養育費で強制執行をされたらどうなるのか|強制執行のデメリットは?

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

何らかの事情があって、離婚時に合意した養育費を支払わずにいたら、どうなるのでしょうか。
強制執行の手続きが取られ、あなたの財産は差し押さえられる可能性があります。

本ページでは、強制執行される側の方に向けて、強制執行をされるデメリットや、差し押さえられる財産の種類や強制執行を受けるまでの流れなど、幅広く解説していきます。

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未払い分の養育費は強制執行される

養育費

離婚をして子供と離れて暮らすことになっても養育費を支払う義務があります。
養育費の合意内容を公正証書にしている場合、家庭裁判所で調停調書、判決書などにおいて養育費の支払いが定められている場合は、強制執行が可能となります。

近年、養育費の不払いが多く、深刻な社会問題となっており、民事執行法が改正され、令和2年4月に施行されたことによって、財産開示手続きがより使いやすくなり、財産開示に応じない場合は刑事罰を課することが可能になりました。

そのほかにも第三者からの情報取得手続き(勤務先や預金先などの第三者から財産の情報を提供してもらう手続き)が新設されて、以前より強制的に養育費を回収する手続きの実効性が高くなっています。

なお、養育費には5年または10年の時効があります。
詳しくは以下の記事をご確認ください。

さらに詳しく
養育費の時効について

強制執行で差し押さえられる財産

養育費を支払わないと相手から強制執行の手続きをされ、財産を差し押さえられることになってしまいます。具体的にどんな財産が差し押さえられるのか解説していきます。

差し押さえられる対象となるものは主に3種類となります。

①債権

  • 給与・・・税金などを控除した残額の2分の1まで差し押さえが可能。賞与の差し押さえも可能。未払い分だけでなく将来分も継続的に差し押さえが可能となります。
  • 預貯金・・・範囲に制限がないので、すべての金銭が差し押さえ対象となり、未払い分をまとめて回収される場合もあります。
  • 生命保険・・・強制的に生命保険は解約となり、解約返戻金相当額が支払われます。

②不動産

  • 土地・・・競売にかけて換価します。不動産執行の対象となる不動産に住宅ローン支払い中により抵当権がついている場合は、競売をしてローンの支払いをすると赤字になる場合は強制執行されません。
  • 建物・・・競売にかけて換価します。不動産執行の対象となる不動産に住宅ローン支払い中により抵当権がついている場合は、競売をしてローンの支払いをすると赤字になる場合は強制執行されません。

③動産

  • 現金・・・・66万円を超える現金に限ります。
  • 自動車・・・売却して金銭に換えます。ただし、自動車ローン支払い中により所有権留保特約付きの自動車は強制執行されません。
  • 骨董品・・・換金価値のあるものを売却して金銭に換えます。
  • 宝石類・・・換金価値のあるものを売却して金銭に換えます。

養育費で強制執行された場合のデメリット

●給与や預貯金を差し押さえられると、自由に使えるお金がなくなり、生活が苦しくなる場合があります。

●給与を差し押さえられると、強制執行が行われた事実を勤務先が知ることになります。仕事上の立場が悪くなるなど事実上の影響が生じる場合があります。

●自宅の土地・建物・自動車など生活の基盤となるものを差し押さえられると、自分自身だけでなく家族の生活にも影響が出る場合があります。

強制執行を受けるまでの流れ

相手方から養育費の支払いを督促される

①相手方から、直接、養育費の支払いを督促される
相手方から電話やメール、手紙等により、未払い分の養育費の支払いを支払期限付きで求められます。

内容証明郵便が送られてくる

②内容証明郵便が送られてくる
郵便局が手紙の内容について証明するため、通常の手紙よりも証拠価値が高い内容証明郵便により、養育費の支払いを相手方から要求されます。

相手方から調停・裁判等が起こされる

③相手方から調停・裁判等が起こされる
養育費の支払いを無視している場合、養育費の調停等が起こされる可能性があります。また、養育費について合意が明確にされており証拠がある場合は、訴訟提起がされる可能性があります。

④裁判所から履行勧告を受ける
調停や審判により養育費の取り決めがなされた場合には、相手方が裁判所へ申し立てることにより、裁判所から取り決め通りに支払いをするよう『履行勧告』を受けます。

⑤裁判所から履行命令を受ける
『履行勧告』にも応じずにいると、相手方の申し立てにより、養育費の支払いをするよう裁判所から『履行命令』を受けます。
しかし、『履行命令』に至っても、養育費支払いに対して法的拘束力はありませんが、10万円までの過料が課される場合があります。

