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母子家庭(シングルマザー)が受けられる手当・支援制度一覧

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

日本では、離婚をすることになった夫婦のなかで、子供の親権は母親が獲得するケースが多いのが現状です。
母子家庭になった方にとって、経済的問題が一番に直面する悩みではないでしょうか。

仕事をしながら子育てをすることはとても大変なことであり、働き方も制限されてしまいますので、経済的に苦しくなる傾向にあります。
少しでも経済的負担を軽減し、ご自身と子供が安定した生活が送れるように、国や各自治体はひとり親世帯をサポートするための様々な制度が用意されています。

本ページでは、ひとり親世帯が受けられることができる公的な手当金や助成金はどんなものあるのか、詳しく解説します。

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この記事の目次

母子家庭(ひとり親家庭)を支援する様々な制度

母子家庭には、児童扶養手当(母子手当)や住宅手当など国や自治体が経済的支援する様々な手当金や助成金があります。

母子家庭に限らず、児童手当は子供を持つすべての家庭を対象としていたり、生活保護制度は経済的に苦しいすべての家庭を対象としていたりしています。
いろんな支援策があり、併用できますので下記事項よりひとつずつご紹介します。

なお、ご紹介するものは、お住まいの地域によって制度の有無、受給要件、内容などが異なる場合もありますので、詳細はお住まいの地域の市区町村の自治体にお問い合わせください。

母子手当(児童扶養手当)

母子手当とは、離婚や死別が理由で、子供を養育しているひとり親家庭の生活の安定と自立を助けるため、国が行っている制度です。

現在の正式名は「児童扶養手当」といいます。
「児童手当」と名称が似ていますが、「児童扶養手当」と「児童手当」は異なりますのでご注意ください。(「児童手当」については後ほど詳しく解説します)

「児童扶養手当」の支給は年6回行われ、奇数月に2ヶ月分支払われます。
受給を継続させたい場合は、居住地の市区町村に毎年8月に児童扶養手当現況届を提出します。
「支給対象者」、「受給額」、「所得金額」は下記事項で詳しく解説していきます。

支給対象者

  • 児童が18歳になった年の3月31日までの期間、養育している父親または母親
    もしくは、父母に代わって児童と同居して養育している方
  • 20歳未満で政令が定める程度の障害がある児童を養育している方

支給要件

  • 父母が離婚をした児童
  • 父親または母親が死亡した児童
  • 父親または母親が一定程度の障害の状態にある児童
  • 父親また母親の生死が明らかでない児童
    などを監護していること

支給額

児童扶養手当の支給額(令和4年4月から)
区分 【全部支給】 【一部支給】
児童1人 4万3070円 4万3060円~1万160円
児童2人(加算額) 1万170円 1万160円~5090円
児童3人目以降1人につき(加算額) 6100円 6090円~3050円

支給額は、前年度の所得に基づいて、児童の人数によって異なり「全額支給」、「一部支給」、「不支給」と3区分に分かれます。

全額支給の場合は、児童1人あたり月額4万3070円が支給されるのではなく、2人目から1万170円、3人目以降は最大6100円が加算されることになります。

児童扶養手当は、税金の対象ではなく非課税となります。

所得制限

扶養親族等の人数 受給資格者本人の所得
【全部支給】
受給資格者本人の所得
【一部支給】
扶養義務者・配偶者等の所得
0人 49万円 192万円 236万円
1人 87万円 230万円 274万円
2人 125万円 268万円 312万円
3人 163万円 306万円 350万円
以降1人増えるごとに 38万円加算 38万円加算 38万円加算

児童扶養手当は上図のとおり、受給資格者本人もしくは配偶者・扶養義務者などの所得額を扶養親族等の人数に応じた所得制限限度額に照らし合わせて決まります。

扶養義務者は、生計が同一とみなされる受給者の父母、兄弟姉妹、祖父母、18歳以上の子供のうち最も所得の高い人が対象となります。

例えば、扶養親族が1人(母親1人、子供1人)の場合は、受給者の前年所得が87万円未満(収入でいうと160万円未満)であれば全額受給となり、月額4万3160円が2ヶ月分まとめて、計8万6320円が支払われることになります。
87万円を超えても230万円未満であれば、所得金額に応じて計算されて一部支給となります。

