離婚に強い法律事務所へ弁護士相談|弁護士法人ALG

内縁関係の解消・破棄による慰謝料 | 請求できる場合・できない場合

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

「内縁関係であっても慰謝料を請求できるのか?」と疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。結論から言うと、場合によっては内縁関係であっても慰謝料を請求することができます。

結婚していないからといって慰謝料請求をあきらめ、泣き寝入りすることがないよう、ご自身の状況で慰謝料請求はできるのか、適切に判断していくことはとても重要です。

《内縁関係と慰謝料》について、本記事で詳しく確認していきましょう。

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

離婚問題ご相談予約受付来所相談30分無料

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

お電話でのご相談受付

0120-979-164

24時間予約受付・年中無休・通話無料

メールでのご相談受付

メールで相談する

1人で悩まず弁護士にご相談ください

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

0120-979-164 無料電話相談受付中

24時間予約受付・年中無休・通話無料

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

内縁関係でも慰謝料を請求することができる

内縁関係とは、婚姻届は出していないものの、お互いに結婚する意思があり、結婚している夫婦と同じような共同生活を送っている関係のことをいいます。

過去の判例では、内縁関係は「婚姻に準ずる関係」とされています。あくまでも“準ずる”なので、全く同じとまではいきませんが、慰謝料を請求する権利」や「財産分与を請求する権利」など、結婚している夫婦と同じように認められている権利・義務があります。

そのため、例えば相手が浮気をして肉体関係を持ったケースでは、結婚している夫婦の場合と同様に、慰謝料を請求することができます。

下記の記事では、内縁関係の成立条件や結婚している夫婦との違い等、《内縁関係》について詳しく解説しています。こちらもぜひ併せてご覧ください。

慰謝料請求にあたって、内縁関係の期間は関係するの?

慰謝料請求するのに、“○年以上の内縁関係がなければならない”といったような決まりはありません。

内縁関係の成立条件である、「お互いに結婚する意思があること」と「結婚している夫婦と同じような共同生活を送っていること」の2点に当てはまっていれば、慰謝料を請求する権利を持ちます。内縁関係の期間が短かろうが長かろうが関係ありませんので、ご安心ください。

ただし、内縁関係の期間の長さは、慰謝料の金額に影響してくることが考えられます。例えば、内縁関係の期間が長ければ長いほど、心に受ける傷は大きくなるとして、慰謝料は高額になる傾向にあります。

内縁関係の慰謝料相場

内縁関係の場合、慰謝料金額の相場は50万~300万円程度といわれています。
結婚している夫婦の場合、離婚の慰謝料は100万~300万円程度が相場とされていますので、内縁関係の場合の方が慰謝料金額はやや低くなる傾向にあるようです。

ただし、相場はあくまでも目安です。裁判所が慰謝料の金額を決めるときには、内縁関係の期間や慰謝料請求の理由、相手の不法行為の程度、相手の資力等、様々な要素を考慮します。そのため、それぞれの抱えている事情によっては、相場とは異なる金額が認められることもあります。例えば、内縁関係の期間が長く、頻繁に暴力を振るわれていたといった事情があるケースでは、慰謝料は高額になる可能性があるでしょう。

結婚している夫婦の場合ではありますが、下記の記事では、ケース別の慰謝料金額の相場について解説しています。個別の事情によってどのくらい金額が変わってくるのかの参考として、ぜひご覧ください。

慰謝料請求する際には内縁関係の証明が必要になることもある

慰謝料請求する際には、内縁関係を証明できるかどうかが大事なポイントになります。
というのも、慰謝料を請求したところ、「内縁関係にはなかった」と相手が主張してくることがあるからです。この場合、内縁関係を証明できなければ、請求理由によっては裁判所に慰謝料請求が認められない可能性があります。

内縁関係を証明する方法としては、2人で住むアパートを借りたときの『賃貸借契約書』や、『住民票』の記載内容など、書類を使って証明する方法があります。また、「周囲の人たちから夫婦として認識されていること」など、客観的事情も証明するのに役立つでしょう。詳しくは下記の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

