電話受付専任の受付職員がお話を伺います

0120-979-164
通話無料

24時間受付・年中無休

婚約破棄

理不尽な理由で婚約破棄されたら損害賠償可能

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

愛知県弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフを擁し()、拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。

婚約が決まり、嬉しさが募っていたものの、結婚目前にしてマリッジブルーになってしまったり、相手と共に過ごしていくことに不安を感じてしまったり等で、婚約を解消することを考える方もいらっしゃるかと思います。

そうして婚約破棄に至ってしまった場合、婚約破棄に至った原因がもっぱら相手にあり、相手の浮気等の正当な事由に基づき破棄したのであれば、損害賠償請求を行うことができます。他方、婚約破棄された側の立場からすると、相手の婚約破棄に正当な事由がない場合には、同じく損害賠償請求が可能です。

本記事では、主に婚約破棄された場合を想定して、婚約破棄について説明していくこととします。

弁護士法人ALGの離婚問題専用窓口
通話無料24時間受付・年中無休

婚約破棄とは

婚約破棄

将来結婚しようと約束したのに、一方的にその約束を破ることを、「婚約破棄」といいます。

婚約はあくまでも婚姻成立に向けた努力義務を負うにすぎず、婚姻には両性の合意が必要であるため、相手に結婚を強制することはできません。ですが、婚約破棄された場合、婚約破棄に正当な事由がなければ、損害賠償請求を行うことはできます。そして、損害賠償請求を行う際には、まず、婚約が成立していたかどうかということが重要になります。

婚約の定義

そもそも「婚約」とは、将来結婚しようと、意思能力のある当事者同士が合意したうえで約束することを指します。なお、「婚姻」や「離婚」とは異なり、民法上の規定はありません。お互いの合意があれば良いため、口約束でも婚約は成立します。

婚約破棄の損害賠償請求は「婚約成立」がポイント

婚約成立のポイント

婚約していたにもかかわらず婚約破棄された場合、婚約破棄に正当な事由がないとして損害賠償請求を裁判所に認めてもらうには、そもそも婚約が成立していたといえなければなりません。

当事者間で婚約の成立自体に意見の相違がある場合、婚約が成立していたことから立証する必要があります。そのため、口約束のみであっても婚約は成立しますが、他に婚約していたことがわかる客観的な証拠がない場合には、立証は難しいといえます。

婚約成立を立証するためには、「婚約指輪のやりとり」「お互いの両親への挨拶」「結婚式場の予約等の結婚に向けた準備」「知人や勤務先等の第三者に婚約した旨を知らせている」といった、客観的な証拠や事実を積み重ねることが有効です。

婚約破棄の正当事由

婚約破棄に正当な事由があるかどうかは、どのように判断されるのでしょうか。この点、民法で明文化されているわけではないため、判例を参考にして、個別のケースごとに考えていくことになります。

例として、下記のような理由による婚約破棄では、正当な事由があると認められる可能性が高いでしょう。

  • 相手が自身(婚約者)以外の者と性的関係を持った
  • 相手からDVやモラハラを受けていた
  • 相手が精神病や身体障害者になった
  • 相手の収入が失業等によって激減し、経済的に困窮した
  • 相手に社会的常識を逸脱する言動があった
  • 相手が行方不明になった

婚約破棄の正当事由として認められない場合

他方で、婚約破棄に正当な事由があるとは認められない可能性が高いものとしては、下記のような理由による婚約破棄が挙げられます。

  • 性格の不一致
  • 自身の両親に結婚することを反対された
  • 他に好きな人(気になる人)ができた
  • 単に結婚する意欲がなくなった
  • 相手が被差別部落の出身者であった
  • 相手が信仰をやめない

婚約破棄でわからないことがあれば弁護士に相談してみましょう

婚約破棄では、お互いの感情的な問題はもちろん、損害賠償責任というお金の問題も伴います。損害賠償責任の有無については、そもそも婚約が成立していたといえるのか、婚約破棄が正当な事由に基づくものであるのかということが重要です。

しかし、婚約や婚約破棄については民法上の規定がないため、これらの点は、判例を参考にしながら個別の事情に応じて判断していかなければなりません。専門知識を要しますので、判断に悩まれる方もいらっしゃるでしょう。婚約破棄でわからないことがある場合には、法律の専門家である弁護士にぜひご相談ください。

婚約破棄が不当な場合

婚約破棄が不当な場合、つまり婚約破棄に正当な事由がない場合には、婚約破棄された側は、相手に損害賠償請求を行うことが可能です。これは、不当な婚約破棄が不法行為にあたる、または婚約という一種の契約を破った債務不履行にあたると考えられるためです。

婚約破棄の損害賠償について

婚約破棄による損害賠償の内容は、精神的損害と財産的損害の2種類に分けられます。
精神的損害とは、慰謝料のことです。慰謝料は、婚約破棄によって受けた精神的苦痛に対して支払われます。
婚約破棄の慰謝料についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

