面会交流調停の流れ|申立て方法や調停を成立させるポイント

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

面会交流をどうするか、夫婦間で話し合って決められれば良いのですが、揉めてしまい、第三者の仲裁によって解決を図ることになる場合もあります。そのような場合に行われるのが、「面会交流調停」です。

そもそも面会交流とは、離れて暮らす親子が直接会って遊んだり、手紙のやりとりをしたりなどして、コミュニケーションをとることをいいます。離婚した後だけではなく、別居中でも面会交流を求めることはできます。

本記事では、面会交流調停の流れや、調停で聞かれること、調停を成立させるためのポイント等、「面会交流調停」にスポットを当てて詳しく解説していきます。

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面会交流調停とは

面会交流の話し合い

面会交流調停とは、離れて暮らす親子がどのように交流していくかを、家庭裁判所の調停委員を間に挟んで話し合う手続きのことです。

例えば、次のようなケースでは、面会交流調停を検討した方が良いでしょう。

  • 夫婦で話し合ったものの揉めてしまい、意見がまとまらない場合
  • そもそも話し合いに応じてくれない場合
  • DVやモラハラを受けていて、相手と直接話すことに恐怖を感じる場合

面会交流調停を進めていくのは調停委員ですが、調停委員は「子供の幸せ」を第一に考え、どうするのが良いかを考えます。

なお、面会交流調停は、離婚した後に申し立てることができるほか、離婚する前の別居中の段階でも申し立てることが可能です。別居中の面会交流については、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひこちらもご覧ください。

さらに詳しく
別居中の面会交流
 

面会交流調停で決めることができる内容

  • 面会頻度(例:月に1回、週に1回)
  • 面会時間(例:1回あたり3時間)
  • 面会場所(例:公園で面会する)
  • 当日の待ち合わせ方法(例:子供の自宅まで迎えに行く)
  • 連絡方法(例:電話、メール、LINE、親族を仲介させる)
  • 学校行事への参加について
  • プレゼントやお小遣いについて

面会交流調停で決めることができるのは、「面会交流をする・しない」だけではありません。「面会交流のルール」についても、話し合って決めることができます。 面会交流のルールとして決めておくべき内容には、例えば次のようなものがあります。

  • 頻度(例:月に1回、週に1回)
  • 時間(例:1回あたり3時間)
  • 場所(例:公園で遊ぶ)
  • 当日の待ち合わせ方法(例:子供の自宅まで迎えに行く)
  • 連絡方法(例:電話、メール、LINE、親族を仲介させる)
  • 学校行事への参加について
  • プレゼントやお小遣いについて

あとでトラブルが起こらないよう、面会交流のルールは曖昧にせず、具体的に決めておきましょう。面会交流のルールについてもっとよく知りたいという方は、下記の記事をご覧ください。

 

面会交流調停の申立て方法

調停申立書などの必要書類と費用

  • 申立書の原本とその写し
  • 連絡先等の届出書
  • 事情説明書
  • 進行に関する照会回答書
  • 非開示の希望に関する申出書(※裁判所に知らせなければならないものの、相手に知られたくない情報がある場合)
  • 未成年の子供の戸籍謄本(全部事項証明書)

面会交流調停を申し立てるには、次のような書類の提出が必要です。なお、個別の事情によって必要書類が異なる場合もありますので、事前に申立先の家庭裁判所に確認しておきましょう。

  • 調停申立書の原本とその写し
  • 連絡先等の届出書
  • 事情説明書
  • 進行に関する照会回答書
  • 非開示の希望に関する申出書(※相手に知られたくない情報がある場合)
  • 未成年の子供の戸籍謄本(全部事項証明書)

また、申立てには次のような費用もかかります。

  • 収入印紙:1200円分(子供1人につき)
  • 郵便切手:金額は申立先の家庭裁判所によって異なる

家庭裁判所に申立てを行う

必要書類と費用が準備できたら、家庭裁判所に提出して申立てを行います。提出の仕方は、裁判所の窓口に直接持って行くでも、郵送するでも構いません。なお、申立先の家庭裁判所は、次のいずれかの裁判所になります。

