離婚後の生活費は夫に請求できる?もらえるお金や知っておくべきこと
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
女性が離婚を考えたときに、この先の生活費について不安になるケースは少なくありません。特に、専業主婦やパート主婦である方にとっては、離婚後のお金に関する不安は大きな悩みになるでしょう。
実は、離婚後でも生活費を受け取ることが可能なケースがあります。また、離婚するときに請求できるものを請求して、離婚後の生活費をまかなうこと等も考えられます。
この記事では、離婚後の生活費の請求や、それ以外に請求できるお金、離婚後の生活費のシミュレーション、受けられる手当等について、わかりやすく解説していきます。
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離婚後の生活費は夫に請求できる?
離婚後の生活費は、基本的に元配偶者へ請求することはできません。これは、離婚によって夫婦の間にあった扶養義務がなくなるためです。扶養義務がなくなると、生活費の支払い義務は消滅し、法的に支払いを強制することはできません。
ただし、例外的に、元夫が任意で生活費を支払ってくれる場合には、受け取ることが可能です。このようなケースでは、双方の合意が前提となるため、事前に話し合いや取り決めをしておきましょう。
特に、専業主婦やパート主婦の方は、離婚後の生活が不安定になりやすいため、扶養的財産分与などの制度を活用できるかについて確認しておくと安心できます。
扶養的財産分与としてもらえる場合がある
離婚後には、生活費の支払いを元夫に求めることは基本的にできませんが、扶養的財産分与として一定の金銭を受け取れる場合があります。
扶養的財産分与とは、離婚してから生活するのが難しくなる配偶者を助けて、一時的に支援するための制度です。特に専業主婦やパート主婦など、結婚しているときに収入が少なかった方が対象となることが多いです。
扶養的財産分与は、あくまでも例外的な措置であり、離婚するときの話し合いや調停、裁判での請求が必要となります。支払われる金額の相場は、婚姻費用よりも少額で、1年分程度の生活費が目安とされています。
この制度を利用するには、裁判での争いになることを見据えて、早めに準備をしておくことが大切です。
扶養的財産分与が認められる基準とは?
扶養的財産分与を裁判所が認めるかは、個別の事情を総合的に判断して決められます。このとき、主に以下のような要素が影響します。
- 夫婦間の収入格差
夫婦の収入に差が大きいと、離婚後の生活との落差が大きくなるため、認められやすくなります。 - 後の経済的自立が難しい
仕事をしていない期間が長い等、すぐに就職できない理由があると認められやすくなります。 - 清算的財産分与の金額が少ない
離婚するときに受けられる財産分与が少ないと、認められやすくなります。 - 頼れる親族がいない
実家の両親など、親族に頼るのが難しい状況であれば、認められやすくなります。
これらの要素は、単独ではなく複合的に判断されるため、必ずしもすべてを満たす必要はありません。
離婚時に請求できるお金にはどんなものがある?
財産分与
財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に築いた財産を公平に分け合う制度です。離婚するときに、一般的に行われる清算的財産分与の対象には、預貯金、不動産、自動車、保険の解約返戻金、退職金などが含まれます。
離婚後の生活費に不安がある方にとって、財産分与は大切な経済的支えとなる可能性があります。扶養的財産分与が認められなかった場合でも、財産分与によって一定の資金を確保できることがあります。専業主婦であっても、家事や育児など家庭内での役割が評価されるため、財産分与の対象となります。
養育費
養育費とは、子供が社会的に自立するまでに必要な生活費や教育費などを、親として負担する義務によって支払われる金銭等です。離婚するときに、子供を引き取って育てることになった場合には、元配偶者に対して養育費を請求できます。
養育費の金額は、両親の収入や子供の年齢、人数などによって異なります。請求するときには、金額だけでなく、支払時期や振り込む口座などについても明確に取り決めておくことが重要です。
話し合って決めた内容は、後々のトラブルを防ぐためにも、公正証書に残しておきましょう。
詳しくは、以下の各リンク先をご確認ください。
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慰謝料
離婚慰謝料とは、相手方の言動が主な原因となって離婚に至った場合に請求できる、精神的苦痛に対する損害賠償です。
