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妊娠中の離婚

妊娠中の離婚について徹底解説

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

妊娠中であっても、離婚を考える方はいらっしゃるでしょう。妊娠中の離婚では、出産を控えている女性にとって注意すべき点がいくつかあります。これから生まれてくるお子様と生活を送っていくうえで、離婚しなければよかった……と後悔してしまわれないために、離婚に際してどんな注意点があるのかをきちんと把握しておくことはとても大切です。本記事では、離婚のなかでも「妊娠中の離婚」に着目し、解説していきます。

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妊娠中に離婚することのリスク

1人の子供が大学を卒業するまでには、すべて公立・国立の学校であった場合でも、約1000万円の教育費がかかるといわれています。そのため、離婚時に受けられる財産分与や養育費があるとしても、出産後、働く必要に迫られる方は多くいらっしゃるかと思います。

元々働いていた方で、勤務先に産休や育休といった制度が整っていれば手当等を受けられますが、出産前後の一定期間は、働いて収入を得ることはできなくなってしまいます。また、出産後に新たな職に就こうとする場合、「子供を育てながら働くこと」を前提にすると、条件が合わずになかなか就職先が決まらなかったり、決まったとしても十分な収入を確保できなかったりするケースもあるでしょう。

さらに、お住まいの地域によっては、まずは子供の預け先を探すことに苦労される方も多いそうです。

このように、妊娠中に離婚することで、経済的に困窮してしまうリスクがあるというのは、離婚するかどうかを判断するうえで注意すべき点の一つであるといえます。

生まれた子供の戸籍はどうなる?

離婚後に生まれた子供は、出産の時期によって、元夫と母親、どちらの戸籍に入るのかが異なります。

民法の規定(民法772条2項)により、離婚が成立してから300日以内に生まれた場合は、元夫の嫡出子(婚姻関係にある夫婦の間に生まれた子)と推定されることになるため、子供は元夫の戸籍に入り、元夫の姓を名乗ることになります。(※なお、本記事では、夫が戸籍の筆頭者となっていた、つまり結婚時に妻が改姓して夫の姓を名乗っていたとして説明していきます。)

一方、離婚が成立してから300日より後に生まれた場合は、非嫡出子となるため、子供は母親の戸籍に入り、母親の姓を名乗ることになります。この場合、元夫が認知して法律上の親子関係を成立させない限り、元夫に対して子供の養育費を請求することはできません。非嫡出子の認知についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

  →(離婚_非嫡出子_認知 リンクページ※作成予定)

平均的な妊娠期間は、最終月経開始日から280日といわれているため、妊娠中の離婚では、多くの場合、離婚が成立してから300日以内に出産することになるでしょう。子供の戸籍を母親に入れ、同じ姓とするためには、家庭裁判所に「子の氏の変更許可」の申立てを行い、許可を得るという手続が必要になります。

再婚する場合の注意点

妊娠中に離婚した後、再婚する場合には注意が必要です。なぜなら、離婚後に生まれた子供の実の父親が再婚相手だったとしても、出産時期が離婚後300日以内であれば、子供は元夫の嫡出子と推定され、元夫の戸籍に入ることになってしまうためです。

子供を再婚相手の実子として戸籍に入れるには、まず、元夫に「嫡出否認調停」の申立てを行ってもらい、嫡出否認が確定した後、再婚相手に認知してもらいます。そして、家庭裁判所に「子の氏の変更許可」の申立てを行い、再婚相手の戸籍に入る許可を得る必要があります。

なお、夫が長期の海外出張中に妊娠した子供のように、推定の及ばない嫡出子であれば、母親が自ら「親子関係不存在確認調停」を申し立てるという方法をとることができます。

子供の親権はどちらが得るのか?

離婚後に生まれた子供の親権は、母親が得ることになります。そのため、妊娠中に離婚が成立すれば、基本的に元夫に親権が渡ってしまうという事態は防げます。

なお、協議や調停で双方が合意すれば、元夫を親権者とすることは可能です。話し合いがまとまらず、審判を行うことになったとしても、生まれたばかりの子供の場合、親権の獲得は母親が有利になるため、裁判所に元夫が親権者となることを認めてもらうのは難しいといえます。母親の親権獲得についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

養育費の請求について

妊娠中に離婚したとしても、離婚後300日以内に生まれた子供は、元夫の嫡出子と推定されるため、元夫に対して養育費を請求することができます。一方、離婚後300日より後に出産した場合であっても、元夫に認知してもらえれば、養育費の請求が可能になります。

面会交流の重要性

妊娠中の離婚でも、通常の離婚の場合と同じく、非親権者である元夫と子供との面会交流は、子供の健全な成長を助けるためにとても重要なことと考えられています。

離婚後、必ずしも面会交流を行わなければならないわけではありません。ですが、元夫が面会交流を望む場合、裁判所の手続を利用して取り決めることになったら、面会交流が子供の福祉に悪影響を与えるといった特別な事情がない限り、原則実施することが認められる傾向にあります。

ただし、面会交流を行うことになったとしても、生まれたばかりの子供の場合には、非親権者と子供のみでの面会交流は難しいとされ、子供がある程度の年齢になるまでは、補助者を同席させての面会交流や、制限された方法での面会交流となるケースが多いようです。面会交流についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

妊娠中の離婚、慰謝料はもらえるのか?