離婚問題ご相談予約受付来所相談30分無料

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

お電話でのご相談受付

0120-979-164

24時間予約受付・年中無休・通話無料

メールでのご相談受付

メールで相談する

1人で悩まず弁護士にご相談ください

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

0120-979-164 無料電話相談受付中

24時間予約受付・年中無休・通話無料

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

内縁関係で慰謝料を請求できる場合

内縁関係であっても慰謝料を請求できますが、どのような場合でも請求できるわけではありません。そもそも慰謝料は、相手に不法行為があり、そのせいで精神的なダメージを負った場合に請求できるものだからです。内縁関係では、具体的にどのような場合に慰謝料を請求できるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

内縁の夫(妻)が不貞行為をした

内縁の夫婦も、結婚している夫婦と同様、貞操義務を負うものと考えられています。
“貞操義務”とは、パートナー以外の人と肉体関係を持ってはいけないという義務のことで、貞操義務に反することを“不貞行為”といいます。

そのため、内縁の夫(妻)が浮気をして、その相手と肉体関係を持ってしまったら不貞行為となります。不貞行為は不法行為に当てはまりますので、内縁の夫(妻)が不貞行為をした場合には、慰謝料を請求できます。

なお、裁判で慰謝料請求が認められるためには、不貞行為の証拠が必要になります。

正当な理由なく内縁関係を解消・破棄された

結婚する意思があり、結婚している夫婦とほとんど変わらない生活を送っている内縁関係は、「婚姻に準ずる関係」として認められています。そのため、正当な理由もなく一方的に内縁関係を解消・破棄することは不法行為となり、内縁関係を解消・破棄された側は相手に慰謝料を請求できます。

例えば、「一緒に暮らしていく気がなくなったから」「ほかに好きな人ができたから」「親に反対されているから」といったことだけでは、正当な理由があるとはいえないでしょう。このような理由で内縁関係を解消・破棄された場合には、慰謝料を請求できると考えられます。

相手が既婚者であることを隠していた

相手が既婚者であることを隠して内縁関係となっていた、いわゆる重婚的内縁となっていた場合には、貞操権(肉体関係を持つ相手を自由に決める権利)の侵害を理由に慰謝料を請求できる可能性があります。

“重婚的内縁”とは、一方または双方が結婚していてほかに配偶者がいるなか、内縁関係にある状態をいいます。重婚的内縁の場合、通常の内縁関係のように法律上の保護を受けることはできるのでしょうか?詳しくは下記の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

相手からDV・モラハラを受けた

結婚している夫婦の場合と同様、内縁関係の場合も、相手からDVやモラハラを受けたら慰謝料を請求できます。
ただし、夫婦喧嘩での一時的な暴言といった事実だけでは、モラハラだと主張しても、不法行為には該当しないとして慰謝料請求が認められないおそれがあります。

なお、裁判では、相手のDVやモラハラの行為を立証する必要がありますので、証拠として役立ちそうなものをきちんと集めておきましょう。

DVの証拠について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。「診断書」を中心に、DVの証拠になり得るものについて解説しています。

また、モラハラの証拠に関しては、下記の記事を参考にしてみてください。モラハラの証拠について、証拠を集めるうえでの注意点や、どうしても証拠を集められないときの対応等も踏まえながらご紹介しています。

内縁関係で慰謝料を請求できない場合

内縁関係で慰謝料を請求できる場合もあれば、反対に請求できない場合もあります。知らずに請求し、裁判所に認められないという結果になったら、費用も時間も無駄になってしまいます。どのような事情があると慰謝料を請求できないのか、確認していきましょう。

内縁関係の解消・破棄に正当な理由があった

内縁関係を解消・破棄されたとしても、正当な理由があった場合には、慰謝料を請求できません。内縁関係は「婚姻に準ずる関係」とされていることから、解消・破棄の“正当な理由”は、民法で定められている離婚の理由と基本的には同じと考えられます。

民法上の離婚理由5つに内縁関係の場合を当てはめると、次のようになります。

  • ①内縁の夫(妻)に不貞行為があったとき
  • ②内縁の夫(妻)から悪意で遺棄されたとき
  • ③内縁の夫(妻)の生死が3年以上明らかでないとき
  • ④内縁の夫(妻)が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • ⑤その他、内縁関係を継続し難い重大な事由があるとき

