度を利用して受け取るお金、親族からの援助等によって賄えることもあるからです。

離婚後の養育状況

離婚後の養育状況も、調停委員が重視するポイントの一つとして挙げられます。具体的には、子供と接する時間を十分にとれるか、住環境や教育環境が整っているか等を考慮します。

とはいえ、普段は仕事で子供の面倒をなかなか見られない方もいるかと思います。そのような方は、親族の協力を得られることをアピールするといいでしょう。自分が家にいない間は両親が代わりに面倒を見てくれる等の環境があれば、不利にならずに済む可能性があります。

子供の年齢、意思

調停委員は、子供が幼ければ幼いほど、母親を親権者にすべきと考える傾向にあります。子供が乳幼児である場合は特に、母親優勢の傾向が強いといえます。

また、子供の年齢によっては、子供の意思を重んじることもあります。基本的に、15歳以上の場合は子供の意思が重視されます。ただし、15歳未満であっても、10歳前後なら意思能力があるとして、子供の意見を尊重した判断がなされるケースもあります。

親の健康状態

調停委員は、子供を育てていく者は心身ともに健康である方がいいと考えます。そのため、病気がちであったり、精神的に不安定であったりして、子育てに大きな支障をきたすほど健康状態が悪い場合、親権者としての適格性に欠けると判断されるおそれがあります。

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離婚調停の申立方法

離婚調停を申し立てるには、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所、または夫婦間で決めた家庭裁判所に必要な書類を提出します。離婚調停の申立てに必要となる主な書類と費用は、以下のとおりです。

ただし、状況によっては、そのほかの書類の提出が求められることもありますので、事前に申立先の家庭裁判所に確かめておくといいでしょう。

【必要な書類】
  • 申立書とその写し1通
  • 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 年金分割のための情報通知書
    ※離婚調停で決めたい内容に「年金分割」が含まれる場合に必要
【費用】
  • 収入印紙1200円分
  • 連絡用の郵便切手
    ※何円分の郵便切手が必要かは、裁判所によって異なる

離婚調停で親権が決まらなかったときは

夫婦のどちらか一方でも同意しなければ、調停は不成立となります。こうして離婚調停で親権が決まらなかったときは、「離婚裁判」を行い、裁判所の判断に委ねるのが通常の流れです。離婚裁判では、夫婦双方の合意がなくとも、裁判所の判断ですべて決められるため、最終的な解決を図れます。

離婚裁判の流れや、かかる費用・期間など、離婚裁判についての詳しい内容は、下記のページをご覧ください。

親権を獲得できなかったら

親権を獲得できなかったとしても、「面会交流」について取り決めれば、離婚後も子供と関わり合うことができます。

面会交流とは、離れて生活する親と子供が交流を図ることをいいます。定期的に会って遊んだり、手紙を通じてやりとりしたりするなど、交流の仕方は様々です。

また、親権と監護権を分けて決め、「監護権」を獲得できれば、子供と一緒に生活することも可能です。

監護権とは、子供と共に暮らして世話をする権利のことで、通常は親権者が監護権を持ちます。しかし、事情によっては親権と監護権を分けて決めるケースもあります。あり得るのは、財産管理の面では父親がふさわしいものの、幼いために日頃の世話は母親がした方がいい場合などです。監護権の獲得が難しそうなときは、面会交流を求めていきましょう。

面会交流と監護権について、それぞれの詳しい内容は、下記の各ページをご覧ください。

さらに詳しく
面会交流とは
さらに詳しく
離婚後の監護権

父親が親権を獲得できる場合

子供が幼いほど母親に親権が認められやすいことなどから、母親が親権者となるケースが圧倒的に多いのが実情です。しかし、父親が親権を獲得できないわけではありません。

例えば、以下のようなケースでは、父親が親権者として認められる可能性は高まります。

  • 母親が子供を虐待していた
  • これまで父親が主に子供の世話をしていた
  • 子供自身が父親と暮らしたがっているといった事情がある場合

親権と離婚調停に関する解決事例

離婚調停で依頼者(夫)の親権獲得に成功した、弊所の解決事例を紹介します。

事案の概要

ネグレクトなどをした妻(相手方)に子供が近づかなくなったため、依頼者は離婚を切り出しました。しかし、妻は家を出て行ってしまい、男性の親権獲得に不安を抱いた依頼者は、離婚と子供の親権を求めて弊所にご依頼くださいました。

