どれくらいの別居期間だと離婚が成立しやすいか

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

一旦離れて冷静に考える時間を持ちたい、配偶者と同じ家で生活するのに耐えられなくなった等、別居する目的や理由はご家庭の状況によって異なりますが、「離婚するため」に別居に踏み切る方もいます。というのも、裁判において、別居期間が相当長期にわたることで、離婚が成立する可能性があるからです。

それでは、“相当長期”と判断されるには、具体的にどのくらいの別居期間があれば良いのでしょうか?このページでは、離婚に向けた別居期間について解説していきます。

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別居期間1年未満で離婚する例が増えている

厚生労働省の平成20年度の統計データ(※2020年9月時点で公開されている最新のデータとなっています。)によると、別居後に離婚した夫婦251,136組のうち、207,305組が別居期間1年未満で離婚に至っています。その他の別居期間ごとの離婚件数をみてみると、1~5年未満は32,236組、5~10年未満は6,832組、10年以上は4,763組となっており、別居期間1年未満の離婚件数が圧倒的に多いことがわかります。

別居して離婚した夫婦の8割以上が、別居後1年もたたずに離婚していることになりますが、そのほとんどが、「協議離婚」という夫婦間の話し合いによって離婚を成立させています。別居に踏み切ることで、「あなたとは一緒に生活したくない」と考えていることが相手に伝わり、離婚へと進みやすくなるのでしょう。

しかし、別居したら必ず離婚が成立するとは限りません。別居してもなお夫婦の意見がまとまらなければ、最終的には「離婚裁判」に発展することがあります。離婚裁判では、裁判所が離婚するかどうかを決めますが、別居しているから直ちに離婚を認める、という判断はなされません。あくまでも、相当長期の別居期間があり、夫婦関係が破綻しているとみなされた場合に、離婚が認められます。この点について、次項でさらに詳しく確認していきましょう。

別居を離婚原因にする場合、別居期間の目安は5年

夫婦のどちらにも有責行為(婚姻関係を破綻させる行為)がないとき、離婚裁判で離婚を成立させるには、法定離婚事由のうち「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当するかどうかが重要になってきます。そこで、離婚成立に繋げるために、別居して婚姻関係が破綻している状況にあることを主張しようとする方もいます。

別居を離婚原因にする場合、裁判所に離婚を認めてもらうための別居期間は、5年が目安だといえます。平成8年に法制審議会によって出された「民法の一部を改正する法律案要綱」において、5年以上の継続した別居を離婚原因とすることが検討されているためです。

なお、最近では3年以上5年未満の別居期間であっても、「相当長期の別居期間」と判断される事案も増えています。そのため、一般的に別居期間が3~5年程度にわたると、離婚が認められる可能性があると考えられます。

いずれにしても、同居期間や別居に至った経緯といった個別の事情によって、離婚が認められるために必要な別居期間は異なることがありますので、十分に留意しておきましょう。

相手が有責配偶者であれば、より短い別居期間で離婚できる可能性も

裁判所に離婚を認めてもらうには、最低でも3年の別居期間が必要になるといえます。しかし、相手が不貞行為やDVといった有責行為を行った有責配偶者である場合には、別居期間が3年にも満たない短いものであったとしても、相手の有責行為を理由に離婚できる可能性があります。加えて別居期間があることで、「婚姻関係が破綻している」と判断されやすくなり、離婚を認めてもらうための後押しとなるでしょう。

離婚までの別居期間が長期に及ぶケース

ただの夫婦喧嘩の場合(性格の不一致)

性格の不一致等がきっかけで夫婦喧嘩となり、その延長線上で別居に至っている場合、どちらか一方に責めがあるとはいえません。この状況において裁判で離婚を成立させるためには、相当長期の別居期間があることを理由に婚姻関係が破綻していると判断してもらう、という方法が考えられます。

したがって、目安としては5年程度、個別の事情によってはさらに長期の別居期間が必要になるでしょう。

そもそも相手が離婚に同意しない場合も長くかかる

相手が離婚に同意してくれれば、あとは離婚届を役所に提出して、受理されることで協議離婚が成立します。裁判所の手続を利用せずに済むので、別居してから早期に離婚することが可能です。

しかし、相手がなかなか離婚に応じてくれない場合、離婚するためには離婚調停や離婚裁判を行うことになります。離婚調停が終局するまでには6ヶ月程度、離婚裁判が終局するまでには1~2年程度かかるケースが多く、解決までに時間を要するため、その分別居期間は長期化します。

自分が有責配偶者で離婚したいと思っている場合

有責配偶者からの離婚請求は、離婚裁判となったときには原則として認められません。しかし、一定の条件を満たすことで例外的に認められる場合があります。その条件の一つとして「相当長期の別居期間」があり、この場合の別居期間の目安は10年と考えられています。

