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熟年離婚後の専業主婦の生活費はいくら?夫に請求できるお金や事前準備

弁護士法人ALG 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治

監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates

熟年離婚を考えていても、専業主婦で収入や貯金がない場合、生活費への不安は避けられません。
離婚後に後悔しないためには、必要な生活費を把握し、財産分与や年金分割など請求できるお金を理解して準備することが重要です。

本記事では、熟年離婚後にどのくらいの生活費が必要か、専業主婦が確保できるお金の種類、そして事前に行うべき準備をわかりやすく解説します。

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熟年離婚後の専業主婦の生活費はいくら必要?

熟年離婚後に必要な生活費は、年齢や住まい、ライフスタイルによって変わります。総務省「家計調査」によると、50~60代女性の生活費は平均で月15万~18万円程度です。食費や光熱費に加え、医療費や交際費も考慮する必要があります。

離婚年齢を50歳、平均寿命を80歳と仮定すると、約30年間で5400万円(15万円×12ヶ月×30年)以上が必要になる計算です。さらに、持ち家があるか賃貸かで負担は大きく変わります。賃貸の場合は、月数万円の追加負担が発生するでしょう。

支出の現実を踏まえ、離婚後の生活設計をシミュレーションしておくことが重要です。老後資金や医療費を含めた長期的な視点で準備を進めると、離婚後に「生活が苦しい」と後悔するリスクを減らせます。

熟年離婚で専業主婦が生活費を確保するために請求できるお金

専業主婦が熟年離婚を考えるとき、最も不安に思うことは「離婚後の生活費をどう確保するか」でしょう。収入がないまま離婚すると、生活が成り立たなくなるリスクがあります。

ただし、次のようなお金は、専業主婦でも請求可能です。制度の仕組みや注意点を理解し、離婚前に準備しておけば、経済的不安を大きく減らせる可能性があります。

  • ①財産分与
  • ②慰謝料
  • ③年金分割
  • ④養育費
  • ⑤婚姻費用

①財産分与

専業主婦でも、離婚時には財産分与の請求が可能です。

【財産分与とは】
婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産を、離婚時に分ける制度です。
専業主婦で収入がなかった場合でも、家事や育児を通じて家庭を支えた貢献は評価されるため、財産分与を請求できます。対象となるのは、預貯金や不動産、車、株式など夫婦共有の財産です。

【財産分与のポイント・注意点】

  • 夫の退職金も分与の対象
  • 車や家など名義が夫であっても、婚姻期間中に形成された財産は分与の対象となる
  • 離婚の話し合いの前に財産の一覧を作成しておく
  • 財産の証拠を確保しておく

特に退職金は、支給時期や金額によって取り扱いが異なるため、専門家に相談すると安心です。財産分与の割合は一般的に「2分の1」が目安ですが、ケースによって変わるため、早めに確認しておきましょう。

②慰謝料

熟年離婚で慰謝料を請求できるのは、夫の不貞行為やDV、モラハラなど、離婚原因が相手にある場合です。

【離婚慰謝料とは】
慰謝料は精神的苦痛に対する補償です。離婚すれば必ずもらえるものではなく、不貞行為やDVなど不法行為によって離婚に至り、精神的苦痛を受けた場合に限ります。 そのため、性格の不一致などの離婚理由では、慰謝料は基本的に認められません。

【慰謝料請求のポイント・注意点】

  • 財産分与とは別に請求できる
  • 結婚期間が長いほど、慰謝料額は一般的に高くなる傾向がある
  • 慰謝料請求には不貞行為やDV・モラハラなどの証拠が不可欠
    ➡証拠がないと請求が認められない可能性があるため、離婚を決意したら早めに証拠を確保する

専業主婦の場合、慰謝料は離婚後の生活費を補う重要な資金源になるため、請求の可否や適正額について、弁護士への相談をおすすめします。

③年金分割

夫が厚生年金や共済年金を支払い、妻が専業主婦で扶養されていた場合、離婚時に年金分割をすることで、妻も将来年金を受け取れるようになります。

【年金分割とは】
婚姻期間中に夫婦が納めた厚生年金の保険料納付額を分割して、それぞれ自分が支払った保険料にできる制度です。
年金分割には「合意分割」と「3号分割」があり、専業主婦として夫の扶養に入っていた場合は、3号分割が利用できます。

【年金分割のポイント・注意点】

  • 手続きには年金事務所での申請が必要
  • 離婚後2年以内に行わなければ権利を失う
  • 離婚すると夫の死亡時にもらえる遺族年金は受け取れない
  • 65歳前に離婚すると加給年金や振替加算がもらえない

