離婚裁判の流れ|裁判にかかる費用と期間

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

どうしても離婚したい事情がある場合、「裁判による離婚」が頭に浮かぶ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、裁判については、手続が難しそう、費用が高そうといったイメージはあっても、具体的にどのような流れで行われているのか、知らない方も多いことかと思います。

このページでは、離婚裁判の大まかな流れや、皆様からよくお伺いする、離婚裁判に関する疑問点等について解説します。裁判所に離婚の訴えを起こす際、弁護士に依頼すべきなのか、自分1人で戦えるものなのかと悩まれている方は特に、離婚裁判の大枠を掴んだうえで、よくよく検討すべきです。

では、次項より詳しく解説していきます。

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離婚裁判とは

離婚裁判とは、当事者同士の協議離婚では話がまとまらず、調停に移行しても離婚の可否や離婚条件等の合意ができなかった場合に、離婚を求める最終的な方法です。具体的には、家庭裁判所に離婚を求める訴えを起こし、口頭弁論や証拠調べを経て、裁判所が離婚を認める判決を下した場合に、離婚が成立します。

裁判で離婚の可否を争う際には、法律の定める離婚理由(法定離婚事由)の有無が重要となります。また、離婚の可否と併せて、離婚条件において争いのある点についても審理の対象となります。裁判所は、それらを総合的に勘案し、判決を下します。

離婚裁判の流れ

離婚裁判を行うには、まずは家庭裁判所に訴状を提出する必要があります。離婚裁判の流れについて、詳しくは下記のページで解説していますので、ぜひご覧ください。

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離婚裁判の流れ

離婚裁判にかかる費用

離婚裁判にかかる費用について

離婚裁判を起こす際には、手数料として1万3000円分の収入印紙代(①)や、郵便切手代(※裁判所によって異なります)といった費用がかかります。

上記の手数料は、離婚のみ(親権者の指定を含む)を求める場合の金額ですが、その他、財産分与や養育費といった附帯処分も求める場合には、さらに1200円ずつ加算した収入印紙代(②)が必要になります。

そして、慰謝料も求める場合には、請求金額に応じた収入印紙代と、1万3000円(①)を比べて高額な方に、附帯処分の手数料(②)を加えた金額が、必要な手数料になります。

離婚と併せ、子2人分の養育費と慰謝料200万円を求めて裁判を行うケースを例に、確認してみましょう。慰謝料の請求金額200万円に対する収入印紙代は1万5000円であり、1万3000円よりも高額です。したがって、「1万5000円(慰謝料請求分)+1200円×子2人分(養育費請求分)=1万7400円」で、合計1万7400円分の収入印紙代が、手数料として必要になります。
※「慰謝料の請求金額に応じた収入印紙代」については、裁判所のサイトで公開されている下記の資料をご参照ください。

弁護士費用について

弁護士法人ALGでは、離婚裁判に際し、着手金、諸経費、出廷日当、成功報酬の他、別途費用を頂戴する場合がございます。費目、金額は事案により異なるため、ご相談を承る際に、詳しくご説明させていただきます。

なお、弊所の弁護士費用の目安は、以下のリンクページをご参照いただければと思います。

さらに詳しく
離婚の弁護士費用

費用はどちらが負担するのか

裁判にかかる費用(収入印紙代、郵便切手代等)は、訴状提出の際には原告が負担しますが、最終的には敗訴した側が負担するか、判決によって定められた負担割合に基づき、原告、被告がそれぞれ負担することになります。

弁護士費用は、原則自己負担となります。なお、被告の不貞等といった不法行為を原因とする慰謝料請求の場合には、弁護士費用の一部を被告に請求できることもありますが、その金額は判決で認められた慰謝料額の約1割程度とされています。

離婚裁判に要する期間

DVが原因での離婚裁判は、事情により長引く場合もあります。1年以内に終わることもあれば、2年以上になることもあります。

別居をしていた場合

別居の事実が必ずしも夫婦関係の破綻と結びつくわけではありませんが、離婚裁判では、長期間の別居がある場合、法定離婚事由の⑤に挙げた「その他、婚姻を継続し難い重大な事由」に認められることがあります。

離婚における別居についての詳しい内容は、以下のリンクページをご覧ください。

どのくらい別居していれば裁判で認められるか?

