妻(夫)の浪費を理由に離婚はできる?慰謝料や財産分与はどうなる?
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
配偶者の浪費など、お金に関することが原因で離婚するケースがあります。配偶者がギャンブルや衝動買いを繰り返し、借金をするほどになってしまうと、離婚を検討するに至るケースも少なくありません。
しかし、配偶者が離婚を拒否した場合には、離婚することは簡単には認められません。
この記事では、浪費を理由とする離婚について、慰謝料の請求や財産分与への影響、親権への影響、返済する義務の有無等について解説します。
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浪費を理由に離婚することはできる?
浪費を理由とする場合には、協議離婚や離婚調停によって双方が合意すれば離婚することができます。しかし、配偶者が断固として離婚を拒否している場合には、離婚裁判において離婚を認めてもらわなければなりません。
離婚裁判で離婚を認めてもらうためには、「法定離婚事由」があると認めてもらう必要があります。浪費が法定離婚事由である「婚姻を継続し難い重大な事由」だと認められれば、裁判で離婚することができます。
このハードルは、一般的に考えられているよりも高くなっています。無駄遣いが目に余るほどであったとしても、婚姻を継続し難い重大な事由であると認められないおそれがあります。
生活が立ち行かなくなるほどの浪費であれば、該当する可能性が高くなります。
法定離婚事由について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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浪費が法定離婚事由として認められるケース
配偶者に浪費癖があるだけでは、法定離婚事由に該当することが認められる可能性は低いです。しかし、配偶者の浪費癖によって、同時に以下のような事態が発生していると、法定離婚事由として認められる可能性が高まります。
- 浪費が悪意の遺棄に該当する
配偶者が収入をすべてギャンブルやショッピングで浪費して、生活費をまったく支払わないケース等では、悪意の遺棄に該当して法定離婚事由となる可能性があります。 - DVやモラハラが発生している
浪費をやめるように説得しようとすると、激しい暴力を振るわれたり、人格を否定するような暴言を吐かれたりするケースでは、DVやモラハラであり婚姻を継続し難い重大な事由に該当する可能性があります。
相手の浪費が原因で離婚する場合、慰謝料は請求できる?
配偶者の浪費が、法定離婚事由として認められるケースについては、慰謝料請求ができる可能性があります。しかし、浪費が婚姻関係を破綻させるほどのものでなければ、慰謝料請求は認められない可能性が高いです。
なお、配偶者に浪費癖がある場合には、慰謝料請求しても支払わせるのは難しいと考えられます。しかし、配偶者が高額な借金を抱えていたとしても、慰謝料請求を行うことは妨げられません。
離婚慰謝料の請求について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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慰謝料請求する際には証拠が必要
慰謝料を請求するためには、配偶者が浪費をしていた証拠が必要です。証拠として活用できるものとして、主に以下のようなものが挙げられます。
- 高額商品の領収書
- クレジットカードの利用明細
- 預貯金通帳のコピー
- 消費者金融などからの督促状
- 衝動買いしたブランド品や宝石、美容機器などの写真
単なる支出との区別がつくように、浪費であることが分かる証拠を用意しましょう。
浪費で離婚する際の財産分与はどうなる?
配偶者が浪費していても、婚姻期間に増えた財産は夫婦で半分にすることが基本的なルールです。しかし、夫婦の一方による浪費については、例外的な取り扱いが可能です。
財産分与とは、婚姻期間に夫婦で協力して築いた財産を分け合うことです。基本的には折半しますが、夫婦の一方が浪費していた場合には、浪費をした者が自由に財産を使って、高額な財産分与を受ける結果になりかねません。
そのため、浪費した財産があるものとして財産分与を行うことにより、実質的に公平な財産分与ができる可能性があります。
ただし、夫婦の一方が高額な家具や食材を無断で購入したとしても、夫婦で使ったり食べたりしたのであれば、浪費として責めるのは難しくなります。このような区別をするのは難しいので、弁護士に相談することをおすすめします。
離婚するときの財産分与について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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浪費が原因の離婚でも親権には影響がない?
配偶者が浪費していても、子供の監護をしているのが主に配偶者であれば、親権者は配偶者になる可能性が高いです。離婚時に未成年の子供がいたら、親権者を夫婦のどちらかにしなければならず、親権者を決めるときには、基本的に浪費は考慮されません。
しかし、浪費によって子育てに悪影響が生じていれば、考慮される可能性があります。例えば、買い物やギャンブルのために子供を放置している場合や、子供のために使うことになっていたお金を使い込んだ場合等では考慮されるでしょう。
親権の獲得について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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養育費は請求できる?