なお、所得は、前年の収入から養育費の8割相当を加算して必要経費(給与所得控除など)を差し引いた額です。

児童手当

児童手当は、家庭の生活の安定や、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的に支給されるものです。この制度では、ひとり親家庭に限らず、支給対象の子供を持つすべての家庭を支援しています。

支給対象者

中学校卒業まで(15歳になって最初の3月31日まで)の児童を養育している方

【細かなルール】

  • 原則として、児童が日本国内に住んでいること(留学のために海外に住んでいる場合は一定の要件を満たせば支給対象となります)
  • 父母が離婚協議中などにより別居している場合は、児童と同居している方を優先する
  • 父母が海外に住んでいる場合、父母が日本国内で児童を養育している方を指定すれば、その方に支給する
  • 未成年後見人がいる場合は、未成年後見人が支給対象者となる
  • 児童が施設に入所している場合や里親に委託されている場合は、施設の設置者や里親が支給対象者となる

支給額

支給額(月額)は、以下のとおりです。

3歳未満 一律1万5000円
3歳~小学校修了まで 1万円(※第3子以降は1万5000円)
中学生 一律1万円
受給資格者の所得が所得制限限度額以上、所得上限限度額未満の場合 特例給付として一律5000円

所得制限

扶養親族等の人数 所得制限の限度額 収入額の目安
0人(前年末に子供が生まれていない場合など) 622万円 833万3000円
1人(子供1人の場合など) 660万円 875万6000円
2人(子供1人+年収103万円以下の配偶者の場合など) 698万円 917万円8000円
3人(子供2人+年収103万円以下の配偶者の場合など) 736万円 960万円
4人(子供3人+年収103万円以下の配偶者の場合など) 774万円 1002万円
5人(子供4人+年収103万円以下の配偶者の場合など) 812万円 1040万円

※「収入額の目安」はあくまでも目安であり、給与収入のみで計算しています。
※「所得制限の限度額」は、給与所得控除、医療費控除、雑損控除などを控除したあとの所得額となりますので「所得制限の限度額」で確認します。

【計算例・夫婦(妻は専業主婦)と小学生の児童2人のご家庭の場合】
扶養人数は3人で、児童手当を受給する所得制限の限度額は736万円となります。
父親の所得が736万円以下であると、月2万円支給されることになります。
支給月に2万円を4ヶ月分まとめて計8万円が支給されることになります。

支給時期

2月(支給該当月10月、11月、12月、1月分)
6月(支給該当月2月、3月、4月、5月分)
10月(支給該当月6月、7月、8月、9月分)

医療費助成制度

母子(父子)家庭の経済的負担を軽減するため、児童と母親(父親)が医療機関を受診した場合の医療費の一部負担金を助成する「ひとり親家庭等医療費助成制度」があります。

支給対象者

  • 医療保険(国民健康保険、社会保険、共済組合など)に加入している方
  • 母子家庭の母親と児童(児童の年齢は18歳になる最初の3月31日までの者)
  • 父子家庭の父親と児童(児童の年齢は18歳になる最初の3月31日までの者)
  • 父母のいない児童(児童の年齢は18歳になる最初の3月31日までの者)
    など

※生活保護受給中の方は対象となりません。

所得制限

扶養人数の数 本人の所得制限 配偶者・扶養義務者などの所得制限
0人 192万円 236万円
1人 230万円 274万円
2人 268万円 312万円
3人以上 1人増えるごとに38万円加算 1人増えるごとに38万円加算

そのほかにも親に対する医療費補助はありませんが、すべての子供を対象とした「こども医療費補助制度」があります。「ひとり親家庭等医療費支給制度」が所得制限などで該当しなかった方は「こども医療費助成制度」をご確認ください。

