離婚届の書き方|書く際の注意点と失敗しない書き方

話し合いや裁判所の手続の中で離婚することが決定しても、そこで離婚の手続はすべて完了、とはなりません。離婚の結論に至るまでにご苦労をされた方も多くいらっしゃるかと思いますが、もうひと踏ん張りです。「離婚届の提出」が残っています。

協議離婚の場合、離婚届を提出し、受理されてようやく離婚成立となります。また、調停や裁判で離婚が認められた場合でも、調停が成立したとき、判決が確定したときに離婚成立と扱われますが、離婚届の提出は必要です。

離婚届の提出にあたり、離婚届の書き方に悩まれることもあるでしょう。本記事では、「離婚届の書き方」をテーマに、離婚届の提出方法等も含めて解説していきます。離婚届について理解を深める一助となれば幸いです。

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離婚することになったら離婚届を提出する

離婚の形式上の手続は、離婚届を提出して受理されることで完了します。

協議離婚の場合は、当事者間で合意できた後、随時、離婚届を提出することとなります。

一方、調停・審判・裁判による離婚の場合は、戸籍法上(77条)離婚が成立した日、つまり調停・審判・判決が成立・確定した日を含めて10日以内に離婚届を提出しなければなりません。正当な理由なく、この提出期限を守らなかった場合、5万円以下の過料に処せられるおそれがありますので、離婚届を提出するまで油断しないようにしましょう。

離婚届を提出する前に確認しておくこと

離婚協議書に問題がないか確認

協議離婚の場合には、夫婦の話し合いによって決めた内容を記載した、離婚協議書を作成することをおすすめします。当事者間のみの話し合いで決めていることから、離婚後に言った言わないのトラブルになるおそれがあり、このようなトラブルに備えるため、書面等に離婚条件を記載して、形に残すことが不可欠といえるでしょう。また、より高い証明力を持たせるために、離婚協議書は公正証書にしておいた方が良いですし、さらに言えば、将来の養育費未払いに備え、強制執行認諾文言付の公正証書を残しておくのがベストな対応といえます。

離婚後にトラブルが発生した際、適切な対処ができるよう、離婚届を提出する前に離婚協議書を作成し、かつ、その内容をきちんと確認しておきましょう。

離婚協議書についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

離婚後の戸籍や氏(姓)をどうするのか決めておく

離婚届には、離婚後の戸籍や氏に関する記載欄もあります。これらの扱いをどうするのかも、提出前に決めておきましょう。

結婚する際、戸籍の筆頭者となった方は、離婚しても戸籍はそのまま残ります。一方、筆頭者とならなかった方(結婚して氏(姓)が変わった方)は、離婚したら夫婦の戸籍から除籍されるため、離婚後の戸籍や氏(姓)をどうするか、決める必要があります。

まず、戸籍については、「婚姻前の元の戸籍に戻る」のが原則ですが、「自身を筆頭者とする新たな戸籍を作る」ことも可能です。後者を選択する方の例としては、すでに元の戸籍が除籍になっており、戻る戸籍がない方や、子供を同じ戸籍に入れたい方等が挙げられます。

次に、氏(姓)については、「婚姻前の旧姓に戻る」のが原則ですが、「婚姻後の姓を名乗り続ける」という選択肢もあります。婚姻後の姓を名乗り続けるためには、離婚後3ヶ月以内に、「離婚の際に称していた氏を称する届」を各市区町村役場に提出する必要がありますので、離婚届の提出時には、忘れず一緒に提出しましょう。この期限を超えると、家庭裁判所に「氏の変更許可の申立て」を行い、家庭裁判所の許可を得る必要が生じ、時間も手間も余計にかかってしまうので、期限には十分に気を付けましょう。

協議離婚の場合は証人が2人必要

協議離婚の場合、離婚届には証人2人の署名押印が必要になりますので、離婚届を提出する前に、証人になってもらう人を見つけなければなりません。証人は、成人に達している者であれば誰でもなることができます。また、離婚届の証人欄には、証人の生年月日・住所・本籍も記載してもらいます。

