産後うつで離婚する前に

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

出産後、疲労を回復する間もなく育児に追われ、「産後うつ」になってしまう方は珍しくありません。また、産後うつが原因で離婚してしまうケースも少なくありません。

しかし、シングルマザーとしての生活は大変です。心身のバランスが崩れたなか、安易に離婚に踏み切ってしまうと後々後悔しかねません。本記事では、後悔しない決断をするためにも、産後うつを原因とする離婚について、知っておくべき知識についてお伝えします。

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産後うつとは?

産後うつとは、一般的に出産後2~3週間を過ぎたあたりで発症する、うつ病の一種です。ひどく憂鬱な気分になり、物事に対する意欲や興味が著しく低下してしまいます。また、夫に対する愛情が希薄になる、あるいはなくなることに加え、子供への関心を失ってしまうこともあります。

およそ10人に1人が産後うつを発症するといわれていますが、産後うつについての理解が不十分なことも多く、適切な治療を受けていない場合が多いようです。しかし、産後うつを完治させるためには、カウンセリングや抗うつ薬の投与等といった専門的な治療が必要です。

産後うつは離婚へのきっかけとなり得る

妊娠中から出産後にかけて、女性は心身のバランスを崩しやすくなります。また、生活も一変し、育児や家事等の負担が増え、ストレスも大きくなり、産後うつといった病気を発症する方もいます。このような状況で、夫が産後うつ等による妻の不調やストレスに理解を示してくれず、育児等に協力的でない場合、夫婦仲が冷え切り、離婚に至ってしまうことがあります。

では、離婚のきっかけとなり得る産後うつには、どのような要因があるのでしょうか。以下で説明します。

出産後のホルモンバランスの乱れ

妊娠中の女性は、黄体ホルモン(プロゲステロン)等の女性ホルモンが大量に分泌されますが、出産後は一気に減少します。このようにホルモンバランスが崩れることで、自律神経が乱れ、精神安定作用のある脳内物質であるセロトニンの分泌が悪くなり、精神が不安定になってしまいます。似た症状として、PMS(月経前症候群)が挙げられます。

ホルモンバランスの影響で、常に苛立ったり意味もなく涙を流したりする妻の様子を見て、理解ができないあるいは自分には支えきれない感じる夫と、支えを求める妻との間の溝が深まっていき、離婚に繋がってしまうことがあります。

育児ストレス

育児は24時間休みがありません。育児がうまくいかなかったり、夜泣きや授乳のために夜も眠れなかったりすることで、自律神経が乱れ精神的に不安定になります。そのうえ、夫が育児や家事に非協力的であれば、かなりのストレスが溜まるでしょう。妻の事情を理解してくれず、育児にも非協力的な夫に愛想を尽かせてしまっても不思議ではありません。

このような育児ストレスからも、夫婦間にすれ違いが生じ、離婚に繋がってしまうことがあります。

経験豊かな弁護士が夫婦問題をアドバイスさせていただきます

出産後、夫婦関係がうまくいかず、離婚を考えたときには、「自分(妻)は、産後うつなのではないか」と、一度立ち止まって考えてみることが大切です。産後うつの場合、一人で頑張りすぎず、周りに助けを求めることも必要です。その一人として、弁護士がいます。

「もう離婚するしかない」と思い詰めている方は、離婚問題について経験豊富な弁護士にご相談ください。相談した結果、離婚以外の道も見えてくるかもしれませんし、離婚への決意を強めたとしても、離婚後のシングルマザーとしての生活をより良くするための助言をもらうことができます。お困りの方は、まずはお気軽にご相談ください。

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産後うつで離婚した場合の慰謝料

産後うつを原因とする離婚でも、育児や家事等の分担といった夫婦の協力義務を果たさない配偶者が、夫婦関係を破綻させた原因を作ったとみなされる場合には、慰謝料請求が認められる可能性があります。

もっとも、夫婦関係を回復困難なほどに破綻させた原因が夫婦双方にある場合や、双方共に原因はないものの話し合いによって離婚を決めた場合には、慰謝料を請求することは難しいと思われます。

