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コラム

会社経営者特有の離婚問題

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

愛知県弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフを擁し()、拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。

会社経営者の方の離婚は、一般の給与所得者の方の離婚の場合とは異なる、特有の問題が生じます。

会社経営者の方は高額所得者が多く、主に財産分与や養育費等の算定といった金銭面での問題が生じがちです。また、配偶者が経営者と同じ会社に属している場合、経営面や雇用関係の問題が生じるケースもあります。ですから、離婚に際しどんなことに気を付けるべきか、自身のため、会社のためにも知る必要があるのです。

ここでは、夫婦の一方、または双方が会社経営者である場合に生じる問題について、順番に解説していきます。

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会社経営者の離婚原因とは?

経営が大変

事業の大小に関わらず、会社経営者は多くのストレスを抱えています。商品やサービス、人材、資金繰り等について常に考えており、それらがいつも順調とは限りません。経営者の悩みは、その立場になってみないとわからないことも多く、家族の理解を得られないケースもあるでしょう。仕事に一生懸命なあまり、家族のことが後回しになり、家庭不和の原因となることもあります。

男女関係

会社経営者はその実情は別として“お金持ち”というイメージが先行する傾向にあり、リーダーシップのある人間性やビジネススキル等も含めて魅力的に感じる方もいるため、異性に人気がある職業の一つです。

例えば、会社経営者は、社内で長い時間を過ごしてきた異性の従業員や、自身の見識、人脈を広げるために参加した異業種交流会やセミナーで意気投合した異性と、価値観や悩みを共有していくなかで、不倫関係に陥るケースがあるようです。

事業の失敗

会社経営は、成功すれば大きな利益を得られる反面、失敗すれば大きな負債を抱えるといったリスクが伴います。事業の失敗により、負債が返済できずに倒産してしまう場合や、社会的信頼を失ってしまった場合等には、家族に対して生活上で生じる問題をはじめ、さまざまな影響が及ぶことも考えられます。こうしたケースでは、やむを得ず自ら離婚を切り出したり、配偶者から離婚を求められたりすることもあります。

会社経営者が離婚する際の「財産分与」

夫婦の一方、または双方が会社経営者の場合、一般の給与所得者と比べて年収が高額であることから、保有する財産が多くなるため、財産分与額が争われるおそれがあります。

他方で、役員報酬等を控えめにしつつ、自分の会社名義で購入した財産を運用しているケースもあり、財産分与の対象について争われることもあります。

これらの予想される問題について、順番にみていきましょう。

会社経営者との離婚で財産分与の割合は?

財産分与は、原則として共有財産を2分の1ずつの割合で分割します。しかし、一方が会社経営者であり、配偶者が専業主婦(主夫)である場合等には、財産形成の貢献度にかなりの差が生じ得るため、財産分与の割合が修正されることがあります。

例えば、経営者が事業を拡大し蓄財できたのが、経営者本人の才覚や能力によるところが大きく、収入額から通常予想される財産形成の程度よりも多額の財産を築いたといえる場合には、共有財産の形成において、経営者個人の貢献が大きいとの評価が可能となるため、分与割合を2分の1から修正する余地があります。つまりこの場合、共有財産の寄与度に応じて割合を修正し、分与することになります。

会社経営者に特有の離婚問題……お互いに納得のいく形での解決は弁護士へお任せ下さい

財産分与額が高額になりそう、共有財産の内容が判然としないといったケースでは、共有財産の情報整理や財産分与の割合に関する言い分を用意する等の事前準備が重要となります。このような作業は、離婚問題に詳しい弁護士に依頼し、慎重に進めるのが良いでしょう。

さらに、当事者同士の話し合いでどちらも主張を譲らない場合には、家庭裁判所の手続の利用が視野に入ってきますので、法的知識のみならず当事者の代理人として手続に参加できる弁護士に相談するのが有益です。