「母子(父子)家庭が受けられる医療費助成制度」について、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

住宅手当

ひとり親世帯の家賃を一部補助してくれる制度です。
この制度は市区町村独自の制度であるため、お住まいの市区町の自治体によって異なるため、制度の有無や内容について確認する必要があります。

支給対象者

  • 20歳未満の児童を養育している母子(父子)家庭で、家族で住む家を借りて、およそ月額5000円から1万円を超える家賃を払っている方
  • お住まいの住所地に6ヶ月以上在住している方
    など

生活保護制度

ひとり親家庭に限らず、資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する者に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行う、生活保護という制度があります。この制度は、憲法25条に規定されている「健康で文化的な最低限度の生活」を保障し、自立を助長することを目的としています。

支給対象者

生活保護は、基本的に以下の4つを活用したうえで、世帯収入が厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費よりも低い場合に支給されます。

資産 預貯金、生活に利用されていない土地・家屋などがあれば売却などをして生活費に充ててください。
能力 働くことが可能な方は、その能力に応じて働いてください。
他の公的支援制度 年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合は、まずそれらを活用してください。
扶養義務者の扶養 親族などから援助を受けることができる場合は、援助を受けてください。

支給額

最低生活費から世帯収入を差し引いた金額が、支給額となります。ただし、最低生活費は、地域や世帯の構成等によって異なります。詳しくは、お住まいの地域を所管する福祉事務所にお問い合わせください。

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

ひとり親世帯の経済的自立の助成と生活意欲の助長を図り、扶養している児童の福祉を増進するためを目的として、児童の進学や親自身の技能取得や転宅などに必要な資金を貸付けしてくれる制度です。

支給対象者

  • 母子家庭の母親や20歳未満の児童
  • 父子家庭の父親や20歳未満の児童
  • 寡婦(夫と死別、離婚して再婚していない独身の女性)や寡婦が扶養している20歳未満の児童
  • 父母のいない20歳未満の児童
    など貸付金の種類による

資金の種類(12種類)

  • 事業開始資金
  • 事業継続資金
  • 修学資金
  • 技能習得資金
  • 修業資金
  • 就職支度資金
  • 医療介護資金
  • 生活資金
  • 住宅資金
  • 転宅資金
  • 就学支度資金
  • 結婚資金

貸付条件

貸付金の種類によって異なります。最寄りの地方公共団体の福祉担当窓口にお問い合わせください

連帯保証人・貸付利率

基本的に連帯保証人がいれば無利子
連帯保証人がいなければ有利子となり、年1.0%

償還方法

貸付金の種類によって異なりますが、一定の据え置き期間のあと3年~20年

遺族年金

国民年金保険または厚生年金保険を加入していた被保険者が死亡したときに、一定の要件を満たしていれば、残された遺族に対して支給される公的年金です。

国民年金の被保険者であった方の遺族は「遺族基礎年金」を受け取ることができ、厚生年金保険の被保険者であった方の遺族は「遺族厚生年金」を受け取ることができます。
亡くなった方の職業で異なります。

遺族年金はじめ公的年金を受給している方は児童扶養手当を受給できませんでしたが、2014年12月以降は、年金額が児童扶養手当額よりも低い方は差額分を児童扶養手当で受給できるようになりました。例えば、児童1人の場合は、児童扶養手当の全額支給は月額4万3072円ですので、年金受給の月額が4万3072円より低い場合に差額を受給できることになります。

遺族年金の受給要件が満たずに支給されなかった方でも、10年以上婚姻期間がある妻に対しては「寡婦年金」があります。
国民年金保険を3年以上納めた方が死亡されたときは「死亡一時金」が支払われることもありますので、大事な家族が亡くなられたときにはお近くの年金事務所にお問い合わせください。

児童育成手当

死亡や離婚などによって父親または母親がいない児童を養育している方に、児童の福祉の増進を図ることを目的として、児童の心身の健やかな成長を助成することを趣旨としており、東京都独自の給付金制度です。

