離婚調停とは | 流れと必要な準備

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

夫婦で話し合っても離婚問題を解決できそうにないとき、次なる手段となるのが「離婚調停」です。離婚調停では、家庭裁判所の調停委員という人物が夫婦の間に入り、話し合いを進めていきます。

“裁判所”と聞くと、敷居が高そうに感じるかもしれませんが、あくまでも話し合いの手続きです。いくつかポイントを押さえておけば、調停をご自身に有利に進めていける可能性があります。

このページでは、離婚調停の流れや有利に進めるためのポイントなど 、「離婚調停」に関する情報を幅広く解説していきますので、ぜひご活用ください。

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この記事の目次

離婚調停とは

離婚調停とは

離婚調停とは、家庭裁判所の調停委員が仲介役となって、離婚に関する話し合いを進めていく手続きのことです。

正式名称は「夫婦関係調整調停(離婚)」といいます。離婚するかどうかはもちろん、財産分与や慰謝料といった離婚条件をどうするか?ということも話し合いの議題にできます。基本的に夫婦がともに合意すれば、調停は成立し、調停成立日をもって離婚となります。

離婚調停にかかる期間や回数

離婚調停を申し立ててから終了するまでの期間は、4ヶ月~1年程度かかるケースが多いようです。また、調停期日の回数は、2~3回程度となることが多い傾向にあります。これらは、令和2年度の司法統計のデータ(※「離婚調停」以外の婚姻関係事件も含む)を参考にしています。

ただし、個別の事情によって、離婚調停にかかる期間や、行われる期日の回数は違ってきます。揉めてしまい1年以上かかるケースもあれば、反対にすんなりと話し合いが進み、1回の期日で調停が成立するケースもあります。

裁判をする前には必ず調停が必要(調停前置主義)

「裁判」は離婚するための最終的な手段となりますが、基本的に、裁判をする前には必ず「調停」を行わなければなりません。このルールを調停前置主義といいます。

離婚をはじめ、婚姻の無効・取消しや、子供の認知など、主に家庭内の争いには、調停前置主義が適用されます。争いが解決した後も続く家族の関係や交流を考えると、「裁判」で裁判所が判断を下すよりも、「調停」で話し合いによって解決できた方が望ましいとされているからです。

調停を行わずにいきなり裁判を起こした場合には、通常、裁判所によって調停に移されることになります。

調停前置主義の例外

裁判所が「争いを調停に移すことが相当でない」と認めるときは、例外的に調停を行わずとも裁判ができる場合があります。

具体的には、相手が行方不明や精神障害等で調停をすることができない場合や、相手が調停に出席しない、または調停に出席できないことが明らかである場合、相手が死亡している場合、相手が外国籍であり、その国の法律との関係から調停手続きがなじまない場合などが、例外に該当すると考えられます。

離婚調停の流れ

離婚調停の流れ

離婚調停の一般的な流れは、次のとおりです。

  1. ①家庭裁判所に離婚調停を申し立てる
  2. ②第1回調停期日
  3. ③第2回目以降の調停期日
  4. ④調停終了(成立・不成立・取下げ等)

離婚調停は、申立てをしてから終わるまでに4~6ヶ月程度の期間がかかり、平均して2~3回程度の期日を行うことが多いようです。

ただし、それぞれの夫婦によって、離婚調停にかかる期間や行う期日の回数は違います。揉めてしまって1年以上の期間がかかるケースもあれば、スムーズに話し合いが進んで1回の期日で調停が終了するケースもあります。

特に、親権や養育費、財産分与、慰謝料等、話し合う内容が多ければ多いほど、調停は長引きやすいでしょう。なお、夫婦双方がお互いに全く譲る気がない場合などでは、裁判所の判断で、調停を長引かせるのではなく、早期に調停不成立とされることもあります。

まずは、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます(①)。

申立てが受理されてから2週間から1ヶ月程度で、家庭裁判所から第1回調停期日(②)の日時等を知らせる呼出状が届きます。離婚調停の当日は、家庭裁判所へ出廷したうえ、相手方と交代制で、約2時間程度にわたって調停委員と協議を進めていくこととなります。

