面会交流とは|子供に会う方法を決めるまでの流れ

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

夫婦が離婚して共同生活を解消すると、一般的に、子供は監護権を含む親権を獲得した親(監護親)と生活を共にし、他方の親(非監護親)とは離れて暮らすことになります。しかし、親子の縁は、離婚によって断たれるものではありません。

ですから、離婚後も非監護親と子供が交流を図る機会は設けられるべきだといえます。そのための制度が「面会交流」です。

本記事では、面会交流の概要や面会交流に至るまでの流れの説明、よくある疑問に対する回答をしていきたいと思います。

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面会交流権とは

面会交流とは、別居時や離婚後に、子供を監護養育していない親と子供が交流することです。対面での交流に限らず、電話をしたり、プレゼントや手紙を送ったりするといった間接的な交流も含みます。

親であれば当然に子供に会うことができる、親のための制度だと誤解している方もいますが、面会交流は子供の福祉(幸せ)のための制度であり、基本的に子供の権利だといえます。なぜなら、子供が親と交流することは、子供の健全な成長にとって重要であると考えられているためです。

面会交流ができるのはいつまで?

基本的には、親の監護権が及ぶ20歳(2022年以降は18歳)までと考えられています。もっとも、10代半ば以上の子供との面会交流は、子供の意思も重視されるので、監護親の意思のみによって実現することは難しくなります。このように、ある程度の年齢以上の子供との面会を強制する手段はないので、子供が20歳になる前であっても、子供の意思によっては面会交流をすることが叶わない可能性があります。

離婚前でも面会交流はできるのか

離婚前に夫婦のいずれかが一方的に子供を連れて別居し、他方の配偶者に会わせない等、離婚を見据えた別居のために子供と会えない場合にも、基本的には面会交流をすることができます。

面会交流について決めるべき内容とは

面会交流の具体的な方法については、基本的に離婚時に定めます。

なお、面会交流を行うと決めたにもかかわらず、子供を監護養育する監護親が、非監護親と子供を会わせようとしない場合には、裁判所に対して、間接強制の申立てをすることができます。そのためには、以下のように面会交流の具体的な方法について定めておく必要があります。

  • 頻度
  • 一回の面会時間と時刻
  • 子供の受渡し場所、面会場所
  • 付添人の有無
  • 面会交流を行うときの連絡方法
  • 学校行事等への参加の可否
  • 記念日にプレゼントをすることの可否等

面会交流について定めるべきルールについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

面会交流について決める際の流れ

面会交流の実施の可否や具体的な方法については、まず話し合い(協議)をし、協議が難しい場合には調停、不成立の場合には審判という流れで決められます。次項より説明します。

まずは夫婦間での話し合い(協議)

面会交流について、まずは離婚協議の中で話し合います。具体的な方法まで合意できた場合には、離婚協議書にしっかりと書き込みます。

口約束では、せっかく合意できた面会交流の取り決めが破られる可能性があるため、できれば公正証書の形で離婚協議書を作成し、その中に面会交流の取り決めについて書き込むと良いでしょう。

話し合いで決まらない場合

協議では合意を得ることが難しい場合には、家庭裁判所に面会交流調停(審判)の申立てをして、面会交流について取り決めることになります。詳しくは下記の記事をご覧ください。

さらに詳しく
面会交流調停の流れ

なお、不成立になった場合には、自動的に審判手続に移行します。審判では、面会交流について、裁判所の判断に委ねることになります。

取り決めた面会交流を拒否したい・拒否された場合

面会交流は子供の福祉のための制度であり、健やかな成長のために必要かつ重要だと考えられているため、単に子供を会わせたくないというだけの理由で、面会交流を拒否することはできません。

面会交流を拒否したい・拒否された場合については、下記の記事を参考にしてください。

 

面会交流について協議する際は、弁護士に相談するとスムーズに進みます

当事者である夫婦だけで協議や調停に臨むと、互いへの怒りや不信感等からなかなか話し合いが進まず、合意に至ることが難しい場合があります。早く子供に会いたいのに、話し合いが平行線を辿りいつまでも会えないといった事態に陥ることを防ぐためにも、弁護士に依頼することをお勧めします。

弁護士であれば、類似の事例や当事者の具体的な事情を考慮した案を提示し、説得力のある主張をすることができます。そのため、弁護士に依頼すれば、当事者の合意や、ご依頼者様の意に沿う裁判所の判断を導くことができる可能性が高まるでしょう。

