養育費算定表で養育費を調べるには

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

この記事は2019年12月23日の養育費改定を受け、更新したものです。(更新日:2019年12月25日)

「ウチの場合、養育費は幾らになるの?」「どのように計算すればいいの?」といった疑問を持ってネットで調べてみると、「養育費算定表」というキーワードに接するのではないでしょうか。養育費を計算するときに、養育費算定表は切っても切り離せないトピックです。

それでは養育費算定表とは一体何か?どのように使えばいいのか?本記事では、養育費算定表の中身や使い方を解説いたします。

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養育費算定表とは?

養育費算定表とは、東京・大阪養育費等研究会という裁判官を中心に構成された研究チームが作成した養育費の計算方法による計算結果を集約した図表です。

東京・大阪養育費等研究会は、養育費の算定の簡易化、迅速化を目指して行った研究を行い、その研究成果として、2003年4月に当時としては新たな養育費や婚姻費用の計算方法を提案しました。その際に、親の収入額に応じて算出した養育費の計算結果を視覚的に見やすい表にまとめ、これを養育費算定表として発表しました。

しかし、ひとり親世帯の貧困の問題があったため、2019年12月23日に新たな算定表が公表されました。

養育費算定表が考える養育費の範囲

養育費には、その子どもの食費、被服費、教育費、医療費その他生活に要する費用という趣旨が想定されています。ただし、養育費算定表が考える教育費は、公立の学校に通っていることを前提とされています。

養育費の相場は決まっている?

養育費算定表が発表されてから、家庭裁判所における養育費の算定は、養育費算定表の基となる計算式が使われるようになりました。

そのため、養育費について、調停、審判、訴訟といった法的手続で争われる場合には、裁判所は養育費算定表で計算した結果を念頭に置いて、意見を述べたり、結論を決めています。

このように養育費が争われた場合に裁判所が出すであろう具体的な結論の見通しがつけやすい状態になったことを指して、「養育費の相場」は決まっている、と言われるようになったのです。

なお、夫の年収から養育費の相場を確認したい方は以下の各記事をご覧ください。

養育費算定表の使い方と養育費の計算方法

養育費算定表の使い方やその計算方法を、具体例に沿いながら体験してみましょう。

子供の人数と年齢を確認する

養育費算定表-子供の人数と年齢

養育費算定表の各ページ左上にある表示に注目しましょう。今回は「表1 養育費・子1人表 0~14歳」を使います。この表は、14歳以下の子どもが一人いるケースで使う算定表だとわかります。

実際に使うときには、子どもの人数と年齢を照らし合わせて、適切な算定表を探し出してください。

義務者(支払う側)の年収を確認する

次に、養育費算定表の左端の数字と目盛りに注目しましょう。数字の目盛りが二列あります。ここは養育費を請求されている方(=義務者)の年収を当てはめるゾーンです。

相手方が会社員やアルバイト等の給与所得者の場合には左側の列に並んでいる数値を、自営業者の場合には右寄りの列に並んでいる数値を見ていきます。各数値は1万円単位で記載されています。年収額は源泉徴収票の総支給額や確定申告書の写しの課税対象額を基に、算定表の近い数値を探していきましょう。

養育費算定表-請求される側の年収

今回は、「義務者は給与所得者で、年収500万円である」という設定でチェックしていきます。左端の数字が「500」を表示している箇所をチェックしましょう。図のとおり、左端の「500」数字を基点に水色のベルトが水平方向に延びていますが、権利者の収入額に応じてこのベルトのどこかの地点が決まり、養育費の目安が明らかとなります。

権利者(もらう側)の年収を確認する

養育費算定表-請求する側の年収

養育費算定表の最下段の数字と目盛りをご覧ください。こちらも数字が二列並んでいます。ここは養育費を請求している方(=権利者)の年収を当てはめるゾーンです。

養育費を請求している方が、会社員やパート、アルバイト等の給与所得者の場合には下段に並んでいる数値を、自営業者の場合には上段の列に並んでいる数値を見ていきます。こちらも、各数値は1万円単位で記載されています。

今回は、「権利者は給与所得者で、年収100万円である」という設定で見ていきます。最下段の目盛りの中から「100」という数字が記載されている箇所をご覧ください。図のとおり、「100」の数字がある地点から垂直方向に水色のベルトが伸びており、義務者の年収額によってこのベルトのうちどこの位置になるかが決まり、養育費の金額に見当がつけられます。

2つの年収を辿り、養育費の金額を決定する

養育費算定表-重なる箇所を見る

養育費算定表で、請求されている方(義務者)と請求している方(権利者)の年収に応じた位置をそれぞれチェックしました。

今度は、それぞれの年収の位置から垂直な直線状に伸びていく算定表のベルトの合流地点を探してください。

図表の場合、義務者が給与所得者500万円の位置から水平方向へたどっていき、請求者は給与所得者100万円の位置から垂直方向へ辿っていくと、4~6万円を表示されているエリアの中に合流地点(緑色の地点)が見いだせます。

この地点が、養育費算定表によって見積もることができる養育費の月額です。すなわち、0~14歳の子どもが一人いて、義務者が給与所得者であり年収500万円、権利者が給与所得者であり年収100万円の場合には、養育費は月額4~6万円が見込まれることを意味します。

養育費算定表の結果はあくまでも相場

養育費算定表を実際に使ってみると「●~●万円」と数値に幅のある記載がされているエリアが数多くあります。また、全てのケースで当事者の年収が厳密にわかるとは限りませんので、養育費算定表で見いだせる金額は、あくまでも目安です。

仮に、お互いの年収等の細かい情報がわかっている場合でも、実際には個別具体的な事情を考慮して養育費の支払額を決めることになるので、良くも悪くも養育費算定表のとおりにしなければならないわけではありません。

また、離婚後の事情の変化に応じて養育費の金額を変更することもあり得ます。

裁判所が養育費算定表と異なる金額を算定する場合には、算定の根拠となる資料の提示が求められることが多いです。子供が通っている習い事の費用や、子供の持病のための通院費等、算定表で考慮されていない部分について主張する場合には、あらかじめそれらの金額の根拠資料をまとめておくと、後の話し合いがスムーズです。

養育費のことでお困りのことがあれば、弁護士への相談がおすすめ

養育費算定表は、養育費を検討する上で非常使いやすいなツールであり、養育費の話し合いをする際には直ぐに中身の話に入っていけます。

しかし、算定表は全てのケースを網羅できているかというと、必ずしもそうではありません。例えば、お子さんが4人以上いる世帯の算定表はありませんし、お子さんが4人いるケースで別居時に2人は父親に、残り2人は母親についていったというように、同居する親が分かれたケースの算定表もありません。

また、算定表で算出される数値は、あくまでも家庭裁判所が考える養育費の目安なので、事案によっては、個別具体的な事情を考慮して金額が増減されることがあり得ます。

きめ細かな調整は、当事者の話し合いや裁判所での調停や審判手続でしっかりとやるしかなく、ここを自力でやりきるには困難がつきまといます。

養育費の内容を最終的にきちんと決めていくには、養育費をはじめ、離婚に関する事案の知識経験が豊富な弁護士にご相談、ご依頼することをお勧めします。弁護士が事情をお聞きして養育費に関する問題点を整理し、今後の助言や代理人としてのサービスをご提供いたします。

養育費のことでお困りの点やお悩みの点がある方は、離婚案件の知識経験が豊富な弁護士が集まる弁護士法人ALGへ、ぜひ、ご相談ください。

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