裁判で離婚が認められる“長期間の別居”とは、5年以上が一つの指標といわれていますが、単に年数の総計だけで認められるわけではありません。婚姻期間に対して別居期間が長期間といえるかどうか、また、別居の経緯や、別居後の夫婦にどの程度交流があるのかといった個別の事情により、その判断は異なります。

離婚が認められる別居期間についての詳しい内容は、以下のリンクページをご覧ください。

家庭内別居でも離婚できるのか?

家庭内別居は、客観的にみて夫婦関係が破綻しているかどうかを判断することが難しいので、家庭内別居であることが認定されなければ、離婚することは容易ではないでしょう。ただし、相手方も家庭内別居を認めている場合や、証拠上客観的にも明らかな場合には、通常の別居として、離婚が認められる余地はあります。

単身赴任も別居期間に含まれるのか?

裁判では、別居なのか単身赴任なのかを争うことが多々ありますが、単身赴任は、別れて生活しているものの、夫婦の実体は失われていないものとして、離婚を見越してする別居とは異なるものとされています。つまり、「単身赴任」と認められれば、別居期間には含まれません。

家庭内別居や単身赴任を理由に、裁判で離婚するためには、離婚について意思表示や話し合いをしていること、生活費を完全に別にしていること、他の法定離婚事由があること等を立証する必要があるでしょう。

裁判をやむを得ず欠席するとき

離婚裁判は、原則出席しなければなりません。正当な理由もなく欠席を続ける場合には、裁判官の心証を害することになり、判決に影響が及ぶことも考えられます。

しかし、欠席したからといって、直ちに敗訴したり、相手方の主張が認められたりするわけではありません。一方の出欠席に関わらず、他方は自身の主張を立証する必要があるため、裁判は進んでいきます。

また、自身が被告の立場である場合には、第一回口頭弁論期日に限り、答弁書の提出によって欠席扱いとはならないことになっています(=擬制陳述)。ただし、答弁書の提出もせず、裁判に出席もしなかった場合、原告の主張が立証されれば、原告の請求どおりの判決が下されてしまうため、注意しなければなりません。

この点、弁護士に依頼している場合は、本人尋問や和解期日といった本人の出席が求められる期日を除き、弁護士の出席のみで十分とされているため、弁護士に依頼しておくと安心でしょう。

離婚裁判のメリット、デメリット

メリット

裁判では、法定離婚事由があることを、客観的な証拠に基づいて立証することができれば、相手方の意思に関係なく離婚を成立させることができます。また、判決には強制力があり、決められた離婚条件等を守らなかった場合には、直ちに法的な措置をとることができます。

デメリット

納得できない判決が下されたとしても、判決には強制力があるため、必ずその内容を守らなければなりません。また、裁判は、場合によっては1~2年以上を要する、時間がかかる手続であり、精神的に大きなストレスとなるうえに、その間の弁護士費用等は経済的にも大きな負担となります。

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離婚裁判に関するQ&A

Q:

裁判を申し立てられた場合に離婚を拒否することはできるの?

A:

離婚調停では、夫婦のどちらか一方が離婚を拒否したり、調停への出席を拒否したりすれば、離婚が成立することはありません。

しかし、離婚裁判では、被告が離婚を拒否する主張をしたり、裁判への出席を拒否したりしても、原告の主張立証によって離婚理由があることや、夫婦関係が破綻していること等が認められれば、離婚が成立してしまうおそれがあります。

そのため、離婚をしたくない場合には、まずは通知された期日に出席する必要があります。そして、原告の請求を認めない旨を答弁書や口頭弁論等で主張し、離婚理由がないこと、夫婦関係が破綻していないこと等を被告自身で立証して、請求棄却の判決を得なければなりません。

Q:

知人が裁判を見たいと言ってきた場合に見ることはできるの?

