離婚に伴う財産分与、確定拠出年金はどうなる?

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

離婚時にしっかり取り決めをしておく必要がある条件の一つに、【財産分与】があります。
離婚後の生活を築く基盤となる“お金”に関する取り決めですから、その重要性は高いといえます。離婚協議の際には、目先のことばかりでなく、もっと先の未来についても考慮して、冷静に分与の方法を検討すべきでしょう。

そこで問題になるのが「年金」の取扱いです。「年金」は、【財産分与】ではなく【年金分割】にて分割するのが通常ですが、全ての「年金」が【年金分割】の対象になるわけではありません。

ここでは、「年金」の中でも、「確定拠出年金」に加入されている方に焦点を当て、「確定拠出年金」と【財産分与】のかかわりについて、詳しく説明していきます。

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離婚時の確定拠出年金は財産分与の対象となるか?

日本の年金制度は3階建て構造になっており、そのなかでも確定拠出年金は3階部分にあたります。年金分割の対象となるのは、厚生年金や旧共済年金といった2階部分ですので、確定拠出年金は年金分割の対象外ということになります。

しかし、確定拠出年金は、財産分与の対象になります。清算的財産分与として認められることもあれば、1階部分(基礎年金)の受給資格しかない専業主婦(夫)等に対しては、扶養的財産分与が認められることもあります。

まずは、確定拠出年金の概要から確認しましょう。

確定拠出年金とは?

確定拠出年金は、制度を導入する企業の事業主又は個人が拠出(積立て)した掛金を、加入者自身で運用し、その結果生じた損益に応じた額を、将来、年金として受給する制度です。つまり、受給額は保障されておらず、運用次第でその額は異なります。

確定拠出年金には、「企業型」と「個人型」の2種類があります。

企業型確定拠出年金(企業型DC)

「企業型」は、原則として公務員を除く厚生年金保険の被保険者が加入対象となっています。企業が積み立てた掛金を、加入者である従業員自身で運用する仕組みであることから、退職金の前払いのような性格を有していることがうかがえます。

基本的に、積立金の受け取りは60歳以降になります。それまでは離転職をしても制度の脱退ができないため、払戻しをすることもできません。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

「個人型」は、自営業者、公務員を含む厚生年金保険の被保険者、専業主婦等、公的年金制度に加入する60歳未満の全ての人が加入対象となっています。自身で掛金の積立て・運用を行い、老後の資産を形成する年金としての性格を有します。

受け取りが60歳以降であること、それまでは制度の脱退、払戻しができない点は、「企業型」と同様です。

確定拠出年金を財産分与する場合の注意点

前提として、財産分与の対象となるのは婚姻期間中の積立金に限られますので、婚姻前や、婚姻関係が破綻した別居後に拠出した掛金は原則対象外となります。しかし、確定拠出年金をまだ受給していない方は、そもそも受給額が確定していないことから、評価額の算定が困難です。

加えて、確定拠出年金を退職金の積立てに利用している企業の加入者の場合、退職の年齢までに期間があると、将来的に何らかの事情で退職金が支給されないおそれがあるといった、受給の蓋然性について懸念が生じます。

確定拠出年金を財産分与する基準はケースバイケース。まずは弁護士へご相談ください

確定拠出年金を財産分与の対象とするためには、すでに受給額が確定している、又は積立満期や定年退職が近く、おおむね受給額が確定していて、受給の蓋然性が高いこと等が重要になります。

財産分与の対象になるかどうかはケースバイケースであるため、お悩みの方は専門的な知識に長けた弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

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財産分与における確定拠出年金(企業型DC)の評価方法

すでに受給額が確定している場合には、基準時(離婚時、又は別居があるときは別居時)時点での婚姻期間に対応する評価額を、受給額が確定していない場合には、基準時までの積立金累計額を限度に、基本的には財産分与を行います。

確定拠出年金は、銀行等の運営管理機関で個人別に管理されているため、運営機関に問い合わせることで、調べたい時点での積立金累積額や、評価額を確認することが可能です。また、運営管理機関から発行される「お取引状況のお知らせ」にも、発行時点での積立金累積額、評価額が記載されていますので、こちらも有用です。

将来受け取る確定拠出年金、財産分与の取り決めや受け取る方法は?

確定拠出年金の評価に加えて、①確定拠出年金を退職金と同様に扱い、清算的財産分与で一括支払いとするか、②扶養的財産分与として扱い、期間を決めて分割払いとするか、といった支払い方法の決定も、事案によっては複雑になります。

なお、離婚時に一括で受け取らず、将来にわたって分割で受け取ることに合意した場合、その旨を公文書に残しておくことをおすすめします。これは、万が一不払いが生じた場合に、強制的に回収するための備えです。

裁判所を介する離婚方法の場合には、調書や判決書等に記載されることがほとんどですが、裁判所の手続外での取り決めや、協議離婚の場合には、公正証書を作成することが望ましいでしょう。

確定拠出年金の財産分与~裁判例~

確定拠出年金が支給前で、退職までの期間が長い場合

【名古屋高等裁判所 平成21年5月28日判決】

事案の概要

夫の退職金に絡めて、夫婦の別居後に夫の勤務先に導入された確定拠出年金が、財産分与の対象となるか争われた事案です。

裁判所の判断

裁判所は、夫の勤務先に退職金規則が存するため、退職金のうち、同居期間に対応する部分は、本来、財産分与の対象となる夫婦共有財産というべきであるとしました。

また、夫の勤務先が確定拠出年金制度を導入したのは別居後になるが、夫の掛金は別居から約3年のうちに300万円以上の高額に達していることを考慮すると、その一部にも同居期間中の蓄財等を原資とする部分が存在する可能性は否定できないと述べています。

しかし、定年までに15年以上あることを考慮すると、退職金・確定拠出年金の受給の確実性は必ずしも明確でなく、別居時の価額を算出することも困難であるから、「清算的財産分与」の対象とはせず、「扶養的財産分与」の要素としてこれを斟酌するのが相当と判事しました。

確定拠出年金の財産分与に関するQ&A

Q:

財産分与で確定拠出年金をもらった場合でも年金分割はしてもらえるのでしょうか?

A:

年金分割はしてもらえます。財産分与と年金分割は全く別の問題だからです。

Q:

確定拠出年金の運用益も財産分与の際、折半になるのでしょうか?

A:

基本的には折半となります。ただし、夫婦の一方の才能や労力によって運用益を取得したと認められる場合には、財産形成への寄与が異なるとして、折半とならないケースもあるでしょう。

確定拠出年金の財産分与は弁護士への相談が解決への近道です

確定拠出年金の分割は、【年金分割】ではなく【財産分与】にて行います。
ただし、未だ画一的な評価方法が定まっていないこと、受給の蓋然性を検討しなければならないことから、裁判に発展した際には、裁判所の裁量に委ねることになりますが、夫婦の協議によって決める際には、トラブルが生じかねません。

適正な【財産分与】を行い、円滑に離婚手続を進めるためには、離婚問題に精通した経験豊富な弁護士に相談することが、解決への近道です。ぜひ、弁護士への相談をご検討ください。

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