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DVで離婚する場合の慰謝料相場は?証拠や請求する流れなどを解説

弁護士法人ALG 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治

監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates

DVが原因で離婚を検討されている場合、配偶者に慰謝料請求できる可能性があります。

「できるだけ相手と関わりたくない」、「一刻も早く離婚をしたい」と思うかもしれませんが、離婚後の経済的な不安を少しでも払拭するためにはしっかり請求するべきです。
また、離婚後に心身が安定してから慰謝料を請求することもできます。

そこで、本記事では・・・
・DVが原因の離婚で慰謝料を請求できるかどうか
・DVの慰謝料の相場
・DVによる離婚で慰謝料請求する流れ
など、DVによる離婚慰謝料に関して、詳しく解説していきます。

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DVが原因の離婚で慰謝料を請求できるか?

DVとはドメスティック・バイオレンスの略称で、直訳すると「家庭内暴力」になります。
いわゆる配偶者や恋人などの親密な関係にある人からの暴力を指します。

DVが原因で離婚する場合は、DV行為をする配偶者に対して慰謝料を請求できます。
DVは相手の身体、精神、人格権を侵害する不法な行為ですので、DVが原因で離婚する場合は相手に慰謝料を請求できます。

またDVは、蹴る、殴るといった身体的な暴力だけに限らず、言葉や態度による「精神的DV」や、性行為を強要するなどの「性的DV」、生活費を渡さないなどの「経済的DV」があります。
過激なモラハラもDVと判断される場合があります。

DVで離婚した場合の慰謝料相場はいくら?

DVの慰謝料の相場は、数十万~300万円程度とされています。
慰謝料の相場に幅があるのは、DVの頻度や回数、期間、婚姻年数、子供の有無など個別の事情によって金額が異なるからです。

もっとも、裁判所の手続きを利用することなく、当事者間での話し合いで合意すれば、相場より高額な慰謝料を獲得できるケースもあります。

DVの慰謝料が高額になる要素

DVが原因の離婚慰謝料では、次の要素によって慰謝料が高額になる可能性があります。

  • DVの回数
    DVの回数が多ければ多いほど、被った精神的苦痛は大きいとして慰謝料が高額になる可能性があります。
  • DVの期間
    DVの期間が長ければ長いほど、被った精神的苦痛は大きいと評価されて慰謝料が高額になる可能性があります。
  • DV被害者の落ち度
    DV被害者に落ち度がない、または少ない場合、精神的苦痛が大きいと判断され、慰謝料が高額になる傾向があります。
  • DVによるケガや障害の程度
    DVによるケガや障害の程度がひどいほど損害が大きいとして慰謝料が高額になる可能性があります。
  • DVを受けて精神疾患を発症した
    DVを受けて、うつ病やPTSDなどを患ってしまった場合には損害が大きいとして慰謝料が高額になる可能性があります。
  • 婚姻期間の長さ
    婚姻期間が長ければ長いほど、離婚による精神的苦痛は大きいと評価されて慰謝料が高額になる可能性があります。
  • 未成熟子の人数
    夫婦に監護養育が必要な子供が多ければ多いほど、離婚による精神的苦痛は大きいとして慰謝料が高額になる可能性があります。

夫からのDVで800万円の慰謝料が認められた判例

【神戸地方裁判所 平成13年11月5日判決 / 事件番号 平成12年(タ)114号】

事案の概要

原告である妻が、性交渉を体調が悪かったことから拒否したところ、被告である夫は妻に対して何度も顔面を殴り、腕を掴んで、引っ張り、逃げようとする妻を押さえつけて髪の毛を引っ張るなどの暴行を加えました。
その後も何度も暴行を加え、妻に暴力を振るうだけでなく、子供にまで投げ飛ばしたり暴力を振るったりすることもありました。

結果、妻は何度も自殺未遂を図りました。また妻は心的外傷ストレス障害(PTSD)と診断され、長女は強い心理的恐怖と攻撃性、睡眠障害等が認められ、次女は心理的混乱、睡眠障害及び腹痛などの身体症状も認められたことから、妻が夫に対して離婚や慰謝料などを求めました。

裁判所の判断

妻は夫の暴行などによりPTSDに罹患したものと推認でき、妻が被った精神的苦痛は甚大なものであると判断しました。そのほか、17年の婚姻期間や子供たちに対する影響などを考慮すると、妻に対する慰謝料は800万円が相当としました。

DVの慰謝料は証拠がないと請求できない?

