離婚の慰謝料を請求されたら

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

離婚するうえに慰謝料まで請求されてしまったら、戸惑ってしまうかと思います。しかし、相手に言われるがままに慰謝料を支払ってしまうのには、注意が必要です。身に覚えのない理由で慰謝料を請求されている場合は支払わずに済む可能性がありますし、あなたに非がある場合でも、交渉して減額する余地はあります。

この記事では、離婚慰謝料を請求されてしまった方に向けて、知っておくべき知識をお伝えします。

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離婚慰謝料を請求された場合の対応

離婚慰謝料を請求されたら、まずは落ち着いて請求内容を確認し、書面が送られてきた場合は、“誰から請求されているのか”を見てみましょう。差出人が弁護士である場合、相手は弁護士に依頼して慰謝料請求をしています。法律のプロであり、交渉にも慣れている弁護士と互角に渡り合うのは難しく、ご自身に不利な内容で交渉が進められていってしまうおそれがあります。相手が弁護士を付けているのなら、こちらも弁護士を付けた方が良いでしょう。

また、請求内容によっては、慰謝料を支払う必要がないケースや減額できるケースもあります。知らずに損してしまわないためにも、弁護士に相談することをおすすめします。

請求された慰謝料を支払わなくても良いケース

慰謝料を請求されたとしても、絶対に支払わなければならないとは限りません。なかには支払わなくても良いケースがあります。例えば、以下のケースでは、慰謝料を支払わずに済む可能性が高いです。請求された内容を見て、ご自身に当てはまっているものはないか確認してみましょう。

時効が成立している場合

離婚慰謝料を請求する権利は、基本的に離婚してから3年で時効となります。時効が成立している場合、そもそも相手は慰謝料を請求することができないので、支払う必要はありません。

なお、次のように、離婚慰謝料の請求理由によって、起算点(いつから時効期間を数えるのか)や時効期間が異なるケースもあります。

(例)

・浮気していたことを離婚後に知られ、浮気を理由に慰謝料を請求されている場合
 →相手が浮気を知った時から3年、または浮気した時から20年

・DVによる怪我を理由に慰謝料を請求されている場合
 →DVで怪我をしてから5年

また、期間が過ぎれば自動的に時効が成立するわけではないので、注意しましょう。時効が成立するには、「時効を迎えているので慰謝料は支払わない」という意思を相手に伝える、“時効の援用”をする必要があります。

婚姻関係がすでに破綻していた場合

特に浮気を理由に離婚慰謝料を請求されているケースでは、浮気した時点で婚姻関係がすでに破綻していた場合、慰謝料を支払わずに済むことがあります。

浮気が理由の離婚慰謝料は、浮気によって平穏な婚姻生活を送ることができなくなったことに対し、認められるものです。浮気する前から夫婦関係が冷え切っている、離婚に向けて別居中であるなど、婚姻関係が破綻していた場合には、浮気のせいで平穏な婚姻生活を送れなくなったとはいえないでしょう。そのため、慰謝料を請求されたとしても、裁判所には認められない可能性が高いです。

相手が主張する内容が虚偽の場合

離婚慰謝料を請求する理由として、相手がいくらDVやモラハラ、浮気といったことを主張してきたとしても、それが真実ではない場合、慰謝料の支払義務は発生しません。

下記の記事では、DVをでっち上げられた場合の対処法などを紹介しています。こちらもぜひ併せてご覧ください。

請求された慰謝料が払えない場合

請求された慰謝料が払えない場合には、「分割払いにしてもらう」という対処法があります。慰謝料は基本的に“一括払い”するものとされていますが、本人同士が合意すれば“分割払い”にもできます。まとめて払うことは難しいものの、分割なら払えるという方は、分割払いを提案してみるのも一つの手です。

また、相手は感情に任せて高額な慰謝料を請求してくることもあるので、請求された金額が必ずしも適切だとは限りません。そこで考えられるのが、「減額してもらう」という対処法です。まずは相手に減額交渉してみましょう。応じてもらえなかったとしても、裁判所の判断で減額が認められるケースもあります。

請求された慰謝料が減額できるケース

請求された慰謝料の金額は、減額できるケースもあります。例えば、相手も浮気していた、相手からDVを受けていた等、相手にも過失があった場合は減額の可能性が考えられます。

