離婚後の健康保険について│必要な切り替え手続きや注意点

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

離婚する際には、決めることや行わなければならない手続きがたくさんありますが、「健康保険」の手続きも忘れないようにしましょう。

例えば、配偶者の健康保険の扶養に入っていた方は、離婚に伴い、健康保険の切り替え手続きが必要です。離婚したら扶養からは外れ、新たに健康保険に加入しなければならないからです。

このように、離婚するときに健康保険の切り替えを行わなければならないケースがあります。離婚の際に何もしなくても自動的に切り替わるというわけではなく、ご自身で手続きしなければなりませんのでご注意ください。

本ページでは、「離婚に伴う健康保険の手続き」について詳しく解説していきます。

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健康保険とは

健康保険とは、医療保険のうち「公的医療保険」のことを指します。加入者等から支払われる保険料を主な財源として、病気や怪我の治療などでかかった医療費の一部を、公的な機関等が負担してくれるという制度です。日本では、基本的に国民全員に健康保険への加入が義務付けられています。なお、医療保険には「民間の医療保険」もありますが、こちらの加入は任意です。

“健康保険”と一口に言っても種類はいくつかあり、次のように、どの保険に加入するかは職業などによって異なります。

  • 自営業者などが加入 → 「国民健康保険」
  • 被用者(企業等に雇われている人(会社員、公務員など))が加入 → 「全国健康保険協会(協会けんぽ)」「組合健保」「共済組合」等

※以降では、「国民健康保険」と区別しながら解説するために、被用者が加入する保険の方を「健康保険(社会保険)」と表記している部分が多くあります。

離婚時に「民間の医療保険」はどうなるのか?については、下記のページで解説しています。詳しく知りたい方は、こちらも併せてご覧ください。

国民健康保険と健康保険(社会保険)の違い

自営業者などが加入する「国民健康保険」と、会社員や公務員などが加入する「健康保険(社会保険)」は、加入者の違いのほか、次のような違いもあります。

保険料の負担
【国民健康保険】
被保険者(保険に加入している人)が全額負担する。

【健康保険(社会保険)】
被保険者と事業者で、基本的には半分ずつ負担する。

扶養の有無
【国民健康保険】
「扶養」の制度はない。同居していても、加入者それぞれに保険料がかかる。保険料は世帯ごとに計算されるので、世帯の人数が多いほど保険料の総額は高くなる。

【健康保険(社会保険)】 一定の条件を満たした配偶者や親族を扶養に入れることができる。扶養されている者に保険料はかからない。

なお、医療費の自己負担の割合については、違いはありません。どちらも1~3割負担となります。

離婚後は健康保険の切り替えが必要

離婚後は、元配偶者の扶養には入れませんし、世帯の状況も変わります。そのため、婚姻中、以下の2つのケースのどちらかに当てはまっている方は、健康保険の切り替えが必要です。

  • 健康保険(社会保険)で配偶者の扶養に入っている場合
  • 国民健康保険に自営業等の配偶者を世帯主として加入している場合

どのような切り替えを行うかは、離婚後の暮らし方によって異なります。上記2つのケース、それぞれについて詳しくみていきましょう。

なお、共働き夫婦で、各自が勤務先の健康保険(社会保険)に加入している場合、離婚後も変わらず働き続けるのであれば、切り替え手続きは必要ありません。離婚して氏(姓)や住所等が変わった際に、勤務先に報告して変更の手続きをするのみです。

健康保険(社会保険)で配偶者の扶養に入っている場合

扶養家族として配偶者の勤務先の健康保険(社会保険)に加入していた場合、離婚したら扶養家族ではなくなるため、新たな健康保険に加入しなければなりません。そこで、次のような健康保険の切り替えが必要になります。

①自身を世帯主とした国民健康保険に加入する
この切り替えを選択することになるのは、以下のような方です。

  • 離婚後すぐに働かない方(※親などの扶養・世帯に入らない場合)
  • 離婚後は自営業者として働く方

②自身の勤務先の健康保険(社会保険)に加入する
この切り替えを選択することになるのは、以下のような方です。

  • 婚姻中は扶養範囲内で働いていて、離婚後も働き続ける方
  • 離婚後に定職に就いて働き始める方

国民健康保険に自営業等の配偶者を世帯主として加入している場合

国民健康保険では、世帯主のもとに世帯に入っている家族全員分(健康保険(社会保険)に加入している者を除く)の保険料の請求がいきます。そのため、自営業等をしている配偶者を世帯主とした国民健康保険に加入している場合には、離婚したら新たな健康保険に加入しなければならず、健康保険の切り替えが必要になるのです。

