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中絶で離婚した場合の慰謝料 | 相場と請求方法

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

人工妊娠中絶(以下、「中絶」)は、女性の身体と心に大きな負担となります。妊娠は男女2人の問題ですから、女性だけが苦痛を強いられることに不満を感じ、男性にも責任をとってほしいと考える方も少なくありません。では、中絶をきっかけに夫婦関係に亀裂が生じ、離婚に至ってしまった場合、(元)夫に対して慰謝料を請求することはできるのでしょうか。

お金で中絶による苦痛を癒すことはできませんが、せめて慰謝料を支払ってもらえれば、男性にも責任を分担してもらうことはできます。そこで本記事では、中絶を理由とする離婚において慰謝料の請求が可能なのか、解説します。

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中絶を理由とする離婚 慰謝料を請求できるケースとは

以下のような事情がある場合には、慰謝料の請求ができます。

中絶を強要した場合

夫が、「中絶しないと殴る」等、従わないと暴力に訴えると脅したり、実際に暴力を振るい中絶を強要したりした場合には、中絶に至るまでの強要行為が不法行為に該当する可能性があります。なお、強要行為が不法行為と認められるかどうかは、強要の程度によります。

強要行為の程度が酷く、不法行為と認められる場合には、慰謝料を請求することができます。

避妊していると嘘をついていた場合

夫が「避妊している」と嘘をつき性交渉を行った結果、妻が望まない妊娠をして中絶した場合には、虚偽の事実によって、妻の権利(妊娠に関する自己決定権)を侵害したといえます。したがって、夫の行為は不法行為に当たり、慰謝料の請求が認められるでしょう。

強姦された場合

強姦された結果、妊娠してしまい中絶した場合、性交渉について合意があったとはいえません。強姦は当然に不法行為に当たるため、強姦した夫に対する妻からの慰謝料請求も認められやすいといえます。また、慰謝料も高額になりやすいでしょう。

稀に夫婦の性交渉が強姦になることはないと考えている方もいますが、夫婦間でも合意に基づかない性交渉は強姦に当たります。

中絶の際に夫の協力がなかった場合

裁判例によると、そもそも、妊娠・中絶に伴う女性の身体的・精神的苦痛や経済的負担は、男女が共同して行った性行為によって生じるため、こうした不利益は男女が平等に分担するべきだと考えられます。そして、男性には、女性の不利益を軽減・解消・分担する法的義務があるので、この義務に違反した男性に対して、女性から慰謝料を請求することが認められます。

このように、中絶の際に夫の協力がない場合には不法行為が成立するので、慰謝料請求が認められる可能性があります。

中絶のみを理由に請求するのは難しい

上述のような事情がなく、夫婦が合意のうえで性交渉と中絶をした場合には、双方に責任があるといえるので不法行為とはなりません。そのため、一般的に慰謝料は発生しにくいでしょう。中絶が女性に与える、肉体的・精神的苦痛は重々承知していますが、中絶したというだけでは慰謝料の請求は困難であるというのが現実です。

中絶の慰謝料が請求できるのか不安……一人で悩まず弁護士にご相談ください

夫に対して、慰謝料が請求できるのかどうかわからず不安を抱えている方は、一人で悩まず、まずは弁護士にご相談ください。中絶という、身体も心も傷ついてしまう経験をされたのですから、夫に対して「まっとうに責任をとってもらいたい」と考えるお気持ちはもっともです。ぜひ弁護士にご依頼いただき、適正な賠償が受けられるよう、サポートさせていただければ幸いです。

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中絶したことに対する慰謝料の相場

中絶したことに対して認められる慰謝料の相場としては、だいたい100万~200万円です。もっとも、他にも不貞行為やDVといった不法行為の事実があれば、慰謝料が増額される可能性があります。

離婚時に請求できる慰謝料の相場について、詳細は以下の記事をご覧ください。

中絶費用は慰謝料に含まれるのか

中絶費用と慰謝料は、不法行為に基づいて請求できる損害賠償の1項目ですが、それぞれ損害の項目が異なります。したがって、最終的には合算して請求するとしても、慰謝料のなかに中絶費用が含まれるわけではありません。なお、中絶費用として請求できる費用は以下のとおりです。

  • 中絶手術の費用
  • 妊娠中の診療費、交通費
  • 中絶でかかった診療費、入院費、交通費
  • (会社を休んだ場合)休業損害
  • (後遺症が残る場合)治療費、慰謝料 等

※ただし、合意のうえで妊娠した場合には、基本的に中絶費用を折半できるのみです。

中絶を理由とする慰謝料はいつまで請求できる?

