年収別の養育費の相場を詳しく解説

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

この記事は、2019年12月23日に公表された養育費算定表の改定を受け、更新したものです。

養育費をいくらにするか決める際には、夫婦の“年収”が重要なポイントになってきます。養育費の金額は、裁判所が公開している「養育費算定表」を参考に決めることが多いのですが、この算定表は、養育費を支払う側と受け取る側それぞれの年収が軸になっています。

本ページでは、年収が養育費にどう影響するのか、算定表を使った年収別の養育費の相場などを紹介していきます。

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年収は養育費にどう影響する?

“養育費の相場”と一般的にいわれるのは、「養育費算定表」から算出した金額です。実際に裁判所が養育費の金額を決めるときにも、算定表を参考にするケースは多くあります。

算定表の見方としては、縦軸の【義務者(養育費を支払う側)の年収】と横軸の【権利者(養育費を受け取る側)の年収】をたどって相場の金額を調べます。したがって、義務者と権利者の年収次第で、養育費の相場は変わってくるのです。また、それぞれの年収の軸は、“給与所得者”と“自営業者”で分かれており、年収が同じでも相場には差が生じることがあります。

なお、児童手当や児童扶養手当などは社会保障給付にあたるものですので、年収には含めません。

給与所得者と自営業者の相場に差が出る理由

年収が同じでも給与所得者と自営業者で相場に差が出てしまうのはなぜかというと、給与所得者と自営業者では年収の意味する「総収入」の概念が違うからです。

給与所得者の場合、源泉徴収票の「支払金額」を総収入として、そこから公租公課(社会保険料、所得税及び住民税)や職業費(交通費など)、特別経費(住居費など)を引いて基礎収入が算出されています。

一方、自営業者の場合は、確定申告書の「課税される所得金額」を総収入としますが、この金額はすでに公租公課のうち社会保険料や職業費に相当する費用が控除されているものとなっています。そのため、基礎収入を算出するために差し引くのは所得税、住民税及び特別経費となります。

実際には、総収入に応じた基礎収入割合をかけて基礎収入の金額を算出するのですが、上で説明した「総収入」の概念の違いから、給与所得者の基礎収入割合は「38~54%」であるのに対し、自営業者の基礎収入割合は「48~61%」とされています。したがって、算定表の軸にもズレが生じ、「総収入」額が同じなら、自営業者の相場の方が高くなることが多いです。

相手の年収が低くても養育費の請求は可能

相手の年収が低くても、養育費の請求は可能です。ただ、養育費の相場は、支払う者の年収が低いと低額になる傾向にあるので、養育費を多く受け取ることは期待できないでしょう。

なお、相手が無職で収入が0円だった場合でも、潜在的稼働能力がある、つまり働こうと思えば働くことができるのであれば、養育費を請求できる可能性があります。一方で、病気などで働きたくても働けない状況にあるなら、支払い能力がないと判断され、養育費を受け取るのは難しいといえます。

年収別 養育費の相場

支払う側(義務者)と受け取る側(権利者)の年収によって養育費の相場がどのくらい変わるのか、給与所得者と自営業者とではどのくらい違いがあるのか、いくつか具体例を挙げて確認してみましょう。なお、いずれのケースも、【権利者=妻、義務者=夫】であった場合とします。

※裁判所が公開している「養育費算定表」(2019年12月23日改定版)を参照しています。

夫の年収から相場を知りたい

まずは、義務者となっている夫の年収から養育費の相場(※月額になります)を確かめていきましょう。夫の年収が300万円・500万円・600万円・1000万円の場合を例として、順番に説明していきます。

夫:年収300万円の場合

夫の年収が300万円の時の養育費相場
受け取る側の職業 子供の人数 年収300万円
(給与所得者)
年収300万円
(自営業者)
妻 年収0円(専業主婦) 子供1人 4~6万円 4~6万円
子供2人 4~6万円 6~8万円
子供3人 6~8万円 8~10万円
妻 年収120万円(パート) 子供1人 2~4万円 2~4万円
子供2人 2~4万円 4~6万円
子供3人 4~6万円 6~8万円

夫の年収が300万円の場合、養育費の相場は上記の表のようになります(※子供の年齢は14歳以下とします。)。
例えば、【妻が専業主婦で年収0円、子供2人】のケースを見ていただけるとわかるかと思いますが、同じ年収300万円でも、給与所得者と自営業者では相場に違いが生じることがあります。

下記のページでは、義務者の年収が300万円の場合に特化して、養育費の相場について解説しています。こちらもぜひご覧ください。

夫:年収500万円の場合

夫の年収が500万円の時の養育費相場
受け取る側の職業 子供の人数 年収500万円
(給与所得者)
年収500万円
(自営業者)
妻 年収0円(専業主婦) 子供1人 6~8万円 8~10万円
子供2人 8~10万円 12~14万円
子供3人 10~12万円 14~16万円
妻 年収120万円(パート) 子供1人 4~6万円 6~8万円
子供2人 6~8万円 10~12万円
子供3人 8~10万円 12~14万円

続いて夫の年収が500万円の場合を見ていきましょう。この場合の養育費の相場は、上記の表のとおりです(※子供の年齢は14歳以下とします。)。
先ほど紹介した年収300万円の場合よりも、全体として高額になっていることがわかります。

義務者の年収が500万円の場合の養育費の相場について、詳しくは下記のページをご覧ください。

夫:年収600万円の場合

夫の年収が600万円の時の養育費相場
受け取る側の職業 子供の人数 年収600万円
(給与所得者)
年収600万円
(自営業者)
妻 年収0円(専業主婦) 子供1人 6~8万円 10~12万円
子供2人 10~12万円 14~16万円
子供3人 12~14万円 16~18万円
妻 年収120万円(パート) 子供1人 6~8万円 8~10万円
子供2人 8~10万円 12~14万円
子供3人 10~12万円 14~16万円

