養育費の調停にかかる費用と流れ

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

離婚した後からでも養育費の請求はできますし、場合によっては金額の変更も可能です。しかし、相手(元配偶者)と話し合ってもなかなか意見がまとまらなかったり、連絡を無視されたりするケースもあるでしょう。

そのようなときに行うのが「調停」という手続きです。
調停では、基本的に相手と顔を合わせずに済みます。また、調停で取り決めた内容が守られなかったとしても、相手の財産から強制的に養育費を回収する方法をとることができます。

本ページでは、「養育費の調停」をテーマに、手続きの仕方や調停を有利に進めるためのポイント等について解説していきます。

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養育費の調停とは

養育費の調停とは、家庭裁判所に申立てを行うことにより、家庭裁判所の職員である調停委員に間に入ってもらい、養育費について相手と話し合っていく手続きのことをいいます。調停委員は、男女1名ずつとなるのが通常です。

また、養育費の調停は、調停を行う目的によって次の3つに分けられます。

  • 養育費請求調停:養育費の支払いを求める調停
  • 養育費増額請求調停:一度決めた養育費の増額を求める調停
  • 養育費減額請求調停:一度決めた養育費の減額を求める調停

申立てに必要な書類

家庭裁判所に養育費の調停を申し立てるには、様々な書類の提出が必要になります。申立てに必要な書類は、主に次のとおりです。なお、ご状況によっては、裁判所から追加で書類の提出を求められるケースもあります。

・申立書の原本と写し:各1通
申立書には、養育費をどういう内容にしたいのか、調停の申立てに至るまでの状況等を記載していきます。通常、裁判所用の原本1通と、相手方に送る用の写し1通を提出します。

申立書の書式は、裁判所のホームページからダウンロードできます。(https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_kazityoutei/syosiki_01_29/index.html

・子供の戸籍謄本(全部事項証明書):1通
養育費の調停では、そもそも養育費の支払義務があるのかどうか、つまり親子関係の有無を確かめるため、子供の戸籍謄本の提出が求められます。

・申立人の収入関係の資料(<例>源泉徴収票、給与明細、確定申告書等の写し)
裁判所の実務上、基本的に養育費の金額は、子供の人数と年齢、父母それぞれの年収額などを使用して算出する方法がとられています。
そのため、ご自身(申立人)の年収がわかる資料の提出が求められます。

具体的には、給与所得者ならば前年の「源泉徴収票」や「給与明細」の写し、個人事業主ならば直近の年度の「確定申告書」の写しを提出することが多いです。

申立てに必要な費用

養育費の調停を申し立てる際には、家庭裁判所に必要書類を提出するとともに、手数料額に応じた収入印紙と、連絡用の郵便切手を納める必要があります。

  • 収入印紙:手数料額(1200円×子供の人数)分
  • 郵便切手:家庭裁判所によって必要な金額や切手の内訳が異なる

<例>東京家庭裁判所の場合
総額1022円(100円×2枚、84円×8枚、10円×14枚、1円×10枚)

なお、申立て先となる家庭裁判所は、「相手方の住まいの家庭裁判所」または「当事者間で決めた家庭裁判所」のどちらかになります。

養育費の調停にかかる期間

養育費の調停は、申し立ててから6ヶ月以内で終了するケースが一般的です。ただし、事案の内容によってかかる期間は違ってきます。1ヶ月以内と早く終了するケースもあれば、反対に1年以上と長引くケースもあります。

養育費の調停が行われるケース

養育費の内容を何も決めないまま離婚した場合、離婚後に取り決めをすることができます。当事者間での話し合いがまとまらなければ、次なる手段として養育費の調停が行われることになります。

また、離婚する際に養育費の取り決めをしていたものの、生活の状況などが変わって、養育費の増額・減額を望む方もいらっしゃるでしょう。そのような場合も、当事者間での話し合いでは解決できそうにないときは、養育費の調停が行われます。

