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親権の変更が認められるケースや手続きの流れについて

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

「とにかく離婚したくて親権を譲ってしまった」「どうやら親権者が虐待や育児放棄をしているらしい」「子供が10歳になったら親権者を変更する約束をしていた」等、ご家庭によって親権の変更を求める理由は様々です。

しかし、一度戸籍に記された親権者を変更することは、難しいと言わざるを得ません。親権者を変更するには、必ず家庭裁判所の調停や審判の手続きを行わなければならず、当事者間で話し合って合意したからといって、変更できるものではないのです。

このページでは《親権変更》に着目し、変更する方法や手続きの流れ等について解説していきます。

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離婚後に親権者を変更することはできる?

離婚後、「母親から父親に」「父親から母親に」といったように、親権者を変更することはできます。ただ、実際のところ、親権変更はそう簡単に認められるものではなく、ハードルは低いものではありません。

親権者を決めたときとは違い、親権変更は父母間での話し合いのみではできず、「親権者変更調停」を申し立て、家庭裁判所の手続きを行う必要があります。そして、裁判所が判断する際に重視するのが“子供の利益・幸せ”です。つまり、親の都合だけで親権変更が認められるわけではないのです。また、子供を取り巻く環境はなるべく変わらない方が望ましい(これを「継続性の原則」といいます)と考えられているため、特別な事情がなければ親権変更は認められません。

親権者変更調停とは

親権者変更調停とは、家庭裁判所の調停委員会を交えて行われる、親権者の変更に関する話し合いのことです。当事者双方が合意し、裁判所が合意内容は相当であると認めた場合には調停成立となり、親権者の変更が可能になります。

なお、裁判所が実態を把握するために、父母・子供との面談や家庭・学校への訪問といった、調査官による調査が行われるケースがあります。この調査結果も、親権変更を認めるかどうか決めるときの判断材料とされます。

親権変更が可能な場合とは

親権変更が可能になるのは、裁判所に“親権変更を認めるだけの特別な事情がある”と認められたケースです。それでは、具体的にどういったケースが当てはまるのでしょうか?あくまでも一例ですが、親権者に以下のような事情がある場合には、親権変更が認められる可能性があります。

子供に対して虐待や育児放棄をしている

親権者が子供に暴力を振るうなど、虐待をしている場合や、ギャンブルに明け暮れたり交際相手と遊んでばかりいたりして、育児放棄をしている場合、このままの状況が続くと子供の健全な成長を妨げるばかりか、命を落とす危険性もあります。親権者を変える必要があると判断され、親権変更が認められる可能性は高いといえます。

子供の意思による親権者の変更

子供本人が親権者を変更してほしいと望んでいる場合、子供の意思が尊重され、親権変更が認められることがあります。ただし、判断能力を十分に持つ年齢に達していないと、子供の意思はそこまで尊重されないでしょう。一般的には、15歳以上になると十分な判断能力を持つと考えられますので、意思が尊重されやすくなります。

養育状況の変化

子供を育てる状況が大きく変わる場合、親権者を変更できる可能性があります。ただし、単に子育ての状況が変わったからというだけでは、親権変更は認められないでしょう。「子供の利益・幸せのために変更が必要だ」と判断されなければなりません。

例えば、親権者が海外転勤になったケースでは、子供は慣れない海外での生活を送ることになるため、転勤先の国の治安や子供の意思等を踏まえ、親権変更が認められることがあります。

また、親権者が再婚して、その再婚相手と子供との関係が良好ではないケースでも、子供の健全な成長に悪影響を与えると考えられるときは、親権者を変更できる可能性があります。

親権者の心身の健康状態の悪化や死亡してしまった場合

親権者が重い病気にかかり、心身の健康状態が悪化してしまった場合、子供を育てていくのは難しくなるでしょう。そのため、親権変更が認められる可能性は高いといえます。

また、親権者が死亡してしまった場合も、親権変更は認められやすいです。ここで、「親権者が死亡したら自動的にもう片方の親に親権が移るのでは?」と思うかもしれませんが、そのような動きにはなりません。「未成年後見」という手続きが始まり、死亡した親権者が指定した者や、裁判所が選任した者が未成年後見人となり、子供の世話をしていくことになります。親権者が死亡してしまった場合、親権者を変更するためには家庭裁判所に「親権者変更審判」を申し立て、裁判所に判断を求める必要があります。