浪費が離婚原因になったとしても、自分が親権者となった場合には、元配偶者へ養育費を請求できます。養育費とは、未成年の子供の生活や教育に必要な費用を、子供を監護していない親が負担する金銭を指します。
元配偶者が浪費によって借金を抱えていたとしても、原則として養育費を支払う義務は変わりません。ただし、浪費癖のある相手は、継続的に支払いを続けないリスクが高いといえます。そのため、公正証書を作成しておくなど、確実に支払わせるための対策を講じておくことが重要です。
養育費の請求について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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配偶者の浪費による借金を返済する義務はある?
配偶者が浪費して作った借金であっても、返済しなければならない場合があります。なぜなら、民法の規定により、日常的な家事によって生まれた債務は、夫婦の連帯責任となり返済義務が生じるからです。
そのため、配偶者が明らかに身の丈に合わない購買行動をしていたとしても、その生活を夫婦で一緒に楽しんでいたのであれば、基本的に夫婦で借金を返済しなければなりません。
しかし、個人的な浪費による借金は、夫婦の連帯責任になりません。配偶者だけがギャンブルをしていたケースや、配偶者が愛人に貢ぐために借金をしたケースでは、基本的に返済義務はありません。
偽造した書類で連帯保証人にされてしまう等のトラブルが生じるおそれがあるので、早く対処することが重要です。
浪費が原因で離婚する際に弁護士に相談するメリット
浪費を理由として離婚したい場合には、弁護士に相談すると主に以下のようなメリットがあります。
- 浪費の立証をサポートしてもらえる
- 離婚条件を有利にするためのアドバイスが受けられる
- 離婚調停や裁判になった場合には、依頼して対応を任せることができる
浪費や不貞行為があった配偶者との離婚で財産分与の交渉・慰謝料請求に成功した事例
本件は、主に子供を持つことに対する意見の違いによって夫婦関係がぎくしゃくしている状況において、配偶者による浪費や不貞行為が発覚したため、依頼者が離婚を決意した事例です。
配偶者は浪費のため貯蓄ができておらず、依頼者は貯蓄をしていたため、依頼者名義の預金を財産分与の対象としないことが求められました。また、慰謝料の獲得や、なるべく早い離婚も希望されました。
配偶者と焦らずに交渉し、それによって相手の性格などを把握しながら、受任から2ヶ月以内に財産分与や慰謝料等を盛り込んだ合意書を締結し、離婚することができました。依頼者名義の預金は財産分与の対象とせず、配偶者から財産分与として120万円、慰謝料等として250万円を獲得することができました。
浪費癖の配偶者と離婚する際の注意点
浪費癖のある配偶者と離婚するときには、浪費の証拠を隠されないように注意しましょう。浪費の証拠となるクレジットカードの明細やギャンブルをした証拠、衝動買いした商品等は、なるべく現物を確保して、映像の記録なども残しておくと良いでしょう。
また、浪費された金銭を考慮せずに財産分与してしまうと、浪費をした側が高額な財産分与を受け取る結果となってしまいます。理不尽な結果にならないように、浪費した財産が残っているものとして財産分与を行う必要があります。
浪費の証拠を確保してから離婚を切り出して、財産分与を求められたら回答を保留する等、慎重な対応を心がけましょう。
浪費を理由に離婚する場合は離婚問題に詳しい弁護士にご相談ください
配偶者が浪費をしており、注意しても改善が見られない場合には、離婚したいと考える方は多いでしょう。しかし、浪費の証拠を確保するのは簡単ではありませんし、浪費を理由に離婚することの難易度は想像よりも高いです。
配偶者の浪費による不利益を最小限に抑えたい場合には、離婚問題に詳しい弁護士へご相談ください。弁護士であれば、浪費だけで離婚できるのか検討し、離婚後に問題が生じにくくなるような対策についてアドバイスができます。
配偶者の浪費が激しくなって、自分が結婚前から保有していた財産を使い込まれるようなことになれば、損害が膨らんでしまいます。これからの生活をより良いものにするためにも、弁護士に相談して対処することをおすすめします。
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

- 監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)