すぐにはイメージしにくい内容もあるかと思います。下記の記事では、民法上の離婚理由5つそれぞれについて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

不貞行為をした当時、事実上、内縁関係は破綻していた

内縁の夫(妻)が不貞行為をしていた場合、通常なら慰謝料を請求できますが、不貞行為をした当時、事実上、内縁関係が破綻していた場合には慰謝料を請求できません。

不貞行為の慰謝料は、不貞行為のせいで平穏な共同生活を送れなくなったことを理由に請求できるものです。不貞行為の前から内縁関係が破綻していると、この理由は成り立たなくなってしまうので、慰謝料を請求することはできないと考えられます。

一般的に、別居してそれまで送っていた共同生活を終了させたら、その時点で内縁関係は破綻し、解消されたとみなされるでしょう。ただし、正当な理由もなく一方的に別居されたという場合には、不当に内縁関係を破棄・解消されたとして、慰謝料を請求できる可能性があります。

内縁の夫(妻)に慰謝料を請求する方法

内縁の夫(妻)に慰謝料を請求する場合、まずは「当事者間での話し合い」から始め、話し合いがまとまらなければ「裁判」を行うというのが一般的な流れです。

話し合いに臨むときは、最初に「慰謝料を請求したい」と、請求の意思を相手に伝える必要があります。その手段としては、直接伝える・電話で連絡する・メールを送る・内容証明郵便を送るといったものが挙げられます。

なお、内縁関係を解消することになったら、「内縁関係調整調停」という家庭裁判所の手続きを利用するケースがあります。慰謝料については、この調停のなかで併せて話し合うこともできます。

「内縁関係調整調停」とは、内縁関係の解消で揉めてしまったときや、内縁関係を解消すべきか悩んでいるときに、家庭裁判所の調停委員を挟んで話し合い、解決を目指す手続きのことです。申立ての方法など、詳しい内容は下記の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

内縁関係で慰謝料請求が認められた裁判例

ここで、内縁関係で慰謝料請求が認められた裁判例を3つご紹介します。

DV・モラハラを理由に慰謝料請求が認められた裁判例

東京地方裁判所 平成30年3月15日判決

事案の概要

内縁関係にあった2人の間には子供もいましたが、内縁の夫からのDV・モラハラや、内縁の夫が子育てには一切協力せず、負担すべき婚姻費用 の支払いも拒否したこと等から、内縁の妻が夫に対し、不法行為に基づき慰謝料を請求した事案です。

裁判所の判断

裁判所は、内縁の夫の不法行為について、内縁の妻に暴言を発したり、暴力を振るったりしたことがあったと認めました。一方で、子育てに一切協力しなかったことや、負担すべき婚姻費用の支払いを拒否したこと等の事実は認めませんでした。その結果、内縁の夫からのDV・モラハラにより、内縁の妻が受けた精神的苦痛への慰謝料として、20万円を支払うよう内縁の夫に命じました。

内縁の夫と不貞相手への慰謝料請求が認められた裁判例

東京地方裁判所 平成27年2月19日判決

事案の概要

内縁の夫がした不貞行為のせいで内縁関係が破綻したとして、内縁の妻が、内縁の夫とその不貞相手の2人に対し、慰謝料を連帯して支払うよう請求した事案です。
なお、内縁の夫婦の間には子供がいました。

裁判所の判断

裁判所は、内縁の夫が不貞相手と交際を開始し、その事実を内縁の妻に宣言したことによって内縁関係は破綻したというほかないとしました。

また、不貞相手について、内縁の夫から交際を申し込まれた際に聞かされていたという、「内縁関係の破綻」を信じても仕方がないとはいえないと判断しました。

内縁関係の期間は3年に満たないものの、内縁関係を開始し、子供を出産するにあたり、内縁の妻が夫との生活がこれからも続くと信頼していたこと等、すべての事情を考慮した結果、内縁の夫が妻に対して支払うべき慰謝料として200万円を認めました。なお、慰謝料200万円のうち100万円までは、不貞相手が連帯して支払うべきであると判断しました。

