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コラム

公務員が離婚する時に知っておきたいポイント

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

愛知県弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフを擁し()、拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。

公務員は、国家公務員、地方公務員に大別され、その中でさらに特別職、一般職に区分されています。例えば、国家公務員の特別職としては内閣総理大臣、地方公務員の一般職としては消防職員があげられるように、職種はさまざまですが、“収入が安定している”というイメージが共通しているのではないでしょうか。福利厚生も充実しており、社会的な信用を得やすいといえるのも特徴です。

ただし、離婚の際には、そんな公務員だからこそ注意すべきポイントがあります。具体的にみていきましょう。

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公務員の離婚原因とは?

一例として、不倫や暴力沙汰等が大事になり、社会的信用の失墜から離婚に至るケースがあげられます。

公務員は、“安定した収入”のイメージから、異性に一定の人気がある職業です。しかし、職種によっては数年おきに異動や、ときに出向等があるため、単身赴任をせざるを得ないといった場合があり、その間に不倫に陥るケースもあるようです。警察官は不倫によって懲戒処分の対象となることもある等、社会的な信用を失えば、家族や仕事等も同時に失うことになりかねません。

公務員が離婚する際の財産分与

離婚に際して行う財産分与は、預貯金や不動産等、婚姻中の夫婦の協力による財産全てを対象に、原則2分の1ずつの割合で清算するものです。公務員の場合、財産分与において以下にあげる「退職金」、「共済年金」、「共済貯金」が争点となりやすい傾向にあります。それぞれ順番にみていきましょう。

退職金

公務員は、収入が安定しており、昇給テーブルが明確であること等から、定年まで勤続する可能性が高いとみられます。その一方で、雇用先がなくなることは考えにくく、将来、ほぼ確実に退職金を受けとれる蓋然性の高さから、退職金が財産分与の対象になると判断される場合があります。なお、退職金のうち、婚姻期間に対応する部分のみを対象とする等、分与対象の範囲は事案によって異なります。

共済年金

共済年金のうち、婚姻期間に対応する部分は年金分割の対象になります。もっとも、共済年金は平成27年10月をもって厚生年金に一本化されています。つまり、一本化する前に共済年金の保険料を納付していた方の、婚姻期間に対応する部分が対象となります。

また、一本化以降に納付している厚生年金についても同様に対象となります。

共済貯金

公務員は、自身が加入する共済組合を利用して貯金をしているケースがあります(=共済貯金)。共済貯金は、給与から天引きされた資金を組合が運用し、一定の利息が還元される貯金方法です。婚姻期間にした共済貯金も、財産分与の対象になります。

公務員の離婚は財産分与が大きなポイント!より良い解決は弁護士へお任せください

公務員は収入が安定しており、職種や役職によっては退職金や預貯金が高額になる可能性があります。その場合、離婚条件を定めるにあたって財産分与が大きなポイントとなります。

どういったものが分与対象となるのか、どの程度の割合で取得できるかについては、個別の事情により異なってくるため、判断が難しいところとなります。財産分与については、離婚問題に詳しい弁護士に相談することが重要です。

離婚手続の流れ

まずは話し合いでの解決を試み、解決できなかった場合は裁判手続を利用します。

夫婦間での話し合いか(協議離婚)、家庭裁判所の調停委員を介しての話し合いか(調停離婚)は事案によるところとなり、調停手続では裁判所の判断で審判がなされることもごく稀にあります(審判離婚)。基本的に話し合いの中身や結果が第三者に公表されることはありませんが、裁判に発展した場合(離婚裁判)、口頭弁論期日という公開の法廷で実施される期日は一般傍聴が可能なので、具体的な事情が一部なりとも明るみに出る可能性があります。

公務員は社会的信用が重要視される職業であり、民間企業の会社員等に比べて私生活での振る舞いが仕事に影響する可能性が高いです。例えば不倫やDV等、倫理に反する行為が離婚原因である場合、職場に知られることで居づらくなる等、職種、職場によっては仕事を継続することが困難となり、退職、転職を考えざるを得ないケースもあります。離婚手続は慎重に進めるべきでしょう。

離婚方法別の手続については、それぞれ以下のリンクページをご参照ください。

さらに詳しく
離婚調停の流れ
さらに詳しく
審判離婚の流れ
さらに詳しく
裁判離婚の流れ

民法で定められている離婚事由

離婚裁判になった場合、離婚原因が、民法で定められている離婚事由(法定離婚事由)に該当すると認められなければ、離婚することはできません。法定離婚事由についての詳しい内容は、以下のページをご覧ください。

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公務員の離婚に関するQ&A

Q:

配偶者が公務員で、給与が徐々に上がっています。養育費や婚姻費用はどのように決められるのでしょうか?