慰謝料が認められる主なケースとして、以下のようなものが挙げられます。
- 不貞行為(浮気、不倫)
- DV、モラハラ
- 悪意の遺棄(生活費を一切払わない、正当な理由なく家出を続ける等)
- セックスレス
- 配偶者の親族からの嫌がらせを止めない、むしろ加担する等
慰謝料の金額は、離婚原因の内容や結婚していた期間、精神的苦痛の程度などによって異なります。請求するときには証拠の有無が大きなポイントとなるため、日記や録音、写真などを残しておくことが重要です。
年金分割
年金分割とは、結婚しているときに夫婦が共同で築いた年金記録を、離婚するときに分割する制度です。分割の割合は2分の1ずつとなるケースが多く、専業主婦やパート主婦であっても請求できます。
ただし、夫が会社員や公務員で、厚生年金に加入していた場合だけ請求できます。夫が自営業者などで、国民年金に加入していた場合には対象外となります。
また、請求には離婚後2年以内という期限があります。年金分割を求めるのであれば、早めの手続きが必要です。
離婚するときの年金分割については、以下のリンク先で詳しく解説しています。
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解決金
解決金とは、離婚を求める側が「〇〇万円を支払うので離婚に応じてほしい」といった形で提示する金銭のことです。慰謝料や財産分与などとは異なり、法的な根拠があるわけではなく、あくまでも話し合った結果として支払いが決められるものです。
そのため、解決金は裁判で強制的に請求することはできませんが、相手方が早く離婚したいと考えているケース等では、交渉によって支払ってもらえる可能性が高くなります。離婚後の生活費に不安がある場合には、解決金を受け取ることで、一定期間の生活資金を確保できる可能性があります。
解決金の金額や支払い方法については、公正証書にして記録しておくことをおすすめします。
離婚するときの解決金については、以下のリンク先で詳しく解説しています。
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離婚成立までの生活費は婚姻費用として請求できる
婚姻費用とは、いわゆる生活費であり、基本的には夫婦のうち収入の少ない側が、多い側に対して請求できます。これは、夫婦が婚姻関係にある間に互いに生活を支え合う義務(民法第752条)に基づいて支払われるものです。
請求できる内容には、食費や住居費、子供の教育費、娯楽費など、日常生活に必要な費用が含まれます。婚姻費用の金額は、夫婦それぞれの収入や子供の人数、年齢などによって算定されます。
離婚協議が長引く場合では、生活を守るために婚姻費用の請求は非常に重要です。請求前の期間について婚姻費用が認められるケースは少ないので、なるべく早く請求しましょう。
婚姻費用については、以下のリンク先で詳しく解説しています。
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離婚後に婚姻費用を請求することはできない
婚姻費用は、婚姻関係が続いている間にだけ請求できます。そのため、離婚が成立した後では、婚姻費用を元配偶者に対して請求することはできません。これは、離婚によって夫婦間の扶養義務が法律上消滅するためです。
また、離婚する前に別居していた期間についても、婚姻費用を受け取っていなかった場合、離婚後にさかのぼって請求することはできません。
婚姻費用は、請求した時点からの分しか認められないため、離婚後の生活費に不安がある場合は、離婚する前のなるべく早い時点で請求しておくことが重要です。
婚姻費用の請求については、以下のリンク先で詳しく解説しています。
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離婚後の生活費はいくら?シミュレーションする際のポイント
離婚を考え始めたら、配偶者と話し合う前に、離婚後の生活費がどれくらい必要かをシミュレーションしておくことが大切です。
離婚後の生活費は、住居費や食費、教育費、医療費など、個々の状況によって大きく異なります。特に子供を育てながら生活する場合は、養育費や手当なども含めて、現実的な収支を把握しておく必要があります。
シミュレーションするときには、主に以下のポイントを意識しましょう。
- 毎月の収支を明確にする
- 利用できる手当や制度を確認する
- 養育費や財産分与の見込み額も含める
離婚後の生活費を具体的にイメージしておくことで、離婚に向けた準備がスムーズに進み、精神的な不安も軽減されます。
離婚後の生活費が不安なときに受けられる手当・制度一覧