支給対象者

  • 父母が離婚した児童(児童の年齢は18歳になる最初の3月31日までの者)
  • 父親または母親が死亡、生死不明の児童(児童の年齢は18歳になる最初の3月31日までの者)
  • 父親または母親が重度の障害者のある児童(児童の年齢は18歳になる最初の3月31日までの者)
  • 母親が未婚で出生した児童(児童の年齢は18歳になる最初の3月31日までの者)
    など

支給額

児童1人につき月額1万3500円

所得制限

児童育成手当の所得制限(多少、各自治体により変動あり)
扶養人数 所得制限額
0人 360万4000円
1人 398万4000円
2人 436万4000円
3人 474万4000円
4人以上 1人増すごとに38万円を加算

支給時期

6月(支給該当月2月、3月、4月、5月分)
10月(支給該当月6月、7月、8月、9月分)
2月(支給該当月10月、11月、12月、1月分)

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障害のある子供がいる場合に受けられる手当

お子様に障害があった場合、ひとり親家庭の方にとって、経済的な負担はより重くのしかかるのではないでしょうか?

地域によっては、障害のある子供がいる家庭を支援する制度を独自で設けていることもありますが、今回は国の支援制度に着目し、「特別児童扶養手当」と「障害児福祉手当」について解説していきます。

特別児童扶養手当

精神または身体に障害を有する児童の福祉の増進を図ることを目的とした手当です。

支給対象者

20歳未満で精神または身体に障害を有する児童を監護、養育している父母など

支給月額

1級(重度障害児)・・・5万2400円
2級(中度障害児)・・・3万4900円

支払時期

4月(支給該当月12月、1月、2月、3月分)
8月(支給該当月4月、5月、6月、7月分)
12月(支給該当月8月、9月、10月、11月分)

所得制限

児童扶養手当の所得制限
扶養親族等の数 受給資格者本人 受給資格者の配偶者及び扶養義務者
所得額 収入額の目安 所得額 収入額の目安
0人 459万6000円 642万円 628万7000円 831万9000円
1人 497万6000円 686万2000円 653万6000円 858万6000円
2人 535万6000円 728万4000円 674万9000円 879万9000円
3人 573万6000円 770万7000円 696万2000円 901万2000円
4人 611万6000円 812万9000円 717万5000円 922万5000円

※上記表の所得額は、非課税所得以外の所得などから医療費控除、障害者控除、寡婦控除などを差し引いた額となります。
※収入額は、給与所得者を例として給与所得控除額を加えて記載した額となります。

障害児福祉手当

重度の障害をもっている方に対して、精神的、身体的な特別な負担を軽減できるように助けをする手当です。手当を支給することにより、障害者の福祉の向上を図ることを目的としています。

支給要件

精神または身体に重度の障害を有するため、日常生活において常に介護が必要とする状態にある在宅の20歳未満の方(ただし、施設に入所されている方は対象外となります)

支給月額

月額1万4850円(令和4年4月より適用)

支払時期

2月(支給該当月11月、12月、1月分)
5月(支給該当月2月、3月、4月分)
8月(支給該当月5月、6月、7月分)
11月(支給該当月8月、9月、10月分)

所得制限

障害児福祉手当の所得制限
扶養親族等の数 受給資格者本人 受給資格者の配偶者及び扶養義務者
所得額 収入額の目安 所得額 収入額の目安
0人 360万4000円 518万円 628万7000円 831万9000円
1人 398万4000円 565万6000円 653万6000円 858万6000円
2人 436万4000円 613万2000円 674万9000円 879万9000円
3人 474万4000円 660万4000円 696万2000円 901万2000円
4人 512万4000円 702万7000円 717万5000円 922万5000円

※上記表の所得額は、非課税所得以外の所得などから医療費控除、障害者控除、寡婦控除などを差し引いた額となります。
※収入額は、給与所得者を例として給与所得控除額を加えて記載した額となります。