財産的損害に含まれるもの

一方、財産的損害とは、結婚に向けた準備を進めるなかでかかった費用や、婚約破棄に伴いかかったキャンセル料といった、婚約破棄のために無駄になってしまった、あるいはかかってしまった支出のことです。具体例としては、「結婚式場・披露宴会場の予約金やキャンセル料」「結婚式・披露宴の招待状の発送費」「新婚旅行の予約金やキャンセル料」「結婚指輪の購入費」「新居の購入費」等があります。

また、婚約したためそれまでの勤務先を辞めた場合、勤務し続けていたら得られたであろう給与といった逸失利益も、財産的損害として賠償請求が認められるケースがあります。

なお、婚約するにあたり、婚約指輪や結納金のやりとりをしていた場合には、これらの返還請求、または購入費の賠償請求を行うことができます。ただし、贈った側に婚約破棄に至った原因があったら、このような請求は認められないでしょう。

婚約破棄の正当事由の有無が争われた判例

ここで、婚約破棄に正当事由があると認められた判例と、反対に認められなかった判例を、1つずつ紹介します。なお、いずれにおいても、婚約成立についての争いはありませんでした。

【婚約破棄に正当事由があると認められた判例】

東京地方裁判所平成15年(ワ)第17818号損害賠償請求事件

事案の概要

この事案では、一方的に婚約を解消された(婚約破棄された)として、原告が被告に対し、実損害の衣装ダンスの購入費や婚約指輪のリフォーム代、両家の会食会の会場のキャンセル料等と、精神的損害の慰謝料を請求しました。

そして、原告と被告との間に、婚約解消について合意があったといえるかどうか(争点①)、婚約の解消に正当な理由があるかどうか(争点②)といったことが争点になりました。

裁判所の判断

争点①について
原告が、被告の合意を得ずに会食会と結婚を延期する旨の通知を被告の親戚にも送付したことから、被告が、原告に婚姻意思がなくなったのではないかと考えたことはやむを得ないとしつつ、延期したことが記載されている通知に婚約の解消までの意味を読み込むことはできないこと、口論から被告が婚姻届を燃やそうとした際に原告が制止しようとしたこと、被告から送付された婚約解消を伝えるメールへの返信内容において、原告が婚約解消の申し出を受け入れたとみることはできないこと等の事実から、婚約解消について、原告と被告との間に合意があったと認めることはできないと判断しました。

争点②について
まず、会食会の準備をめぐり不信感が高まっていたこと、会食会と結婚を合意によって延期することにしたこと、会食会と結婚を延期する旨の通知を原告が被告に無断で行ったこと、この通知以降お互いに連絡を取らなくなっていたこと、会食会のキャンセル料の請求が来た後からそれまで求めていなかった諸費用の精算を原告が被告に対し執拗に求め出したこと等を指摘しました。

また、婚約解消を伝えるメール以前に行われたメールのやりとりや、婚約解消を伝えるメールへの返信内容から、原告自身も二人の状況が良くないことを認識していたと認められることを考え合わせ、原告と被告との関係は、被告が婚約解消を伝えるメールを送付した時点で、相当に冷え切っていたことが認められるとしました。

そして、こうした状況のもと、関係の修復がなされないまま、それまでなかった精算の話が出てきており、被告が婚姻をする前提での婚約関係を維持できないと考えたことには相当な理由があると認められ、被告がメールで婚約解消を伝えたことには正当な理由があると認められると判断しました。

【婚約破棄に正当事由があるとは認められなかった判例】

東京地方裁判所平成15年(ワ)第8390号損害賠償請求事件

事案の概要

この事案では、不当に婚約破棄されたとして、原告が被告に対し、婚約破棄されたことにより受けた精神的苦痛に対する慰謝料を請求しました。
そして、原告と被告との間に、婚約解消について合意があったといえるかどうか(争点①)、被告からの婚約解消の申し出が、不当な婚約破棄にあたるかどうか(争点②)といったことが争点になりました。

裁判所の判断

争点①について
被告が原告に対して、原告以外に一緒に暮らしたい人(A)に出会ったことや婚約の解消等を伝える内容のメールを送付した後、原告と被告は何度か話し合ったものの被告の意思が変わることはなかったこと、それでも原告は被告に連絡をとろうと行動していたことといった事実から、原告が婚約解消に納得していないことは明らかであり、原告と被告との間で合意のもとに、婚約が解消されたとはいえないと判断しました。

争点②について
まず、原告が退職して大学院に通うことにしたことに被告の同意がみられることから、誠実義務や協力義務等の婚約に関連する義務違反にはならないとしました。また、大学院に進学後、原告の態度が変わったものの、被告が悩んでいる状況を伝えるような行動が行われた形跡はなく、むしろ結婚に向けた準備を進めていたことから、婚約を解消するような破綻状態にあったと認めることはできないとしました。

