離婚調停を欠席するとどうなるか?

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

当事者間での話し合い(協議)では離婚問題の解決が難しい場合、離婚調停を行い、家庭裁判所の調停委員会を介して話し合うというステップに進むことになります。

ですが、人によっては、仕事や子育ての都合上、指定された期日には出席できないという事態が生じる可能性があります。また、離婚調停を申し立てられた側としては、離婚したくないから調停には出席したくないと思うこともあるでしょう。一方の申し立てた側としては、相手に欠席し続けられてしまっては、なかなか離婚することができずに困ってしまいます。

そこで、離婚調停を欠席した場合や、相手が欠席し続けた場合、離婚調停はどうなるのか?という疑問が生じるかと思います。やむを得ず調停を欠席する場合の注意点や、相手が調停を欠席し続ける場合の対処法も含めて、本ページで確認していきましょう。

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離婚調停を欠席したら不利になるのか?

離婚調停の申立てが受理されると、家庭裁判所から申立人と相手方に対し、1回目の調停期日を知らせる呼び出し状が送付されます。離婚調停は、家庭裁判所が開庁している時間帯である、平日の日中に行われます。そのため、調停に出席したいと思っても、仕事や子育ての都合上、欠席せざるを得ない方もいらっしゃるでしょう。

事前に連絡したうえで1回程度欠席するという場合であれば、欠席したことが不利に働くことはないでしょう。肝要なのは、事前に裁判所に連絡しておくことです。連絡をせずに無断欠席すると、不利益を被るおそれがあります。

事前に裁判所に期日変更の申請をすることで、期日を変更してもらえる場合もあります。なお、申請をしたからといって、必ずしも離婚調停の期日変更が認められるわけではないので、“できればお願いしたい”というスタンスで臨みましょう。

そもそも離婚調停とは何なのか?離婚調停についての詳しい内容は、下記のページをご覧ください。

離婚調停の呼び出しを無視し続けた場合の不利益とは?

調停は当事者間で話し合う手続です。当事者の一方が欠席すれば、話し合いは進みません。無断欠席はもちろん、重要な理由もないのに欠席を続け、期日調整にも非協力的というように、そもそも話し合いの席につくことすら期待できないと判断されると、調停は不成立として終了させられてしまいます。

無断欠席で全く連絡に応じないような事案の場合、初回で調停不成立の判断がなされることもあります。その場合、欠席や無視を続けた側も不利益を被る可能性があります。

相手が離婚を求める立場の場合、調停が不成立で終了した後にとる最終手段が離婚裁判の提起です。離婚裁判では、裁判所が離婚の成否や親権争い等について判断を下します。「調停に全く参加せず、連絡を無視し続けてきた」等の点は、これらの判断に対する不利な事情として考慮される可能性があるのです。

離婚裁判について、詳しい内容は下記の各ページをご覧ください。

理由にもよりますが、事前連絡をしたうえで1回程度欠席するくらいなら、離婚調停に欠席したこと自体を不利に評価されることはないでしょう。

もっとも、事前の連絡もなしに欠席し、家庭裁判所からの呼び出しを無視し続けた場合、不利益を被るおそれがあります。詳しくは、次項より解説していきます。

なお、離婚調停を欠席することで必ずしも不利になるわけではありませんが、特段の理由もなく欠席すべきではないといえます。というのも、離婚請求とは別に、婚姻費用分担請求や養育費請求、面会交流等の調停の申立てがされていた場合、これらの調停手続は審判手続へと移行します。その場合、調停でのやりとりが審判の参考にされることから、欠席した者にとって不利な条件で調停が成立するおそれがあるためです。

調停委員の印象が悪くなる

離婚調停の呼び出しを無視し続けた場合、調停委員に良くない印象を与えてしまうことが懸念されます。離婚調停は、調停委員を通じて話し合いを行うものです。調停委員は中立の立場にあるとはいえ、一方に良くない印象を抱いている場合、そちらを説得しようとする比率が大きくなるのはやむを得ないところです。調停委員は、裁判官(または調停官)と調停委員会を構成する立場にありますので、調停期日内の出来事は裁判官にも報告しています。悪い印象を与えるより、良い印象を与えるに越したことはありません。

