離婚時の年金分割は拒否できるのか

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

離婚時に利用できる制度のひとつに、「年金分割」があります。
懸命に働いてきた結果である年金を「元配偶者に分けるのは嫌だ」と、分割を拒否したい方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、一方的な拒否によって年金分割ができなくなってしまうのだとすると、老後の生活に不安を抱える方の保護に欠けてしまいます。

そこで、本記事では、年金分割を拒否することができるのかどうかを検討していきます。年金分割を拒否したい方、逆に拒否されてしまった方の参考となれば幸いです。

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年金分割は拒否できるのか

年金分割には、夫婦の合意または裁判手続きに基づいてなされる合意分割と、夫婦の合意等は必要なく一方の請求があればなされる3号分割の2種類があります。
どちらも、夫婦の一方から他方に対して請求するのではなく、厚生労働大臣に対して請求します。つまり、当事者の意思によって放棄することはできない公法上の権利といえます。したがって、基本的に当事者の意思では、年金分割を拒否できません。

年金分割制度に関する詳細は、下記の各記事で説明しています。

年金分割を拒否できるケース

年金は、夫婦の協力により納付された厚生年金保険料に応じて受け取ることができるものですが、それぞれの職歴によっては、年金額に差が生じます。こうした不公平を解消するために設けられた制度が、年金分割です。したがって、夫婦の協力によって保険料を納付したとはいえないような特別の事情がある場合には、年金分割制度の趣旨に沿わないので、年金分割を拒否したり、按分割合を2分の1よりも小さい割合にできたりする可能性があります。

また、年金分割は離婚日の翌日から2年以内に請求しなければならないので、期限が徒過している場合にも、年金分割の請求を拒否できるでしょう。

年金分割の話し合いが進まない場合は弁護士に相談してみましょう

年金分割は、基本的に拒否することはできません。もっとも、合意分割の場合には、按分割合を任意に決められるので、年金分割を拒否したい方も、拒否されてしまった方も、話し合いの流れによっては自身に都合の良い結論を導くことも可能でしょう。そのためには、年金分割制度について正しく理解する必要があります。

この点、法律の専門家である弁護士であれば、問題なく正しい知識を身に着けています。話し合いを有利に進めるためにも、法律と交渉のプロである弁護士に相談し、アドバイスを受けることをお勧めします。

年金分割をしたくない場合はどのようにしたら良いか

年金分割をしたくない場合は、財産分与で調整する方法も視野に入れましょう。財産分与では、年金分割の対象である厚生年金はもちろん、対象外の確定拠出年金や私的年金等も対象とすることができるので、年金分割を求める方も納得しやすいでしょう。

興味のある方は、下記の記事も併せてご覧ください。

年金分割後の見込み額を知る方法

50歳以上または障害年金を受給している方は、「年金分割のための情報通知書」を請求する際に希望すれば、①年金分割を行わない場合、②按分割合を2分の1とした場合、③按分割合を任意の数値(最大2分の1)にした場合の受給見込み額を知ることができます。

離婚協議で「年金分割をしない」と約束するときの注意点

年金分割は公法上の権利なので、たとえ離婚協議で「年金分割をしない」という合意をしたとしても、請求権は消滅しません。

もっとも、合意分割の場合、協議や調停によって合意するか、審判によって按分割合等を決定しなければ、行うことができません。そのため、「年金分割をしない」という合意を「協議や調停、審判を行わない」という合意に読み替えれば、合意分割をすることはできなくなります。より確実に年金分割をすることを防ぎたい場合は、「協議や調停、審判を行わない」という合意をあらかじめしておくと良いでしょう。

これに対して、3号分割は、夫婦の一方から請求されれば、自動的に年金分割が行われます。また、公法上の権利である以上、「3号分割を請求しない」という合意は無効です。そのため、「年金分割をしない」という合意をしても、3号分割をするかしないかは請求者の意思に委ねられます。

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年金分割の拒否に関するQ&A

Q:

年金分割についての取り決めをしないまま離婚することはできますか?

A:

年金分割は、離婚をするために必ず決めなければならないものではありません。離婚日の翌日から2年以内であれば、離婚時の条件と変わらず請求することが可能です。

年金分割についてスムーズに取り決められない場合には、離婚後に年金分割の割合を定める調停や審判を申し立てるという方法をとることもできます。

Q:

長期間の別居を経て離婚した場合でも年金分割を拒否できないのでしょうか?按分割合は考慮されますか?

A:

合意分割をする場合で、協議や調停で按分割合を決めるのであれば、按分割合について当事者の意思を反映することができます。一方、審判で決めるときは、原則として、保険料の納付に対する夫婦の寄与度を同等と考えるので、按分割合も2分の1とされます。ただし、2分の1未満で定めるべき「特別の事情」があると認められれば、按分割合も考慮されます。

この点、7年間の別居について、保険料納付に対する夫婦の寄与度には関連しないとして、「特別の事情」に当たらないと判断した決定があります。もっとも、別居期間があるという事情が「特別の事情」に当たるかどうかを判断するにあたっては、婚姻期間に占める別居期間の割合を考慮する必要があるため、一概に〇年間別居すれば「特別の事情」として認められると言い切ることは難しいでしょう。

ご質問の場合に、婚姻期間に占める別居期間の割合があまりに大きければ、「特別の事情」と認められ、按分割合も考慮される可能性はあると思われますが、現実としてはなかなか難しいでしょう。

年金分割を拒否・・弁護士に相談することでお互いに納得できる方法をご提案いたします

原則として、年金分割を拒否することはできません。しかし、弁護士に相談すれば、按分割合を小さくできる可能性が高まります。なぜなら、弁護士が年金分割の交渉に介入することで、早い段階で有利な合意に至ることが期待できるからです。

協議や調停では年金分割についての合意が得られない場合には、審判に移行しますが、審判で決定する按分割合は、原則として2分の1と定められてしまいます。しかし、その前の協議や調停の段階では、当事者の意思で按分割合を決定できます。弁護士に依頼すれば、落としどころをしっかりと見極めた、ご依頼者様に有利な条件案を提示し、経験に基づいた巧みな交渉力で合意へと導いてくれるでしょう。

また、年金分割を拒否されている方も、相手方の弁護士に良いように交渉を進められてしまわないように、弁護士に依頼することをお勧めします。弁護士はご依頼者様の利益を最優先に考えるので、心強い味方となるでしょう。

年金分割を拒否したい方、逆に拒否されてしまった方のどちらも、弁護士に依頼することで大きなメリットを得られます。ぜひ、ご依頼をご検討ください。

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