離婚する場合、決めておくべきこと

離婚する場合、離婚後の生活のために、決めておくべきことがいくつかあります。特に、産後うつを発症している方の場合、離婚後の経済的な心配もありますので、以下の項目についてしっかりと決めてから離婚に踏み切りましょう。

親権・面会交流

親権・面会交流について、あらかじめ決めておく必要があります。

親権とは、親が未成年の子供に対して有する、監護・教育を行う権利義務をいいます。婚姻中は子供の父母が共同して親権を行使しますが、離婚後はいずれか一方だけが親権者となるため、親権者を定めなければ離婚は成立しません。

面会交流とは、子供と離れて暮らしている親と子供が交流をすることをいいます。面会交流する権利を面会交流権といい、これは親だけではなく子供の権利でもあります。面会の回数や場所等を、あらかじめ決めておく必要があります。

養育費・年金・財産分与

養育費・年金分割・財産分与について、あらかじめ決めておく必要があります。

養育費とは、子供を監護・教育するために必要な費用です。親権者は、親権者ではない方の親に対して、経済的・社会的に自立していない子(未成熟子)が自立するまでの養育費を請求することができます。

さらに詳しく
養育費計算ツール

年金分割とは、一方配偶者の年金保険料の納付実績の一部を分割し、もう一方の配偶者に付与することができる制度です。次に説明する財産分与とは異なる制度です。

財産分与とは、夫婦が協力して築いた共有財産を、夫婦それぞれの貢献度に応じて分配することをいいます。一般に夫婦の貢献度は50%ずつであるとされるため、原則的に共有財産は折半されます。

婚姻費用

夫婦には、同等の生活水準で暮らせるように互いを助け合う生活保持義務があり、これに基づき、収入に応じた相当額を婚姻費用としてもらうことができます。この婚姻費用についても、あらかじめ決めておく必要があります。

たとえ離婚を前提とした別居中であっても、婚姻を継続している以上は、婚姻費用の分担を求めることができます。

産後うつを乗り越える方法

産後うつでは、精神的に不安定になり感情がうまくコントロールできず、衝動的になります。このような状態のために、衝動的に離婚してしまうケースがあります。

しかし、養育費や年金分割、財産分与についての話し合いを十分に行わずに離婚してしまうと、生活に困窮する可能性があります。また、夫への愛情を感じられなくなってしまうのも一過性のことかもしれません。離婚をする、しないについては、冷静な状態のときに判断するようにしましょう。

そこで、産後うつを乗り越えるための方法について、紹介したいと思います。

夫婦のスキンシップ

育児は24時間休みなく続くものですから、育児をしている女性はろくに睡眠もとれず、疲れきっている方が多いです。また、ホルモンバランスも崩れて体調だけでなく精神的にも不調になり、夫婦生活の余裕がありません。夫はこうした事情を理解し、代わりにスキンシップ等をとることで、夫婦間の絆を保つ努力をすることが大切です。

育児・家事は手伝ってもらう

育児や家事を一人で頑張りすぎてしまう真面目な人が、産後うつになりやすいといわれています。家事・育児は一人でやるものではなく、夫と協力して行うものです。夫と協力してもなお負担がある、あるいは夫が忙しくて家事や育児の負担が妻一人にかかってしまう場合には、親に頼ったり、民間のサービスを利用したりして負担を減らすと良いでしょう。

自分だけの時間を確保しましょう

子供はかわいいものですが、毎日1日中一緒にいると、自分だけの時間を確保できず、ストレスが溜まってしまうと思います。夫や親に子供を任せられるのであれば、子供を預けて自分だけの時間を持ち、気分転換することが大切です。夫や親が頼れない場合には、保育サービス等を利用すると良いでしょう

夫婦での会話、ママ友との会話

出産前は友人や会社の人との交流があった人が、出産後はどこにも出かけられず長時間子供と2人きりでいる生活を送ることで、ストレスを溜め込んでしまい離婚に繋がってしまうケースは多いです。

そこで、夫婦での会話を心がけたり、ママ友等悩みを共有できる友人と会話する時間を作ったりすると良いでしょう。人と会話することで、精神的苦痛を緩和し、心を落ち着かせる効果が期待できます。

