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面会交流の審判とは?流れや不服申し立てについて詳しく解説

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

面会交流は、別居や離婚によって子供と離れて暮らしている親と子供が直接会って一緒に遊んだり、電話や手紙などを通して間接的に交流することをいいます。
面会交流は、子供が健やかに成長するために不可欠だと考えられています。

面会交流をするかどうかや面会交流の内容などは、まずは当事者間で話し合います。
当事者間での話し合いで折り合いがつかなければ、面会交流調停、面会交流審判といった裁判所の手続きで解決を図ることになります。
では、調停の次の手続きである“面会交流審判”とはどのようなものなのでしょうか。

そこで、本記事では・・・・
・面会交流審判とは
・面会交流審判の流れ
・裁判所が面会交流を認めないと判断するケース
・審判で取り決めた内容が守れなかった場合の対処法
など、「面会交流審判」に焦点をあてて、わかりやすく解説していきます。

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面会交流審判とは

面会交流審判とは、話し合いではなく、家庭裁判所の裁判官が当事者双方の主張や資料・証拠、職権で調べ得た資料・証拠をもとに、面会交流について判断する手続きです。

面会交流審判では、面会交流を実施すべきかどうかだけでなく、実施する場合の具体的な面会交流の内容(面会頻度、面会時間、面会場所など)や一度取り決めた面会交流の方法の変更なども裁判官が判断します。
必ずしも、申立人、相手方双方にとって希望に沿った結果が得られるとは限りません。

面会交流調停との違い

面会交流調停と面会交流審判の違いは、次のとおり大きく4点になります。

面会交流調停 面会交流審判
①概要 双方の合意により成立する 裁判所が最終的な審判を下す
②場所 調停室 法廷
③主張 口頭による主張がメイン 書面による主張がメイン
④不服申立て 不可 可能

①概要・・・調停は当事者間の合意を目指す手続きであるのに対して、審判は家庭裁判所の裁判官による審判を得ることが目的になります。
②場所・・・調停は個室の会議室のような調停室で当事者が一方ずつ交替で調停室に入って行われますが、審判は基本的に法廷で行われます。
③主張・・・ 調停は調停室内での口頭での主張がメインになりますが、審判は裁判官が判断するにあたって当事者双方の言い分が不正確にならないように主張書面といった書面による主張がメインとなります。
④不服申立て・・・調停は、成立したら当事者双方が内容に合意していることになるため不服申立てができませんが、審判は、審判の告知を受けた日から2週間以内であれば即時抗告という不服申立てができます。

最初から審判を申し立てることは可能?

離婚事件の場合は、はじめから離婚裁判を提起することはできず、先に調停を経て話し合いからはじめないといけないとする「調停前置主義」が採られています。
一方、面会交流事件は、調停前置主義が適用されませんので、調停を経ずにいきなり審判から申し立てることも可能です。

しかし、実際は父母間で柔軟に話し合うことから始めるべきであると考えられる場合が多く、はじめから審判から申し立てても、話し合いから始めるようにと調停に付される可能性が高いです。

面会交流審判の流れ

面会交流審判の流れは次のとおりとなります。

①まずは面会交流調停を申し立てる
②調停不成立になると審判手続きへ移行
③裁判所により審判の決定
④審判内容に納得できなければ不服申立て

次項でそれぞれ詳しく解説していきます。

①まずは面会交流調停を申し立てる

まずは家庭裁判所に面会交流調停を申し立てます。
面会交流調停の申立先、必要書類、申立費用は次表のとおりです。

面会交流調停の手続き方法
申立先 相手方の住所を管轄する家庭裁判所又は合意で定める家庭裁判所
必要書類 ・申立書及びその写し1通
・未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)
申立費用 ・収入印紙代:子供一人につき1200円
・郵便切手代:裁判所によって金額が異なる

