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養育費

妊娠中の離婚は養育費に影響する?養育費をもらうために確認すべきこと

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

妊娠中に離婚したいと考えている方のなかには、「妊娠中に離婚してしまったら、これから生まれてくる子供の養育費を、元夫からもらうことはできないのではないか?」と不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。

妊娠中に離婚した場合であっても、養育費をもらえる余地はあります。ですが、お子様の出生時期によっては、養育費を請求するために手続を踏む必要が生じることがあります。
妊娠中に離婚した場合の養育費について、本記事で詳しく解説していきます。

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妊娠中に離婚しても養育費を請求できる場合はある

妊娠中に離婚したとしても、離婚後300日以内に出産した場合は、元夫に対して、生まれた子供の養育費を請求することができます。

しかし、離婚後300日より後に出産した場合には、元夫に対する養育費の請求権は当然には発生しません。養育費を請求するためには、元夫に子供を認知してもらう必要があります。
次項より、これらの詳しい説明をしていきます。

なお、出産する前の段階において、母親(元妻)の承諾を得たうえで、元夫が任意で認知すること(胎児認知)は可能です。胎児認知してもらえれば、子供の出生後、元夫に養育費を請求することができます。

離婚後300日以内に子供が生まれた場合

平均的な妊娠期間は、最終月経開始日から280日といわれています。そのため、妊娠中に離婚した方の多くが、離婚後300日以内に出産を迎えることが予想されます。

離婚後300日以内に出産した場合、生まれた子供は、元夫の嫡出子(婚姻関係にある男女間に生まれた子)と推定されます。子供と元夫の法律上の父子関係が成立しているため、親権者となる母親(元妻)は、非親権者である元夫に対して、子供の養育費を請求することができます。

また、婚姻した際に元夫が戸籍の筆頭者となっていた場合、離婚後300日以内に生まれた子供は、元夫の戸籍に入ります。子供は父親(元夫)の姓を名乗ることになるため、親権者である母親と子供の姓が異なるという事態が生じてしまいます、母親と子供の姓を同じにするには、家庭裁判所に「子の氏の変更許可」の申立てを行って許可を得る必要があります。

離婚後300日より後に子供が生まれた場合

一方、離婚後300日より後に出産した場合、生まれた子供は元夫の子であるという法律上の推定がなされないことから、非嫡出子(婚姻関係にない男女間に生まれた子)となり、元夫と子供の間に法律上の父子関係は成立しません。元夫には子供の扶養義務は生じないため、元夫に対して養育費を請求することはできません。

しかし、元夫に子供を認知してもらえれば、元夫に対する養育費の請求が可能になります。認知によって元夫と子供との法律上の父子関係が成立し、元夫にも子供の扶養義務が生じるためです。

また、離婚後300日より後に生まれた子供は、母親の戸籍に入り、母親の姓を名乗ることになります。元夫(父親)が子供を認知したとしても、子供の戸籍が自動的に父親の戸籍に移動するということはありません。

相手に認知してもらう

離婚後300日より後に出産した場合、元夫に子供を認知してもらうことで、養育費の請求権が発生します。

元夫が自分の意思で認知(任意認知)してくれれば良いのですが、任意認知に応じてくれない場合には、家庭裁判所に認知調停を申し立てることになります。調停も不成立となったら、最終的な手段として、認知の訴え、つまり訴訟を起こすまでに発展していきます。

相手が任意認知に応じてくれなかったら

離婚後300日より後に生まれた子供の養育費を元夫に請求するためには、元夫に子供を認知してもらう必要があります。
元夫が自分の意思で認知する、任意認知に応じてくれなければ、審判認知強制認知という裁判所の手続を経て認知してもらうことになります。

認知調停を申し立てる際に必要な書類と費用

審判認知とは、家庭裁判所に「認知調停」を申し立て、双方が合意した後、裁判所が調査のうえ合意を認める審判をすることで、認知させるというものです。

そして、審判が確定したら、認知調停を申し立てた者が、審判の確定日から10日以内に認知届をする必要があります。届出先は、認知した元夫もしくは認知された子供の本籍地、または届出人(認知調停を申し立てた者)の住所地を管轄する市区町村役場になります。