調停委員についての詳しい内容は、下記のページをご覧ください。

過料に処せられる可能性

実際に適用されるケースは少ないようですが、正当な理由なく離婚調停を欠席した場合、5万円以下の過料に処せられることがあります(家事事件手続法258条1項が準用する同法51条3項)。離婚調停の呼び出しを無視し続けると、欠席理由の調査のため、家庭裁判所の調査官から出頭勧告を受けることがありますが、この勧告に対しても無視し続けた場合、過料に処せられる可能性は否定できません。

親権者としての適格性が疑われる

離婚調停は、夫婦の問題について話し合いを行う場です。離婚調停の呼び出しを無視し続けると、“そもそも話し合いの場にすら参加しない以上、夫婦関係の修復に前向きではない”、“子供の親権や今後の生活に関する問題に無関心”との心証を、裁判所に与えてしまうことが強く懸念されます。親権争いに対する裁判所の判断は、主たる監護者や現在の監護状況等、様々な事情が考慮されますので、このような離婚調停での態度が、親権について裁判所が判断する際に悪影響を及ぼす可能性があることは、想定しておかなければなりません。

親権についての詳しい内容は、下記のページをご覧ください。

解決まで長期化する

離婚調停の呼び出しを無視し続けた結果、調停不成立となった場合、離婚裁判へと発展するというのが通常の流れです。離婚裁判を行うことになった場合、離婚問題の解決までにはさらに時間がかかってしまいます。そして、離婚裁判では、当事者間の合意は要さず、裁判所が判断を下します。裁判も欠席したら、相手の主張をすべて認めたとみなされ、判決が下されてしまうため、不利益を被るのは容易に想像がつくでしょう。

ご自身にとって不利な結果となるばかりか、離婚問題の解決まで長期化するというのは、離婚調停の呼び出しを無視し続けることの大きなデメリットといえます。

経済的負担が増える

離婚調停の呼び出しを無視し続けて調停不成立となり、離婚裁判を行うことになった場合、裁判には費用(訴訟費用)がかかり、裁判所が決めた負担割合に応じて訴訟費用を支払う必要があります。また、婚姻費用の支払義務者となっている場合、離婚成立までの期間が長引く分、婚姻費用を支払い続けなければなりません。このように、経済的負担が増えてしまうというのも、離婚調停の呼び出しを無視し続けることで被る不利益として挙げられます。

婚姻費用についての詳しい内容は、下記のページをご覧ください。

やむを得ず離婚調停を欠席する場合は?

離婚調停に出席する意思はあっても、様々な事情があり、やむを得ず欠席する場合もあるかと思います。1回目の調停期日への出席が難しいときは、期日の変更を裁判所にお願いしてみましょう。裁判所や調停委員、相手の日程調整等の問題があるので、必ずしも延期されるわけではありませんが、初回期日は相手の話だけを聞く形とする場合があります。

この場合、次回は当事者双方が出席できるように、裁判所が第1回期日の開催前に第2回期日の日程調整を行うケースも多いです。2回目以降は参加したいという気持ちがあるものの、日程が心配だという方は、裁判所の日程調整に積極的に協力しましょう。

早めに欠席の連絡をする

離婚調停への出席が難しい場合には、早めに家庭裁判所に欠席の連絡をしましょう。事情を伝えることで、期日の日程変更をしてもらえるケースもあります。1回程度の欠席であれば、ご自身にとって不利になることはほとんどないといえますが、これは事前連絡をした場合です。連絡もなしに無断欠席した場合は、ご自身の不利益に繋がりかねませんので、必ず事前に連絡をするようにしましょう。

なお、出席が難しいため、弁護士に依頼して代わりに離婚調停に出席してもらいたいと考える方もいらっしゃるかと思います。原則、離婚調停には当事者本人が出席する必要がありますが、調停成立時を除いて、事情によっては代理人の弁護士のみの出席が認められる場合もあります。弁護士のみの出席を希望する方は、家庭裁判所に対し、事前にその旨も連絡しておきましょう。

相手が調停を欠席し続ける場合の対処法

離婚を望んでいる離婚調停の申立人にとって、相手が調停を欠席し続けるという事態は、離婚問題の早期解決が図れず、頭を悩ませてしまうことでしょう。

相手が事情もわからず無断で欠席し続けている場合、離婚調停への出席を促すために、下記のような対処法を講じてみるのも手です。

  • ・手紙を送付する
  • ・離婚調停を欠席することで生じ得るデメリットを伝える
  • ・家庭裁判所にお願いして出頭勧告を出してもらう

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離婚調停の欠席に関するQ&A

Q:

多忙なため、離婚調停への出席を弁護士に依頼した場合、本人が一度も出席しなくても話し合いは進められますか?

