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子供が乳幼児でも面会交流は必要?円滑に進めるためのポイントとは

弁護士法人ALG 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates

子供が乳幼児で離婚した場合、一般的には母親が親権者となって子供を引き取り養育していくケースが多いです。
その場合、面会交流を求めるのは父親である元夫となります。

元夫から面会交流を求められても、子供が乳幼児の場合には、子供の負担も考えて、「面会交流を拒否したい」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、単に子供が幼いからといって面会交流を制限することは認められていません。子供の利益を1番に考え、どのような面会交流方法にしていくかを考えなければなりません。

この記事では、乳幼児について面会交流は必要か、子供が小さいことを理由に面会交流を拒否できるか、円滑に進める方法などについて解説していきます。

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子供が乳幼児の場合でも面会交流は必要か?

乳幼児期の面会交流は、子供の健全な育成に必要だと考えられています。なぜなら、乳幼児期に両親から愛情を受けることによって、子供の社会性や知的能力の発達に良い影響を与えるからです。
そのため、乳幼児のころから、離れて暮らす親(非監護親)と面会交流を積み重ねていくことは、子供にとってプラスになると考えられるでしょう。

定期的に面会交流をして接し続けることで、子供は、「離れて暮らす親からも愛されている」と実感することができ、自己肯定感が高まります。親子関係をつないで子供の安定的な発達を促進できることが期待できます。
そのため、面会交流は子供の年齢に関わらず、認められるべきといえるでしょう。

面会交流については、以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

両親の別居・離婚による乳幼児への影響

両親が別居・離婚することで、乳幼児期の子供への影響は年齢ごとに異なります。
そのため、乳幼児期から面会交流をし、精神的にサポートすることは必要不可欠といえるでしょう。

では、年齢ごとにどのような影響が出るのでしょうか。見ていきましょう。

【乳児期(0歳~1歳6ヶ月)への影響】

  • 不安やおそれを示す
  • 食事、排泄、睡眠の習慣に影響を与える

【幼児期前期(1歳7ヶ月~3歳)への影響】

  • 主たる養育者(親権者、監護権者)から離れた時に分離不安を示す
  • かんしゃくを起こしたり、無気力になったりする
  • 両親間の緊張・怒り・暴力などに敏感になる

【幼児期後期(4歳~6歳)への影響】

  • 両親の別居について、いつかは仲直りしてくれるはずだと空想する
  • 親の別居が自分の責任だと感じる
  • 親から捨てられてしまうのではないかという恐怖を感じる

乳幼児であることを理由に面会交流を拒否できるか?

子供が乳幼児であるというだけで、面会交流を制限することはできません。

離婚をすれば、夫婦は他人に戻りますが、子供にとって親であることは変わらず、子供は両親から平等に愛されることで安定的な成長を促進できます。
非監護親との良好な関係を継続するためにも、早い時期から面会交流を行うべきでしょう。

しかし、例外的に面会交流をすることで、子供の健やかな成長に悪影響を及ぼす場合もあります。以下のようなケースでは、面会交流を拒否することができるでしょう。

【面会交流を拒否できるケース】

●子供への虐待の事実がある
同居中、非監護親が子供に暴力をふるったり、ネグレクトしたりして虐待していた場合、面会交流を拒否できます。

●非監護親が子供を連れ去る可能性が極めて高い
以前に非監護親が子供を連れ去った経緯があるなど、子供が連れ去る可能性が高い場合には、面会交流を拒絶する理由となります。

●面会に立ち会う監護親へ暴力をふるうおそれがある
乳幼児期の面会には、親権者(監護親)の立ち合いが必要な場合もあります。同居中にDVがあったなど、監護親に暴力が振るわれる可能性があれば、拒否理由になります。

面会交流を拒否できるかについては、以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

子供が拒否した場合は?子供の気持ちは尊重すべき?

面会交流を実施するかどうかは、子供の意思も考慮した上で判断されます。しかし、乳幼児期の子供は、自己の確立が不十分であり、言語的表現力が乏しいため、子供の真意をくみ取ることは困難です。
そのため、乳幼児期の子供の意思が考慮されることはほとんどありません。

乳幼児期の面会交流においては、子供の意思よりも、なにが子供の利益になるのかという視点から判断する必要があります。

父母間の対立により乳幼児の面会交流が難しいときの対処法

乳幼児期の子供は肉体的・精神的にまだまだ未熟なため、非監護親と子供の2人だけで面会交流をするのは難しい場合もあります。
特に、非監護親は父親であるケースが多く、どうしても乳幼児との接し方に不慣れな場合が多くあり、ミルクや離乳食を与えたり、おむつ交換をするなど一人でこなすことができず、必然的に母親である監護親の立ち会いが必要となります。