相手の不貞行為が原因で離婚するケースのように、相手に婚姻関係を破綻させた有責性がある場合には、「離婚すること」または「離婚原因となった相手の行為」により精神的苦痛を被ったとして、慰謝料を請求できます。これは、妊娠中の離婚でも同様です。相手が請求に応じてくれれば、請求内容どおりに慰謝料をもらえますが、請求に応じてもらえずに最終的に裁判を行う場合、慰謝料をもらうには、裁判所に請求を認めてもらう必要があります。

なお、裁判で請求が認められた場合、慰謝料の金額は、裁判所が様々な事情を総合的に考慮したうえで判断します。離婚時に妊娠中であるケースでは、受ける精神的苦痛が大きくなると考えられ、高額な慰謝料になる可能性があります。妊娠中に離婚した場合の慰謝料について、詳しい内容は下記の記事をご覧ください。

離婚前に中絶した場合の慰謝料について

本記事は、「妊娠中の離婚」をテーマにしていますが、離婚する前に中絶した場合も、相手に婚姻関係を破綻させた有責性があり、精神的苦痛を被ったのであれば、離婚の慰謝料を請求できます。中絶した場合の離婚の慰謝料について、詳しい内容は下記の記事をご覧ください。

シングルマザーが受けられる支援制度について

妊娠中に離婚することで、経済的に困窮してしまう場合があるため、離婚後、シングルマザーとして子供を育てていくことに不安を感じる方も多いかと思います。そのようなときは、国や地方自治体が設けている、ひとり親家庭を支援するための制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

ひとり親家庭への公的な支援制度は様々ありますが、そのうちのいくつかを下記にまとめましたので、ご参照ください。

児童扶養手当

概要

ひとり親家庭の生活の安定と自立を促進し、児童の福祉の増進を図るための手当。

支給額等

児童1人(全額支給)の場合:月額4万2910円

備考

  • 児童が18歳になった日から最初の3月末日を迎えるまで(※一定以上の障害がある場合には20歳未満まで)支給される。
  • 利用に際し、申請者本人(本記事の場合、親権者である母親)と、申請者と同居する申請者の扶養義務者に対して、所得制限がある。

※支給対象が“ひとり親家庭”に限られていない、「児童手当」とは異なる制度になります。

児童育成手当

概要

目的は、「児童扶養手当」と同様。育成手当と障害手当があり、東京都が独自に設けている制度。

支給額等

育成手当:月額1万3500円(児童1人あたり)
障害手当:月額1万5500円(児童1人あたり)

備考

  • 児童が18歳になった日から最初の3月末日を迎えるまで支給される。
    ※別途期間が伸長される場合があります。
  • 利用に際し、申請者本人に対して所得制限がある。

母子父子寡婦福祉資金貸付金

概要

ひとり親家庭や寡婦の方の経済的自立や、児童の福祉の増進を図るため、事業開始資金や就学支度資金等の資金を貸し付ける制度。

支給額等

受けられる貸付金額は、資金ごとに異なる。

備考

貸付金を受けるための要件は、資金ごとに異なる。

ひとり親家庭等医療費助成制度

概要

ひとり親家庭等の保健の向上や福祉の増進を図るため、医療保険の自己負担分の一部を助成する制度。

支給額等

助成の範囲は、各自治体で異なる。(例:無料、月額1000円(1人あたり)を助成、負担割合1割等 )

備考

自治体によっては、利用に際し、申請者本人と、申請者と同居する申請者の扶養義務者に対して、所得制限がある場合があります。

※制度の存否や支給要件等は、地域によって異なります。詳細は各地方自治体等にお問合せください。
※制度の内容は2019年10月1日時点のものです。

妊娠中に離婚すべきかお悩みなら弁護士に相談しましょう

離婚したいと考えても、妊娠中の場合、これから女手一つで出産して育てていくことに不安を抱いたり、生まれてくるお子様の将来を考えたりして、離婚すべきか悩まれることが予想されます。

もちろん、最終的に離婚に踏み切るかどうかを決断するのはご自身ですが、まず弁護士に相談し、親権や養育費、面会交流、慰謝料といった離婚に関わる様々な問題について確認してみることをお勧めします。そのうえで、離婚すべきか判断することは、ご自身と生まれてくるお子様にとって、より最善な方法をとることに繋がるのではないでしょうか。

妊娠中に離婚に至ってしまう原因とは

妊娠中の妻が夫と離婚したいと考える原因には、どのようなものがあるのでしょうか。原因として挙げられるものを、いくつかご紹介します。

妻の妊娠中に夫が浮気する

つわりや体調の不安定さ、母体や胎児への負担等を理由に、妊娠中はセックスレスになるご夫婦もいらっしゃいます。そして、セックスレスに不満を感じた夫が浮気してしまい、妊娠中に夫が浮気したことに対して妻が怒りを抑えられず、離婚に至るというケースがあります。