  • 相手方の住まいの家庭裁判所
  • 夫婦間で合意のうえ決めた家庭裁判所

申立てが受理されると、裁判所から申立人と相手方に対し、第1回目の調停期日を知らせる呼出状が届きます。呼出状が届くまでにかかる時間は、通常、申立てから約2週間程度です。

面会交流調停の流れ

面会交流調停の流れ

面会交流調停は、主に以下のような流れで進みます。

【調停の申立て】

【第1回目の調停期日】
申立人と相手方は別室に案内された後、交互に呼ばれ、それぞれ調停委員と話していきます。通常、調停委員と話すのは2回ずつです。
おわかりのとおり、基本的に相手とは顔を合わせずに済みます。

【第2回目以降の調停期日】
1回の期日で話し合いがまとまるケースは少なく、第2回、第3回…と、必要に応じて期日が設けられていきます。

【調停の終了】
調停成立の場合
基本的に夫婦が合意できれば調停が成立し、「調停調書」が作成されます。調停調書とは、調停で合意した内容を裁判所がまとめたものです。面会交流の頻度や時間等が、“調停条項”といって、箇条書きのかたちで記載されます。

調停不成立の場合
どちらか一方でも同意しなければ、調停は不成立となってしまいます。調停不成立の場合、自動的に「審判」の手続きに進み、裁判官の判断で面会交流をどうするかが決められます。

家庭裁判所調査官の調査が入る場合もある

なかなか合意できず、面会交流調停が難航しているケースなどでは、家庭裁判所調査官による調査(調査官調査)が入る場合もあります。

家庭裁判所調査官とは、心理学や教育学等に関する専門的な知識・技法を持った裁判所の職員のことです。面会交流調停では、例えば次のような調査が行われる可能性があります。

  • 子供との面談
  • 父母それぞれとの面談
  • 試行的面会交流(裁判所内のプレイルーム等で試しに面会交流をさせ、様子を見る。)

面会交流調停はどのくらいの回数・期間で行われるか?

面会交流調停は、2~3回程度の期日が設けられるケースが多いです。1ヶ月~1ヶ月半に1回くらいのペースで進み、終了するまでには半年程度かかるのが一般的です。

ただし、対立が激しい場合など、事案によっては4回以上の期日が設けられたり、終了するまでに1年以上かかってしまったりすることもあります。

なお、1回の期日にかかる時間は大体2時間程度です。

面会交流調停を拒否・欠席するとどうなる?

面会交流調停を、裁判所からの連絡も無視して拒否・欠席し続けた場合には、「調停に出席するつもりはない」と判断され、調停不成立となるでしょう。また、正当な理由もないのに裁判所からの呼び出しに応じず欠席すると、5万円以下の過料に処せられるおそれがあります。

面会交流をしたいと望み、調停を申し立てたにもかかわらず、「相手が来ない」とお困りの方もいらっしゃるかと思います。相手が無断欠席し続け、調停不成立となれば、自動的に審判の手続きに進みますのでご安心ください。審判では、調停と違って夫婦双方の合意は必要なく、すべての事情を踏まえて裁判官が判断します。

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面会交流調停で聞かれることとは?

面会交流調停では、調停委員が申立人と相手方それぞれに対し、事情を聞いていきます。聞かれることの多い内容について、例をいくつか挙げてみました。

《共通》

  • 現在の状況
  • 子供との関係
  • 離婚や別居に至った経緯
  • 希望する面会交流の条件
  • 面会交流に関して不安に思うこと

《申立人》

  • 申立ての理由、経緯

《相手方》

  • 申し立てられたことに対する意見
  • 申立人の主張内容への反論

調停委員と話す時間は限られています。緊張を和らげ、ご自身が主張したいことを落ち着いて伝えられるよう、聞かれそうな内容についてはあらかじめ意見をまとめておくと良いでしょう。

調停不成立の場合と不服申立てについて

調停不成立となった場合、自動的に審判の手続きに移ります。審判では、調査官調査の結果や、審問で当事者から聞いた内容など、すべての事情を踏まえたうえで、裁判官が面会交流について決めます。

審判の結果に納得いかないときは、不服申立て(即時抗告)をして、上の裁判所に再び判断を求めることができます。即時抗告ができるのは、審判結果の告知を受けた日の翌日から2週間以内です。
ただ、即時抗告をすれば、必ず自分が思うような結果に変わるとは限りません。結果が変わらない場合もあれば、逆に不利に変更されてしまう場合もありますので、注意しましょう。