切り替えのパターンとしては、次のようなものがあります。

①自身を世帯主とした国民健康保険に加入する
例えば、以下に挙げたご状況にあるときは、この切り替え方を選ぶでしょう。

  • 離婚後、無職になる場合(※親の扶養・世帯に入る場合などを除く)
  • 離婚後、個人事業を始める場合

②自身の勤務先の健康保険(社会保険)に加入する
例えば、以下に挙げたご状況にあるときは、この切り替え方を選ぶでしょう。

  • 婚姻中は扶養範囲内でパートなどを行い、離婚後も同じ職場で働き続ける場合
  • 離婚した後、就職して働き始める場合

健康保険の切り替え手続き

健康保険(社会保険)に関する手続きは、配偶者やご自身の勤務先を通じて行い、国民健康保険に関する手続きは、お住まいの市区町村の役所で行います。
具体的にどういった手続きを行うのか、切り替えのパターン別に確認していきましょう。

①国民健康保険 → 国民健康保険

配偶者を世帯主とした国民健康保険から、自身を世帯主とした国民健康保険に切り替えるためには、各市区町村の役所で手続きを行います。このとき、離婚後に住まいを移すかどうかによって、具体的な手続き内容は異なってきます。

離婚後、引っ越さずに元の住まいに残る場合には、役所で「世帯主の変更手続き」を行う必要があります。一方、引っ越して住まいを別の市区町村に移す場合には、転出元の役所で「国民健康保険の資格喪失手続き(脱退手続き)」を、転出先の役所で「国民健康保険の加入手続き」を行う必要があります。

②国民健康保険 → 健康保険(社会保険)

配偶者を世帯主とした国民健康保険から、自身の勤務先の健康保険(社会保険)に切り替える場合、健康保険(社会保険)への加入手続きは、自身の勤務先を通じて行います。

しかし、国民健康保険に関する手続きは、ご自身で行う必要があります。手続きをしないと、二重で健康保険に加入している状態となり、保険料も二重に支払うことになってしまいます。そのため、お住まいの地域の役所で、「国民健康保険の資格喪失手続き(脱退手続き)」を行うことも忘れないようにしましょう。

③健康保険(社会保険) → 国民健康保険

配偶者の健康保険(社会保険)に扶養家族として加入していた方が、自身を世帯主とした国民健康保険に切り替える場合、まずは配偶者の勤務先で「健康保険の資格喪失手続き(扶養から外れる手続き)」を行ってもらいます。配偶者の勤務先で手続きが完了すると、「健康保険資格喪失証明書」が発行されますので、これをお住まいの地域の役所に持っていき、「国民健康保険の加入手続き」を行います。

加入の手続きをスムーズに進められるよう、離婚する際は早急に配偶者に依頼して、勤務先で資格喪失の手続きをしてもらうようにしましょう。

④健康保険(社会保険) → 健康保険(社会保険)

配偶者の健康保険(社会保険)から自身の健康保険(社会保険)に切り替える方は、自身の勤務先を通じて健康保険(社会保険)の加入手続きを行います。

ただ、加入手続きを行うにあたっては、「健康保険資格喪失証明書」を提出する必要があります。この証明書は、配偶者の勤務先から発行されるものなので、配偶者に依頼して手続きしてもらうことになります。

健康保険の切り替え手続き上の注意点

健康保険の切り替え手続きで特に注意してほしいのが、国民健康保険に切り替える際は、「資格を喪失した日(=離婚日)から14日以内」に手続きを行わなければならないという点です。

14日を過ぎても加入することはできますが、その場合、加入するまでの間にかかった医療費は、後日手続きを行って、本来の自己負担額を超える部分は還付してもらうことはできますが、まずは全額自己負担となってしまいます。また、加入すべき時までに遡って、保険料を納めなければなりませんので、離婚したら早急に加入の手続きを行うようにしてください。14日以内に必要書類をそろえることが難しそうなときは、役所に相談してみましょう。

なお、加入の手続きをする際には、相手の勤務先から取得する「健康保険資格喪失証明書」が必要になることがありますが、相手が協力してくれず、証明書をもらえない場合もあるかもしれません。そのようなときには、役所の窓口に相談すると、役所から勤務先に問い合わせてくれることなどがあります。また、状況によっては、年金事務所に相談することで、証明書を発行してもらえる場合もあります。

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子供の健康保険

子供の健康保険については、離婚したからといって、ただちに資格は喪失しません。そのため、特に何も手続きしなければ、子供は引き続き同じ健康保険を使えます。

とはいえ、もしあなたが子供を引き取ることになり、子供が相手の健康保険に入ったままとなると、子供の健康保険に関する手続きを行う度、相手の協力が必要になってしまいます。そのため、不都合に感じることもあるかと思います。

ご自身の健康保険に子供を入れたいとお考えのときは、離婚後にご自身の健康保険の切り替えをする際、子供の健康保険も併せて切り替えましょう。例えば、相手の健康保険(社会保険)に、扶養家族としてあなたと子供が入っていた場合には、まずは配偶者に依頼して、勤務先であなたと子供を扶養から外す手続きをしてもらいます。それから、新たな健康保険に、あなたと子供が加入する手続きを行うことになります。