さらに、被告がAからプロポーズを受けた後、婚約の解消等を伝える内容のメールを原告に対して送付しており、この時点ですでに被告の気持ちは原告から離れ、Aに向かっていたことが認められることから、被告が一方的に婚約解消を言い出したものというべきであり、婚約解消を告げたことが、正当な事由に基づくものであるということはできないと判断しました。

婚約破棄での争いは、経験豊富な弁護士に相談すると安心です

婚約破棄され、その理由に納得できない場合、結婚を強制することはできませんが、不当な婚約破棄であれば、損害賠償請求を行うことができます。この損害賠償請求において、婚約成立や婚約破棄の正当事由、損害賠償の金額等でお互いの意見に相違があり、争いが生じる場合があります。話し合っても意見がまとまらず、解決に至らないときには、最終的に訴訟に発展してしまいます。

弁護士であれば、助言のうえご依頼者様と共同して証拠を集め、適切に主張・立証していくことが可能ですので、裁判所に損害賠償請求を認めてもらい、適切な金額の損害賠償金を受け取ることができる可能性が高まります。婚約破棄で争いが生じた場合には、精神的な負担を減らすためにも、婚約破棄問題の知識や経験が豊富な弁護士に、相談・依頼することをお勧めします。

婚約破棄に関するQ&A

Q:

婚約の口約束のみでしたが、婚約破棄されました。婚約成立していたといえますか?

A:

婚約は、意思能力のある当事者同士が合意すれば成立します。ですから、口約束のみでも婚約成立していたということはできます。

ただし、婚約破棄され、不当な破棄として損害賠償請求を行う際には、婚約が成立していたことを立証できるかどうかが重要なポイントです。口約束では、相手に「そんな約束をした覚えはない」と言い逃れをする余地を与えてしまいます。その場合、他に婚約を裏付ける証拠がないと、婚約成立の立証は困難でしょう。

Q:

指輪とともにプロポーズされ承諾しましたが、婚約破棄しました。違法となりますか?

A:

プロポーズを承諾した段階で、婚約は成立したといえます。また、プロポーズの際に渡された指輪は、婚約成立を立証する客観的証拠の一つになるでしょう。

しかし、婚約破棄したことが債務不履行または不法行為にあたるとして違法になり、損害賠償責任を負うかどうかは、婚約破棄した理由によって異なります。婚約破棄に正当な事由があると裁判所に認めてもらうことができれば、違法にはなりません。具体的には、相手が自身以外の者と性的関係を持ったり、相手からDVやモラハラを受けていたりといったことが理由で婚約破棄した場合には、正当な事由があると認めてもらえる可能性は高いです。

Q:

宗教を理由に婚約破棄されましたが、不当ではないですか?

A:

宗教を理由に婚約破棄された場合、裁判所に正当な事由に基づいた婚約破棄とは認められず、不当であるとされる可能性は高いです。

ただし、宗教に入っていることで、その者と結婚した者が重大な不利益を被ることが予想される場合には、婚約破棄に正当な事由があると認められ、不当ではないとされることがあります。

婚約破棄については弁護士相談が早期解決に有効ですので、ご相談ください

婚約破棄された場合、相手の婚約破棄に正当な事由がなければ、損害賠償請求を行うことができます。損害賠償請求を行うといっても、直ちに訴訟を行うわけではなく、まずは当事者間で話し合います。

しかし、婚約が成立していたといえるか、婚約破棄に正当な事由があるかといったことで双方の意見が対立してしまい、争いが生じることがあります。加えて、婚約破棄という場面では、そもそも冷静に話し合うこと自体が難しいケースも多いでしょう。このようにして訴訟に発展してしまった場合、解決までには時間を要しますし、時間がかかる分、精神的な負担も増えていくでしょう。また、裁判所に対して適切な主張・立証ができず、損害賠償請求を認めてもらえなかったり、認めてもらえても納得のいかない内容になってしまったりするおそれもあります。

弁護士であれば、代理人となって相手とやりとりすることが可能ですので、感情的になって争いが長引いてしまうことを防ぎ、早期に解決できる可能性が高まります。また、調停や訴訟に至った際に必要な手続を、弁護士が代わりに行ったり、裁判所に代理人として出頭したりすることで、精神的にも身体的にも負担を軽減できます。

婚約破棄で生じた問題を早期に解決するためには、弁護士を介入させるという方法が有効です。婚約破棄についてお悩みを抱えていらっしゃる方は、まず弁護士に相談することをご検討いただければ幸いです。

離婚のご相談受付
  • 法律相談
    30分無料
  • お電話でのご相談受付

    0120-979-164

    通話料無料24時間受付・年中無休

  • メール相談受付
弁護士法人ALGの離婚問題専用窓口
通話無料24時間受付・年中無休
まずは専任の受付職員がお話を伺います

事務所情報

お近くの事務所にご来所いただいての法律相談は30分無料です。お気軽にお問い合せください。

関連記事

弁護士法人ALGの離婚問題専用窓口来所相談30分無料