裁判所が面会交流を許可しないこともある

裁判所は、基本的に面会交流を認める姿勢をとっています。面会交流で離れて暮らす親と触れ合うことは、子供の健全な成長に繋がると考えているためです。

しかし、ご家庭の事情によっては、裁判所が面会交流を許可しないこともあります。例えば、次のようなケースでは、面会交流がかえって子供の健全な成長を妨げてしまうと判断し、許可しない可能性があります。

  • 子供が面会交流を嫌がっている
  • 離れて暮らす親が、過去に子供を虐待していた
  • 面会交流の際に子供を連れ去るおそれがある
  • 両親のDVやモラハラを目の当たりにしてきたことで、離れて暮らす親に恐怖心を抱いている

下記の記事では、相手に面会交流を拒否された場合について解説しています。こちらもぜひ参考になさってください。

面会交流調停を成立させるポイント

面会交流調停がスムーズに進む場合は良いのですが、お互いの条件が折り合わず揉めてしまいそうな場合、調停を成立させるには、次のような対応をすることも考えてみましょう。

夫婦間の争いとは切り離して考える

そもそも離婚争いが泥沼化していて、お互いに信頼できていないことから、面会交流調停がスムーズにいっていないケースもあります。

そこで意識してほしいのが、面会交流調停はあくまでも「子供に関する話し合いの場である」ということです。面会交流は子供のための制度であり、最も重視すべきは「子供の幸せ」です。

話し合いをスムーズに進めるには、相手への嫌悪感や不満はひとまず置いておき、「これは夫婦間の争いではない」と割り切って考え、真摯に対応することが大切です。

調停委員を味方につける

面会交流調停をご自身に有利な流れで進め、成立させるためには、調停委員を味方につけることが重要なポイントになってきます。調停では、調停委員を通して相手と話し合っていくからです。

感情的にならず、冷静に話しましょう。そして、面会交流を望むのであれば、子供との関係が良好であること、面会交流についてどれだけ真剣であるか、子供のことを考えて面会交流をした方が良い旨を強調しておくと良いかと思います。そうして調停委員に「面会交流をするべきだ」と判断されれば、その方向で話し合いを進めてもらえる可能性があります。

試行的面会交流について

試行的面会交流とは、調査官調査の一つで、文字通り、試しに行う面会交流のことです。離れて暮らす親子を会わせてみて、その様子を調査官が観察し、うまくコミュニケーションをとれているかどうか、子供は嫌がっていないかどうか等を確認します。子供が小さい場合には、一般的に裁判所のプレイルーム等で行います。

試行的面会交流を通し、問題なく面会交流が行えるのだと証明してみせることも、調停を成立させるポイントになります。調停委員に「面会交流をしても大丈夫」と判断されやすくなるからです。

また、面会交流には何の問題もないこと、子供自身が面会交流をしたいと思っていることが伝われば、子供を育てる側の親が抱く面会交流への不安は軽くなるでしょう。その結果、話し合いがまとまりやすくなる可能性があります。

弁護士なしで面会交流調停を進めることは可能か?

弁護士なしで面会交流調停を進めることは可能です。しかし、おひとりで調停を行った場合、緊張して思うように話せなかったり、感情的になって冷静に対応できなかったりするおそれがあります。そうして本当に主張したいことが調停委員に伝わらなければ、望む結果を得るのは難しくなってしまいます。
また、裁判所への提出書類の作成に苦労することもあるでしょう。

弁護士なら調停を有利に進めるためのポイントを知っていますので、依頼してサポートしてもらうことで、納得のいく結果が得られる可能性が高まります。
また、申立ての手続き等を弁護士に任せることも可能ですので、手間が省けます。弁護士という心強い味方がいれば、身体的にも精神的にも負担は軽くなるでしょう。

面会交流調停の弁護士費用はどのくらいかかる?

