離婚したいけどお金のことが心配|女性が請求できるお金や必要な準備
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
夫と離婚したくても、生活費や住まいの確保など「お金の不安」が大きく、離婚に踏み切れない女性は少なくありません。特に子供がいる場合は、養育費や引越し費用などまとまった資金が必要になるため、お金をどのように確保するかが大きな悩みになります。
この記事では、離婚時に請求できるお金の種類や、離婚後の暮らしで困らないために事前にしておきたい準備などについて、わかりやすく解説します。
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います
離婚問題ご相談予約受付来所・オンライン法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。
※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。
お電話でのご相談受付
0078-6009-3006
24時間予約受付・年中無休・通話無料
メールでのご相談受付
メール相談予約受付この記事の目次
離婚したいけどお金のことが心配
離婚したい気持ちがあっても、生活費や子供の養育費、新しい住まいの確保といった「お金の不安」から、離婚に踏み出せない女性は少なくありません。特に専業主婦やパート勤務の方は、収入がないことで「離婚後は生活できない」と思い込みがちです。
しかし、離婚時は財産分与や養育費、年金分割など、受け取れる可能性のあるお金が複数あります。
まずはどんなお金を受け取れるのか知ることが、将来の不安を軽くするための第一歩です。
離婚にかかる費用
離婚を進める際は、手続きの種類や生活環境によって必要な費用が変わります。
【離婚手続きにかかる費用】
- 協議離婚の費用:基本的に0円、離婚協議書を公正証書にする場合は作成費用が必要
- 離婚調停の費用:収入印紙・郵便切手代などで3000円程度
- 離婚裁判の費用:収入印紙・郵便切手代などで2万円程度
- 弁護士費用:相談料・着手金・成功報酬などで20万~60万円程度
【別居・引越しにかかる費用】
- 新居の敷金・礼金、仲介手数料、引越し代などの初期費用が必要
- 引越し代は距離や荷物量、時期によって5万~20万円程度
- 家具・家電の購入に数万~10万円程度かかる場合もある
【離婚後の生活費にかかる費用】
- 家賃、水道光熱費、食費などの基本的な生活費が毎月発生する
- 子供の学費、保険料、自動車関連費などで支出が増えるケースもある
- 子供が1人(18歳未満)の母子家庭の場合、生活費は月20万円程度が一般的
離婚調停や離婚裁判にかかる費用については、以下の各ページもご参考ください。
女性が離婚するときに請求できるお金
離婚する際、状況によっては夫に経済的な負担を求めることができます。
ここからは、離婚時に女性が受け取れる可能性のあるお金について解説します。
- 財産分与
- 養育費
- 慰謝料
- 年金分割
財産分与
財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して築いてきた財産を、離婚時に公平に分け合う制度です。専業主婦やパート勤務であっても、家事や育児を通じて家庭を支えてきた貢献が認められるため、基本的に夫婦で2分の1ずつ分けられます。
●請求期限
財産分与には、離婚から5年以内※という請求期限があるため、早めの準備が重要です。
※2026年4月1日より前に離婚した場合、請求期限は「離婚から2年以内」です。
●財産分与の対象
財産分与の対象となるのは、婚姻期間中に形成された「共有財産」です。
具体例には次のようなものがあります。
- 現金
- 預貯金
- 不動産
- 車
- 株式
- 投資信託
- 保険の解約返戻金
- 退職金 など
一方、親族からの贈与や遺産、結婚前から保有していた貯金などの「特有財産」は分与の対象には含まれません。
離婚時の財産分与で女性が受け取れるものについては、以下のページもご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
養育費
子供の親権者・監護権者となった親は、もう一方の親に対して養育費を請求できます。養育費の金額は、裁判所が公表している「養育費算定表」を参考に、父母それぞれの年収や子供の人数・年齢などを踏まえて決めるのが一般的です。
●養育費の支払い期間
養育費は、目安として20歳まで支払われることが多いです。ただし、子供の進学状況によっては大学卒業にあたる22歳頃まで続くケースもあります。
●養育費の注意点
養育費の未払いリスクに備えるためには、離婚時の取り決めを公正証書(強制執行認諾文言付き)として残しておくことが重要です。これにより、相手が支払わなくなった場合でも、裁判所の手続きを経ずに給与差押えなどの強制執行が可能になります。