親権者変更調停の流れと手続きに必要なもの

親権者を変更するには、父母間での話し合いでは足りず、「親権者変更調停」を行わなければなりません。親権者変更調停は、主に次のような流れで進んでいきます。

  1. ①「親権者変更調停」の申立て
  2. ②第1回調停期日
  3. ③(必要に応じて)第2回以降の調停期日
  4. ④調停の終了

このうちの①と、調停成立後の手続きについて、もう少し詳しく確認していきましょう。

申立てに必要な書類

親権者変更調停の申立ては、相手方の住所地の家庭裁判所または当事者間で決めた家庭裁判所に対し、必要な書類を提出して行います。必要な書類は以下のとおりです(※場合によっては異なる書類の提出が求められることもあります。)。

  • (1)申立書とその写し(コピー)
  • (2)当事者目録
  • (3)連絡先等の届出書
  • (4)事情説明書
  • (5)進行に関する照会回答書
  • (6)(※必要に応じて)非開示の希望に関する申出書
  • (7)申立人・相手方・未成年の子供の戸籍謄本(全部事項証明書)

※下記の裁判所のウェブページでは、(1)(2)の書式がダウンロードできます。また、各地の裁判所のウェブページでは、(3)~(6)の書式もダウンロードできるよう、準備されている場合があります。

親権者変更調停申立書のダウンロードと記入例https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_kazityoutei/syosiki_01_32/

なお、提出する書類一式は、念のため控えをとっておくことをおすすめします。

申立てに必要な費用

親権者変更調停の申立てには、以下の費用が必要になります。

  • 収入印紙代1200円分(子供1人につき)
  • 連絡用の郵便切手代

「連絡用の郵便切手代」として必要な金額は、申立先の家庭裁判所によって異なります。例えば、東京家庭裁判所の場合は、合計1022円(内訳:100円×2枚、84円×8枚、10円×14枚、1円×10枚)が必要とされています。

調停成立後の手続き

調停成立となり、親権変更が認められて新たに親権者になった者には、市区町村役場に「親権者変更の届出」をする義務があります。戸籍法で決められた義務であり、調停が成立した日から10日以内に行わなければなりません。そのため、調停成立後、新たに親権者になった方は市区町村役場の戸籍関係の窓口に行き、期限内に届出をしましょう。

届出をする際は、調停成立時に裁判所によって作成された「調停調書」の謄本が必要になります。そのほか、「父母の戸籍謄本」や「子供の戸籍謄本」等が必要になる場合もあるため、事前に問い合わせて確認しておくことをおすすめします。

調停が不成立となった場合

調停を行ったものの、話し合いがまとまらない等で調停不成立となったら、自動的に「審判」という手続きに移行します。審判手続きでは、調査官による調査の結果や子供の意向、その他の一切の事情を考慮し、裁判官が親権者を変更するかどうかを判断します。父母の合意は必要ありません。

なお、審判の結果、親権者の変更が認められずに納得がいかない場合は、2週間以内(審判書謄本が送達された日の翌日から数えます)なら不服申立てをすることができます。再び判断を求めても親権変更が認められないようなら、面会交流を通して子供と親交を深めることを大切にしていきましょう。面会交流については、下記のページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

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親権者を祖父母に変更したい場合

親権者を“祖父母”に変更したい場合、考えられる方法は「孫との養子縁組」です。養子縁組すれば、孫の親権者は養親となった祖父母になります。

ただし、孫が15歳未満だと、現在の親権者に同意してもらわなければなりません。法律上、15歳未満の者と養子縁組するには、親権者をはじめとした法定代理人の承諾が必要とされているためです。

下記のページでは祖父母の親権獲得について詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

親権者変更についてのQ&A

Q:

親権者である元夫が再婚し、再婚相手と子供が養子縁組しました。子供の親権者を自分に変更できるのでしょうか?