面会交流調停では、子供と離れて暮らす親と子供との面会交流に関して話し合います。
面会交流が実施される場合は、面会交流の回数、日時、場所など具体的な内容や方法についても話し合います。
面会交流に関して話し合っても意見が食い違って合意できない場合や、そもそも相手が調停に欠席し続けて話し合いができない場合などに調停不成立となります。

面会交流調停の申立て方法や流れについては、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

②調停不成立になると審判手続きへ移行

面会交流調停が不成立になると、自動的に審判手続きに移行します。
改めて審判の申立てをする必要はありません。

審判では、当事者双方が提出した主張と資料・証拠や職権で調べ得た資料・証拠をもとに、面会交流の可否、面会交流の内容(面会頻度、面会時間、面会場所など)を裁判官が判断します。
判断の参考にするために、家庭裁判所調査官による調査や試行的面会交流が実施されることもあります。
また子供が15歳以降の場合は、子供の意見を聞くことになっています。家庭裁判所の実務では、子供が10歳前後から子供の意見を聞いています。

面会交流のルールについて、下記ページで詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

家庭裁判所調査官による調査

家庭裁判所調査官とは、心理学や教育学などを学び、家庭裁判所で扱っている家事事件などについて調査を行う裁判所職員です。
家庭裁判所調査官は、専門的見地から、子供の意思や面会交流が親子に与える影響について調査し、もっとも良いと思われる解決方法を検討して、裁判官に報告します。

具体的には、裁判官の調査命令により、父母双方や子供からの聞き取り、家庭訪問や保育所、幼稚園、小学校など各種機関への調査を実施して子供の状態を把握したり、子供の意向や心情を聴取したりします。

家庭裁判所調査官が調査した結果は、「調査報告書」としてまとめられます。
家庭裁判所調査官が作成した調査報告書は、面会交流を認めるかどうかや面会交流の実施内容などを裁判官が判断するにあたって大きな影響を与えます。

試行的面会交流

試行的面会交流とは、裁判所内にある児童室で子供と離れて暮らす非監護親と子供に、試験的に面会交流を行ってもらい、そのときの様子を家庭裁判所調査官が観察するというものです。
非監護親がどのように子供と接するのか、子供自身の非監護親への気持ち、面会交流に関しての意思などを観察、調査することを目的にして行われます。

児童室には、おもちゃやぬいぐるみなどの遊び道具や絵本があります。
児童室の様子は、家庭裁判所調査官が直接観察したり、隣室からマジックミラー越しに観察したり、児童室に設置しているビデオカメラの映像をモニター越しに観察したりします。

試行的面会交流で観察された事情は、面会交流を実施すべきか、どのような方法で面会交流を実施するべきかなどを判断するための材料になります。

③裁判所による審判の決定

調停での話し合いの内容、家庭裁判所調査官による調査結果などを踏まえて審理が行われて、裁判官が面会交流に関して審判の決定を下します。
基本的に面会交流は子供が健全に成長するために必要なものと考えられていますので、子供と離れて暮らす非監護親によるDV、児童虐待などの面会交流を実施することによって子供の福祉・利益が害される特別な事情がなければ、面会交流は実施すべきだとされています。

④審判内容に納得できなければ不服申し立て

裁判官から下された審判内容に納得できなければ、「即時抗告」という不服申立てが行えます。
抗告審は、高等裁判所で審理されることになります。

即時抗告の申立ては、いつでもできるわけでなく、「審判結果の告知を受けた日から2週間以内」に審判を下した家庭裁判所に高等裁判所宛ての即時抗告申立書を提出しなければいけません。

通常、抗告審は審判期日が開かれることはありませんが、原審で十分な調査が行われていなかったケースや原審の判断後に事情の変更があったケースなどは例外的に家庭裁判所調査官の調査が行われることがあります。

ただし、即時抗告を申し立てたからといって必ずしも良い結果に変わるとは限りません。
かえってさらに不利な結果になる可能性もありますので、即時抗告を申し立てる際は慎重に検討するべきです。

面会交流の審判にかかる期間や回数は?