弁護士の対応・結果

担当弁護士が離婚調停を申し立てたところ、相手方は親権を主張して争ってきました。そこで、子供に逃げられている相手方は親権者にふさわしくないこと、調停中に面会交流を実施したものの、子供は以前と変わらず相手方から逃げ続けていること、依頼者家族と子供との絆が深いことを強調しました。そして、親権は譲れないと、書面と調停の場で説得的に主張していった結果、依頼者を親権者にすること等の内容で、離婚調停を成立させることが叶いました。

親権と離婚調停に関するQ&A

Q:

離婚調停で親権を決める場合、母親が不利になる可能性はあるのでしょうか?

A:

離婚調停で親権を決める場合、事情によっては母親が不利になる可能性はあります。

離婚調停を進めていく調停委員は、今までの養育状況や親の健康状態、子供の意思などを踏まえて、夫婦のどちらが親権者としてふさわしいかを考えます。そのため、例えば次のような事情があると、母親は親権獲得に不利になる可能性があるでしょう。

  • 母親が子育てを積極的に行っておらず、今まで父親が主に子供の面倒を見てきた
  • 子供の世話が十分にできないほど母親の健康状態が悪い
  • 子供が父親のもとで暮らすことを望んでいる
Q:

相手方が子供を連れ去ったのが離婚調停中だった場合、親権はどうなりますか?

Q:

離婚調停中の親権は父親と母親のどちらになりますか?

A:

離婚調停中は、まだ離婚は成立していないので、基本的に父親と母親が共同で親権を持っているままとなります。別居していてどちらかが子供の面倒を見ていたとしても同様です。

ただし、離婚する前であっても、子供の監護権を持つ者を夫婦のどちらか一方にすることはできます。離婚前に監護権を決めるケースとして多いのが、別居している場合です。監護権とは、子供と一緒に生活を送って養育する権利のことをいいます。

監護権を持たない親が子供に会うときは、相手の監護権を侵害しないように注意しましょう。会いたいからといって、勝手に会いに行ったり、学校帰りに待ち伏せしたりすると、監護権の侵害だとしてトラブルになるおそれがあります。

Q:

もし、離婚調停中に夫婦のどちらかが死亡してしまった場合、親権は自動的にもう一方が得ることになりますか?

A:

離婚調停中に夫婦のどちらかが死亡してしまった場合、親権は自動的にもう一方が得ることになります。離婚調停中ということはまだ離婚はしていない、つまり法律上の婚姻関係は続いており、父母で子供の親権を持っている状態(=共同親権)にあるからです。

両親が離婚調停中で家庭内の状況が複雑になっているうえ、どちらかが死亡するという出来事が起こったら、子供の生活や心はより不安定になってしまうおそれがあります。そこで、残された方の親の度量が試されることになります。

家事や育児を懸命に行ったり、子供と過ごす時間を大切にしたりなどして、子供の生活環境を整えると同時に心のケアもしていきましょう。

Q:

離婚調停で決めた親権者を変更することはできますか?

離婚調停で親権を獲得したい方は、弁護士に依頼してみませんか?

離婚調停で親権を獲得するためには、調停委員にご自身が親権者としてふさわしいと判断されるかどうかが重要になってきます。

これまで子育てに多くの時間をあてていたこと、離婚しても子供を育てていく環境が整っていることなど、親権獲得に有利になりやすい事情をアピールしていきましょう。また、家庭裁判所調査官による調査の結果は、調停委員の判断に影響してきますので、調査には事前準備を万全にして臨むことが大切です。

離婚調停で親権を獲得したい方は、弁護士への依頼を検討してみてはいかがでしょうか?離婚調停を有利に進められるよう、全力でサポートいたします。まずはご相談だけでも構いません。ご自身とお子様にとってベストな解決方法を、一緒に考えていきましょう。

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保有資格弁護士(愛知県弁護士会所属・登録番号:41560)

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