ここで、認知調停を申し立てる際に必要な書類と費用について、確認してみましょう。

必要な書類

  • 申立書とその写し1通
  • 子供の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 相手方の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 子供の出生証明書の写しと、母親の戸籍謄本(全部事項証明書)
    (※離婚後300日以内に生まれた、出生届が未届けの子供に関する申立ての場合)

なお、個別の事情によっては、これらの書類以外の書類を追加で提出するよう、裁判所から求められることもあります。

必要な費用

  • 収入印紙1200円分
  • 連絡用の郵便切手
  • 鑑定費用(※親子関係を明らかにするため、DNA鑑定を行う場合)

なお、連絡用の郵便切手の金額は、裁判所によって異なることがあるため、申立先の裁判所にご確認ください。

強制認知の流れ

認知調停を行ったものの、調停不成立となった場合には、認知の訴え(訴訟)を起こすことになります。この認知の訴えにおいて、裁判所が認知を認める判決を下すことで、強制的に認知させることを、強制認知といいます。

認知の訴えを提起したら、裁判所が、争点と証拠を整理したうえ、必要に応じて証拠調べやDNA鑑定を行い、判決を下します。このような流れで、強制認知されるかどうかが決まります。

また、強制認知の場合も、判決確定後には認知届をする必要があります。具体的には、認知の訴えを提起した者が、判決確定後10日以内に認知届をしなければなりません。届出先は、審判認知の場合と同様です。

妊娠中に離婚したときの養育費の相場

養育費の相場として、家庭裁判所が公開している「養育費算定表」が参考にされることが多いです。妊娠中に離婚したときも、養育費の金額を決めるにあたり相場を確認する際には、通常の離婚と同様、「養育費算定表」が参考になります。

さらに詳しく
養育費算定表の使い方

養育費の請求と出産日の関係

妊娠中に離婚した場合、元夫に対して子供の養育費を請求できるかどうかは、離婚後いつ出産を迎えたのかによって異なります。

離婚後300日以内に出産した場合は、子供は元夫の嫡出子と推定されるため、養育費を請求することが可能です。

これに対し、離婚後300日より後に出産した場合、元夫に養育費を請求するには、元夫に認知してもらわなければなりません。離婚後300日より後に生まれた子供は、非嫡出子となり、法律上父親と推定される者がいないため、認知によって法律上の父子関係を明らかにする必要があるのです。元夫が任意で認知することに応じてくれない場合には、認知調停や認知の訴えという裁判所の手続を要することになります。

なお、認知されていなくても、元夫が任意で養育費を支払ってくれる場合もありますが、支払いが滞ったときに対処できないおそれがあります。

このように、妊娠中の離婚では、子供について、通常の離婚の場合とは異なる扱いがなされることがあります。そのため、子供の養育費を元夫に請求するにあたっては、様々なトラブルが生じ得ることも、想像に容易いのではないでしょうか。

妊娠中に離婚して養育費のことでお困りなら、弁護士への相談がお勧め

お腹に新しい命を宿しているなかで離婚を進めていくのには、精神的にも身体的にも相当なご負担がかかることでしょう。離婚後、子供を育てていくためのお金の心配が拭えない方も多くいらっしゃるかと思います。そのため、子供の養育費を受け取れるかどうかは、とても重要になります。

ですが、これまで説明してきたとおり、妊娠中の離婚では、子供の養育費を元夫に請求できるかどうかは、子供の出生時期によって異なります。また、養育費を請求できるとしても、相手が請求に応じてくれないようであれば、養育費請求調停や審判という裁判所の手続を踏んでいかなければなりません。

妊娠中に離婚した場合の養育費についてお困りの方は、まずは弁護士に相談することをお勧めします。弁護士であれば、ご相談者様の状況を伺い、元夫に対して養育費を請求できるかどうか、どのくらいの養育費を受け取れる可能性があるかどうかを、法律知識に基づき適切にアドバイスすることができます。また、弁護士にご依頼いただければ、代理人となって、必要な裁判所の手続を行うこともできます。

弁護士法人ALGでは、事業部制をとっており、離婚問題を集中的に取り扱う事業部もございます。離婚問題について、安心してご相談いただける環境を整えておりますので、妊娠中に離婚し、子供の養育費についてお困りの際には、弁護士法人ALGにぜひご相談ください。

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