A:

裁判は原則として、手続が公正になされるために広く一般に公開されます。そのため、公開の法廷で行われる手続の期日を知人が把握している場合には、傍聴することができます。もっとも、裁判の多くは、初回の口頭弁論期日や尋問期日を除いて、「弁論準備手続」として非公開の場で行われます。非公開の手続を、裁判所の容認なくして傍聴することはできません。

Q:

離婚裁判中に協議離婚することはできるの?

A:

離婚裁判中に、話し合いによって解決できそうな見通しが立った場合には、協議離婚することもできます。実務上、離婚の際の戸籍の表示に関わってきますので、双方が協議離婚により離婚することに合意をした場合に、協議離婚を選択することはよくあります。ただし、協議離婚を選択する場合にも、離婚条件については、裁判上の和解により明確に定めておくことが重要です。

Q:

離婚裁判で敗訴した場合、すぐに裁判の申立てができるの?

A:

離婚裁判で敗訴し、なお離婚を求める場合には、すぐに訴えを起こすことは可能です。

しかし、敗訴した裁判において審理された離婚理由には既判力が及ぶため、同じ理由をもって訴えを起こすことはできず、異なる離婚理由をもって訴えを起こす必要があります。また、その離婚理由が夫婦関係の破綻を立証できるものでない場合には、再び敗訴することも予想されます。

したがって、敗訴し、直ちに夫婦関係の破綻を主張できるような理由がないような場合には、別居を長期化させる等して、確定判決時から事情の変更があることを理由に、再度申立てを行うことが有効です。

Q:

離婚裁判を行う場所はどこでもいいの?

A:

離婚の訴えを起こす裁判所は原則として、夫婦いずれかの住所地を管轄する家庭裁判所となります。原告は、利便性から自身の住所地の裁判所に訴えを起こすケースが多いですが、調停が相手方の住所地の裁判所で行われることから、夫婦の意向や裁判所の判断により、調停を行った裁判所で引き続き裁判を行うケースが多いです。

Q:

離婚裁判後すぐに再婚することはできるの?

A:

男性は離婚した後、翌日にも再婚することができますが、女性は民法に再婚禁止期間の規定があるため、離婚から100日が過ぎなければ再婚することはできません。

民法では、離婚から300日以内に生まれた子は前夫との子、再婚から200日以降に生まれた子は現夫の子と推定されます。ところが、100日を空けずに再婚すると、推定期間が重なるため、子の父親が誰か判別できなくなってしまいます。

このような問題が生じることを避けるために、女性に再婚禁止期間を設けています。

Q:

有責配偶者から離婚裁判を申し立てても離婚できるのか?

Q:

相手が離婚を拒否し続けたら裁判でも離婚することはできないの?

A:

協議や調停では、相手方が離婚を拒否している場合、離婚を成立させることができません。しかし、裁判では、法定離婚事由を立証することができる場合、相手方の意向に関わりなく離婚を成立させることもできます。

しかし裏を返せば、性格の不一致といった立証が難しい離婚理由の場合、裁判で離婚を成立させることは難しいといえます。そういった場合には、別居を経てから訴えを起こす等の手段が考えられますが、具体的な対処法については、弁護士に相談し、事案に応じたアドバイスを受けるべきでしょう。

離婚裁判を考えているのなら弁護士に依頼するとスムーズにすすみます

以上のことからわかるように、離婚裁判には法的な専門知識が必要不可欠です。離婚問題を多く取り扱ったことのある、経験豊富な弁護士であれば、必要書面の作成はもちろん、裁判のどんな場面で、どのような主張をし、どういった証拠を提出することが有効か等という知識が蓄積されているため、スムーズに裁判手続を進めていくことが可能です。

迷っている方は、まずはご相談いただき、弁護士への依頼をご検討ください。

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