親権放棄と親権辞任|申し立ての方法

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

親が親権を放棄した後の子供の生活、将来を想像したことがありますか?

子育てをしたくない、子供がいると再婚がしにくいというような親の身勝手な事情のためだけに、親権を放棄すべきではありません。しかし、そこに「やむを得ない事情」がある場合には、親にとっても、そして子供にとっても、親権を手放す方が良いと考えられるケースもあります。

このページでは、親権の放棄が認められる「やむを得ない事情」とは?放棄する前に考えられる手立てとは?といった、“親権放棄”を検討している親権者の方の疑問にお答えしていきます。

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子供の親権を放棄することはできるのか

原則、親権を放棄することはできません。

親権は、子供に対する親の権利でもありますが義務でもあります。親権を放棄することは、親としての権利だけでなく、義務をも放り出してしまうということです。
ただし、そこに“どうしても親権を行使できない等の「やむを得ない事情」がある場合”には、親権の委託が認められるケースもあります。

親権の委託が認められるケースとは

親権の委託が認められるのは、「やむを得ない事情」がある場合に限られます。
例えば、親が、
・重病にかかってしまった、あるいは、大怪我をしてしまったことで、介護が必要な状態にある
・長期の海外勤務が決まってしまった
・罪を犯して刑に服することになった
といったケースが該当し得ると考えられます。

親権を委託するための方法

親権を委託するための方法は、以下のとおりです。ご自身のケースの場合にどの方法が最も適しているのか、見極めることが重要です。早速詳しい内容を確認していきましょう。

離婚時に親権を渡す

現在の日本では、離婚後の共同親権が認められていないため、離婚するときは、親権者を父か母のどちらかに決める必要があります。協議・調停の場合は夫婦の話し合いで、裁判の場合は裁判所の判断で決定します。
配偶者が親権者となることが決まれば、離婚の成立によって配偶者に親権が委託(親権者の指定)されることになります。

監護者の指定

親権は、大きく身上監護権と財産管理権に分けることができます。監護者となる者としては、主に元配偶者や祖父母等が考えられます。
詳しくは以下のリンクページをご覧ください。

さらに詳しく
監護者指定とは

親権者の変更

親権者の変更は、父母の間に合意があったとしても、家庭裁判所による手続きを要します。ただし、裁判所は一度決めた親権者を変更することに消極的であり、認められるのは余程の事情がある場合に限られます。
詳しくは以下のリンクページをご覧ください。

さらに詳しく
親権を変更する方法

親権の委託でお困りの方は、お早めに弁護士へご相談ください

親権を委託する際には、お子様への配慮が不可欠です。親権を委託しなければならない事情、離れて生活しても定期的に会えること等を伝えてお子様のショックを和らげる努力や、養育環境の変化によって生じるお子様への負担を考慮した委託方法の検討が必要といえるでしょう。

親権問題に明るい弁護士にご相談いただければ、ご相談者様のご事情に応じて、どのような手続きを進めていくのが適切であるか、ご提案することが可能です。各手続きだけでなく、離婚問題全般を解決するためのお手伝いや、離婚後、元配偶者との話し合いの場を設けることが困難な場合の代理交渉等、さまざまなサポートを承っております。
お子様のため、早期解決のため、まずは一度、弁護士にご相談いただければと思います。

親権辞任の申立て

親権者に親権を行使できない「やむを得ない事情」があり、元配偶者に親権を委託することも適当でないといった場合には、家庭裁判所へ親権辞任の許可を求めること(親権辞任の申立て)が考えられます。

許可がおりれば、親権を辞任できます。この結果、親権者がいなくなった場合、未成年の子供には「未成年後見人」が選任される必要が生じ、未成年後見人が子供のために活動を行います。

未成年後見人とは

「未成年後見人」とは、未成年者の養育や財産の管理等についての権利・義務を有する法定代理人のことです。親権辞任や、親権喪失・停止によって、親権を行使する者がいない未成年者に対して、家庭裁判所が選任します。

選任には、未成年者と候補者との関係等が考慮されるため、祖父母等の親族がなることが多いですが、弁護士等の第三者がなることもあります。また、児童福祉施設を運営する社会福祉法人のような法人がなることもあります。なお、未成年後見人を複数名選任することも認められています。

未成年後見人を選任する流れ

必要な書類の収集後、子供の住所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てます。裁判所による、申立人・後見人候補者、未成年者本人との面接、未成年者の親族への意向照会を経て、審判書の送付によって選任が行われます。

選任された者は、1ヶ月以内に財産目録と年間収支予定表を裁判所に提出しなければなりません。

申立てに必要な書類・費用

【書類】

  • 申立書
  • 申立事情説明書
  • 未成年者の戸籍謄本
  • 未成年者の住民票又は戸籍の附票
  • 後見人候補者の戸籍謄本
  • 後見人候補者の住民票又は戸籍の附票
  • 後見人候補者事情説明書
  • 未成年者に対して親権を行うものがないこと等を証明する資料
  • 親族関係図
  • 未成年者の財産、収支、負債に関する示す資料
  • 後見人候補者が法人の場合:法人登記簿謄本
  • 申立人が親族の場合:親族関係を証明する戸籍謄本等
  • 申立人が利害関係人の場合:利害関係を証明する資料
    (※申立先の家庭裁判所によって必要書類が異なる場合があるため、事前の確認が必要です。)

申立書の書式は裁判所のサイトからダウンロードしてください。

【費用】

  • 収入印紙代:800円/未成年者1人
  • 郵便切手代:家庭裁判所によって異なる

申立ての手続きで不備がないように、弁護士に依頼することをおすすめします

親権辞任の手続きでは、親権者に「やむを得ない事情」があることを的確に主張し、家庭裁判所に親権辞任の必要性を認めてもらわなければなりません。また、親権辞任の許可がおりて、親権を行う者がいなくなった未成年のお子様に対して未成年後見人が選任されるためには、別途申立てが必要です。家庭裁判所の職権で当然に未成年後見人の選任手続きが開始する、というわけではないので、注意が必要です。これらを踏まえて手続きを進めていくことを要します。

なお、親権を委託するには、親権辞任のほかにも、監護者の指定等の方法がありますが、方法によって、必要な手続きが異なります。つまり、申立権者や申立先の裁判所が異なります。 申立先の裁判所によって、また、事案によって必要となる書類が異なる等、家庭裁判所を介する手続きは非常に煩雑です。不備なくスムーズに手続きを進めるためには、法的手続きを熟知した弁護士に依頼することをおすすめします。

辞任した親権をまた持つことができるのか

親権辞任後に「やむを得ない事情」が消滅すれば、家庭裁判所に親権回復の申立てができます。
裁判所は、親権辞任の理由が消滅したのか、親権回復を認めることが子供の福祉に適うのか等を調査したうえで、親権回復の可否を判断します。

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親権放棄に関するQ&A

Q:

親権を委託する場合、元配偶者ではなく自分の祖母に委託することは可能でしょうか?

A:

親権は、親の権利義務となりますので、親ではない自分の祖母に親権の委託をするということは認められません。

しかし、例えば、自分の祖母と子供が養子縁組をした場合、法律上、そこには親子関係が生じます。この場合、自分の祖母も子供の親となりますので、親権の委託が認められる可能性があります。

Q:

元配偶者が親権を辞任した場合、親である自分が子供の親権者となるのでしょうか?

A:

元配偶者が親権を辞任した場合、法律上、子供には親権者がいない状況となるだけであり、当然に親権者となる、というわけではありません。

元配偶者が親権を辞任した場合は、親権者の変更の申立てを行い、家庭裁判所の審判等を得ることが必要となります。

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