さらに詳しく
婚姻費用算定表の見方
Q:

養育費について、強制執行の手続(給与差押え)を行った後、相手が転勤してしまいました。手続は無効になりますか?

Q:

夫婦ともに公務員の場合、財産分与はどうなりますか?

A:

財産分与の割合は原則2分の1ずつですが、夫婦間に通常予想されるよりも、婚姻中の財産形成への貢献に大幅な差があるとみられる場合には、夫婦の共有財産に対する寄与度が考慮され、分与割合の変更がなされるケースがあります。

夫婦の双方が公務員である場合、互いに安定した収入を得ていること、また、公務員の収入は、職種や役職による差はあるものの、性別による差はないこと等から、原則どおり2分の1ずつの分与割合で財産分与が行われるでしょう。

Q:

地方公務員の配偶者からDVを受けています。「信用失墜行為」で懲戒処分にできますか?

A:

地方公務員は、職務中の行為だけでなく、私生活でその信用を失墜させるような行為が認められると、懲戒処分が下されることがあります。なお、懲戒処分には、主に免職、停職、減給、戒告といった処分があります。

配偶者に対するDVは、「信用失墜行為」に該当すると予想され、DVを受けた者からの聴取・陳述等によってその事実が明らかになれば、懲戒の対象となり得ます。ただし、懲戒処分は、あくまでも所属する地方自治体の指針に従って下されるものです。例えば「免職にして欲しい」というような、DVを受けた者の希望が尊重されるものではありません。

Q:

公務員の配偶者から受けた不倫とDVを許せません。慰謝料の他、社会的制裁を加えることはできるのでしょうか?

A:

DVは、暴行、傷害の程度により刑事事件として告訴することが可能です。告訴によって、DVの事実が配偶者の雇用先の知るところとなれば、信用失墜行為に該当するとして、懲戒処分が下されることもあるでしょう。また、職種によってはメディア等で実名報道がなされ、DVだけでなく不倫まで露見することも考えられます。

懲戒免職となった場合、一定期間は公務員として再就職することはできません。一般企業へ再就職するにしても、懲戒免職となった事実を公表しなければならないことから、再就職は極めて難しいものになるでしょう。このように、結果的には社会的制裁を受けることに繋がるでしょう。もっとも、その場合には退職金が支給されないため、退職金を取得できる場合と比べて、財産分与の金額に大きな差が生じるおそれがあることには留意すべきです。

公務員の離婚問題は、経験豊富な弁護士へ相談するのがお勧めです

相手方が公務員の場合、特に金銭面においては、年収や財産に関する資料が適切に把握できていれば、それなりの条件で離婚できる可能性があります。他方で、自身が公務員の場合、収入があるはず、財産があるはずと疑ってかかられたり、金銭面の条件に固執された場合には、夫婦間での話し合いでは済まず、調停、訴訟と長くかかったりすることもあり得ます。

不貞行為や暴力沙汰、その他夫婦間の込み入った事情がある場合、その内容や知られた先によっては社会的な信用を失うことになりかねません。話し合いによる早期解決を目指したり、込み入った事情が露見した場合の立ち回り方を考えたりするならば、一人ではなく、離婚事案の経験豊かな弁護士と相談しながら進めるのが得策といえるでしょう。

弁護士法人ALGは、数多くの離婚事案を扱ってきた弁護士が集まっており、ご相談に来られた方のご不安を少しでも解消すべく親身な対応を心掛け、また、ご依頼のあかつきには依頼者の利益を図るために尽力いたしております。お悩みの方はぜひ、ご相談ください。

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