健康保険の保険料について

国民健康保険の保険料は、基本的には同一世帯内の「加入者の人数」と「前年の所得」をもとに世帯ごとに計算されます。ただ、実際いくらかかるかは、地域によって差があります。

保険料のなかには、所得に応じてかかる分と、所得によらず負担する一定額や全世帯が平等に負担する分も含まれます。そのため、例えば、専業主婦の方が離婚して国民健康保険に加入する場合、前年の収入はゼロだったとしても保険料はかかります。

一方、健康保険(社会保険)の保険料は、「月々の報酬」や「賞与」の標準的な金額に「保険料率」をかけて計算されます。なお、保険料率は、運営する組合によって異なります。
健康保険(社会保険)の場合、基本的に保険料の2分の1は、事業主に負担してもらうことができ、組合によっては、2分の1以上の負担をしてくれるところもあります。

国民健康保険の保険料の支払いが難しい場合は?

健康保険(社会保険)では、通常、保険料の半分は事業主に負担してもらえ、残り半分は給与から天引きされます。しかし、国民健康保険では、保険料は全額ご自身で負担し、納めなければなりません。

国民健康保険料を滞納し続けてしまうと、給付を制限され、かかった医療費の全額を自己負担しなければならなくなる事態が起こり得ます。また、最悪の場合、財産を差し押さえられるおそれもあります。

国民健康保険の保険料の支払いが難しい場合には、お住まいの地域の役所に相談しましょう。ご状況によっては、一定期間、保険料を減額・免除してもらえたり、納付を猶予してもらえたりすることがあります。また、分割での納付に応じてくれる場合もあります。上記に挙げたようなリスクが考えられますので、何も相談せずに勝手に滞納し続けることだけは、避けるようにしてください。

離婚時の健康保険に関するQ&A

Q:

離婚後、就職の目途が立っていないため、自分の親の健康保険(社会保険)の扶養に入ることはできますか?

A:

離婚後、働かずに主に親の収入によって生計を維持されている場合には、親の勤務先の健康保険(社会保険)の扶養に入ることができます。
なお、親の職業が自営業などで国民健康保険に加入しているケースでは、そもそも国民健康保険には扶養の制度がないので、親の扶養に入る、ということはできません。ただ、同居して親の世帯に入り、親を世帯主とする国民健康保険に加入することは可能です。

Q:

離婚後も元配偶者と同居している場合、元配偶者の健康保険(社会保険)の扶養に入ったままでいることは可能ですか?

A:

離婚後は、元配偶者とは赤の他人になるため、たとえ同居していても、基本的に元配偶者の健康保険(社会保険)の扶養に入ったままでいることはできません。扶養からは外れ、自分で新たに健康保険に加入する必要があります。

離婚後に健康保険の切り替え手続きを行わず、そのままにしていると、無保険の状態となってしまいます。かかった医療費は全額自己負担せざるを得なくなりますので、注意しましょう。

ただし、離婚後も同居して生計を同じにしているなど、夫婦としての実態を持ち続けている場合には、内縁関係にあるとして、元配偶者の健康保険(社会保険)の扶養に入ったままでいられる可能性もあります。

Q:

健康保険の切り替え手続きが間に合わず、離婚後、病院を受診した場合の医療費の支払いはどうなりますか?

A:

健康保険の切り替え手続きが間に合わず、病院を受診した場合は、無保険となりますので、医療費は全額ご自身で支払わなければなりません。

ただ、健康保険(社会保険)に切り替えるケースでは、勤務先から新たな保険証が届くまでに時間を要することもあるでしょう。そのような場合、保険証が届くまでの間に病院を受診して医療費を全額支払っても、後日申請すれば、負担した医療費のうち健康保険が負担すべき分を還付してもらうことができます。

離婚問題でお悩みなら弁護士法人ALGにご相談ください

離婚に伴い、健康保険の手続きが必要になることもあります。ただ、離婚時にはそのほかにも行わなければならない手続きや、決める事項などが多くあるため、判断に悩んだり、おひとりで対応できるか不安に感じたりする方もいるでしょう。

健康保険の手続きを含め、離婚に関する手続きでわからないことがあるときは、弁護士にご相談ください。ご状況を丁寧に伺い、法的知識に基づいて適切にアドバイスいたします。また、必要な手続きをサポートすることなども可能ですので、ご負担の軽減にも繋がるかと思います。

弁護士法人ALGには、これまで多くの離婚問題を解決してきた実績があります。経験豊富な弁護士が、離婚問題に悩む方々からのご相談をお待ちしていますので、お困りの際は、安心して私たちにお任せください。

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監修:谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員 弁護士
保有資格弁護士(愛知県弁護士会所属・登録番号:41560)

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