では、会社経営者に特有の離婚問題について、もう少し詳しくみていきましょう。

財産分与の対象となるもの

一般的には、婚姻期間中に取得した預貯金、不動産(土地、建物)、自動車、家具、家電、保険等が対象となりますが、会社経営者の場合、これに加えて自社株やゴルフ会員権等を保有していることが考えられ、これらも対象になり得ます。

財産分与の対象となる資産について、もっと詳しく知りたい方は、以下のリンクページをご覧ください。

さらに詳しく
財産分与の対象

会社経営者の財産分与での注意点

動産

会社経営者は、高価な自動車、家具、時計、貴金属、骨董品等を有している可能性があります。これらが分与対象になる場合、時価額を適切に鑑定してもらったうえで分与する必要があります。

有価証券

配偶者名義で株式、出資持分といった有価証券や、ゴルフ会員権等を婚姻中(同居中)に取得していた場合、これらは共有財産であり、分与対象となります。

上場会社の株式は、株式市場の時価を評価額として扱いますが、非上場会社の株式は、評価方法によって評価額が変わるため、評価方法について争いが生じるケースもあります。

また、自社株も分与対象となる可能性がありますが、財産分与によって経営者の保有する株式の割合が減少した場合等には、会社の経営に多大な影響が及ぶおそれがあるため、分与方法については金銭を支払う方法に代える等、調整する必要があるでしょう。

退職金

離婚時に退職金を受け取っていなくても、将来的に支給される可能性が高いと認められる場合には財産分与の対象となり得ます。

会社経営者は、株主総会の決議や退職慰労金規程等に従い、退職金の支給を受けることがあります。会社にとって退職金は大きな支出であるため、会社のキャッシュフローに影響しないよう、また、節税対策として、長期平準定期保険、逓増定期保険等の生命保険や、小規模企業共済に加入していることも考えられます。

この場合、そういった対策をしていない会社に比べて退職金が支給される可能性は高いといえますが、退職金全額が当然に分与対象となるわけではなく、支給が予想される時期によっては、分与対象にならないこともあります。

会社名義の財産は分与の対象となるか?

会社の財産と経営者個人の財産とは別物であるため、原則として、会社名義の財産は財産分与の対象とはなりません。

ただし、個人事業に近い、夫婦経営の会社等の場合には、会社の財産と経営者個人の財産との区別が曖昧なことが多いため、会社名義の財産であっても、婚姻期間中に形成されたものについては、実質的には夫婦の財産であると認められる可能性があります。この場合は、夫婦の財産として認められた財産に限って、例外的に分与の対象とすることができます。

会社経営者の慰謝料は高額になる?

慰謝料とは、相手方の不法行為によって精神的苦痛を受けた場合に請求することができる損害賠償金のことです。離婚の場合、相手方に不貞行為があった場合や、DVを受けていた場合等が該当します。

会社経営者の場合、他方配偶者からの慰謝料の請求額も高額になる傾向にありますが、慰謝料の金額は、不法行為の内容や、精神的苦痛の程度、夫婦の状況等から総合的に判断されます。したがって、会社経営者であるからといって、慰謝料が必ずしも高額になるとは限りません。

離婚における慰謝料請求についての詳しい解説は、以下のリンクページをご覧ください。

会社経営者が離婚する際の婚姻費用や養育費の算定方法

婚姻費用や養育費は、夫婦の話し合いで決められない場合、家庭裁判所が使用している「養育費・婚姻費用算定表」を目安に決めるのが一般的です。

しかし、算定表で設定されている年収の上限は2000万円であり、会社経営者の場合は年収が2000万円を上回ることも考えられます。その場合、算定方法について争いが生じるおそれがあります。

婚姻費用や養育費の詳しい算定方法、また、年収が2000万円を上回る高額所得者についての算定方法は、それぞれ以下のリンクページをご覧ください。

配偶者が会社の従業員として働いている場合どのようにすればよいか?