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母子家庭(ひとり親家庭)が受けられる寡婦控除や割引制度など

寡婦控除とは、死別や離婚などによって夫を別れて再婚していない女性が受けられる所得控除です。
なお、2020年に行われた税制改正に伴い、内容が一部変更となりました。
併せて2020年に新設されたのが「ひとり親控除」です。納税者がひとり親であるとき、一定の金額の所得控除を受けることができます。

「寡婦控除」と「ひとり親控除」の大きな違いは、婚姻の事実があるかどうかです。「ひとり親控除」は、婚姻の事実がなくても適用されます。
「寡婦控除」と「ひとり親控除」について、下記表でまとめました。

寡婦控除 ひとり親控除
条件 ・夫と離婚した後に婚姻しておらず扶養親族(親・祖父母、孫など)がいる人で合計所得金額が500万円以下
・夫と死別、生死が明らかでない一定の人で合計所得金額が500万円以下(扶養親族の要件なし)
・事実婚と同様となる人がいないこと
・生計をともにする子供がいる(ただし、子供がその年の総所得金額などが48万円以下で他の人の同一生計配偶者や扶養親族になってない人に限る)
・合計所得金額が500万円以下
婚姻の事実 必要 不要
性別 女性のみ 男女問わず
所得税 27万円 35万円
住民税 26万円 30万円

公共料金の減免・割引制度

ひとり親家庭の経済的な負担を軽減するため、地域によっては、以下のような減免(減額または免除)・割引制度を実施していることがあります。

  • 電車やバスの割引制度
    (例:児童扶養手当を受給している方やその世帯の方が、JR線の通勤定期乗車券を購入する際に、3割引になる)
  • 粗大ごみ等処理手数料の減免制度
  • 上下水道料金の減免制度
  • 保育料の減免制度

また、税金等の負担に関しては、寡婦控除や、国民健康保険・国民年金の減免制度があります。これらの制度を利用して支出を減らすことは、ひとり親家庭にとって重要なのではないでしょうか?次項より解説していきます。

国民健康保険、国民年金の減免制度

国民健康保険については、国が定めている軽減制度があります。

世帯主と国民健康保険に加入している家族の総所得が基準額以下の場合に、保険料のうち均等割額と平等割額を、2割・5割・7割のいずれかの割合で軽減するというもので、確定申告をしていれば、申請の必要はありません。また、地方自治体ごとに減免制度を設けているケースもあり、この場合、利用するためには申請が必要になります。

国民年金についても、経済的な事情で保険料を納めることが難しい方のために、保険料の免除制度や保険料納付の猶予制度があります。

離婚した後の資格取得を支援する制度

離婚後、ひとりで子育てするにあたり、より多くの収入を得られるよう、資格取得に励む方もいらっしゃいます。このように、ひとり親家庭の親の経済的な自立を後押しするべく、就業支援の制度を設けている地域があります。

例として、「自立支援教育訓練給付金」と「高等職業訓練促進給付金」を挙げ、次項より説明していきます。なお、いずれも実施しているかどうかは地域によって異なりますので、ご注意ください。

自立支援教育訓練給付金

自立支援教育訓練給付金は、自ら教育訓練を受けて適職に就くためにスキルアップしようという、ひとり親家庭の親の主体的な能力開発の取組みを支援するものです。

対象となる教育訓練を受講して修了した場合に、その経費の60%が支給されます。下限は「1万2001円」で、上限は「就学年数×20万円(※最大80万円)」となっています。

支給の対象者は、20歳未満の児童を扶養しているひとり親家庭の親で、以下の要件をすべて満たした者です。

●児童扶養手当の支給を受けている、または同等の所得水準にある
●就業経験、技能、資格の取得状況や労働市場の状況等から判断し、教育訓練を受けることが、適職に就くために必要であると認められるものである

ただし、地域によっては、支給内容や支給の対象者が異なる場合があります。
また、支給されるには、受講前にお住まいの地域から講座の指定を受ける必要がありますので、事前にお住まいの地域にご確認ください。