妊娠中の妻にDVやモラハラをする

妻が妊娠中であっても、DVをする夫はいます。特に、身体的暴力の場合、母体はもちろん、お腹の赤ちゃんの命も危険になるため、早期の離婚を望まれる方は多いでしょう。また、モラハラのような精神的暴力の場合も、妊娠で不安定になっているメンタル面にさらなる大きなダメージを与えることから、離婚に至るケースがあります。

DVやモラハラについての詳しい内容は、下記の各記事をご覧ください。

マタニティブルーが原因で夫婦仲が悪くなる

妊娠中や出産後において、ホルモンバランスが大きく変わること等で、苛立ちやすくなったり、涙もろくなったり、疲れやすくなったりといった、感情の起伏が激しくなる、いわゆるマタニティブルーになる女性もいます。マタニティブルーは一過性のものといわれていますが、マタニティブルーになっている時期に、夫の些細な言動でイライラしてしまったり、夫に八つ当たりしてしまったりして、夫婦喧嘩が増えて夫婦仲が悪くなり、離婚に至るご夫婦もいます。

夫に父親になる実感がわいていない

実際に身ごもっている女性とは異なり、男性は、身体的に何か変化があるわけではないため、なかなか父親になるという実感がわきづらいことが予想されます。夫に父親になる実感がわいていないことで、これから生まれてくる子供に対して抱く気持ちに温度差を感じ、すれ違いが生じてしまい、離婚に至るケースもあります。

財産分与の手続も忘れずに

離婚する際には、婚姻中に夫婦の協力により築いた共有財産を、原則として2分の1ずつの割合で財産分与することができます。離婚時に妊娠していたとしても、財産分与を受けられることに変わりはありません。なお、これから生まれてくる子供のために準備していた預貯金も、その出どころが共有財産であれば、財産分与の対象になります。

財産分与についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

内縁関係に関するQ&A

Q:

妊娠中に離婚した場合、出産後の生活費を元夫に請求できますか?

A:

妊娠中に離婚した場合、出産後の生活費を元夫に請求することはできません。離婚が成立する前の婚姻中であれば、婚姻費用として、元夫が負担すべき生活費を請求することが可能ですが、離婚後においては、婚姻費用の分担義務は生じないためです。

ただし、元夫と話し合って同意を得ることができれば、離婚後であっても、出産後の生活費を受け取ることはできます。

Q:

妊娠中に離婚を考えていますが、子供を夫の戸籍に入れたくありません。出生届を出さなければ夫の戸籍に入らずに済みますか?

A:

出生届を出さなければ、子供は夫の戸籍に入らずに済みますが、同時に誰の戸籍にも記載されない無戸籍状態になってしまいます。無戸籍の場合、保険証やパスポートを作れない、義務教育が受けられない等の不利益を被るおそれがあります。一定の要件を満たし、必要書類を提出することで、このような行政サービス等を受けられるケースもありますが、戸籍がある場合に比べると、手続の煩雑さ等でどうしても負担がかかってしまうでしょう。

また、そもそも出生届は、出生の日から14日以内(国外で出生した場合は3ヶ月以内)に提出しなければならないと法律で定められており、正当な理由なく届出を行わなかった場合、5万円以下の過料に処せられる可能性があります。

ご質問者は、離婚後300日以内に生まれた子供は元夫の嫡出子と推定されるため、子供が“元夫の実子として”戸籍に記載されてしまうのをおそれていることが予想されます。このような場合には、子供を元夫の実子としないように、嫡出否認や親子関係不存在確認の手続を行うといった方法をとっていくことになります。

Q:

離婚から300日以内に生まれた子供の戸籍を、母親の戸籍に入れることはできますか?

A:

離婚から300日以内に生まれた子供は、元夫の嫡出子と推定されますので、結婚時に夫を戸籍の筆頭者としていたら、子供は元夫の戸籍に入ることになります。この場合、家庭裁判所に対して「子の氏の変更許可」を申し立て、許可を得た後、市区町村役場に入籍届を提出することで、子供を元夫の戸籍から母親の戸籍に移すことができます。

妊娠中の離婚について不明点があれば、一度弁護士にご相談ください

妊娠中に離婚する際には、様々な注意点があることをご理解いただけたでしょうか。なかでも、出産時期が離婚後300日以内かどうかで、お子様の戸籍や姓に大きな影響を与えることは、妊娠中の離婚で特に問題になりやすいです。

出産を控えているなか、離婚を進めていくことで、精神的にも身体的にも大きな負担を強いられるかと思います。妊娠中の離婚でご不明な点やお悩みがある場合には、一度弁護士にご相談ください。戸籍や親権等、お子様に関するお悩みはもちろん、離婚後に経済的困窮に陥るおそれがあることへのお悩みについても、法律の専門知識に基づき、個別の状況に応じた適切なアドバイスをいたします。また、相手とのやりとりを含め、離婚成立に向けた手続や離婚後に必要な手続を、弁護士が代行することも可能です。

離婚後、生まれてくるお子様との生活がより良いものとなるよう、妊娠中に離婚をお考えの方は、まず弁護士に相談することをご検討いただけますと幸いです。

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