年金分割は老後資金の確保に直結するため、離婚前に制度内容を確認し、必要書類を準備しておくことが大切です。

④養育費

熟年離婚でも、未成年の子供がいる場合は養育費を請求できます。

【養育費とは】
子供を監護・養育するために必要な費用であり、親権を持つ側が受け取ります。専業主婦が親権を得た場合、養育費の支払いがあると生活費の負担を大きく減らせます。

【養育費のポイント・注意点】

  • 養育費の金額は、父母間の協議で自由に取り決められる
  • 家庭裁判所の養育費算定表を用いると簡単に相場が算出できる

⑤婚姻費用

熟年離婚を進める過程で別居する場合、収入のある夫に「婚姻費用」を請求できます。

【婚姻費用とは】
夫婦が生活を維持するために必要な費用で、婚姻関係が続いている限り、収入の多い側が少ない側に生活費を分担する義務があります。
専業主婦の場合、収入がないため、婚姻費用の請求は離婚成立までの生活を支える重要な手段です。

【婚姻費用のポイント・注意点】

  • 受け取れる期間は離婚成立まで
  • 金額は夫婦の話し合いによって自由に取り決められる
  • 過去分を遡っての請求は基本的に認められない
  • 家庭裁判所の婚姻費用算定表を用いると簡単に相場が算出できる

離婚までに時間がかかるケースでは、婚姻費用を確保することで生活の不安を大きく減らせます。

婚姻費用については、以下のページで詳しく解説しています。

熟年離婚で専業主婦が生活費の不安を解消するための事前準備

熟年離婚後の生活を安定させるためには、離婚前から準備を進めることが欠かせません。収入がない専業主婦の場合、以下の準備を早めに整えることで、離婚後の不安を大きく減らせます。

ここでは、具体的な準備のポイントをわかりやすく解説します。

  • 住まいを確保する
  • 離婚前に仕事を見つける
  • 熟年離婚後の生活設計をシミュレーションする

住まいを確保する

熟年離婚後の生活で最も重要なのが住まいの確保です。賃貸に住む場合、家賃は毎月の大きな負担になるため、生活費に見合った物件を選ぶのが重要です。都市部では家賃が高額になりやすいため、実家への一時的な同居や、家賃の安い地域への引っ越しも検討しましょう。

持ち家やマンションに住み続けたい場合は、財産分与や住宅ローンの扱いについて離婚前にしっかり話し合うのが大切です。住まいの問題を後回しにすると、離婚後に生活が不安定になるリスクが高まります。早めに選択肢を整理し、現実的な住居計画を立てると安心につながります。

離婚前に仕事を見つける

熟年離婚後の生活を安定させるためには、収入源の確保が不可欠です。専業主婦の場合、長年のブランクがあるため、離婚前から仕事探しを始めるのが重要です。パートや派遣、在宅ワークなど、体力やライフスタイルに合わせた働き方を検討しましょう。

再就職には時間がかかることも多いので、求人情報の収集や面接準備を早めに始めることをおすすめします。資格取得やスキルアップを並行して行えば、選択肢が広がります。

離婚後に「仕事が見つからない」と困らないために、準備を計画的に進めた方が良いでしょう。ハローワークや自治体の就労支援サービスを活用し、情報収集を怠らないのが成功への近道です。

熟年離婚後の生活設計をシミュレーションする

熟年離婚後の生活を安定させるためには、長期的な生活設計をシミュレーションすることが欠かせません。離婚後に必要な生活費は、食費や光熱費だけでなく、医療費や介護費用、老後資金まで含めて考える必要があります。

賃貸か持ち家か、年金分割や財産分与の有無によっても資金計画は大きく変わります。離婚後に収入が減ることを前提に、働き方や貯蓄、年金受給額を試算し、生活が成り立つか確認しましょう。

もし不足が見込まれる場合は、生活保護や公的支援制度の利用も視野に入れるのが重要です。早めにシミュレーションを行うと、離婚後の不安を大きく減らせます。

専業主婦で熟年離婚後の生活費についてお悩みの場合は弁護士にご相談ください

熟年離婚は、精神的な負担だけでなく、生活費や老後資金の問題が大きな課題となります。専業主婦の場合、収入や貯金が少ないと「離婚後に生活できるのか」という不安を抱える方が多いでしょう。しかし、財産分与や慰謝料、年金分割、婚姻費用などの制度を正しく活用すれば、離婚後も生活を安定させることが可能です。

専業主婦の熟年離婚は、私たち弁護士法人ALGにご相談ください。
弁護士であれば、請求できるお金を漏れなく交渉でき、経済的困窮のリスクを避けられます。

熟年離婚を検討している方は、後悔しないためにも早めに私たちにお話をお聞かせください。離婚問題に詳しい弁護士が、あなたの状況に合わせた最適な方法をご提案します。

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監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

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