なお、ここでの証人は、あくまで離婚の事実を証明する第三者としての役割を担うのみであり、法的な責任を負うことはありません。

離婚後に不利にならないための離婚協議書を作成したい場合や、離婚届の証人が見つからずにお困りの場合には、弁護士にご依頼ください

離婚届を提出するにあたり、特に協議離婚の場合においては、事前に確認しておいた方が良い点が多くあることがお分かりいただけたかと思います。なかでも離婚協議書は、離婚後にトラブルが発生した際、とても重要な証拠となりますが、離婚協議書の内容次第では、適切な対処方法がとれないおそれもあるので、離婚協議書にどのような内容をどのように書くかを慎重に検討する必要があります。

離婚協議書の作成に不安がある場合には、弁護士の力を借りることをおすすめします。弁護士であれば、法的観点を踏まえて、個別の事情に応じた適切な内容にするために、離婚協議書の中身を確認したり、作成をサポートしたりできるほか、作成自体を代行することも可能です。

また、協議離婚の場合には、離婚届の証人が2人必要となります。しかしながら、親族や友人に証人となってもらうよう頼むことが難しいケースもあるでしょう。離婚届の証人には、弁護士がなることもできますので、証人が見つからずにお困りの場合には、弁護士に依頼することもご検討ください。

離婚届を書く際の注意点

離婚届の記入者の確認

離婚届を書く際には、どのようなことに注意すべきなのでしょうか?

まず、離婚届の記入者についてですが、協議離婚の場合、「届出人の署名押印」の欄は夫婦本人が、「証人の署名押印」の欄は証人本人が、それぞれ記入しなければならないのが原則です。これらを除く他の記載欄は、夫婦のどちらか一方がまとめて記入することも可能です。

その一方で、調停・審判・裁判による離婚の場合は、夫婦双方の署名押印は必要なく、証人自体も不要です。したがって、当事者の一方(多くは婚姻によって氏(姓)が変わった方)のみが離婚届を記入し、「届出人の署名押印」の欄の他方は空白のまま提出しても問題ありません(※離婚の成立の日を含む10日以内に離婚届が提出されない場合には、他方当事者が離婚届を提出することも可能です。)。

書き間違いの訂正の仕方

離婚届を書き間違ってしまうときもあるかと思いますが、この場合、修正液や修正テープで訂正してはなりません。新しい離婚届の用紙に書き直すか、訂正したい箇所を二重線で消し、その横に(署名押印の欄で使用した印鑑で)訂正印を押して、訂正内容を書きましょう。書き間違いに備えて、離婚届は何枚か準備しておくのが良いでしょう。

印鑑にシャチハタは使わない

離婚届の印鑑に、いわゆるシャチハタと呼ばれる朱肉のいらない印鑑は使用できませんので、朱肉を使うタイプの印鑑を使いましょう。また、朱肉を使うタイプの印鑑であれば良いので、市区町村役場で印鑑登録をした実印を使用する必要はなく、認印で十分です。

また、同じ姓だからといって、夫婦で同じ印鑑を使うことはできません。同じ印鑑を使った場合、離婚届を受理してもらえないおそれもあります。その際には再び離婚届を作成する必要があり、時間や手間がかかるほか、証人にも迷惑をかけることになります。そのため、夫婦で別々の印鑑を使うよう、ご注意ください。

離婚届の書き方

離婚届の書き方

(大きな画像で見る)

それでは、離婚届の書き方について、具体的に確認していきましょう。上図は、離婚届の用紙の一例です。市区町村によって様式が若干異なることがありますが、いずれも戸籍法に準拠したものであるため、どの市区町村で入手した離婚届の用紙であっても、全国で使用することができます。