その後は、必要に応じて第2回目以降の調停期日(③)の期日指定がなされ、②と同様に協議を進めていきます。当事者双方が合意に至ったとき、あるいは、合意に至らないと強く見込まれるときなど、裁判官により調停終了(④)が宣言されるまで調停は続きます。

離婚調停を申し立てるタイミングや事前準備、期日当日の流れ、調停終了のかたちなど、離婚調停の流れに関する内容を、以降でさらに掘り下げていきましょう。

離婚調停を申し立てるタイミング

いくつかのケースを例に、離婚調停を申し立てるタイミングを確認していきます。

  • 相手が話し合いに応じてくれない
    「離婚したい」と伝えて話し合いを持ちかけても、無視されて応じてもらえないのであれば、早い段階で離婚調停に進んだ方がいいでしょう。
  • 話し合いが平行線のままで意見がまとまらない
    夫婦がお互いに自分の意思を曲げず、話し合いが平行線のままとなっているときは、これ以上続けても、離婚成立までの時間は長くなる一方です。何回か話し合ってみて意見がまとまらないようであれば、離婚調停に進むべきでしょう。
  • 相手と直接話し合うことに恐怖を感じている
    DVやモラハラを受けている等の理由から、相手と直接話し合うのが怖いという方もいらっしゃるかと思います。そのようなケースでは、離婚の話し合いを持ちかけることで、逆上した相手から暴力を振るわれ、身に危険が及ぶおそれもあります。無理して直接話し合おうとせず、初めから離婚調停を行い、調停委員を通して間接的に話し合うことをおすすめします。

離婚調停を申し立てるための準備

離婚調停を申し立てるにあたっては、調停で話し合いたい内容を具体的に決めておきましょう。
例えば、財産分与としてどの財産をどのように分け合いたいのか、慰謝料をいくらほしいのか、子供がいる場合には親権や養育費はどうするのか、といったことです。

また、家庭裁判所によっては、申し立てる際に必要な提出書類が異なることもあるので、ご不安なときは事前に問い合わせて確認しておくことをおすすめします。

なお、申立先の家庭裁判所は、基本的に相手方の住所地を管轄する家庭裁判所ですが、2人が合意して決めた家庭裁判所とすることも可能です。ただし、後者の場合には、調停を申し立てる時までに当事者間で管轄合意書を取り交わしておく必要があります。

第1回目調停の当日の流れ

第1回調停期日の当日は、家庭裁判所の調停室にて離婚調停が開かれます。調停は、裁判官または調停官1名と、調停委員2名(男女1名ずつ)で構成される調停委員会によって執り行われ、主な進行役は調停委員が担っています。

通常、夫婦は、申立人控室と相手方控室に分かれて待機し、順番に調停室へ呼び出されます。調停委員と約30分、それぞれ2回程度話す時間が設けられるため、1回の調停に約2時間を要します。

離婚調停が第1回目で合意に至るケースはごく稀です。多くの場合、第1回目の期日から1ヶ月程度の期間を空け、第2回目の期日が設けられます。なお、この期間について明確な決まりはなく、期日前に調査が必要な事案や、家庭裁判所の都合によって変わってきます。

第2回目の期日やそれ以降の期日も、第1回目とほぼ同じ流れで進行します。

離婚調停の終了

調停成立

夫婦がお互いに合意し、調停委員会がその合意を相当と認めた場合には、調停成立となり、離婚調停は終了します。なお、調停成立となったときは、調停で決まった内容をまとめた「調停調書」が裁判所によって作成されます。

調停成立後の手続きについてはこちらで解説していますので、ぜひご覧ください。

→離婚調停 成立後の流れの項目(ページ内リンク)

調停不成立

話し合っても夫婦が合意する見込みがない、または、夫婦がした合意が相当ではないと判断した場合には、調停委員会は調停不成立として離婚調停を終了させることができます。

離婚調停が不成立となったことに納得がいかなくても、不服申立てはできません。そのため、離婚を望む方は、最終手段として「離婚裁判」を行うことになります。離婚裁判では、夫婦双方の合意は必要なく、裁判所が離婚するかどうかを決めます。また、離婚条件についても判断を求めることが可能です。

