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再婚禁止期間とは?2024年4月1日~民法改正により廃止されました

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

現在の日本の民法では、女性は離婚後100日を経過しないと再婚できないという「再婚禁止期間」があります。しかし、2022年12月に、100日間の再婚禁止期間の廃止などを盛り込んだ民法改正が決定し、公布されました。

本記事では、従来の再婚禁止期間や、今後施行予定の再婚禁止期間の廃止などを含む民法改正がされる理由や変更点などを詳しく解説していきます。

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再婚禁止期間とは

再婚禁止期間とは、元夫と離婚した日から100日間は再婚できないと女性のみに定められた期間でした。男性にはそもそも再婚禁止期間はありませんので、離婚してからすぐにでも再婚が可能です。

女性にだけ再婚禁止期間が定められていた理由は、「扶養義務を負う父親を明確にして子供の利益・権利を保護するため」です。
過去の民法では、「離婚から300日以内に生まれた子は前夫の子」、「婚姻から200日経過後に生まれた子は現夫の子」と推定されていました。

もし、離婚してからすぐに再婚して妊娠した場合、生まれてくる子供の母親は分娩の事実から特定できますが、子供の父親については、推定が競合してしまい、元夫なのか?現夫なのか?混乱が生じます。
このような混乱を防ぐために、100日間の再婚禁止期間が設けられていたのです。

親子関係には、扶養義務や相続権などの法的関係が生じます。もし、父親の推定が重複する期間に出産してしまうと、子供の未来に大きな影響を与えてしまいます。
これまでは、再婚禁止期間中に再婚のための婚姻届を役所に提出しても、受理されませんでした。

元々、再婚禁止期間は6ヶ月でしたが、最高裁の判決により民法が法改正されたことに伴い、平成28年6月に100日間に短縮されました。その後、令和4年12月に再婚禁止期間の廃止などを盛り込んだ民法改正が新たに成立し、令和6年4月1日から施行されました。

再婚禁止期間の廃止はいつ?どう変わる?

令和4年12月10日に“民法の嫡出推定制度の見直し等を内容とする民法等の一部を改正する法律”が成立し、同月16日に公布されました。この法律は、令和6年4月1日から施行されました。

今回の民法改正の主なポイントは次のとおりです。

  • 離婚後300日以内に子供が生れた場合でも、母親が前夫以外の男性と再婚したあとに生まれた子は再婚後の夫の子供と推定する
  • 女性の再婚禁止期間を廃止する
  • 今まで夫のみに認められていた嫡出否認権を母親及び子供にも認める
  • 嫡出否認の訴えの出訴期間を1年から3年に伸長する
  • 「懲戒権」の規定を削除し、体罰禁止規定を設ける

再婚禁止期間が定められている現在の民法は、明治時代に作られたものが元になっているため、DNA鑑定で簡単に親子関係が判別できるようになった現代の時代背景にそぐわないという意見が多くありました。

また北欧諸国では1960年代後半に、スペイン、フランスなどは1980年代から2000年代に再婚禁止期間をすでに廃止しています。アメリカやイギリスなどはそもそも再婚禁止期間が設けられていません。

このような背景を鑑みて、民法の改正に踏み切ったと考えられます。

嫡出推定制度とは

嫡出推定制度とは、妻が婚姻中に妊娠した子は、原則夫の子と推定する制度です。
民法で以下のように定めています。

(1)妻が婚姻中に妊娠した子については夫の子であると推定する
(2)婚姻関係が成立した日から200日経過した後、または婚姻関係が解消された日から300日以内に出産した子は婚姻中に妊娠したものとする

母親が誰なのかは出産で明らかですが、父親は必ずしも明確ではありません。法律上の父子関係を早期に安定させるために定められた制度です。

改正の理由

離婚後300日以内に出産した場合、実際は別の男性との子でも、嫡出推定制度によって前夫の子となってしまいます。これを避けるために、母親が出生届を提出せずに子供が無戸籍になる問題が発生していました。

この問題を解消するために、民法改正後は、離婚後300日以内でも、ほかの男性と再婚したとあとに生まれた場合は、現夫の子とする例外規定を新たに設けました。そして、見直しに伴い、「前夫」と「現夫」で法律上、父親が重複する可能性がなくなることから、離婚後100日間の再婚禁止期間を廃止しました。