離婚届の各記入欄における書き方のポイントは、下表でまとめていますのでご覧ください。

①届出日 ・各市区町村役場に離婚届を提出した日を記入する。
②氏名・生年月日 ・戸籍謄本に記載されているとおり、氏名と生年月日を記入する。
・氏(姓)は、離婚時(婚姻後)のもの。
③住所 ・住民登録をしている(住民票上の)住所を記入する。
※別居し、住民票を移動している場合には、移動後の住所を記入する。
※離婚届と同時に転居届を提出する場合には、転居先の住所を記入する。
・ハイフンで省略せず、「丁目」「番地・番」「号」で記載する。
・「番地・番」がすでに様式として印字されている場合は、不要な方を横線で消す。
④本籍 ・戸籍謄本に記載されているとおり、本籍地と筆頭者の氏名を記入する。
・ハイフンで省略せず、「丁目」「番地・番」で記載する。
・「番地・番」がすでに様式として印字されている場合は、不要な方を横線で消す。
⑤父母の氏名・父母との続き柄 ・戸籍謄本に記載されているとおり、父母の氏名と父母との続き柄を記入する。
・父母との続き柄については、「次男」や「次女」ではなく、漢数字を用いて「二男」や「二女」と記載する。
⑥離婚の種別 ・利用した離婚方法に該当する箇所をチェックする。
・協議離婚以外の離婚方法の場合には、それぞれが成立(認諾・確定)した日も記入する。
⑦婚姻前の氏にもどる者の本籍 ・婚姻時に戸籍の筆頭者とならなかった方(結婚して氏(姓)が変わった方)にチェックし、離婚後、もとの戸籍にもどるのか、それとも新しい戸籍をつくる のかを選択し、チェックする。
※離婚後も、離婚時(婚姻後)の姓を名乗り続ける場合には、この欄は空白にし、別途「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出する。
⑧未成年の子の氏名 ・未成年の子供がいる場合には、親権を得た者の方に子供の氏名を記入する。
※子供の戸籍は、この欄の記入によって自動的に親権を得た者の戸籍に移るわけではない。(=婚姻時の筆頭者の戸籍に入ったまま)
※未成年の子供がいる場合、この欄が未記入だと離婚届を受理してもらえない。
⑨同居の期間 ・“同居を始めたとき”の日付は、同居を開始した日か、婚姻した日のいずれか早い方の日付を記入する。
※厳密な日付である必要はないため、記憶している大体の日付を記入するか、住民票を移動して同一世帯となった日や挙式した日を記入しても問題ない。
・ “別居したとき”の日付は、別居を開始した日を記入する。
※別居していない場合には、空白にするか、今後別居する予定の日付を記入する。
⑩別居する前の住所 ・すでに別居している場合、別居前の夫婦で同居していたときの住所を記入する。
※別居していない場合には、記入不要。
⑪別居する前の世帯のおもな仕事と夫妻の職業 ・世帯の主な収入源となっていた仕事に該当する箇所をチェックする。
※共働きの場合には、収入の多い方の仕事と考える。
・夫妻の職業は、国勢調査(5年ごとに実施される)がある年のみ記入が求められており、通常は記入不要。
⑫その他 ・養父母がいる場合には、養父母の氏名と養父母との続き柄を記入する。(「父母の氏名・父母との続き柄」欄と同様の記入方法)
・その他、「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出する場合等、特筆すべき事情がある場合には、適宜記入する。
※必要に応じて、各市区町村役場に記入方法を確認する。
⑬届出人の署名押印 ・原則として、離婚をする夫婦本人が、それぞれ署名押印する。
※調停・審判・裁判による離婚の場合、当事者の一方(多くは婚姻によって氏(姓)が変わった方)のみが離婚届を記入し、「届出人の署名押印」の欄の他方は空白のままでも構いません。
⑭証人の署名押印・生年月日・住所・本籍 ・協議離婚の場合にのみ記入が必要。
・2人の証人本人に、それぞれ署名押印してもらう。
・証人の生年月日・住所・本籍は、必ず証人本人が書かなければならないわけではないが、戸籍謄本や住民票の記載に従って記入する。

離婚届の提出について

離婚届の提出先と提出方法

離婚届の提出先は、届出人の本籍地または所在地の市区町村役場となります。“所在地”も可能であるため、実際に住んでいる地域のほか、旅先等、全国どこの市区町村役場であっても離婚届を提出できます。ただし、本籍地以外の市区町村役場に提出する場合には、戸籍謄本も併せて提出する必要があります。

実際に離婚届を窓口に提出する人は、離婚する夫婦以外の人でも構いませんが、離婚届の記載等に不備があって訂正が必要な場合に、代理人では対応できず、手間がかかってしまうおそれがあります。

また、離婚届の提出は、夜間や休日でも可能です。役所の守衛室や宿直室に行き、提出します。ただし、受理されるかどうかの判断は、翌開庁日に役所の担当者によって行われます。訂正が必要な場合には再び役所に赴かなければなりませんので、離婚届の記載等にはご注意ください。