離婚裁判を行いたいときは、別途、裁判所に対して離婚裁判の申立て(訴訟提起)をすることが必要になります。調停が不成立になったら自動的に裁判の手続きに進むわけではないので、ご注意ください。

「離婚裁判」についての詳しい内容は、下記のページで解説しています。ぜひこちらも併せてご覧ください。

調停取下げ

申立人が調停取下げを行えば、そこで離婚調停は終了となります。相手の同意は不要です。調停取下げは、基本的に家庭裁判所に「取下書」を提出して行いますが、調停期日に口頭で行うことも可能です。

なお、調停取下げで終了した場合、調停の申立てはなかったものになるので、離婚裁判の申立てをしても裁判をしてもらえない可能性が高いです。ただし、例えば次のような理由による取下げのケースでは、調停前置主義を満たしたとして、離婚裁判へと進めることができる場合があります。

  • 何度も期日を設けて話し合ったけれど合意できなかった
  • 調停期日を連続して欠席された

離婚調停の費用

離婚調停を申し立てる時は、
・手数料としての収入印紙(1200円分)
・連絡用の郵便切手(※何円分が何枚必要かは家庭裁判所によって異なる)
を、申立先の家庭裁判所に納める必要があります。

また、申立時に提出する書類のなかには、取得するのに手数料がかかるものも存在します。例えば、「夫婦の戸籍謄本」の取得には、1通あたり450円の手数料がかかります。
そのほか、調停期日の当日、家庭裁判所に行って帰ってくるための交通費も必要になるでしょう。

以上に加えて、弁護士に依頼する方の場合は、弁護士費用(例:着手金、成功報酬など)も必要です。どこの法律事務所に依頼するのか、どのような事情を抱えているのか等によって、かかる金額は違ってきます。弁護士法人ALGでは、弁護士費用について事前にしっかりと説明し、ご納得いただいてからご依頼を受けておりますので、どうぞご安心ください。

離婚調停に必要な書類

離婚調停を申し立てる際には、「離婚調停の申立書」とその写し1通を、申立先の家庭裁判所に提出する必要があります。なお、申立先は、相手方の住所地の家庭裁判所か、夫婦間で合意のうえ決めた家庭裁判所になります。

下記の裁判所のウェブサイトでは、「離婚調停の申立書」の書式がダウンロードできるようになっていますので、申立時に利用することが可能です。

付属書類について

離婚調停の申立てでは、「離婚調停の申立書」と併せて付属書類の提出を求められることがあります。一般的な付属書類は、次のとおりです。

  • 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 進行に関する照会回答書
  • 事情説明書
  • 子についての事情説明書(※未成年の子供がいる場合)
  • 連絡先等の届出書

例としてご紹介した付属書類のうち、「進行に関する照会回答書」は、調停を進めていくうえでのアンケートのようなもので、暴力の有無や調停で配慮してもらいたいこと等を記入します。

また、「事情説明書」と「子についての事情説明書」は、調停の内容に関することを記入するものです。「事情説明書」には夫婦の生活・経済状況や対立しそうなこと等を、「子についての事情説明書」には、現在誰が子供の面倒を見ているのか等を記入します。

なお、書類によっては、相手方が希望すると見ることができる場合もあるので、相手方に知られたくない情報があるときは、「非開示の希望に関する申出書」も一緒に提出しておくといいでしょう。

年金分割についても取り決めたい場合

離婚調停の話し合いのなかで、年金分割についても取り決めたいときには、付属書類として「年金分割のための情報通知書」も提出する必要があります。“年金分割”とは、結婚中に納めた厚生年金(※かつての共済年金も含む)の保険料の記録を夫婦間で分割する制度のことです。

年金分割を受ける側になれば、自身が年金を受給するようになったとき、受け取る年金額を増やすことができます。

離婚調停を有利に進めるためのポイント

離婚調停を有利に進めるためには、「調停委員を味方につけること」がポイントになります。“こちらの言うことはもっともだ”と共感してもらい、調停委員を味方につけられれば、ご自身の希望に近い内容で相手を説得してくれることがあるからです。