そのほかにも嫡出推定制度により推定された父親と子供の関係を解消する「嫡出否認」の手続きも、現在は父親だけ認められている申立ての権利を子供と母にも拡大するとともに、申立て期間について出生を知ったときから1年以内を3年に延長する、または一定の要件を満たす場合は子供が21歳になるまで申立てが可能、とされました。

子の戸籍上の父親を再婚相手に変更する方法

現在の民法では、次のような嫡出推定の規定があります。

●離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子
●再婚して200日が経過した後に生まれた子は再婚相手の子

仮に離婚後300日以内に生まれた子供が再婚相手の子供であっても、戸籍上は前夫の子供となります。

例えば、夫のDVから逃れて別居していた母親が、時間をかけて無事に離婚が成立し、離婚後300日以内に新たなパートナー(再婚相手)との子供が生まれた場合、出生届を提出すると、戸籍上の父親は前夫となってしまいます。出生届を出すと実の父親の子供とされないうえに、DVを行う前夫との関係が切れなくなることをおそれ、出生届を出さず、子供が無戸籍になってしまう問題が生じています。

無戸籍であると、子供にとって重要な医療や保育・教育などの行政のサービスが受けられなかったり、身元の証明ができずに運転免許が取れなかったり、銀行口座が開設できなかったりするおそれがあります。

子供の戸籍上の父親を再婚相手に変更する方法は、家庭裁判所に「嫡出否認調停」または「親子関係不存在確認調停」を申し立てる必要があります。
嫡出否認調停と親子関係不存在確認調停の違いについては、下記表にまとめました。

嫡出否認調停
  • 嫡出推定が及ぶ子供との親子関係を否定する手続き
  • 申立人は戸籍上の父親のみ
  • 申立て期限は子が生まれたことを知った日から1年以内
親子関係不存在確認調停
  • 嫡出推定が及ばない子供との親子関係を否定する手続き
  • 申立人は父親、母親、子供、親子関係について直接身分上利害関係を有する第三者
  • 申立て期限はなし

嫡出否認制度の見直し

令和6年4月1日施行予定の改正民法では、嫡出否認制度の見直しもされました。

嫡出否認制度とは、婚姻中や離婚後300日以内に生まれた子供を自分の子供とせずに親子関係を否定できる制度です。
例えば、婚姻中の妻(母親)の不倫により生まれた子供や、離婚後300日以内に前夫ではない別の男性との間に生まれた子供について、戸籍上の父親の申立てによって「自分の子供ではない」と否定することができます。

嫡出否認を行うためには、次のような条件が定められています。

  • 生物学上の親子関係がないこと
  • 家庭裁判所に対して申立てできるのは戸籍上の父親のみであること
  • 父親が子供の出生を知ったときから1年以内に手続きをすること

戸籍上の父親から協力を得ないと嫡出否認できないことから、元夫と関わりたくない、元夫の協力を得られないなどの理由で、母親が嫡出否認の手続きを諦めて、出生届を提出せずに子供が無戸籍になるという問題が生じていました。

そういった問題を改善するために、下記表のとおり、嫡出否認調停(裁判)を申立てができる対象者や申立期限が拡大されました。

申立てができる対象者 申立期限
子の出生を知ったときから3年
子の出生のときから3年
・子の出生のときから3年
・一定の要件を満たす場合、例外的に21歳に達するまで

なお、調停前置主義が設けられており、原則として調停を経てからでないと嫡出否認の裁判は提起できません。

再婚禁止期間について不安なことがありましたら、弁護士にご相談ください

今後、民法が改正されて施行される予定なので、再婚禁止期間は廃止されました。
再婚禁止期間について、不安なことがありましたら、まずは弁護士にご相談ください。
ご自身の状況を伺い、前夫や新しいパートナーとトラブルにならないように適切なアドバイスをします。また状況に応じて必要な手続きもサポートさせていただきます。

デリケートな問題であることから、誰にも相談できずに1人で悩みを抱えていらっしゃる方がいるかと思います。勇気をもって、法律の専門家である弁護士に相談すれば、早期に解決できる可能性が高まります。まずは弁護士法人ALGにお気軽にお問合せください。

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監修:谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員 弁護士
保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

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