強制執行

⑥強制執行
強制執行により、給与や預金口座等の差押えを受けることになります。

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「強制執行を回避する方法」は間違っている

養育費の強制執行の回避方法として、「仕事を変える」「預金口座を変える」「破産する」など、不確かな情報があふれています。ただ、いずれも正しい情報とはいえません。
具体的に見ていきましょう。

仕事を変える(転職する)

強制執行を受けないようにするためのひとつの手段として、相手方に知られないように転職し、勤務先を変えることを考える方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、強制執行がされている最中に転職すると、それまでの勤務先に対する給与差押えの効力が失効し、相手方が給与の差押えをするためには、転職先を特定したうえで、強制執行の申立て手続きを再度、裁判所に対して執ることが必要となります。

しかし、転職し給与の差押えが空振りしても、支払い義務がなくなるわけではありません。
さらに、令和2年4月に民事執行法が改正され、市町村や年金事務所に対し相手方の職場を調査することができる制度が施行され、容易に転職先を調査することができるようになりました。そのため、養育費の強制執行をされた場合に仕事を変えたとしても養育費の支払いは免れません。

預金口座を変える

確かに、強制執行をするには、差し押さえる側が預金口座のある銀行・支店名を把握していなければならず、これが分からなければ、差し押さえができません。

しかし、一度差し押さえられてしまうと、そもそも預金の移動はできません。

また、預金口座についても民事執行法の改正により、裁判所から銀行の本店に預金口座の照会をして、相手のどの銀行のどの支店に預金があるのか分かるようになります。
そのため、財産隠しを企図しても難しいと考えてください。

破産による債務整理

破産手続きを開始すると、確かに強制執行手続きは一度中断します。そのため、滞納部分を含めて請求するためには破産手続き終了後再度強制執行を申し立てる必要があります。

ただし、養育費は、支払い義務者が破産をしたとしてもその支払いを免れることができない『非免責債権』に当たります。そのため、たとえ債務整理を行ったとしても、養育費に関しては一切免除・減額はされません。

養育費を受けられない子供のデメリットも考える

養育費は、子供が健やかに成長していくために、大切なお金です。

夫婦の事情で離婚して、夫婦でなくなっても子供の親であることは変わりありません。
養育費を支払わなければ、親権者と子供の経済状況が厳しくなります。

親権者は生活費を稼ぐために必死に働き、家を空けることが多くなって子供と接する時間が減ってしまい、子供は親の愛情を感じずに育ってしまうことも珍しくありません。そのほかにも経済的理由から進学を断念して、将来の夢を諦めざるを得ない状況にもなり兼ねません。

親として、離れて暮らしていても、子供の支援や配慮を行うことは重要ではないでしょうか。

養育費を支払えない状況を相手に直接伝えるか家庭裁判所の手続きを踏めば、状況によっては、減額や免除がされるケースもありますので、何らかの対応を図ることをお勧めします。

養育費の減額・免除の請求をして強制執行を避ける

養育費を支払いたくても、自身の生活で精一杯で支払えないという方もいるかと思います。

まずは、相手と直接話し合って、支払えない状況を具体的な理由と併せて伝えて、養育費の減額の希望を伝えましょう。相手が再婚をして、再婚相手と子供が養子縁組した場合は、養育費の支払義務がなくなる場合もあります。

話し合いが決裂した場合は家庭裁判所に「養育費減額調停」を申し立て、裁判官と調停委員を交えて養育費の減額について、話し合いましょう。調停も不成立になった場合は、審判に移行して、裁判所が養育費の減額について判断します。

正当な理由があれば、養育費が減額もしくは免除が認められる場合もありますので、しっかり取り決め直した金額を支払えば、養育費の支払いを滞って強制執行をされるということは避けることができます。

強制執行はデメリットばかりです。養育費の支払いが苦しいときは、強制執行を避けるためにも弁護士にご相談ください

養育費の支払いが苦しいからといって、支払わずに居続けると、相手から強制執行の手続きをされてしまいます。

強制執行は、あなたが財産を保有している限り、免れることはできませんし、あなたにとってデメリットばかりです。
養育費が支払えない事情があるのであれば、相手に伝えて当事者同士で話し合うか、「養育減額調停」を申し立てして話し合いすれば減額や免除をされることもできますので、そのままほっておいて強制執行をされるのは避けるべきです。

強制執行をされるかもしれない、もしくはすでに強制執行をされてお困りの方は、あなたの経済状況や強制執行にされるに至ってしまった経緯を伺ったうえで、あなたに適した今後の対処方法をアドバイスさせていただきますので、是非、法律の専門家である弁護士にご相談ください。

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保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

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