A:

元夫の再婚相手と子供が養子縁組した場合、実親(元夫)が単独で親権を持つ状態から、養親(再婚相手)と共同で親権を持つ状態に変わっています。法律上、親権者の変更は、「単独親権→単独親権」の変更が想定されており、「共同親権→単独親権」の変更は想定されていないため、ご質問のケースでは、ご質問者様の単独親権へ変更することは基本的に認められません(参考:最高裁 平成26年4月14日第一小法廷決定)。

ただ、子供が親権者(元夫と再婚相手)から虐待されているなどの場合に、何もできないわけではありません。「親権停止」や「親権喪失」の審判を申し立てるという方法があります。申立てが認められれば、一定期間、親権を行えないようにして親権者と子供を離したり、親権そのものを失わせたりすることができます。

Q:

親権者変更調停の申立てをして成立するまで、どのくらいの期間がかかるのでしょうか?

A:

親権者変更の合意の有無、子供の意向、父母の家庭環境等の事情によって、調停成立までにかかる期間は異なります。特に、父母の間で合意がなく対立している場合、調停期日が多くなったり、調査官による調査に時間を要したりして、長期化しやすくなります。

親権者変更について合意があり、変更することが子供の利益に繋がる場合には、短期間(おおむね1ヶ月程度)で調停が成立することもありますが、そうではない場合は、長期化する可能性が高いです。令和元年度の司法統計によれば、家事調停事件の平均審理期間(申立てから終了までの期間)は約6ヶ月ですが、1年を超えるケースも少なくありません。このように、ある程度時間がかかることを想定しておいた方が良いでしょう。

Q:

親権者が親権者変更調停を欠席した場合は変更が認められますか?

A:

親権者が親権者変更調停を欠席した場合は、調停不成立となるため、変更が認められることはありません。調停が成立し、変更が認められるには当事者双方の合意が必要になるからです。

ただ、調停不成立となった後は自動的に審判手続きに進み、裁判官によって判断がなされることになるので、状況によっては変更が認められる可能性があります。

Q:

親権者は夫にして離婚したのですが、実際に育てているのは母である私です。親権変更は認められますか?

A:

裁判所は、子供を実際に育てているのが親権者ではないという理由のみで、親権者の変更を当然に認めるわけではありません。親権者の変更を認めるのは、その他の養育実態なども踏まえて総合的にみて変更の必要性があり、子供の利益にかなうと判断した場合です。

実際、裁判所に親権変更を申し立てたものの認めてもらえなかったことから、ご相談いただく事案はよくあります。親権変更が認められるには、ご自身の状況に応じてどのような事実を主張して明らかにすべきかを、あらかじめ弁護士に相談してみるのが重要でしょう。

親権者変更をスムーズにすすめるためにも弁護士に依頼することをおすすめします

親権者を変更するためには、必ず裁判所の手続きを通さなければなりません。育ての親が変わるのですから、子供に与える影響はとても大きく、裁判所としてもそう簡単に認めるわけにはいきません。そのため、ハードルは低くないのが実情であり、おひとりで手続きを進めて親権変更を叶えるのは大変です。

親権者の変更を希望する方は、弁護士への依頼をご検討ください。弁護士に依頼して裁判所の手続きを任せれば、ご自身に代わって調停期日に出席してもらえるので、ご負担が軽くなります。さらに、弁護士が親権変更を認めてもらうのに有利になる事情を効果的に説明することで、親権変更が認められる可能性があり、ご自身だけで行うよりもスムーズに手続きを進められるでしょう。

まずは相談だけでも構いません。弁護士なら、裁判所の手続きで不備がないよう、ご相談者様ごとの状況に合わせたアドバイスができます。子供の幸せを実現するために全力でサポートいたしますので、親権者の変更についてお悩みのときは、ぜひ弁護士にご相談・ご依頼ください。

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保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

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