なお、調停委員にご自身の考えをしっかりと伝えるためには、言い分を書面にまとめた「陳述書」が役立ちます。事前に作成し、裁判所に提出しておくといいでしょう。「陳述書」についての詳しい内容は、下記のページをご覧ください。

うまく調停委員と話せるか不安な方は、「弁護士に相談・依頼する」というのも一つの手です。法律のプロである弁護士は、調停手続きについても熟知しています。そのため、ご相談者様の状況に合わせた適切なアドバイスができますし、調停の場に同席してサポートしたり、代わりに主張・立証したりすることも可能です。おひとりだけで離婚調停に臨むよりも、有利に進めていける可能性が高まるでしょう。

調停委員と話す際に気をつけること

調停委員への印象が良くなるよう、調停委員と話す際は、感情的になって相手の悪口ばかり述べるなど、不利な発言をすることは避けるべきです。

また、話す内容だけではなく、礼儀正しい振る舞いをするなど、話す態度にも気をつけてください。服装については特に決まりはありませんが、調停委員に悪い印象を持たれないように、常識的な服装にしましょう。ラフすぎる格好はもちろん、あまりに華美な格好も控えた方がいいです。

「調停委員と話すとき、緊張してしまいそうだ…」とご不安な方は、事前に調停委員から聞かれそうなことを予想して、どう答えるか考えておくことをおすすめします。調停委員からよく聞かれるのは、例えば次のようなことです。

  • 結婚した経緯
  • 離婚へと進むことになった理由
  • 現在の夫婦関係の状況
  • 子供に関すること
  • 希望する離婚条件の内容

離婚調停で調停委員から聞かれることについて、もっと詳しく知りたい方は下記のページをご覧ください。

離婚調停で決めておいた方がいいこと

離婚調停では、離婚するかどうかだけではなく、次のような離婚条件に関する内容も話し合い、決めておいた方がいいです。

  • どちらを子供の親権者とするか(※未成年の子供がいる夫婦が離婚する際は、必ず決めなければなりません。)
  • 子供の養育費の金額や支払日等はどうするか
  • 面会交流のルールはどうするか
  • どの財産をどのように分け合うか
  • 慰謝料を支払うかどうか、支払う場合は金額をいくらにするか

離婚を急ぐあまり、「離婚以外のことは後で決めればいいや」と後回しにすると、離婚後に揉めてしまうおそれがあります。後悔することのないよう、離婚調停では希望する離婚条件もきちんと主張していきましょう。

子供の親権を獲得するためのポイント

裁判所が親権を決めるときには、次のような事情を考慮します。

  • 子供に対する愛情
  • これまでどちらがメインとなって子供の面倒を見てきたのか
  • 現在どちらが子供の面倒を見ているのか
  • それぞれの経済事情
  • 今後の子育ての環境

離婚調停で親権を獲得するためには、これらの点を踏まえて「自分を親権者にした方が子供にとって幸せである」とアピールすることが重要です。調停委員がこちらを親権者にすべきだと考えてくれれば、その流れで調停が進むように、相手に働きかけてくれる可能性があります。

下記のページでは、「親権」をテーマに詳しく解説しています。親権を獲得するためのポイントも紹介していますので、ぜひ参考になさってください。

相手の財産の把握、浮気やDVの証拠を集める

離婚調停に臨むにあたっては、相手の財産がどのくらいあるのかを事前に確かめておいた方がいいでしょう。夫婦の財産をどのように分け合うか(=財産分与)について決めるとき、相手に財産を隠されてしまうおそれがあるからです。
なお、確かめた資料(例:預貯金通帳、源泉徴収票など)は、コピーをとっておくことをおすすめします。

また、相手の浮気やDV等が原因で離婚したいと考えている場合は、浮気やDV等の証拠を事前に集めておいた方がいいです。証拠があった方が調停委員に説得力のある主張ができ、調停を有利に進めやすくなるでしょう。