面会交流調停を弁護士に依頼すると、着手金や成功報酬といった弁護士費用がかかります。金額は、法律事務所や個別の状況によって変わりますが、着手金と成功報酬を合わせて60万円程度(※実費や諸経費などを除く)が相場ではないでしょうか。

弁護士費用がかかるものの、先に説明したとおり、弁護士に依頼することには様々なメリットもあります。両方を比べてみて、弁護士にお願いすべきか検討すると良いでしょう。

面会交流調停の取り決めが守られなかった場合の対処法

面会交流調停で「面会交流をする」と決めたのに、その内容が守られずに子供に会わせてもらえないとき、対処法として考えられるのは主に次の3つです。

  • ①履行勧告
  • ②再び面会交流調停を行う(=再調停)
  • ③強制執行(間接強制)

①の「履行勧告」とは、取り決めた内容を守るよう、裁判所が相手に促す手続きのことです。強制力はないので、相手に無視されるおそれもあります。

また、③の「強制執行(間接強制)」とは、「取り決めた内容を守りなさい。守らない場合は“間接強制金”を支払いなさい。」と裁判所が相手に命令することをいいます。面会交流では、子供を無理やり連れてきて会わせるといった直接的な強制は認められていないので、間接強制金を課して心理的プレッシャーを与え、間接的に強制する方法をとることになります。

それぞれの対処法をもっとよく知りたいという方は、下記の記事を参考になさってください。取り決めた内容が守られず、面会交流を拒否されたときの対処法について詳しく解説しています。

面会交流調停に関するQ&A

Q:

面会交流調停で取り決めたルールを変更したい場合はどうしたらいいですか?

A:

面会交流調停で取り決めたルールを変更したい場合、当事者同士で話し合って合意できれば、変更することができます。ただ、一度決めた内容を変えるのですから、相手はそう簡単には頷いてくれないかもしれません。

当事者同士での話し合いで解決できそうにないときは、再び面会交流調停を行って決め直すという方法があります。再調停を成立させてルールを変更するためには、なぜ変更を望むのか、その理由を調停委員や相手が納得しやすいように主張していくことが重要です。

Q:

調査官による子供への聞き取りに母親が立ち会うことは可能でしょうか?

A:

調査官調査では、通常、誰も立ち会わせずに子供への聞き取りが行われますが、子供の年齢やそのほかの事情によっては、調査官の判断で親の立会いが可能になることがあります。

例えば、子供が小学校の中学年・高学年程度で、調査官からの質問の受け答えを1人でできるのであれば、基本的に親が立ち会うことは認められないと考えられます。

一方、子供が乳幼児である場合等では、親がいなければ不安も強いでしょうから、調査官の判断にもよりますが、希望すれば立会いが認められる可能性があります。

Q:

離婚調停と面会交流調停を同時に行うことは可能でしょうか?

A:

離婚調停と面会交流調停は、別物の事件として取り扱われますが、その実施については同時に行うことが可能です。

もちろん、異なる裁判所に申し立てて受理されている場合には、それぞれ別の日に行わざるを得なくなります。しかし、同じ裁判所に申し立てて受理されているのなら、同じ日・同じ時間に2つを併せて行っていくケースが多いでしょう。

離婚調停と面会交流調停を別の日に行うよりも同時に行った方が、全体を通して裁判所に足を運ぶ回数は減ります。そのため、身体的な負担が軽くなるというメリットがあります。

面会交流調停についてお悩みなら、まずは弁護士に相談してみましょう

面会交流する親子

面会交流は、子供の健全な成長のために行うものです。できる限りご自身の希望に沿った面会交流の内容とするには、ただ自分の要望を伝えるのではなく、自分の要望が子供の健全な成長のために望ましいということが伝わるよう、主張する必要があります。

また、お互いに自分の気持ちばかりを押し付け合っては、話し合いは平行線となり、いつまでたっても面会交流が実現しない事態になりかねません。早急に面会交流を実現するには、相手の同意を得やすいような案を提示することも大切です。

弁護士なら、調停に同席してサポートしたり、代わりに調停で主張したりすることができ、その際には専門知識や経験を活かし、ご依頼者様の希望が最大限叶うように尽力します。

さらに、それぞれのご家庭の具体的な状況や同様の事例等を踏まえたうえで提案するため、合意に達しやすくなるでしょう。

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保有資格弁護士(愛知県弁護士会所属・登録番号:41560)

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