中絶を理由とする慰謝料は、中絶手術の日から3年で消滅時効にかかってしまうため、注意が必要です。

離婚時に慰謝料を請求する方法

中絶を理由に離婚し、慰謝料を請求することを検討している方は、併せて以下の記事もご覧ください。

中絶を理由として離婚した場合の慰謝料請求に関する裁判例

中絶したことを理由に離婚した場合の慰謝料請求に関する裁判例は、現状ないものと思われます。もっとも、結婚前提の交際を終了したことに伴い中絶をした場合に、女性から男性への損害賠償請求が認められた類似の事例はあります。以下に簡単に概要をまとめました。

東京高等裁判所 平成21年10月15日判決

事案の概要

結婚相談会社の紹介で結婚前提の交際を始めた男女が、合意のうえで性行為を行った結果妊娠したものの、結婚には至らなかったために合意のうえで中絶することになった事案です。

この妊娠や中絶に関して、女性は男性と十分な話し合いをすることができないまま、中絶を決め費用を支出しました。そのため、男性が妊娠や中絶に関して真摯に協議する条理上の義務を欠き、また、条理上費用を負担すべき責任に背いたために損害を被ったとして、女性が男性に対して損害賠償を請求しました(一審)。請求に対して、損害の2分の1の賠償を認める判決が下されたところ、男性が控訴しました。

裁判所の判断

裁判所は、まず、中絶の選択・決定をしなければならない事態に至った時点から、女性は身体的及び精神的苦痛にさらされるとともに経済的負担をせざるを得ないが、こうした苦痛や負担は、男女が共同して行った性行為に由来するものであるから、男女が等しく不利益を負担すべきであると判断しました。そして、胎児の母親となる女性は、胎児の父親となる男性から、こうした不利益を軽減し解消するための行為をしてもらえるか、あるいは平等に不利益を分担してもらえるかする法律上の利益があり、男性は女性に対してこうした行為を行う義務を負うべきであると判示しました。

最後に、この判断に基づいて本事案を検討したところ、男性が女性と具体的な話し合いをしようともせず、ただ女性に子を産むか中絶するかどうかの選択を委ねるだけで、胎児の父親として胎児の母親に対して負う義務を履行しなかったという事実は、法律上保護される女性の利益を違法に侵害したものと評価できるとして、男性には女性に生じた損害を賠償する義務があると判断し、114万2302円の支払いを命じました。

このように、結婚前提の交際の段階においても、中絶を理由とする損害賠償請求が認められるのですから、さらに進んだ結婚の段階においても、中絶を理由とする(損害賠償の一内容である)慰謝料請求が認められる可能性はあると考えられます。

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中絶による離婚慰謝料に関するQ&A

Q:

中絶したことが理由で離婚を考えています。中絶したことにより後遺症が残った場合、治療費等は請求できますか?

A:

先ほど述べたように、中絶に関係する費用として、

  • 中絶手術の費用
  • 妊娠中の診療費、交通費
  • 中絶でかかった診療費、入院費、交通費
  • (会社を休んだ場合)休業損害
  • (後遺症が残る場合)治療費、慰謝料 等

が挙げられます。手術費用、診療費、入院費、交通費は中絶の結果生じた損害ですから、請求することは可能ですが、先ほどの裁判例によると、損害の2分の1のみ請求できることになります。

次に休業損害ですが、これは中絶した時期等によって変わってくると思います。つまり妊娠初期(12週未満)の場合は休業することは想定できませんので、休業損害を請求するのは難しいです。他方で12週以降、特に中絶できる限界に近い20週前後ですと、胎児も大きくなり、母体への影響が大きく、休業損害が発生する可能性があるため、その場合は請求できます。休業損害についても、請求できるのは2分の1のみになる可能性があります。

最後に、後遺障害に関する賠償は、個々の事案によるでしょうが、母体に重大な後遺症が残った場合は請求できる可能性があります。これも請求できるのは2分の1のみになる可能性があります。

Q:

夫の浮気が発覚したため、中絶して離婚しました。慰謝料の請求は可能でしょうか?

A:

ご質問の場合、中絶したことそのものに対する慰謝料請求は難しいと思われますが、夫の浮気に対する慰謝料請求は可能だと考えられます。また、妊娠中というデリケートな時期に浮気をしているので、通常より精神的苦痛が大きいとみなされ、相場以上の慰謝料請求が認められる可能性があります。

ただし、浮気時に既に婚姻関係が破綻していたというような事情がある場合には、慰謝料請求は認められないため、注意が必要です。

Q:

夫に無断で中絶した場合、慰謝料を請求される可能性はありますか?

A:

まず、夫に無断で中絶するということは、刑事罰に問われる可能性があります。そのため、夫に無断で中絶することは控えた方が良いでしょう。

また、夫に無断で中絶した場合、夫のどのような権利利益を侵害したのかが明確ではありません。子を持つことに対する期待を侵害したとしても、それが法律上保護に値するか、これも明確ではありません。このように、無断で中絶することによって侵害される法益が不明確なため、慰謝料請求される可能性は一般的に低いと考えます。

中絶を理由とする離婚慰謝料について、弁護士が親身にサポートさせていただきます

身体にも心にも大変な苦痛となる、中絶という選択をすることになったご心痛をお察しします。また、それを理由として、離婚にまで至ってしまったときの苦しみはいかほどのものでしょう。もし、ひとりでは抱えきれないほどの苦しみになってしまったときには、弁護士を頼ってください。ご依頼者様の最大の味方となる弁護士が、お心に寄り添ってサポートさせていただきます。

心の痛みはお金では癒せませんが、せめてその大きさに見合った金額の賠償は受けられるべきでしょう。ぜひ「こうしたい」というご希望をお伝えいただき、経験豊富な弁護士にサポートさせていただければ幸いです。

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保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

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