離婚した元夫婦が顔を合わせることになるため、両者の対立が激しいと面会交流の実現が難しくなります。そのような場合には、以下の対処法を検討してみましょう。

間接的な交流から始める

子供がある程度成長するまでは間接的な方法で面会交流を進める方法もあります。

【間接交流の例】

  • 写真や手紙などでやり取りする
  • ZoomやSkypeなどのオンラインツールを活用する など

この方法では、元夫婦が対立している場合だけでなく、どちらかが遠方に住んでいる場合も有効です。
乳幼児との面会交流はできる内容にどうしても限界があるため、最初は限定的な面会交流の内容になってしまいますが、子供の成長とともに別の面会交流の方法が適切となれば、再度面会交流の実施方法について父母で話し合うことが可能です。

祖父母や第三者機関の協力を得る

元夫婦が一緒に面会交流の時間を過ごすことに抵抗がある場合は、祖父母に同伴してもらうことも一つの手です。
また、自治体によっては面会交流支援事業を実施しているところもありますし、NPO法人や公益財団法人などが運営している民間団体を利用するのも良いでしょう。

第三者機関の面会交流支援の内容は大きく次のとおり、3種類に分類されます。

●付き添い型
支援員が面会交流の場に付き添い、居合わせるものです。
付き添い型には、他の受け渡し型、連絡(日程)調整型による支援も含まれています。
そのため、3種類の支援型の中で費用は最も高額となるでしょう。

●受け渡し型
子の受け渡しをサポートするものです。
付き添い型とは異なり、支援員が面会交流の場に付き添い、居合わせるものではない点に注意が必要です。受け渡し型には、連絡(日程)調整型による支援も含まれています。

●連絡(日程)調整型
第三者機関が夫婦の間に入って面会交流の日時、場所等の調整を行うものです。
付き添い型、受け渡し型と異なり、子の受け渡しは夫婦で行う必要がありますが、費用が安く、日程調整の負担を軽減できます。

乳幼児の面会交流を円滑に進めるためのポイント

乳幼児期の子供との面会交流を円滑に進めるためには、あらかじめ面会交流時のルールを決めておく必要があります。

乳幼児期の子供との面会交流では、交流する時間や場所が限られます。面会交流は我が子との数少ない交流の機会であり、なるべく長時間、頻繁に子供と会いたい、関わりたいという気持ちもあるでしょう。しかし、子供が乳幼児期であることを考慮し、身体的・精神的負担をかけないよう慎重に検討する必要があります。

面会交流のルールについては、以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

面会交流の頻度

面会交流の頻度に、決まった定めはありません。そのため、当事者が自由に取り決めすることができますが、一般的な面会交流の頻度としては、月1回程度となります。

非監護親にとっては、もっと頻繁に子供と関りを持ちたいと思われるかもしれませんが、頻繁に面会交流を実施することは、乳幼児期の子供にとって、精神的ストレスの原因となる可能性があるため注意しましょう。

また、乳幼児期の子供は体調を崩しやすいため、子供の体調に配慮して面会交流の中止や延期など柔軟に対応するようにしましょう。

面会交流の日時

乳幼児期の子供との面会には、監護親が立ち会うケースが多くなりますので、面会交流日を決める際には監護親の休日をなるべく優先するようにしましょう。また、乳幼児期の子供は、長時間の面会に耐えられるだけの体力が備わっていません。そのため、2時間程度の短時間の面会交流からスタートするようにしましょう。

乳幼児期の子供はお昼寝など生活スタイルが決まっていることが多いので、生活スタイルを乱さないような時間帯にするよう配慮しましょう。
面会時間については、子供の成長に合わせて当事者が相談し、徐々に時間を延ばしていくようにすると良いでしょう。

面会交流の場所

乳幼児期の子供との面会交流の場として、どのような場所で面会することが望ましいのでしょうか。
乳幼児期の子供の特性を理解し、以下のような場所で面会を行うと良いでしょう。

自宅や実家

まず、監護親や非監護親の自宅で面会交流を行う方法があります。
以下にメリットとデメリットをまとめてみましょう。

【メリット】
・子供が落ち着いた環境で安心して面会交流できる

【デメリット】
・自宅や実家に相手を立ち入らせることになる
・面会交流時間が緩慢になりやすい
・そのまま子供を返してもらえないおそれがある

自宅や実家での面会交流は元配偶者との信頼関係が築けている場合に有効な手段でしょう。

保育園や幼稚園

保育園や幼稚園の送迎をしたり、参観に行ったりすることで交流を持つことも良いでしょう。
普段から通っている保育園や幼稚園では、子供も安心して面会交流ができるのも大きなポイントです。
しかしながら、保育園や幼稚園では、多くの子供との集団生活となります。そのため、園の指示事項は遵守するようにしましょう。

ショッピングモールのキッズスペースなど

最近では、大型ショッピングモールなどに子供が遊ぶことができるキッズスペースを設けているところもあります。そのような場所であれば、子供も楽しみながら面会できるでしょう。