また、離婚慰謝料の相場は、一般的に100万~300万円程度とされています。相場とはあまりにもかけ離れた金額を請求されている場合も、減額できる可能性があります。

相手は、減額されるのを見越してあえて高い金額を設定していることもありますので、言われるがままに支払ってしまうのではなく、請求金額が適切であるかどうかをしっかりとチェックしましょう。

下記の記事では、離婚慰謝料を減額したい方に向けて解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

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内容証明郵便で慰謝料を請求された場合にやらなければいけないこと

慰謝料は、対面や電話、メール以外に、内容証明郵便によって請求されることもあります。

届いた郵便物に赤い「内容証明」というスタンプが押されていたら、内容証明郵便です。普段見慣れないもので戸惑ってしまうかもしれませんが、無視することは避けるべきです。内容証明郵便といっても、文書の内容等を郵便局が証明してくれるというサービスがついた単なる郵便物であり、法的な効力はありません。

とはいえ、内容証明郵便を送るということは、相手には慰謝料を請求する強い覚悟があり、裁判も視野に入れていることが読み取れます。無視して放置した場合、裁判を起こされるおそれがありますので、無視せずにまずは一読してみましょう。

回答書を送付する

内容証明郵便で慰謝料を請求されたら、慌てず冷静になり、合意する・反論する・減額してほしい等、請求内容に対する返答を記した書面(『回答書』)を相手に送付しましょう。一般的に、内容証明郵便で請求されたのなら、回答書も同じく内容証明郵便で送付します。

回答書の書き方に決まりはありませんので、請求内容が事実と異なっているならその旨を、減額してほしいならなぜ減額を望むのか等、自身の考えが伝わるように書いていきます。ただ、感情的な内容ばかりを書いてしまうと、相手の気持ちを逆なでして揉めてしまうおそれがありますので、注意しましょう。心配な方は弁護士に相談し、サポートしてもらうことをおすすめします。

示談書の作成

請求内容に納得し、合意できた場合には、ただ慰謝料を支払うだけではなく、合意した内容をまとめた書面(『示談書』)を作成しておきましょう。慰謝料を支払ったのに、「まだ足りない」などと言われ、再び慰謝料を請求されるといったトラブルが起こることもあるからです。

示談書を作成し、そのなかで「本件に関し、何らの債権債務のないことを確認する」というような、“清算条項”を設けておけば、こうしたトラブルを防ぐことができます。清算条項がある=この問題はもう解決した、ということになるので、これ以上蒸し返されずに済みます。

代理人を通して請求されたら

請求者本人からではなく、代理人を通して内容証明郵便を送られ、慰謝料を請求されるケースもあります。代理人が誰なのかによって交渉する相手が変わりますので、差出人を見て誰から請求されているのか確かめましょう。

代理人が“行政書士”だった場合、交渉する相手は請求者本人になります。なぜなら、行政書士は慰謝料請求の書面作成を代行しているにすぎず、請求者に代わって交渉するという行為はできないからです。この場合、請求者はなるべく裁判には持ち込まずに当事者同士で、早期に問題を解決することを望んでいる可能性が高いでしょう。そのため、支払えそうな現実的な金額を考えたうえで、慰謝料を支払う意思を伝えるといったことが、問題解決の糸口になるかもしれません。

対して、代理人が“弁護士”だった場合は、弁護士を相手に交渉していかなければなりません。この場合、請求者は厳しい態度で高額の慰謝料を求めてくることが予想されますし、交渉の専門家である弁護士と互角に交渉するというのは難しいので、こちらも弁護士に依頼して対抗する必要があります。

合意後、請求された慰謝料を支払わないとどうなる?

慰謝料の支払いについて合意したにもかかわらず、支払わずにいると、次のような事態に陥るおそれがあります。

  • 公正証書で合意した場合:強制執行により、資産や給与といった財産が差し押さえられる(※「強制執行認諾文言」の付いた公正証書の場合に限られます)
  • 公正証書で合意していない場合:強制執行を行うために、慰謝料を求める裁判を起こされる

このような事態を防ぐためにも、慰謝料は確実に支払える金額まで減らしてもらうか、分割払いにしてもらいましょう。

請求された慰謝料の減額に成功した事例

依頼者は、不貞関係にあった相手の妻から慰謝料300万円を請求され、合意書を作成させられてしまったものの、「300万円を支払うことは難しい」と減額を望み、ご来所くださいました。