役立つ証拠としては、浮気の場合は、「ラブホテルに浮気相手と出入りしている写真」「肉体関係を持ったことがわかるLINE・メールのやりとり」など、DVの場合は、「DVによって負った怪我の写真」「DV被害について記録した日記」などが考えられます。

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離婚調停が成立した後の手続き

離婚調停が成立し、離婚することが決まったら、「やっと終わった」と解放感でいっぱいになるでしょう。ですが、以下のとおり、離婚調停が成立した後に行わなければならない手続きもありますので、気を引き締めて最後までしっかりと行いましょう。

調停調書の確認

離婚調停が成立すると、家庭裁判所によって「調停調書」が作成されます。調停調書とは、調停のなかで話し合い、夫婦が合意して決めた内容をまとめた書面のことです。

離婚後、離婚調停で決めた内容を守らない人もいます。そのようなとき、重要になってくるのが「調停調書」の内容です。

調停調書は、合意した内容を裁判官が読み上げ、誤りがないかどうかを夫婦双方が確認したうえで作成されます。合意内容を確認する際は、取り決めた内容どおりになっているかどうか、抜け漏れはないかどうか、細心の注意を払いましょう。例えば「慰謝料」に関しては、慰謝料の金額・支払期限・支払方法などに誤りがないか、気をつけて確認すべきです。

「調停調書」についての詳しい内容は、下記のページをご覧ください。

離婚届の提出

離婚調停が成立しても、自動的に戸籍が変更されるわけではありません。
離婚調停の成立日を含めて10日以内に、調停調書の謄本を添えて、「離婚届」を市区町村役場に提出する必要があります。なお、本籍地以外の市区町村役場へ提出する場合は、戸籍謄本も提出しなければなりません。

基本的には離婚調停の申立人が提出しますが、調停での取り決め時に、“相手方が離婚届を提出する”という内容で合意している場合等には、相手方が提出することになります。

提出期限の10日を過ぎたからといって、離婚が無効になることはありません。ただし、過料が科せられるおそれがあるため、離婚調停が成立したら速やかに提出しましょう。

その他、提出すべき書類、行うべき手続き

結婚時の氏を離婚後も名乗りたい場合

結婚時に氏を改めた方が離婚後も旧姓には戻らず、引き続き結婚時の氏を名乗りたい場合は、離婚調停が成立してから3ヶ月以内(※調停成立日の翌日から数えます)に、市区町村役場へ「離婚の際に称していた氏を称する届」という書類を提出する必要があります。

離婚後、子供の氏を変更したい場合

離婚後、子供の氏をご自身と同じになるように変更したい場合には、家庭裁判所に「子の氏の変更許可」の申立てを行う必要があります。そして、子供の戸籍も移動したいなら、家庭裁判所の許可を得た後、「入籍届」を市区町村役場に提出しなければなりません。

こうした事態が起こるのは、婚姻中は相手が戸籍の筆頭者であり、離婚してご自身が子供の親権者になった場合です。というのも、離婚してご自身が親権者になっても、婚姻中の戸籍の筆頭者が相手だったのなら、子供は相手の戸籍に入ったままとなり、氏も変わらないからです。

離婚したら夫婦は別々の戸籍になりますが、子供は婚姻中の戸籍に残ったままとなることに注意しましょう。

年金分割の手続き

離婚調停のなかで年金分割の取り決めをしていた場合、離婚調停が成立してから2年以内(※調停成立日の翌日から数えます)に、年金事務所への請求手続きを行う必要があります。離婚調停が成立したからといって自動的に年金分割がなされ、受け取れる年金額が変更されるわけではないので、忘れずに手続きするようご注意ください。

下記のページでは、年金事務所への請求手続きも含め、「年金分割の手続き」について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

さらに詳しく
年金分割の手続き

離婚調停の成立後に行わなければならない手続きをご紹介してきましたが、そのほか、場合によっては、国民年金に関する変更手続き、健康保険の切り替え手続き、運転免許証やマイナンバーに関する変更手続き等が必要になることもあります。

離婚調停を欠席するとどうなる?