ただし、個別の事情を総合考慮して判断されるため、相当長期だと判断される別居期間は、ケースによって差が生じ得ます。とはいえ、最低でも7年は必要になるでしょう。

したがって、自分が有責配偶者で離婚請求した場合、離婚を認めてもらうには、通常の離婚請求時よりも長い別居期間が必要になることが予想されます。

有責配偶者からの離婚請求について、詳しくは下記のページをご覧ください。

別居は相手の同意を得てから

相手に何も告げずに一方的に家を出て行くと、「悪意の遺棄」という法定離婚事由に該当すると判断され、離婚時に不利になってしまうおそれがあります。そのため、別居は相手の同意を得たうえで行った方が良いといえます。相手と話して同意を得ることが難しい状況にある場合は、置き手紙やメール、LINE等で伝えるのでも構いません。

離婚に向けて別居する場合の注意点は、下記のページが参考になるかと思います。ぜひご覧ください。

別居期間に関する裁判例

別居期間が短くても離婚が認められた裁判例

東京地方裁判所 平成16年5月28日判決

事案の概要

夫(被告)の妻(原告)に対する身体的・精神的暴力、脅迫、虐待、夫の浪費等を理由に、「婚姻を継続し難い重大な事由」があると主張し、妻が離婚を求めた事案です。本事案では、別居期間が約1年半となっていました。

裁判所の判断

裁判所は、婚姻生活の間に、口論による夫婦喧嘩が多数あり、夫が妻の詰問や非難に耐えかねて身体的暴力を振るう行為に出たことが度々であった等の事実を認めました。

そして、主として夫の責めに帰すべき事由(夫の妻に対する暴力等)により婚姻関係は破綻し、「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとして、離婚を認める判決を下しました。

別居期間が約1年半と短くても、相手の暴力等を理由に離婚が認められた事案です。

長期の別居期間でも離婚が認められなかった裁判例

東京地方裁判所 平成15年6月4日判決

事案の概要

夫(原告)が妻(被告)に対し、婚姻関係はすでに完全に破綻しており、「婚姻を継続し難い重大な事由」があると主張して離婚を求めた事案です。本事案では、別居期間が約18年にも及んでいました。

裁判所の判断

裁判所は、確かに別居期間は約18年に及んでいるものの、他方で、その期間中、夫は、子供らに小遣いを渡す際等に妻の居住する家に帰っていたこと、帰宅時には性的関係を継続していたこと、結婚式や葬儀にそろって夫婦として参列していること、妻としては、別居の理由は夫が自由な生活を望んだためだと考えており、別居により婚姻関係が破綻したとの意識はなかったこと等の事情が認められるとしました。

これらの事情から、別居生活の発端は夫婦間の不和というよりも、夫が自由な生活を望んだことにあったと見られ、別居は少なくともその当初においては婚姻関係の破綻の表れと認めることはできないと判断しました。そして、婚姻関係が破綻に至ったとまではいえないとして、夫の離婚請求を認めませんでした。

別居期間が約18年と長期であっても、別居に至った経緯や別居中の状況等から、婚姻関係が破綻しているとはみなされず、離婚が認められなかった事案です。

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別居に関するQ&A

Q:

単身赴任中は別居期間になりますか?

A:

単身赴任は、基本的には仕事の都合によるものなので、離婚原因としての「別居期間」には含まれないことが多いと考えられます。

ただし、単身赴任だからとはいえ、必ずしも別居期間に含まれないということではありません。例えば、夫が勤務先から異動を命じられたものの、離婚したいと考える妻が夫の異動先の地への転居を拒否し、結果として夫が単身赴任することとなった、というようなケースであれば、別居期間として扱われる可能性はあります。

Q:

別居期間中に子供と面会することはできますか?

Q:

別居期間中の婚姻費用が未払いの場合、請求できますか?

A:

婚姻費用の請求が認められるのは、基本的には「請求した時点から」になります。そのため、別居開始時に請求していなければ、過去にさかのぼって婚姻費用を請求することはできません。

なお、婚姻費用の額や支払方法は、通常はまず夫婦間で話し合って決めます。決めた内容については書面に残しておきましょう。話し合いで決めるのが難しい場合は、早期に内容証明郵便で請求の意思表示をすることをおすすめします。そうすれば、「そのときに婚姻費用を請求したこと」を後で証明することができます。

請求しても支払いがない場合、婚姻費用分担請求調停を申し立てることになりますが、上述のような、過去にも請求したという証拠がない限り、請求が認められるのは調停の申立て時からとなります。そのため、別居開始と同時に調停を申し立てることも、考慮しておくべきでしょう。

離婚に必要な別居期間を知りたい方は弁護士にご相談ください

今回は、離婚するにはどのくらいの別居期間が必要かということを中心に説明しました。目安となる期間はあるものの、同居期間の長短や別居に至った理由といった個別の事情で変わってくるため、不安があるときは弁護士に相談すると良いでしょう。

別居は離婚への第一歩ではありますが、注意点も多いので、行動に移す際には慎重になるべきです。弁護士はご依頼者様の一番の味方として、適切な対処方法をアドバイスし、ご依頼者様の要望に沿った解決をともに目指していきます。

離婚に必要な別居期間でお悩みでしたら、まずは弁護士に頼ることを検討してみてください。

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