面会交流の審判にかかる期間や回数は、事案によって異なりますので一概にはいえません。

面会交流調停で、当事者双方の主張が出し尽くされている場合は、1回の審判期日で審理が終結することもあります。
一方で、面会交流調停が早期に調停不成立になってしまったようなときには、裁判官が審判を下すための情報や資料が不足していると考えれば、必要に応じて審判期日が数回実施されることがあります。

当事者に主張立証を補充させ、さらに家庭裁判所調査官による必要な調査を実施します。
裁判官が審判を下すために必要な主張立証、調査が尽くされれば、審理は終結し、その後1ヶ月~2ヶ月程度で審判結果が下されることが多いです。

裁判所が面会交流を認めないと判断するケース

家庭裁判所が面会交流を認めないと判断するケースもあります。
面会交流をすることによって、子供の健全な成長が阻害されてしまうような正当な理由がある場合です。
具体的には、次のようなケースです。

  • 子供自身が面会交流を嫌がっている
  • 子供を虐待するおそれがある
  • 過去にDVやモラハラを行っていた
  • 子供を連れ去るおそれがある など

面会交流を拒否できるケースについて、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

面会交流が認められないとされた審判例

横浜家庭裁判所相模原支部 平成18年3月9日審判

事案の概要

協議離婚後、申立人である父親と相手方である母親の間で、毎月1回の面会交流を認める調停が成立しました。しかし、相手方は、調停で定められた条項を遵守せず、勝手に子供と会うなどしたことから面会交流の取りやめを求めました。
相手方は、調停・審判係属中にもかかわらず、子供を待ち伏せたり、無断で会いに行ったりなどし、さらに無断で子供を連れ回して未成年者誘拐罪で逮捕されるなどの背信的行動を重ねました。

裁判所の判断

今後、ルールを守って子供の心情や生活状況に配慮した適切な面会交流の実施を期待することは困難であり、このような状況では相手方の面会交流を許容することは、子供の福祉に適合しないとして、面会交流を定めた調停条項を変更して、面会交流を全面的に禁止する審判を下しました。

審判で取り決めた内容が守られなかった場合の対処法

面会交流審判で面会交流の実施や内容が確定したにも関わらず、取り決めた内容を守ってもらえないということがあります。
守ってもらえない場合の対処法として、次のとおり、「履行勧告」、「再調停」、「間接強制」、「慰謝料請求」、「親権者の変更」という方法があります。
詳しくは下記表にまとめました。

履行勧告 家庭裁判所に申し出て、家庭裁判所から面会交流の約束を守らない相手に連絡して、面会交流に関する取り決めを履行するように促してもらう方法
再調停 家庭裁判所に再度面会交流調停を申し立てて、面会交流の頻度、場所、時間など面会交流を拒む理由となっている条件を見直して、改めて面会交流の取り決めをすることで面会交流の実現に向けて取り組む方法
間接強制(強制執行) 取り決めどおりの面会交流をさせない場合に1回あたり数万円程度の間接強制金を発生させることで、心理的プレッシャーを与えて面会交流に応じてもらうようにする方法
慰謝料請求 正当な理由なく面会交流を拒否したり妨害したりするなど違法性が認められる場合に面会交流に応じない相手に精神的苦痛を受けたとして慰謝料請求する方法
親権者の変更 正当な理由なく面会交流の拒否が続いた場合に、面会交流をさせない相手は親権者としてふさわしくないとして、家庭裁判所に親権者変更調停・審判を申し立てる方法

面会交流を拒否されたときの対処法、面会交流を拒否できるケースについては、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

面会交流審判を有利に進めるためには

面会交流審判を有利に進めるためには、次の2つのポイントが挙げられます。

●言い分をまとめた主張書面を作成する
面会交流審判は、基本的に書面審理になりますので、ご自身の言い分をまとめた主張書面の作成が重要です。
的確な証拠を集めたうえで、裁判官にご自身の主張を認めてもらえるような説得力のある主張を書面にまとめることが大切です。