1回くらいの欠席なら、離婚調停で不利になってしまうことはないでしょう。ただし、裁判所に何の連絡もせずに欠席すると、調停委員への印象は悪くなってしまう可能性が高いです。

離婚調停は話し合いの手続きなので、欠席し続ければ調停不成立で終了しますが、度重なる調停の無断欠席は、「裁判」に進んだとき、話し合いを真摯に行う姿勢がないという事実認定をされかねないので注意が必要でしょう。

また、法律上、正当な理由もなく離婚調停を欠席した場合には、5万円以下の過料に処すと規定されています。そのため、罰として5万円以下の過料を支払わなくてはならなくなるケースもあります。

離婚調停を欠席するとどうなるのか、さらに詳しい内容は下記のページをご覧ください。

離婚調停に関するQ&A

Q:

離婚調停を申し立てた側が有利になることはありますか?

A:

離婚調停を申し立てた側の方が有利になる・不利になるということはありません。
たしかに、申し立てた側の方が困っているという印象は与えられるかもしれませんが、それよりも重要になるのは、調停の場で調停委員と直接話す内容です。離婚調停を有利に進めていきたいのなら、調停委員に説得力のある主張・立証をしていくことを重視しましょう。

Q:

離婚調停をするときに離婚理由は問われますか?

A:

離婚調停をするときに、離婚理由は問われません。
裁判所で行う手続きではあるものの、話し合いによって夫婦間の合意を目指す手続きですので、理由は何であれ、申し立てることができます。

申立書には「申立ての理由」という欄がありますが、同居・別居の時期を記入し、いくつか用意されている申立ての動機(例:性格があわない、異性関係など)の中から当てはまるものに○印を付ければいいだけです。そのため、申立ての段階で詳しい離婚理由を問われることはありません。

ただし、調停期日には、ほとんどのケースで調停委員から離婚理由を聞かれます。離婚調停を有利に進めるためにも、調停委員に「それなら離婚を考えてもしょうがない」と思ってもらえる説得力のある説明ができるよう、しっかりと準備しておきましょう。

Q:

調停によって離婚すると、戸籍に何か記載されますか?

A:

調停によって離婚すると、戸籍の「身分事項欄」に、【離婚の調停成立日】として離婚成立日が記載されます。つまり、離婚の方法が“調停”であったことが判明します。

なお、調停成立前に、離婚届の提出により離婚成立とすること、という内容に双方が合意できれば、調停を取り下げ、“協議離婚”として離婚届を提出することができます。この場合、戸籍には【離婚日】として記載されるので、離婚の方法が明らかにならずに済みます。

Q:

調停前置主義はどれくらいの期間有効なのでしょうか?

A:

離婚調停が不成立で終わったとしても1年以内に裁判を起こせば、多くの場合、裁判所は調停前置主義を満たしていると判断するでしょう。1年以内なら、夫婦の状態が大きく変化していることはないだろうと考えるからです。

ただし、法律の決まりがあるわけではなく、あくまでも裁判所の判断次第です。前回の調停でどれだけ話し合ってきたか、裁判を起こす前に相手との話し合いを試みたか等、それぞれの状況が考慮されたうえで、再度調停が必要かどうか判断されることになります。

離婚調停をスムーズに進めるためにも弁護士に依頼することをおすすめします

離婚調停をスムーズに、そして有利に進めるためには、調停委員の理解を得られるかどうかが重要になってきます。この点、弁護士なら、調停委員と話すときに気をつけるべきことや、効果的な主張の仕方、証拠集めのポイントなど、離婚調停を有利に進めるための様々なテクニックを知っています。

あとで後悔してしまう事態とならないよう、おひとりで離婚調停に臨むのが不安なときは、弁護士のサポートを受けることをおすすめします。まずはお気軽にご相談ください。離婚調停をスムーズに進め、納得のいく結果を得るためにはどうしたらいいのか、あなたにとっての最善策を一緒に考えていきましょう。

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保有資格弁護士(愛知県弁護士会所属・登録番号:41560)

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