養育費を決める際に知っておきたい基本の知識については、以下のページをご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
慰謝料
夫のDVやモラハラ、不貞行為(不倫)など、相手に離婚原因がある場合は慰謝料請求が可能です。
慰謝料の金額は、被害の程度、婚姻期間、精神的苦痛の大きさ、子供の有無、証拠の有無など、個別事情によって大きく異なります。
●慰謝料の相場
不貞行為(不倫)が原因の場合、慰謝料の相場は200万〜300万円程度とされています。ただし、行為の悪質さや継続期間、相手方の収入状況などによって金額が増減することもあります。
●慰謝料の時効
離婚に伴う慰謝料請求は、「離婚した日から3年」が期限です。また、不貞行為に対する慰謝料は、「不貞行為の事実や相手を知った時から3年」もしくは「不法行為の時から20年」のいずれか早い方が時効となります。
年金分割
年金分割とは、婚姻期間中に夫婦が積み上げてきた「厚生年金の納付記録」を、離婚時に公平に分ける制度です。対象となるのは厚生年金の部分のみで、国民年金は分割の対象外となります。
●年金分割の割合
夫婦の合意または裁判所の決定によって決まりますが、一般的には2分の1ずつになるケースが多く見られます。専業主婦やパート勤務で自身の保険料納付期間が短い方も、将来受け取れる年金額を増やせる可能性があるのが大きなメリットです。
●請求期限
年金分割の請求期限は、基本的に離婚後5年以内※です。期限を過ぎると手続きができなくなるため、離婚の話し合いと並行して必要書類の準備や年金記録の確認を進めておきましょう。
※2026年4月1日より前に離婚した場合、請求期限は「離婚後2年以内」です。
年金分割の条件や手続きについては、以下のページをご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
離婚前に別居する場合は婚姻費用を請求できる
離婚をすぐに決断するのが難しい場合、まずは別居というかたちで夫と距離を置く方も少なくありません。別居中は、収入が少ない側から多い側に婚姻費用を請求できます。
婚姻費用には、住居費・食費・医療費・子供の教育費など日常生活に必要な幅広い費用が含まれます。
金額は夫婦の年収や子供の人数・年齢などを基準に算定され、家庭裁判所が公表している「婚姻費用算定表」を用いるケースが多いです。
婚姻費用は、離婚後の新生活に向けた準備資金としても重要です。新居の確保や生活費の補填にも利用できるため、「離婚後の生活が不安」という方の大きな支えとなるでしょう。
適切な金額を受け取るためにも、別居前から必要書類や収入資料をそろえておくことをおすすめします。
婚姻費用について詳しくは、以下のページをご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
女性が離婚後のお金で困らないためにしておくべき準備
離婚後の生活を安定させるためには、早めの備えが大切です。収入や生活費を見直しつつ、利用できる支援制度や必要な資金を前もって確保しておくことで、離婚後の不安を大きく減らせます。
ここからは、具体的に取り組んでおきたい準備について解説します。
お金を貯めておく
離婚を考えている場合は、できるだけ早い段階で現金を確保しておくことが大切です。別居後や離婚直後は支出が増えやすく、収入が安定するまで時間がかかる場合もあります。
当面の生活費を自力でまかなえるよう、日々の支出を見直しながら少しずつ貯蓄を増やしておくと、離婚後の不安を大きく減らせるでしょう。
仕事を見つける
離婚後の生活を安定させるためには、継続的に収入を得られる環境づくりが欠かせません。特に専業主婦として長年家庭を支えてきた方は、ブランクの長さから再就職が難しいケースもあります。
自治体が実施している職業訓練や再就職支援を利用すれば、スキルを身につけたり、資格を取得したりして選択肢を広げることができるでしょう。
離婚成立後に就職活動を始めると、収入が安定せず生活が苦しくなるリスクがあります。離婚前から求人情報のチェックや面接準備、パート・アルバイトでの職歴づくりなど、できることを早めに進めておくのをおすすめします。
計画的に準備をしておけば、離婚後の生活への大きな安心につながるでしょう。
公的支援制度を調べる
離婚後の生活を安定させるためには、利用できる公的支援制度を早めに確認しておくことが大切です。支援の種類や申請条件は自治体によって異なるため、役所の窓口や相談員に事前に問い合わせておきましょう。
【代表的な制度】
- 児童扶養手当
- 児童育成手当
- ひとり親家庭等住宅費助成制度
- ひとり親家庭等医療費助成制度
- 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
- 生活保護
- 自立支援教育訓練給付金
- 各種減免制度(国民年金、健康保険、住民税など)
夫の財産を調査する