離婚後の生活に不安を感じている方は、国や自治体が提供する支援制度を活用することで、経済的な負担を軽減できる可能性があります。
代表的な制度には以下のようなものがあります。
- 児童手当
- 児童扶養手当
- ひとり親家庭等医療費助成制度
- 母子家庭の住宅手当
- 特別児童扶養手当
- 障害児福祉手当
- 生活保護
- 遺族年金
- 児童育成手当
- 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
これらの制度は、収入や家族構成によって受給条件が異なるため、まずは自治体の窓口などに相談してみましょう。制度を上手に活用することで、離婚後の生活を少しでも安心できるものにすることができます。
詳しくは、以下のリンク先をご確認ください。
離婚後の生活費を請求する際に知っておくべきこと
離婚後の生活費を請求するときに知っておくべきこととして、主に以下のようなものが挙げられます。
- 受取方法やいつまで支払ってもらうかを決めておく
- 離婚後の生活費に税金はかからない
- 離婚後の生活費の取り決めは公正証書に残す
受取方法やいつまで支払ってもらうかを決めておく
離婚した後の生活費の受け取り方として、まとまった金額を一度に受け取る一括払いだけでなく、毎月決まった額を継続して受け取る分割払いもあります。
一括で受け取ると、将来の支払いが滞る心配が少なく安心ですが、相手にまとまった金額を支払う余裕がない場合は選びにくいです。一方で、毎月の分割払いは、長期的に安定した支援が受けられるメリットがありますが、途中で支払いが止まってしまうリスクもあります。
生活費の支払い期間は、法律で明確な期限が決められているわけではありません。そのため、離婚するときには、いつまで支払ってもらうのか、どのような条件で支払いを続けるのか等を、しっかりと話し合っておくことが大切です。
離婚後の生活費に税金はかからない
離婚した後で受け取る生活費や財産分与、養育費、慰謝料、解決金などは、基本的には非課税とされています。また、離婚する前の段階で受け取る婚姻費用についても、基本的に税金はかかりません。
ただし、財産分与や慰謝料などの受け取り方によっては、例外的に税金がかかるケースもあります。
例えば、財産分与や慰謝料では説明がつかないほどの高額な金銭等を受け取った場合には、贈与税がかかるおそれがあります。また、不動産を受け取ると、不動産取得税や登録免許税がかかるおそれがあります。
そのため、離婚に伴ってお金や財産を受け取るときには、事前に税務署や専門家に確認しておくと安心できるでしょう。
離婚後の生活費の取り決めは公正証書に残す
元配偶者が、離婚後の生活費の支払いに同意している場合には、その内容を文書にして残しておくことが重要です。特におすすめなのが公正証書を作成する方法です。
公正証書とは、公証役場という専門の機関で、公証人によって作成してもらえる公文書です。執行認諾文言付きの公正証書を作っておくと、約束した生活費の支払いが滞ってしまったときでも、裁判を経ずに強制的に支払いを受ける手続き(強制執行)を行うことができます。
離婚後も継続して支払われる扶養的財産分与や養育費などは、口約束だけでは後でトラブルになることもあるため、必ず公正証書などの形で記録に残しておくようにしましょう。
離婚協議書については、以下のリンク先で詳しく解説しています。
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離婚後の生活費について弁護士に相談するメリット
離婚後の生活費について悩んでいる方は、弁護士に相談することによって、法的な支援を受けながら安心して手続きを進めることができます。
弁護士に相談するメリットとして、主に以下のような点が挙げられます。
- 適切な婚姻費用を計算して請求できる
- 財産分与や養育費、慰謝料などの交渉でアドバイスを受けることができる
- 扶養的財産分与が認められるかどうか、法的な観点から検討してもらえる
弁護士に相談して、複雑な手続きや交渉をスムーズに進められれば、離婚後の生活設計もしやすくなるでしょう。
離婚後の生活費についてお悩みの場合は弁護士にご相談ください
離婚後の生活費の請求や、制度の利用などについて疑問や不安を感じている方は、まずは弁護士に相談することをおすすめします。法律の専門家である弁護士は、あなたの状況に合わせて、最適な方法で生活費の確保をサポートしてくれます。
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- 監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)