産後うつになり、離婚を考えている場合は、一人で悩まず、弁護士へご相談ください

産後うつを発症しているときは、冷静な判断ができなくなっている可能性があるため、離婚とう重大な決断をすることは避けるべきでしょう。産後うつを発症してしまった場合は、産後うつという病気についてしっかりと理解し、適切な治療を受けることが大切です。産後うつが完治した後、それでも離婚をしたい場合にはじめて離婚についてお考えになると良いでしょう。

そうはいっても、どうしても離婚したい気持ちが抑えきれない場合もあると思います。そのような場合には、離婚問題を扱った経験が豊富な弁護士に、離婚を考えている旨を相談し、どのような方法をとるのが一番か一緒に考えてみることをお勧めします。そのうえで離婚する意思が固まったら、弁護士がお力添えをさせていただきます。

産後うつを原因とする離婚をお考えの方は、一人で悩まず、弁護士にご相談ください。

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産後うつをきっかけとする離婚に関するQ&A

Q:

産後うつの母親でも親権はとれますか?

A:

裁判所は、子供の福祉の観点からどちらが親権者としてふさわしいかを判断します。具体的には、どちらのもとで生活をした方が子供が安心して育っていけるかを考えます。このとき、産後うつであるというだけで、子供が安心して育っていけないと判断され、親権者として不適格とされることはないでしょう。

体調を整え、調子の良くないときには誰かが養育監護の手助けをしてくれる体制を準備していれば、産後うつであっても、親権をとることができる可能性はあると考えられます。

Q:

産後うつで夫から離婚したいと言われました。応じるべきなのでしょうか?

A:

離婚は、基本的に夫婦双方の合意がなければ成立しません。また、合意がなくとも離婚が成立する裁判離婚でも、配偶者が産後うつであることは法定離婚事由とは認められないため、産後うつであるというだけでは離婚は成立しません。

したがって、ご質問者様が離婚に応じなければ、基本的には離婚が成立することはありません。しかし、結婚生活を続けることで、体調が悪化する等離婚した方が良い理由がある場合には、離婚に応じることも選択肢のひとつでしょう。

Q:

夫のモラハラが原因で産後うつになり、子供を残して、実家に戻りました。それでも親権をとれるでしょうか?

A:

子供が乳幼児の場合、母親が親権をとることが多いです。しかし、子供を残して別居したことは、離婚裁判における親権者決定の際に、大きなマイナス要素になります。産後うつが原因で、子供を残して別居することになったのであれば、うつである旨の診断書を取得して別居せざるを得なくなった理由を説明できるようにしましょう。そして、その後の診療経過から病状が安定している旨の診断書等も書いてもらい、自身の監護に不安がないことを説明しましょう。

産後うつが原因で別居したとしても、その病状が改善し、自己の監護環境に問題がないことを主張すれば、親権をとれる可能性はあります。

面会交流の回数を重ね、子供との愛着が形成されれば、親権者として決定される可能性がないとは言い切れないと思われます。

弁護士と一緒に解決策を考えましょう。ぜひご相談ください

産後うつは、出産した女性であれば誰もがなり得る病気です。妊娠・出産・育児と、次々に状況が変わるストレスのなか、産後うつによってさらに精神的に不安定になるのですから、その精神的な負担は相当なものでしょう。このような状態では、衝動的に離婚してしまうこともやむを得ないのかもしれません。

しかし、衝動的な離婚は、後々の後悔の種になりかねません。シングルマザーとして子供を育てていく覚悟が本当にあるか、冷静な判断ができるようになるまで、少し時間を置いて考えた方が良いでしょう。もっとも、もう離婚するしかないと思い詰めているような場合には、無理に結婚生活を続けるよりも、離婚に踏み切った方が良いこともあります。このとき、離婚後の生活に先立つお金を確保するためにも、弁護士に依頼して十分な金額の養育費を受け取りしっかりと財産分与を受けることが大切です。

今後の自分たちや子供にとって、どのような選択が一番なのかを考えるためにも、一度弁護士にご相談ください。解決策を探す手助けをさせていただきます。

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