●弁護士に依頼する
弁護士に依頼すれば、今まで培ってきた経験やノウハウを活かした法的な観点に基づいた主張書面や証拠の作成、提出などを一任できるので、ご自身で対応するよりも有利に進められる可能性が高まります。

面会交流の調停・審判において弁護士が主張した結果、希望どおりの判断が下された事例

【事件概要】
ご依頼者様は、相手方による度重なる精神的虐待が原因で結婚前から患っていたうつ病が悪化してしまい、別居を余儀なくされました。
別居開始後、相手から面会交流の実施を求めて面会交流調停を申し立てられたため弁護士法人ALGにご相談・ご依頼いただきました。

【弁護士方針・弁護士対応】
争点は、面会交流を実施するにあたり「面会交流という子供の福祉を実現するにあたって、第三者機関を利用するか(ご依頼者様希望)、利用しないか(相手方希望)」という点でした。

担当弁護士は、調停・審判において、第三者機関を利用する面会交流のほうが子供の福祉を実現できることを主張・立証するために、面会交流に関する裁判例を複数調査しました。そのうえで、本事例は、相手方の属性および攻撃的な性格や試行的面会交流の報告書からして、直接の面会交流を認めるべきでないことを裁判所へ主張し、第三者機関を利用した面会交流の方が子供の福祉の観点からも適当である旨を説明しました。

【結果】
当方の希望どおり、裁判所より第三者機関を利用して面会交流を実施するべきだと判断されました。
また即時抗告審で、相手方は電話による面会交流も求めていましたが、その必要性もないとして主張は排斥されました。

面会交流審判に関するQ&A

Q:

面会交流の審判を欠席するとどうなりますか?

A:

審判は、調停のように当事者の話し合いではなく、裁判所が主導で行っていく手続きですので、当事者の一方が欠席をしても、裁判所は審判で判断を示すことになります。

よって、審判期日に欠席すると、ご自身の主張や証拠が提出できません。相手方の主張や証拠だけを考慮して審判が下されることになるため、不利な結果になるおそれがあります。

もし、仕事や家庭の事情で欠席せざるを得ない場合は、弁護士に依頼して代わりに審判に出席してもらうか、裁判所に連絡して審判期日の変更を申し出るようにしましょう。

Q:

審判で宿泊を伴う面会交流が認められる可能性はありますか?

A:

審判で宿泊を伴う面会交流が認められるかどうかは、子供の年齢や宿泊経験などによってケースバイケースです。

子供がすでに小学校に入学している年齢であれば、宿泊を伴う面会交流が認められる可能性は高いとされています。
他方で、子供がまだ小学校に入学していない年齢の場合、これまで保育園や幼稚園でお泊り保育を経験している、あるいはこれまでに非監護親と2人で宿泊したことがあるなどの事情があれば、宿泊を伴う面会交流が認められる可能性もあるでしょう。

しかし、まだ監護親と離れて宿泊したことがない場合には、宿泊を伴う面会交流は認められない可能性が高いです。

面会交流の審判で不安なことがあれば、経験豊富な弁護士にご相談下さい

面会交流について、当事者間での話し合いや調停で折り合いがつかず、審判の手続きを行う方は、ぜひ弁護士にご相談ください。

調停は、裁判官や調停委員が間に入って話し合いで解決を図りますが、審判は、話し合いではなく裁判官の判断で決定されます。
よって、審判ではご自身の主張が妥当だと裁判官に受け入れられるように、適切な主張・立証をすることが非常に重要です。

弁護士に相談・依頼すれば、あなたに代わって論理的な主張書面や証拠の作成・提出をしますので、納得のいく審判結果が得られる可能性が高まります。
また煩雑な裁判所の手続きをすべて任せられるので、手間や負担も大幅に軽減できるでしょう。

面会交流は、子供にとって最善の利益となるように取り決めることが大切です。
まずは、お気軽に弁護士法人ALGにお問合せください。

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監修:谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員 弁護士
保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

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