面会交流と養育費の関係

「相手が養育費を支払わないから、子供に会わせたくない」あるいは「子供と合わせてもらえないから、養育費は支払わない」といった主張をする方がいます。しかし、面会交流と養育費は、その対象や性質が異なるまったく別のものなので、「一方をしない(されない)から他方を拒否する」ということはできません。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

祖父母でも孫と面会交流できるのか

父母の離婚により、可愛がっていたお孫様に会えなくなってしまうのは、非常に辛いことでしょう。残念ながら法律が想定している面会交流は、親子間のものであり、原則祖父母は対象となりません。

しかし、面会交流の取り決めに特に制限がなければ、面会交流中にどこへ行くか、誰と会わせるかは、基本的に面会者である非監護親の自由であると考えられています。

また、協議や調停等により監護親の了承が得られれば、祖父母も面会交流できる可能性があります。これは、父母間の合意によりはじめて認められるものなので、離婚協議書や調停条項への明記を忘れないようにしましょう。

一方、取り決めの当初から祖父母との面会を制限する合意があった場合には、祖父母との交流が制限される可能性はあります。

祖父母が親権を獲得したい場合はこちらをご覧ください。

再婚した場合の面会交流はどうなる?

監護親が再婚した場合でも、非監護親が再婚した場合でも、面会交流を止める理由にはなりません。なぜなら、面会交流は子供の福祉のための制度であり、たとえ親のどちらかが再婚したとしても、子供の健やかな成長にとって非監護親との交流を保つことは非常に重要だと考えられているからです。

また、再婚相手が、配偶者である監護親あるいは非監護親と子供との面会交流を嫌がったとしても、子供の権利である面会交流を止める理由にはなりません。

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面会交流に関するQ&A

Q:

子供が乳幼児の場合、面会交流は可能ですか?

A:

子供が何歳であっても、面会交流は可能です。

もっとも、非監護親に育児の経験がまったくなく、乳幼児の身の回りの世話ができない場合は、2人だけで面会交流をすることは難しいといわざるを得ません。また、生後6ヶ月前後になると子供は人見知りを始めるため、養育に携わっていない非監護親に子供が懐いていない場合も同様といえます。そのため、親権者等、補助者を同席させることが多いです。

また、子供が落ち着いて面会交流をすることができる年齢に達するまでは、写真や記念日のプレゼント等のやり取りによって、間接的な面会交流を実施するよう取り決める場合もあります。

Q:

面会交流時に子供を連れ去られた場合、どうすればよいですか?

A:

まず、子供の引渡しを要求し、非監護親が応じない場合には、管轄の家庭裁判所に非監護親を相手方とした「子の引渡し調停(審判)」を申し立てます。当該調停で子の引渡しについて協議しますが、調停が不成立になった場合には、自動的に審判手続に移行します。

Q:

面会交流の際、子供に誕生日プレゼントを贈っても良いのですか?

A:

面会交流についての取り決めや監護親の同意があれば、子供への誕生日プレゼントを贈ることができます。

これに対して、特に取り決めていないからといって、監護親に確認することなくプレゼントを贈ると、監護親との関係が悪化するおそれがあります。そのため、取り決めのない場合には、今後の面会交流を円滑に続けていくためにも、監護親の承諾を得るようにしましょう。

Q:

面会交流が認められない場合とはどのような場合ですか?

A:

面会交流をすることによって「子どものしあわせ」を叶えられない、むしろ悪影響を与えることが想定される場合です。具体的には、子ども自身が面会交流を嫌がる場合や、別居や離婚の原因がDVである場合、家庭裁判所の調査官の面談によって不当と判断された場合等です。

面会交流で不安なことがあれば弁護士に依頼してみましょう

折り合いの悪い元配偶者と子供が面会交流させたくないとお考えの方もいるでしょうし、面会交流を拒否されているものの何としても子供に会いたいと思い詰めている方もいるでしょう。しかし、何といっても、面会交流は子供の健全な成長のために、子供の福祉を図る制度であり、子供の権利です。面会交流の実施の許否や方法を決めるときには、子供の幸せという目的を忘れないように、冷静に話し合うようにしましょう。

ご夫婦だけでは落ち着いた話し合いが期待できない場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。法律の専門知識や数々の離婚問題を解決してきた経験に照らして、お子様の幸せを第一に考えながらも、ご依頼者様の希望ができる限り反映された、相手方にとっても合意しやすい案を提示させていただきます。

弁護士は、ご依頼者様の一番の味方となる存在です。まずはお気軽にご相談ください。

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