離婚届と一緒に提出する必要書類

離婚届と併せて提出する必要のある書類は、利用した離婚方法によって異なります。

協議離婚の場合、基本的には離婚届のみの提出で足ります。ただし、提出時に本人確認書類の提示を求められることがありますので、運転免許証等を持参しておくのが良いでしょう。

一方、調停・審判・裁判による離婚の場合には、調停調書の謄本(1通)審判書の謄本と確定証明書(各1通)判決の謄本と確定証明書(各1通)が、それぞれ必要になります。

なお、ご事情によっては、戸籍謄本や「離婚の際に称していた氏を称する届」の提出が必要になる等、必要書類が異なることがありますので、詳しくは提出先の各市区町村役場にお問い合わせください。

離婚届を受理してもらえないケースとは

提出した離婚届が受理されることで、離婚の手続は完了となりますが、以下のように、離婚届を受理してもらえないケースもあります。

  • 未成年の子供がいるものの、子供の親権を夫婦のどちらが得るのか決まっておらず、離婚届の「未成年の子の氏名」の欄が未記入となっている場合。
  • 相手が、役所に対して「離婚届不受理申出」を行っていた場合。

親権と離婚届不受理申出について、詳しい内容は下記の各記事をご覧ください。

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離婚届の書き方に関するQ&A

Q:

離婚届はどこで入手できますか?

A:

離婚届は、市区町村役場で取得することができますので、開庁時間に役所に直接行って離婚届を入手しましょう。また、開庁時間外でも、守衛室や宿直室等に行けば、手に入れることができます。

また、インターネットでダウンロード・印刷して入手することも可能です。印刷する際は、A3サイズの用紙を使用する必要があるので、コンビニの印刷機等を利用されても良いと思います。

Q:

何を使って離婚届を書けば良いですか?

A:

温度変化で無色になるインクを利用したペン(以下、「消えるペン」といいます。)は、離婚届を記入する際に使用してはいけません。離婚届の保存という点から、役所では、消えるペンを離婚届の記入に使わないよう呼びかけをしているため、消えるペンで記入した離婚届は受理してもらえないおそれがあります。また、同様の理由で、消しゴムで消せる鉛筆やシャープペンシルも使用してはいけません。したがって、離婚届を書くときは、黒のボールペンやサインペンを使用しましょう。

Q:

相手が外国人の場合、本籍の記入欄にはどのように書けば良いですか?

A:

外国籍の人と結婚した場合、日本人を筆頭者とした戸籍が作られ、そこに外国籍の配偶者の氏名や国籍が記載されます。そのため、離婚届を書く際には、戸籍上の本籍地をそのまま記載し、国籍については「本籍―○○国」との記載で足ります。

Q:

海外在住の場合、離婚届の提出先はどこになりますか?

A:

夫婦双方が日本人の場合、離婚届を現地の日本在外公館(大使館・総領事館)または日本の市区町村の役所に提出する必要があります。

また、日本人が外国籍の人と婚姻し、日本だけではなく外国でも婚姻届を提出していた場合、日本の法律で離婚が成立したとしても、その外国の法律上は婚姻が継続しているので、その国の法律に従って離婚をする必要があります。そして、離婚届を提出する必要がある場合には、その国の在外公館が提出先となります。

弁護士にご依頼いただくと離婚届を提出する前段階からお手伝いできます。お早めにご相談ください

これまでのとおり、協議離婚の場合では、離婚を成立させるために離婚届の提出が必要ですし、調停・審判・裁判による離婚の場合でも、判決の確定等によって離婚は成立しますが、離婚届の提出は必要です。離婚届を提出し、受理されたら、晴れて離婚の手続は完了となり、新たな人生への第一歩がスタートします。本記事では、「離婚届の書き方」を中心に解説してきましたが、離婚届を作成する事前準備から提出して受理されるに至るまでの一連のイメージを掴んでいただけましたでしょうか?離婚届の記入にはいくつかのルールがあるため、離婚届を作成して提出したものの、訂正が必要となる場合もあります。できればこのような手間を要することは避けたいと思われるでしょう。記載に不備のない離婚届を作成するためには、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

法律の専門家である弁護士が、専門知識に基づき、離婚届の書き方はもちろん、離婚協議書についても的確かつ詳細にアドバイスし、作成をサポートいたします。離婚届に関してご不明な点がある場合には、ぜひ弁護士にお気軽にご相談ください。

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