適切な財産分与を受けるためには、夫婦それぞれの財産をできるだけ正確に把握しておくことが大切です。
本来は双方が財産を開示しますが、夫が金額を少なく申告したり、一部の財産を隠したりするケースもあります。こうした不利益を避けるためにも、預貯金通帳・給与明細・不動産の権利証・生命保険証券・投資商品の明細など、財産に関わる資料を一覧にまとめて整理しておくと安心です。
特に同居中であれば、生活費の流れや貯蓄・保険の状況などを把握しやすいため、気付いた段階で早めに証拠書類を確保しておくことが重要です。
夫の財産状況がどうしても分からない場合、弁護士会照会制度を利用すれば、金融機関に情報開示を求めることができます。弁護士を通じて利用できる制度で、相手が協力しない場合もスムーズに事実確認を進められる心強い手段です。
不倫などの証拠を集める
夫の不倫やDV、モラハラを理由に慰謝料を請求するためには、相手の行為を裏付ける客観的な証拠が必要です。特に離婚調停や離婚裁判に進む場合、証拠の有無は結果を大きく左右します。
【不倫の証拠の具体例】
- ラブホテルへの出入りを記録した写真・動画
- 肉体関係があると分かるLINEやメールのやり取り
- クレジットカードの利用明細
- 宿泊予約の記録 など
別居後は証拠を集めにくくなるため、同居中に気付いた段階で少しずつ保存しておきましょう。
証拠としての有効性や収集方法に不安がある場合は、早めに弁護士へご相談ください。違法な手段を避けつつ、裁判でも通用する証拠の集め方をアドバイスしてもらえます。
DVやモラハラの証拠については、以下の各ページもご参考ください。
よくある質問
- Q:
貯金ゼロの専業主婦でも離婚できますか?
- A:
貯金がなくても離婚自体は可能です。離婚の手続きそのものに大きな費用はかからないため、専業主婦だからといって離婚を諦める必要はありません。また、離婚時は財産分与や年金分割ができるほか、状況によっては慰謝料や養育費も受け取れる可能性があります。
これらを適切に請求できれば、離婚後の生活の大きな助けとなります。まずは、どんなお金を受け取れるのかを知ることが大切です。
- Q:
離婚後の生活費を元夫に請求できますか?
- A:
離婚後の生活費を元夫に請求することは、基本的にできません。離婚が成立すると夫婦間の扶養義務がなくなり、お互いが自分の生活費を負担しなければならないためです。
一方、離婚後でも財産分与や年金分割、慰謝料、養育費といったお金は請求できます。特に養育費は子供の生活を支える重要なお金なので、離婚後も継続して受け取ることが可能です。
ただし、これらの請求には時効があるため、できるだけ早めに請求することが大切です。
離婚後の生活費の請求については、以下のページをご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
- Q:
子供がいないと離婚時にもらえるお金は減りますか?
- A:
子供がいないからといって、離婚時にもらえるお金が減るわけではありません。確かに養育費は請求できませんが、その他の財産については子供の有無に左右されません。
分け合うお金の多くは、婚姻中に築いた共有財産の内容などによって決まり、預貯金や不動産、退職金などは公平に分けられるのが一般的です。
また、相手に不倫やDVなどの離婚原因がある場合は、慰謝料を請求できる可能性もあります。まずは、夫婦の財産状況と離婚の理由を整理し、自分が受け取れる可能性のある項目を把握しておきましょう。
- Q:
50代で離婚したら老後の資金が不安です。年金はどうなりますか?
- A:
離婚時に年金分割を行うと、婚姻期間中に夫婦が納めた厚生年金の記録を分け合えるため、将来受け取れる年金額が増える可能性があります。
特に老後が近づく50代では、年金分割をするかどうかで受給額に大きな差が生じることも少なくありません。離婚の話し合いを進める際は、年金分割についても忘れずに確認しておきましょう。
夫と離婚したいけどお金のことが不安…まずは弁護士にご相談ください
離婚にはさまざまな不安がつきまといますが、特に大きいのが「お金」に関する悩みです。
財産分与や養育費、慰謝料、年金分割など、受け取れる可能性のあるお金はいくつもありますが、「自分はいくらもらえるのか」「どんな準備が必要なのか」と迷う方も多いでしょう。
弁護士法人ALGでは、これまで多くの離婚問題を扱ってきた経験を活かし、ご相談者様それぞれの状況に合わせたサポートを提供しています。財産調査や養育費の算定、証拠収集のアドバイスまで、経験豊富な弁護士が丁寧に対応いたします。
お金の不安で離婚に踏み出せずにいる方こそ、ぜひ一度ご相談ください。新しい生活へ向けた第一歩を、私たちがしっかりと支えます。
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

- 監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)