A:

離婚調停は、原則として当事者本人の出席が求められます。代理人はやむを得ない事由があるときに出頭させることが“できる”と規定されているものであって、呼び出しを受けた関係人(≒当事者本人)が期日に出頭しなければなりません(家事事件手続法258条1項が準用する同法51条2項)。

実務の運用では、代理人弁護士のみの出席によって期日を進行させる取り扱いも行われていますが、裁判所や調停委員からは当事者本人の出席を促されますし、少なくとも成立時には本人の出席が必須というのが通常です。条文上は明記されていませんが、「身分行為である離婚を成立させることは代理になじまない」等、その解釈は分かれています。少なくとも一度は出頭を求められるものと想定しておきましょう。

調停の話し合いは急激に進むことがあります。相手方から突然好条件が提示された場合、心変わりされないように今日この場で成立させたいと思っても、当事者本人不在のために成立させられないという場合もありますので、なるべくご本人も出頭されることをお勧めします。

なお、お住まいが遠方で調停への出席が困難であり、代理人弁護士をつけている場合は、弁護士の事務所から裁判所と電話会議を行い、本人はそこに同席するという方法が一般的です。しかし、調停で離婚を成立させる場合、調停条項案をあらかじめ書面で受諾する方法は使えないため、離婚を成立させる場合の調停期日には、裁判所への出頭が求められ得ることも想定しておく必要があるでしょう。

Q:

離婚調停を欠席する代わりに内容を書面にまとめて裁判所へ送付することは可能ですか?

A:

送付すること自体は可能ですが、出席したことにはなりません。意見をまとめた書面の提出により、裁判所を通じて、一定程度ご自身の意向を相手に伝える効果はあるかもしれませんが、これに対する相手の意見をご自身で聞くことはできないため、話し合いを進めることはできません。

したがって、「欠席する代わり」にはなりません。民事訴訟の被告が答弁書を提出して擬制陳述(出廷しなくとも被告が答弁書の内容を陳述したものとみなすこと)を求めるのと、離婚調停に書面を出して欠席するというのは別の話なのです。

Q:

呼び出し状の離婚調停の期日を、やむを得ない理由で変更することはできますか?

A:

離婚調停の呼び出し状の初回期日は裁判所によって一方的に決められているので、日程がどうしても合わない場合もあるでしょう。そのような場合、期日の変更を申し出ることは可能です。もっとも、期日の変更は、必ずしも認められるというものではありません。変更の理由や期日変更をお願いした時期、申立人や裁判所、調停委員等の都合にもよります。

離婚調停の欠席に関するお悩みは、弁護士にご相談ください

ある日突然、離婚調停を申し立てられたことを伝える書類が届いたら、どう対応したら良いのか、困惑してしまうのも無理はありません。ですが、無断で欠席し続けることは避けるべきです。様々な不利益を被るおそれがあります。

仕事や子育て等の都合で、やむを得ず調停を欠席しなければならない事情があるならば、事前に家庭裁判所に連絡しておきましょう。1回程度の欠席なら、不利になることはほとんどありません。また、事情によっては、弁護士を代理人にして、代理人のみの出席を認めてもらえるケースもあります。

なかには、離婚調停自体に不安があり、調停への出席をためらっている方もいるかもしれません。弁護士にご相談・ご依頼いただければ、調停委員とのやりとり等についてアドバイスすることができますし、調停に同席することも可能です。

一方の離婚調停を申し立てた側としては、相手に調停に出席してもらえないというのは、離婚問題の解決への目途が立たず、ストレスは溜まっていくことでしょう。このようなとき、弁護士に相談・依頼することで、適切な対処法に関するアドバイスや、離婚裁判へと進む場合のサポートを受けることができます。

離婚調停を欠席することについて不安を抱かれている方や、相手が調停を欠席し続けていてお困りの方は、まずは弁護士にご相談ください。ご相談者様にとって最善の解決策に導けるよう、弁護士が尽力いたします。

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