夫の年収が600万円の場合、養育費の相場は上記の表のようになります(※子供の年齢は14歳以下とします。)。
前項目のケースとの年収の差は100万円ですが、相場は2万円ほど違っている部分もあります。

夫:年収1000万円の場合

夫の年収が1000万円の時の養育費相場
受け取る側の職業 子供の人数 年収1000万円
(給与所得者)
年収1000万円
(自営業者)
妻 年収0円(専業主婦) 子供1人 12~14万円 16~18万円
子供2人 18~20万円 22~24万円
子供3人 20~22万円 26~28万円
妻 年収120万円(パート) 子供1人 10~12万円 14~16万円
子供2人 16~18万円 20~22万円
子供3人 18~20万円 24~26万円

最後に夫の年収が1000万円の場合を確認していきます。この場合の養育費の相場は、上記の表のとおりです(※子供の年齢は14歳以下とします。)。
最初に紹介したケースと比べると3倍以上の金額になっており、大幅に違っていることが見て取れるでしょう。

義務者の年収が1000万円の場合の養育費の相場については、下記のページで詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。

妻の年収から相場を知りたい

養育費の相場は、義務者の年収だけでなく、権利者の年収によっても変化します。今度は、権利者となっている妻の年収から相場を確認してみましょう。
また、最後の3つ目のケースでは、子供の年齢によって相場がどのように動くのかも見ていきます。

妻:年収114万円(パート) 子供:3人(4歳、6歳、10歳)の場合

夫の年収 給与所得者 自営業者
300万円 4~6万円 6~8万円
400万円 6~8万円 8~10万円
500万円 8~10万円 12~14万円
600万円 10~12万円 14~16万円
700万円 12~14万円 16~18万円
800万円 14~16万円 20~22万円
900万円 16~18万円 22~24万円
1000万円 18~20万円 24~26万円

上記の表は、妻の年収が114万円(パート)で子供が3人(4歳、6歳、10歳)いた場合における、養育費の相場をまとめたものです。
次項目では妻の年収が0円だった場合を紹介しますので、どのような違いが生じるか注目してみてください。

妻:年収0円(専業主婦) 子供:2人(14歳、18歳)の場合

夫の年収 給与所得者 自営業者
300万円 6~8万円 8~10万円
400万円 8~10万円 10~12万円
500万円 10~12万円 12~14万円
600万円 12~14万円 14~16万円
700万円 14~16万円 18~20万円
800万円 14~16万円 20~22万円
900万円 16~18万円 22~24万円
1000万円 18~20万円 24~26万円

妻の年収が0円(専業主婦)で子供が2人(14歳、18歳)いた場合、養育費の相場は上記の表のようになります。
養育費が必要な子供が先ほどのケースよりも1人少ないにもかかわらず、相場は変わらないか、上回る部分もあります。この結果から、権利者の年収も、養育費の相場には大きく影響していることがおわかりになるかと思います。

妻:年収0円(専業主婦) 子供:2人(16歳、19歳)の場合

夫の年収 給与所得者 自営業者
300万円 6~8万円 8~10万円
400万円 8~10万円 10~12万円
500万円 10~12万円 14~16万円
600万円 12~14万円 16~18万円
700万円 14~16万円 18~20万円
800万円 16~18万円 22~24万円
900万円 18~20万円 24~26万円
1000万円 20~22万円 26~28万円

妻の年収が0円(専業主婦)で子供が2人(16歳、19歳)いた場合、養育費の相場は上記の表のようになります。
子供が2人とも15歳以上である今回のケースでは、1人が14歳以下であった先ほどのケースに比べ、高額になっている部分がいくつか見受けられます。

自身のケースに当てはめて簡単に計算したい

下記の養育費計算ツールを使えば、双方の年収を入力し、それぞれの収入形態や子供の人数・年齢を選択するだけで、簡単に相場を計算できます。ぜひご活用ください。

さらに詳しく
養育費計算ツール

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養育費の相場を知るための注意点

年収別の養育費の相場を調べるときは、義務者と権利者それぞれの年収の額だけではなく、収入形態にも注意しましょう。給与所得者と自営業者、どちらかによって算定表で見るべき軸が違ってきます。また、算定表には子供の人数・年齢に応じた9つの表が用意されているので、最初に使う表を選択する際にも注意が必要です。

なお、養育費算定表から導き出される相場は、あくまでも目安です。裁判所は、算定表を参考にしつつも、個々の事情を考慮したうえで最終的な決断をします。そのため、事案によっては相場どおりにならないこともあります。養育費の相場を確認するにあたっては、この点も忘れないでおきましょう。

養育費は年収によって大きく変わってくるため、わからないことなどあれば弁護士にご相談ください

養育費がいくらになるかは、義務者と権利者の年収によって大きな開きが出てくることもあります。もちろん、夫婦間で話し合って合意できれば、養育費の金額は自由に決められます。しかし、適正な金額で取り決めができないと、義務者としては負担が重くなってしまったり、権利者としては今後の子育てに不安を抱えたりする事態になりかねません。

弁護士にご相談いただければ、ご状況に合わせて養育費の適正な金額はいくらかを判断し、アドバイスすることができます。また、相手との話し合いや裁判所での手続きなど、養育費の取り決め方についてもお任せください。

養育費の金額は、年収に応じた相場をきちんと把握したうえで決めていきましょう。少しでもわからないことがあったら、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

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保有資格弁護士(愛知県弁護士会所属・登録番号:41560)

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