以上をまとめると、養育費の調停が行われるケースの例は、主に次の3つとなります。

当事者間での養育費の話し合いがまとまらないケース

離婚後のタイミングでも、養育費について取り決めていくことはできます。元配偶者と連絡をとり、話し合って決められれば良いのですが、離婚後は元配偶者とは疎遠になりがちです。そのため、必ずしも話し合いが実現するとは限りませんし、話し合ってもなかなか意見がまとまらないケースもあるでしょう。

こうしたケースでは「養育費請求調停」を行い、家庭裁判所の調停委員を通した話し合いによって、養育費の取り決めを目指していきます。

養育費の増額を希望するケース

離婚する際に養育費の取り決めをしていても、その後、状況が変わって金額を増やしてほしい場合もあるかと思います。一度取り決めた養育費でも、当事者間で話し合って金額を変更することは可能です。話し合いで決められそうにない場合は、「養育費増額請求調停」を行います。

調停でも解決できないときは最終的に裁判官が決めることになりますが、増額が認められるのは、取り決め時には予想できなかった“事情の変更”があったと判断された場合です。

例えば、受け取る側の収入が減少した、支払う側の収入が増加した、子供に多額の医療費がかかることになった等のケースでは、増額が認められる可能性があります。

養育費の増額について、詳しい内容は下記のページをご覧ください。

養育費の減額を希望するケース

養育費を支払う側になった方のなかには、金額を減らしたいと思う方もいるでしょう。相手と直接交渉して決めるのが難しい場合は、「養育費減額請求調停」を行います。

それでも合意できずに調停が不成立となったら、裁判官の判断で、減額するかどうかが決められます。当初、取り決めをした時点では想像もつかなかった“事情の変更”が認められれば、減額することができます。

例えば、支払う側の収入が減少したり、支払う側が再婚して子供が生まれたりしたケースでは、事情の変更が認められ、“減額するべき”と判断される可能性があります。

養育費の減額についてもっと詳しく知りたい方は、下記のページも併せてご覧ください。

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調停の流れ

養育費の調停を行うときは、まずは家庭裁判所に調停の申立てをします。申立てが受理されると第1回の調停が行われ、その後は必要に応じて第2回、第3回…と調停が行われることになります。調停の回数に決まりはないので、何回行われるかは事案によって違ってきます。

お互いに合意できたら調停成立で終了します。一方、合意が見込めない場合等には調停不成立となってしまいますが、自動的に「審判」という手続きに移り、裁判官がすべての事情を考慮したうえで養育費をどうするか決めます。そのほか、申立人が自ら調停をやめる調停取下げによって終了するといったケースもあります。

養育費の調停を有利に進めるためのポイント

ご自身の希望に叶った結果を得られるよう、養育費の調停を有利に進めるために押さえておいてほしいポイントは次のとおりです。

養育費の相場を確認

相場とかけ離れた高額な養育費を求めても、相手の同意は得られにくいでしょうし、調停委員も共感してくれない可能性が高いです。そのため、養育費の相場を確認したうえで調停に臨むことをおすすめします。

また、養育費を支払う側としても、知らずに高額な養育費を支払う羽目にならないよう、相場を確認しておくことは重要です。

一般的に“養育費の相場”とされるのは、「養育費算定表」から算出した金額です。調停委員が参考にすることも多い「養育費算定表」について、詳しい内容は下記のページをご覧ください。

調停委員を味方にする

調停で話す相手は元夫(妻)ではなく、調停委員です。調停を有利に進めるためには、調停委員を味方にすることが非常に重要になってきます。

調停委員は中立な立場ではありますが、「あなたの言うことはもっともだ」と共感してくれれば、その方向で調停が進むよう相手方に提案してくれることもあります。
調停委員に好印象を与えられるよう、態度やマナーに気をつけ、説得力のある主張をしていきましょう。

証拠や陳述書などの用意

説得力のある主張をして調停委員に共感してもらうには、主張を裏付ける証拠の存在が重要です。例えば、相手の収入の増加を訴えたいなら、相手の収入を明らかにする証拠(例:源泉徴収票、給与明細などの写し)を用意しておきましょう。

また、主張内容を書面にまとめた「陳述書」をあらかじめ提出しておくと、調停委員に自分の考えが伝わりやすくなります。ただし、相手を責めるような内容ばかりを記載すると、調停委員の心証を悪くしてしまうおそれがありますのでご注意ください。