内縁関係を一方的に破棄されたことに対して慰謝料請求が認められた裁判例

東京地方裁判所 平成30年11月16日判決

事案の概要

内縁関係を一方的に破棄されたとして、内縁の妻が夫に対し、不法行為に基づき慰謝料を請求した事案です。この事案では、そもそも内縁関係は成立していたといえるかどうか?という点も争われました。

裁判所の判断

裁判所は、同棲を開始した後の生活の状況や、両者が協力して不妊治療を行い、子供ができたら結婚するつもりであったこと等から、同棲を開始してから約6年9ヶ月の間、実質的に結婚している夫婦同然の生活を送っていたと判断しました。加えて、将来結婚できると期待したことには十分な理由があったといえることから、内縁関係は成立していたと認めました。

そして、内縁関係の破棄については、不法行為に該当するとしました。内縁の夫は隠れてほかの女性と結婚した後、内縁関係を一方的に破棄しているのであり、このような不誠実な行為は、将来結婚できると期待していた内縁の妻の気持ちを裏切り、人格権を侵害するものであると判断したからです。

最終的には、内縁関係を不当に破棄したこと等の不法行為を理由に、慰謝料230万円の支払いを命じる判決を下しました。

内縁関係の慰謝料に関するQ&A

Q:

内縁の夫(妻)の浮気相手に慰謝料を請求することはできますか?

A:

内縁の夫(妻)が浮気相手と肉体関係を持っている場合には、内縁の夫(妻)に対してはもちろん、その浮気相手に対しても慰謝料を請求することができます。

ただし、浮気相手に慰謝料請求できるのは、浮気相手に故意・過失がある場合等に限られています。そのため、例えば浮気相手が内縁関係について知ることが難しい状況であった場合には、浮気相手に対して慰謝料を請求することはできません。

Q:

内縁の夫(妻)が浮気した場合、慰謝料請求には時効がありますか?

A:

内縁の夫(妻)が浮気した場合、慰謝料請求には、浮気の事実を知ってから3年、または浮気があったときから20年という時効があります。

というのも、慰謝料をはじめとした、不法行為に基づく損害賠償金を請求する権利は、「損害および加害者を知ったときから3年」、または「不法行為のときから20年」を過ぎると時効となり、慰謝料を請求することができなくなると法律で定められているからです。

なお、結果的に内縁関係を解消する場合、浮気のせいで内縁関係を解消せざるを得なくなったことに対して慰謝料を請求するのであれば、内縁関係を解消したときから3年が時効の期間になります。

内縁関係で適正な金額の慰謝料をもらうためには弁護士にご相談ください

内縁関係であっても、相手に慰謝料を請求できる場合があります。

ただ、結婚している夫婦とは異なり、関係性を証明しにくいのが内縁関係の難しいところです。そのため、「内縁関係が成立していたといえるかどうか」で争いになることも珍しくなく、証明ができないと慰謝料請求が認められないおそれがあります。

このように、内縁関係での慰謝料請求は決して簡単なものとはいえません。ご自身だけで慰謝料請求する場合、内縁関係の証明などで苦戦してしまうこともあるでしょう。

慰謝料を請求するときは、弁護士に任せるという手もあります。弁護士なら、内縁関係の証明や、そのほかに気をつけるべきこと等について、それぞれのご事情に応じた適切なアドバイスができます。さらに、相手との交渉や、裁判での主張・立証を代わりに行うことも可能です。

おつらい思いをした分、適正な金額の慰謝料をもらえるよう、内縁関係での慰謝料請求についてご不安やお悩みがある方は、ひとりで抱え込まずにまずは弁護士にご相談ください。

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

離婚問題ご相談予約受付来所相談30分無料

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

お電話でのご相談受付

0120-979-164

24時間予約受付・年中無休・通話無料

メールでのご相談受付

メールで相談する

1人で悩まず弁護士にご相談ください

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

0120-979-164 無料電話相談受付中

24時間予約受付・年中無休・通話無料

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修:谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員 弁護士
保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

弁護士法人ALG&Associates 事務所情報

お近くの事務所にご来所いただいての法律相談は30分無料です。お気軽にお問い合せください。

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。

関連記事