交際期間(2ヶ月程度)からして請求金額は不当に高く、合意書へのサインは半ば無理やりさせられているものであったため、減額の可能性は十分にありました。ただ、すでに合意書があることから、裁判を起こされてしまうおそれも考えられました。

そこで交渉材料にしたのが、不貞に関する詳細な情報です。相手方は夫(不貞相手)と離婚の交渉・調停を行う予定とのことでしたが、不貞の詳細は把握していない様子だったため、情報提供の協力をして慰謝料の減額を目指すこととしました。

さらに、本事案に関連する過去の裁判例を調べ上げて交渉を進めた結果、初めに請求されていた金額から205万円を減額した、慰謝料95万円で再合意することに成功しました。

離婚慰謝料を請求されたときのQ&A

Q:

浮気で離婚慰謝料を請求されましたが、相手は証拠を持っていないようです。支払いを拒否することは可能ですか?

A:

支払いを拒否できる可能性はあります。

慰謝料について、当事者間の話し合いや裁判所の調停手続きで決めるケースでは、取り決めが成立するには当事者双方の合意が必要です。そのため、ご質問者様が同意しなければ、慰謝料を支払う必要はありません。

一方、裁判で決めるケースでは、ご質問者様が浮気の事実を認めない場合、相手は「浮気の事実があった」ということを裁判官に証明しなければなりません。その際、相手が証拠を持っていないのであれば、浮気の事実を証明できず、慰謝料請求は認められない可能性があります。裁判所に「慰謝料請求を認めない」と判断されれば、慰謝料を支払わずに済みます。

Q:

離婚慰謝料の支払いについて示談をしましたが、やっぱりその内容に納得できません。示談書にサインしてしまった場合、後から無効にすることはできますか?

A:

単に「内容に納得できないから」という理由だけでは、後から無効にするのは難しいです。

ただし、強迫されて無理やり示談書にサインさせられたケースなどでは、真意に基づいて作成されたものではないと判断され、示談書は無効だと認められる可能性はあります。とはいえ、一旦成立した示談をひっくり返すのは簡単なことではないため、示談交渉は慎重に進めましょう。

Q:

離婚慰謝料を請求されました。無視していても大丈夫ですか?

A:

口頭やメール、書面等で離婚慰謝料を請求された場合、無視したからといって、支払いを強制されるわけではありません。しかし、相手からの請求をすべて無視し続けていると、裁判を起こされるおそれがあります。

裁判を起こされ、裁判所から送られてきた訴状も無視して裁判を欠席した場合には、相手にとって有利な内容で判決が下され、慰謝料の支払いが命じられてしまう可能性が高いでしょう。その結果、強制執行されて財産を差し押さえられてしまうケースもあります。

このようなリスクがあるので、相手からの請求内容に納得がいかなくても、無視することは避けるべきです。

Q:

離婚慰謝料を支払った場合、確定申告で経費として計上することは可能ですか?

A:

支払った離婚慰謝料は、確定申告で経費として計上することはできません。慰謝料は、相手に精神的苦痛を与えてしまったという損害を補うために支払うお金であり、損害賠償金の一種です。損害賠償金は、事業に関係があるものを除き、確定申告時の経費には含めないとされています。そのため、プライベートに関する離婚慰謝料は、経費として計上することはできません。

離婚慰謝料を請求されたら一人で悩まず弁護士に相談しましょう。

離婚慰謝料を請求されたら、「どうしたら良いのだろう…」と悩み、動揺してしまうのも無理はありません。ご不安な方は、一人で悩まずに弁護士にご相談ください。弁護士に相談すれば、ご自身が本当に慰謝料を支払わなければならない状況なのかどうか、法的にアドバイスしてもらえます。また、支払う必要があるとしても、いくら支払えば良いのか、減額や分割払いはできないか等、それぞれの事情に合わせた具体的なアドバイスも受けられますし、依頼して代わりに交渉してもらうことも可能です。

このように、弁護士に相談・依頼すれば、心強いサポートが受けられます。離婚問題は、感情的になりやすく、冷静に話し合うのは難しいケースも多いです。離婚慰謝料を請求されてお困りのときは、弁護士の力を借りてみてはいかがでしょうか。

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保有資格弁護士(愛知県弁護士会所属・登録番号:41560)

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