審判を申し立てることも検討する

離婚の場合、いきなり裁判所に判断を求めるのではなく、まずは調停から行わなければならないとする“調停前置主義”が適用されます。しかし、養育費の場合は、調停前置主義は適用されません。そのため、いきなり「審判」の申立てをして裁判所に判断を求めるということも可能です。

養育費の調停を行ったとしても、相手の同意が得られないことが明らかなときは、「調停」ではなく「審判」を申し立てることも検討してみると良いかと思います。

ただ、裁判所によって「調停から行うように」と付調停にされるケースも多いので、留意しておきましょう。

養育費の調停に相手が来ない場合はどうなる?

養育費の調停は当事者双方の合意がなければ成立しませんので、相手が来ない場合は調停不成立となり、自動的に審判の手続きに移ります。

審判では、調停と違って当事者双方の合意は必要なく、すべての事情を踏まえて裁判官が判断するので、相手が来なくても養育費の取り決めができます。

なお、通常、1回の欠席ですぐに調停不成立となることはありません。調停不成立となるのは、「相手は調停に出席する気がない」と裁判所が判断した場合です。2回目以降も相手が来ず、連絡も無視されているようなら、調停不成立となる可能性が高いといえます。

養育費の調停に関するQ&A

Q:

養育費調停で聞かれることは何ですか?

A:

養育費調停で、調停委員からよく聞かれることは主に次のとおりです。

  • 現在の収入額
  • 現在の生活状況
  • 希望する養育費の内容

このうち「希望する養育費の内容」について答えるときは、具体的な金額を伝え、なぜその金額を希望するのか、根拠を示して説明できるように準備しておきましょう。

Q:

相手が養育費請求調停で決まった金額を払わない場合はペナルティを与えることはできますか?

A:

調停で決まった内容が守られなかったとしても、養育費を払わないことは犯罪にはなりませんので、罰金を科せられるといったペナルティはありません。

ただし、支払いが遅れた分の損害をカバーしてもらうため、「遅延損害金」の支払いを求めることは可能です。遅延損害金とは、いわゆる延滞料のようなものです。調停で養育費の遅延損害金に関する取り決めをしていなかった場合、法定利率の年3%(※2020年4月の民法改正後の利率になります)を使って計算します。

なお、調停で決まった内容が守られない場合には、相手の預貯金や給与などの財産を差し押さえる等して強制的に未払いの養育費を回収する、「強制執行」という方法をとることができます。

調停をするなら、弁護士への相談がおすすめ

調停については、裁判所で話し合いをする手続きだし、お互いの年収額でだいたいの見当がつくみたいだから自分でやってみよう、と考える方も少なからずおられます。

しかし、養育費の調停では、家庭裁判所が使う養育費算定表や標準算定方式と呼ばれる計算方法により算出される金額を目安に、その内容の是非や個別具体的な事情を伝え合って調整されていくので、案外、単純な手続きではありません。

養育費の変更を求める場合には、以前に養育費を決めた時から事情の変更が生じていることが求められるので、養育費を決めた後から調停申立てまでの経緯を整理し、裁判所や相手方に対して増減が認められるだけの事情があることをしっかり説明していく必要があります。この必要性は審判事件に移行されればさらに高まります。

調停手続に一人で臨んでいたお客様からは、「言いたいことがうまく伝えられない」「調停委員が自分の話をちゃんと聞いてくれない」「調停委員や裁判官が言っている内容がわからない」といった感想を伺うことが多いです。調停には、説明の仕方、資料の見せ方、審判に移行した場合の判断の見通しを踏まえた立ち回り方等、知識を前提にした技術的なスキルが求められます。こうしたスキルは一朝一夕で得られるものではなく、養育費をめぐる家事事件の知識経験を積んだ弁護士に代理人として発揮してもらうものになるのです。

弁護士法人ALGは、養育費について争われた事件を数多く経験してきた弁護士が集まっております。養育費でお悩みの方、調停の申立てを考えている方はぜひ、ご相談ください。

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