DVを理由に慰謝料を請求する場合、「相手から受けたDV被害を裏付ける客観的な証拠」が必要です。ただし、相手がDVの事実を認めて離婚や慰謝料の支払いに応じる場合には、証拠がなくても慰謝料の支払いを受けられる可能性があります。

DV被害を裏付ける証拠には、次のようなものが挙げられます。

  • 怪我の写真
  • 怪我を治療した際に作成した診断書、医療記録
  • DVの様子を記録した音声や動画
  • 警察や公的支援機関などへの相談記録
  • 保護命令が発令された記録
  • 親や子供など、第三者の証言
  • 割れた皿や壊れた壁などの被害状況の写真
  • DV被害について詳細に書かれた日記やメモ など

慰謝料の支払いを円滑に受けるためには、これらの証拠を事前にきちんと収集しておくことが大切です。

DVの証拠について、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

DVによる離婚で慰謝料を請求する流れ

DVを原因とする離婚で慰謝料請求するには、一般的に次の流れで行います。

① 話し合いで請求する
② 離婚調停を申し立てる
③ 最終的には離婚裁判を提起する

DV加害者と離婚する方法は、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

①話し合いで請求する

当事者間での話し合いで、離婚と慰謝料の請求をします。

ただし、相手がDV加害者の場合は、自分が行ってきた言動がDVであるとの自覚がない人も多く、離婚を切り出すとキレて暴力を振るわれる危険があるため、話し合いが困難を極めることが多いです。
無理に自分たちだけで話し合おうとせずに、まずは実家や賃貸住宅などに別居をして、身の安全を確保してから、電話やメール、LINEなどで話し合いを行います。

子供がいるのであれば、子供にも危害が及ぶおそれがあるので、子供を連れて別居するようにします。

できれば当事者間の話し合いは回避して、弁護士に代わりに話し合ってもらうことをお勧めします。

離婚前の別居について、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

②離婚調停を申し立てる

話し合いで解決できなかった場合は、家庭裁判所に対して離婚調停を申し立て、裁判官と調停委員を交えた話し合いでの解決を目指します。離婚調停は、基本的に調停委員を介して話し合いを進めるため、相手と直接対面せずに済み、身の安全を守ることができます。

離婚調停では、調停委員にDVを受けていた事実を認識してもらう必要があります。調停委員が事実確認をして相手に非が認められれば、調停委員が相手を説得してくれる場合があります。また、「相手からDVを受けている」と伝えると、こちらの部屋の場所を相手に伏せてもらえるなどの配慮を行ってもらえます。そのため、相手と裁判所で鉢合わせたり、待合室に押しかけられたりされるのを未然に防げます。

離婚調停の費用や流れについて、詳しくは以下のページをご覧ください。

③離婚裁判を行う

離婚調停での離婚や慰謝料について合意できなければ、調停不成立となりますので、最終的に離婚裁判を提起します。

離婚裁判では、DVを受けていた事実と損害について証拠を用いて主張・立証していきます。
相手が離婚や慰謝料の支払いを拒否していても、裁判官がDVの事実を認めれば、判決によって離婚と慰謝料支払いが命じられます。

離婚裁判でも重要になるのがDVの事実を裏付ける客観的な証拠です。
証拠によって、DVが行われていたことが明らかであると判断されれば、離婚が認められるうえに慰謝料も獲得しやすくなります。

離婚裁判について、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

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DVの離婚後でも慰謝料請求できるが時効に注意!

「身の危険を感じたので一刻も早く離婚したくて、慰謝料は請求せずに離婚届を提出してしまった」という方も多いかと思います。

安心してください、離婚後であっても慰謝料の請求はできます。
ただし、離婚後いつまでも請求できるわけではなく、時効が設けられています。

DVを原因とする離婚慰謝料の時効は、「離婚したときから3年」になります。
もし、DVを受けていたのが3年以上前というケースでも、DVが原因で離婚した場合は離婚後3年以内であれば請求できます。

時効が迫っているのであれば、時効までに内容証明を郵送する方法で請求すると、6ヶ月間の時効の完成が猶予されます。
また時効までに訴訟提起をすれば、時効をストップすることができ、時効を伸ばせられます。

離婚慰謝料の時効について、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

相手がDVの慰謝料を支払わない場合の対処法

相手が取り決めた慰謝料を支払わない場合の対処法には、以下のような手続きが挙げられます。

  • 家庭裁判所から「履行勧告」や「履行命令」を行ってもらう
  • 強制執行の手続きを行う

どのような手続きなのかを、次項で詳しく解説していきます。
取り決められた慰謝料の支払いが行われておらず、お困りの方はぜひご参考になさってください。

履行勧告・履行命令

調停や審判、裁判など裁判所の手続きでDV慰謝料の支払いが決定したにもかかわらず、支払わない場合は、裁判所から「履行勧告」、「履行命令」を行ってもらえます。
具体的には、「履行勧告」と「履行命令」はそれぞれ次表のとおりとなります。

履行勧告 家庭裁判所が慰謝料の未払いの有無を調査したうえで、取り決めたどおりに支払うように電話や書面で促してくれる制度。
法的な強制力はありませんが、相手にプレッシャーを与えられます。
履行命令 家庭裁判所が一定の期限までに慰謝料を支払うように命じてくれる制度。
正当な理由なく命令に従わなければ、10万円以下の過料に処せられる可能性があります。履行勧告に比べて制裁があるため、ある程度の効果が見込まれますが、制裁といっても10万円以下なので強い強制力があるわけではありません。

強制執行

当事者間の話し合いで取り決めて強制執行認諾文言付公正証書を作成した場合や、裁判所の手続きで取り決めて調停調書、審判調書、和解調書、判決書などを保有している場合は、強制執行の手続きが行えます。