まずは、このまま雇用関係を続けるか否か、配偶者の意思を確認します。もし、会社経営者側が雇用関係を解消したいと思っていても、配偶者が継続の意思表示をすれば、経営者であっても、離婚のみを理由に解雇することはできません。なぜなら、離婚と雇用の問題とは別個であり、労働契約法によれば、解雇には、客観的にみて合理的で、社会通念上相当と認められる理由が必要とされているからです。離婚のみを理由に解雇した場合、配偶者から解雇無効確認訴訟を起こされるおそれがあります。

なお、配偶者が退職の意思表示をした場合にも、解雇という形ではなく、配偶者に自主退職、合意退職等の手続を行ってもらう必要があります。

配偶者が役員の場合

配偶者が離婚後も役員を継続することについて、会社経営者には会社の経営への影響が、配偶者には会社にトラブルが生じた際に責任を負わなければならないリスクが懸念されるところです。そのため、離婚と同時に委任関係の解消を検討する夫婦もいるでしょう。

従業員の場合と同様、経営者が離婚のみを理由に配偶者を解任することはできないため、株主総会で解任決議を得る、任期の満了(再任決議がなければそのまま退任)を待つ、あるいは配偶者に辞任届を出してもらう等、然るべき手続を踏む必要があります。

なお、経営者は、配偶者の退任前に役員報酬を停止したり、退任時に規程があるにも関わらず退職金を支給しなかったりすることもできません。

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会社経営者の離婚に関するQ&A

Q:

相手に財産を渡したくない場合、財産を意図的に会社名義に変更したら違法ですか?

A:

本来財産分与の対象とすべき自身の名義の財産を意図的に会社名義に変更した場合、名義変更のために行った贈与又は譲渡行為は、民法上、詐害行為取消権の対象となる可能性があります。

その他、財産を相手方に断りなく持ち去ったとして窃盗罪が、財産を隠し、相手方を騙したまま財産分与を行ったとして詐欺罪の成立が考えられます。しかし、夫婦の場合、親族相盗例(親族間で発生した一部の犯罪行為または未遂行為についての刑罰が免除される)という刑法上の規定が適用されるため、刑事罰に処されることはありません。

一方で、窃盗や詐欺は民法上の不法行為に該当します。そのため、財産分与の対象にならないよう財産を会社名義に変更したことについて立証できる証拠を相手方が握っている場合には、損害賠償請求を受けるおそれがあります。

Q:

自社株の財産分与を要求されているが拒否したい場合はどうすればよいですか?

A:

婚姻時から別居時までに取得した株式ならば、特有財産を用いて取得したのでない限りは財産分与の対象となり得ます。しかし、自社株を分与すると配偶者が会社の株主となりますから、経営への影響が懸念されるところです。また、自社が譲渡制限会社である場合には取締役会の承認等を経ないと譲渡できず、そもそも分与不可能という事態もあり得ます。

自社株を譲渡したくない、できないといった場合は、自社株相当額の「代償金」を支払う方法による解決が考えられます。具体的には、経営者が対象となる株式をすべて取得する代わりに、配偶者に対し、株式を適正に評価したうえで、分与割合に相当する金額のお金(代償金)を支払います。

ただし、未上場株式の場合、株式の評価方法について争いとなるおそれがあることに留意しておきましょう。

経営に影響を及ぼす前に……離婚問題は弁護士へご相談ください

以上のように、会社経営者の離婚の場合、会社の経営への影響、配偶者との雇用関係等を考慮して話し合いや手続を行う必要があります。財産分与や養育費算定の基礎となる財産の範囲は広く、高額であるケースも多いため、慎重に検討しなければ、適正な金額で解決することができなくなってしまいます。また、経営者が感情的になって配偶者を解雇したり、報酬の支払いを停止したりすれば、配偶者から訴えを起こされるおそれがあり、どんどん問題は複雑化していきます。

会社経営者が離婚問題を円滑に解決するためには、離婚はもとより、企業法務や労働関係の知識にも長けた、経験豊富な弁護士の力が必要です。できるだけ問題が複雑化する前に、弁護士へご相談されることをお勧めします。

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