しかし、あまりに混雑するような施設では子供も疲れてしまいます。また、子供が「まだ遊びたい」と言っても子供の体力の限界に十分注意し、遊ぶことも重要です。
近くにこのようなキッズスペースのある施設があれば、利用してみるのも良いでしょう。

自治体が運営する施設など

お住いの自治体が運営している児童館や子供センターなども面会場所として適しています。
本やおもちゃが準備されており、子供と遊びながら面会を行うことができます。また、周囲の目があることから、非監護者による子の連れ去りなどの心配も少ないでしょう。

弁護士に依頼した結果、親権獲得や希望に近い形での面会交流が実現した事例

依頼者と相手方は依頼者が子供を引き取り、別居を開始しました。別居後も相手方と子供は面会交流をしていましたが、相手方が離婚を求めて離婚調停を申し立てるとともに、親権と面会交流の週1回の実施を主張してきました。

依頼者の希望は、離婚は同意するが、親権は渡したくない、今後相手方との面会交流も行いたくないというものでしたが、担当弁護士が面会交流の必要性を説き、親権は譲らず、必要な頻度で面会交流をするよう提案しました。

調停を継続した結果、相手方は親権を諦め、親権は依頼者が獲得しました。面会交流についても、月2回程度ということで調停が成立しました。
当初、相手方からは、面会交流について、宿泊を伴う交流や週1程度のテレビ電話等の申し出が強くありましたが、依頼者は仕事をしており、子供も学校や部活があるため、そのような時間は取れないと反論し、相手方に納得してもらうことができました。

乳幼児の面会交流に関するQ&A

Q:

面会交流時の付き添いは、子供が何歳まで認められますか?

A:

面会交流の付き添いについて明確な決まりはありませんが、子供が「付き添ってほしい」と希望する間は、子供の気持ちを優先し、付き添ってあげることで、子供も安心して面会交流ができるでしょう。

Q:

離婚調停や面会交流調停などを利用中の場合、乳幼児の面会交流はどうなりますか?

A:

離婚調停中や面会交流調停中でも、基本的に面会交流は行われます。
しかし、夫婦間に確執があると、監護親から「子供を会わせたくない」と面会を拒否される場合もあります。そのような場合は、裁判所の調査官による「試行的面会交流」が実施されることがあります。

試行的面会交流とは、家庭裁判所のプレイルーム等で、離れて暮らす親子を面会交流させてみて、裁判所の調査官が、子供が嫌がっていないか、うまくコミュニケーションは取れているかなど、子供の様子を観察することです。この観察結果を踏まえて、裁判所が、今後の面会交流実施の可否や面会方法等を検討し、夫婦間での調整を図ることを目的として実施されます。

面会を拒否していた監護親も、施行的面会交流を通して、親子の面会交流に何の問題もないこと、子供自身が楽しそうにしていることを見れば、面会交流への不安も軽減されるでしょう。

Q:

子供がまだ小さいのですが、面会交流によって子供にストレスが生じることはありますか?

A:

面会交流の方法や時間、頻度によっては子供がストレスを感じることがあります。

監護親と離れて、慣れない場所で長時間にわたり非監護親との面会交流が実施されれば、まだ小さい子供であれば、強い不安やストレスを感じるかもしれません。
また、子供の生活スタイルを無視して面会交流の時間を長く持てば、子供はお昼寝などができずストレスとなるでしょう。

面会交流は「親の利益」ではなく「子供に利益」を1番に考えるべきです。
そのため、子供が面会交流を行うことで、ストレスになる場合は、面会交流の方法の改善を非監護親に求めましょう。
また、子供のストレスが強い場合は面会を拒否できる場合もあります。

直接相手方に「子供のストレスになるから面会交流は行えない」と伝えることは、難しくもあるでしょう。面会交流でお悩みの際は、弁護士にご相談ください。

乳幼児の面会交流でお悩みの際は、弁護士に相談することをおすすめします

乳幼児期の子供であっても、両親のどちらからも愛されていると感じることで、自己肯定感が育ち、健やかな成長につながります。そのため、乳幼児期の段階から、面会交流は必要といえるでしょう。

しかしながら、元夫婦の間に感情的な対立があると、監護親が面会交流を拒否し、実現が困難になる場合もあります。
面会交流は親と子供をつなぐ大事な交流であり、監護親が「会わせたくない」からといって拒否できるものではありません。

乳幼児期の面会交流について、お困りの方は私たち弁護士法人ALGにご相談ください。
離婚や夫婦問題に詳しい弁護士であれば、乳幼児期の面会交流について最適なアドバイスをすることや、拒否されている場合は、面会交流が行われるよう相手方と交渉を行っていきます。

また、面会交流に関して、調停や裁判になったときも弁護士はあなたの味方です。
子供の健やかな成長のためにも、面会交流を諦めず、私たちにご相談ください。

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監修:弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

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