強制執行とは、相手の給与や預貯金などの財産を裁判所を通して強制的に差し押さえる手続きのことです。
裁判所に強制執行を申し立てることで、相手の財産から慰謝料の未払い分を回収できます。
ただし、相手の財産や住所などを把握しておく必要があります。

DVの慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット

DVを原因とする慰謝料を請求する場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士に依頼すれば、次のようなメリットがあると考えられます。

●交渉や裁判所の手続きを任せられる
DVを受けている方は恐怖心から直接相手と話し合うのは困難なケースが多いです。
弁護士であれば、代わりに相手と話し合いますので、相手と直接やりとりせずに離婚問題を進められます。また調停や裁判などの裁判所手続きも一任できますので手間も軽減できます。

●より多くの慰謝料を獲得できる可能性が高まる
弁護士であれば、過去の裁判例や法律の専門的知識、今までの経験やノウハウを活かして、より多くの慰謝料を獲得できるように尽力してくれます。

●有効な証拠についてアドバイスがもらえる
DVを理由に慰謝料請求するには、DVを受けた事実を証明できる証拠が非常に重要です。
弁護士であれば、個別の事情にあわせてどのような証拠が必要なのかアドバイスしてくれます。

不貞していたDV夫から慰謝料を獲得し、早期の離婚を成立させた事例

【事案概要】

相手方が不貞行為(浮気・不倫)と依頼者へのDVを行っていた事案です。

【弁護士方針・弁護士対応】

本件は、相手方との交渉段階で弁護士が受任した事案です。相手方はすでに不貞行為の事実を認めていましたが、以下のような問題点がありました。

  • 離婚自体を拒否している
  • 弁護士介入後も依頼者本人へ連絡を取ろうとしている
  • 慰謝料の減額を要求してきた

そこで弁護士は、相手方が有責配偶者であること(離婚の原因を作った側であること)、復縁の可能性はないこと、そして慰謝料の支払いがなければ調停や裁判に進むしかないことを、書面や電話を通じて丁寧に伝えました。

【結果】

粘り強く交渉した結果、離婚への合意と慰謝料150万円の一括払いを獲得しました。
おそらく、裁判までもっていけば、慰謝料の金額を増額できた可能性もありましたが、依頼者が離婚できない状態の長期化を嫌い、早期の解決を切望されたため150万円で合意しました。

DVの慰謝料に関するQ&A

Q:

妻からのDVを理由に離婚・慰謝料請求することは可能ですか?

Q:

一度の暴力でもDVにあたるとして慰謝料請求は認められますか?

A:

一度の暴力でも不法行為になりますので、慰謝料請求は可能です。

ただし、1回だけ平手打ちされた、1回だけ頭を引っ張られたなどでは、多くの場合、DVの証拠が残りづらく、被った精神的苦痛も少ないと判断される可能性が高いため、慰謝料額が低額になる、もしくは慰謝料の支払いが認められないのが実情です。

そのため、一度のDVで慰謝料請求するには、証拠を確保して、どのような経緯でDVが行われ、一度のDVでどの程度のケガを負って、どんなに精神的苦痛を受けたかなどを主張・立証する必要があります。

Q:

夫が物に当たることや暴言を吐くことを理由に慰謝料を請求できますか?

A:

物に当たる、暴言を吐くといった直接的な暴力でなくても、精神的に虐待する言動は不法行為にあたるため、慰謝料請求は可能です。

ただし、慰謝料請求するには、物に当たる、暴言を吐くといった行為により精神的苦痛を受けたことを証明しなければいけません。
また被害の程度によっては、慰謝料額は低額になる可能性がありますので、慰謝料請求できるかどうかを含めて、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

Q:

DV夫と離婚せずに慰謝料を請求できますか?

A:

離婚しなくても慰謝料請求はできます。
離婚の際に問題となる慰謝料は次の2種類です。

① 離婚原因慰謝料
婚姻期間中に起きたDVや浮気・不倫といった離婚の原因となった個別の不法行為から生じる精神的苦痛に対する慰謝料をいいます。

② 離婚自体慰謝料
離婚を余儀なくされたことを理由とする精神的苦痛の慰謝料をいいます。

離婚自体慰謝料は、離婚していないので請求できませんが、離婚原因慰謝料は、離婚していなくてもDV行為で精神的苦痛を受けているのであれば請求できます。

DVによる慰謝料請求をお考えの方は、まずは弁護士にご相談ください

DV加害者に対してご自身で直接慰謝料を請求するのは、危険が伴う可能性があり、非常にリスクが高い行動です。
弁護士に依頼すれば、証拠の収集から別居の準備、相手との交渉、裁判所での手続きまで、状況に応じて適切に対応しながら、総合的にサポートしてもらえます。

DVで悩んでいる方の多くは、一人で問題を抱え込んでしまいがちです。
しかし、そのまま放置してしまうと、状況が悪化したり、証拠を確保できなくなったりするおそれがあります。

離婚やDV問題に詳しい弁護士に相談することで、早期に解決の糸口が見つかる可能性が高まります。
一人で悩まず、まずはお気軽に弁護士法人ALGまでご相談ください。

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監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

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