高等職業訓練促進給付金

ひとり親が資格取得を目指して修行・訓練する期間の生活費を支援する制度です。

対象者

①児童扶養手当の支給を受けている。もしくは同等の所得水準の方
②養成機関において6ヶ月以上のカリキュラムを修行して対象取得などが見込まれる方
①②両方に該当するひとり親の方

支給内容

訓練期間中・・・月額10万円(住民税課税世帯は月額7万500万円)
        ただし、訓練を受けている期間の最後の1年間は4万円増額
訓練終了後・・・5万円(住民税課税世帯は2万5000円)

対象資格

就職をするときに有利となる資格を養成期間において6ヶ月以上修業するもの
【例】看護師、保育士、介護福祉士、理学療法士、調理師など

そのほかにも、自立に向けて就職活動中の住まいにお困りの方にむけて、児童扶養手当を受給しているひとり親世帯などに月上額4万円を1年間貸付けしてくれる「償還免除付のひとり親家庭住宅支援資金貸付」という制度もあります。

就職が無事にできて1年間働くことができれば一括での償還免除になります。詳しくはお住まいの都道府県(指定都市の方は市役所)にお問い合わせください。

離婚と母子家庭に関するQ&A

Q:

養育費を一括で支払ってもらった場合、児童扶養手当は受給できませんか?

A:

児童扶養手当は前年度の所得制限があります。養育費を一括でもらった年の翌年は「給与所得+養育費一括分の8割―必要経費」となりますので、所得制限に引っ掛かり、児童扶養手当は受給するのは難しいでしょう。

例えば、子供が2人いる専業主婦の方が離婚をして複数年分の養育費を一括で500万円もらった場合、
離婚した1年目は、前年の収入がないので児童扶養手当の全額支給分月額5万3240円支給されるでしょう。
離婚した2年目は養育費の8割が含まれますので、児童扶養手当はもらえません。
離婚した3年目は、働いた収入のみが反映されますので、所得金額が125万円以下であれば全額支給、268万円以下なら一部支給されるというかたちになります。

Q:

離婚して実家に戻った場合でも、母子家庭として手当をもらうことはできますか?

A:

実家で同居している家族の所得が児童扶養手当(母子手当)の限度額以下の場合、もしくはお住まいの自治体が同居している家族と世帯を別世帯(世帯分離)と判断した場合などは、児童扶養手当を受給できる場合もあります。

例えば、子供が2人の場合の児童扶養手当が全額支給対象となる本人の所得額は125万円以下となりますが、家族は312万円以下となります。ご本人の所得が125万円以下かつ家族のなかで1番所得の高い方が312万円以下であれば、受給できるでしょう。

世帯分離については、明確な判断基準はありませんが、二世帯住宅や電気・水道・ガスの支払いも独立しているなどであれば、認められる可能性はあります。

実家に戻っても児童扶養手当がもらえるかどうかは、自己判断をせずに、お住まいの市区町村役場に相談して、確認することをお勧めします。

離婚問題でお悩みなら、ALGに相談してみてください

母子(父子)家庭などのひとり親家庭が受けられる様々な手当金や給付金を解説してきました。

各自治体からの経済的支援を受けても、養育費の計算には影響しません。
しかし、養育費を受け取る金額によっては、児童扶養手当は制限される可能性があります。

各自治体の経済的支援を受けることも、相手に養育費を請求して支払ってもらうことも、どちらも生活を支える大切なことですので、バランスを考えて離婚後の生活基盤を考える必要があります。

養育費をはじめ離婚問題でお悩みの方は、ぜひ弁護士にご相談ください。
養育費以外の財産分与や慰謝料なども取り決める内容によって、離婚後の生活にとても大きく左右します。
弁護士法人ALGは、離婚案件を多く取り扱っており、経験豊富な弁護士が多数在籍しています。
まずは、お気軽にご相談ください。

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監修:谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員 弁護士
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