離婚後の監護権について詳しく説明します

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
この記事の監修
弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

結婚している間は、夫婦が共同で子供の親権者となりますが、離婚後は、共同親権は認められず、一方の単独親権としなければなりません。「どちらが子供を育てていくか?」という問題は、離婚するときに揉めやすい内容の一つです。

そして、親権を獲得したいと思って調べていくと、“監護権”という言葉を目にすることが多くあるかと思います。本ページでは、監護権に焦点を当て、解説していきます。親権と監護権って同じなの?違うものなの?まずはこの疑問から、解消していきましょう。

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親権と監護権の関係

親権は、未成年の子供がいる夫婦が離婚する場合、必ず決めなければならない事項であり、大きく分けて財産管理権身上監護権の2つの柱から成り立っています。そして、このうちの身上監護権のみを取り出したものが、監護権と呼ばれています。つまり、監護権は、親権の一部ということです。

なお、本ページにおいて使用している「子供」という言葉は、すべて「未成年の子供」を指すこととします。

身上監護権の内訳

身上監護権は、簡単に言うと、子供と共に暮らして身の回りの世話を行い、子供を監護・養育・教育する権利のことです。具体的には、以下のような内容が含まれます。

身分行為の代理権・同意権

子供が、婚姻や認知の訴え、養子縁組の承諾(15歳未満で養子となる場合)といった、身分法上の行為を行うにあたり、代理し、同意をする権利のことです。

なお、身分行為における代理権や同意権は、財産管理権に含まれるとする説もありますが、本ページでは、身上監護権の一つとしてご紹介します。

居所指定権

子供の居所を指定する権利のことで、民法821条に規定されています。共に暮らして子供を育てていくためには、欠かせない権利です。

懲戒権

子供に対し、懲戒を行う権利と定義付けされています。「懲戒」と言うと、親子関係になじまないように感じられるかもしれませんが、例えば、子供が悪いことをしたら叱るといった、しつけをする権利と捉えると、想像しやすいかと思います。

なお、民法822条では懲戒権を規定しており、しつけと称して虐待に及ぶことのないよう、「監護及び教育に必要な範囲内で」と明示しています。

職業許可権

子供が職業を営むことを許可する権利のことで、民法823条に規定されています。また、一度許可したとしても、子供がその営業に堪えることができない事由があるときは、許可を取り消したり、制限したりすることもできます。

職業許可権の行使対象には、子供が自ら職業を営む場合だけではなく、雇用されて働く場合も含まれるため、子供からして見れば、アルバイトをするにしても、親(監護権を有する者)の許可を得る必要があります。

親権者と監護権者を分ける場合

子供の福祉のため、一般的に、親権者と監護権者は同一人物であることが好ましいと考えられます。したがって、親権者が監護権を有するというのが、原則であるといえます。

しかし、財産管理は経済的に余裕のある父親が適任であるものの、子供が幼いため、監護・養育・教育を行うのは母親が適任である、といったケースもあるでしょう。このようなケースでは、例外的に、親権者と監護権者を分けて指定できる場合があります。

メリット

親権は、離婚時に揉めやすい問題です。お互いが譲らない姿勢をとり続けると、争いは平行線のままとなってしまい、なかなか離婚成立には至りません。そこで、親権者と監護権者を分けることが打開策になり、早期解決を図れる可能性があります。

また、法律上の権利義務とはいえ、離婚後も父親と母親の両方との繋がりを保てるため、子供は安心感を得られるでしょう。この点も、親権者と監護権者を分けるメリットの一つとして考えられます。

デメリット

一方、子供に何かある度に、親権者の同意が必要な場合があるというのは、親権者と監護権者を分けることのデメリットといえます。

子供の財産管理や、財産に関する法律行為については、監護者だけで手続を進めることはできず、親権者の同意が必要になります。例えば、子供名義の預貯金口座を作りたいときや、子供が交通事故の被害に遭い損害賠償請求をしたいとき等には、親権者の同意を得なければなりません。特に親権者が遠方にいる場合には、手続に煩わしさを感じるでしょう。

監護権者の決め方

監護権者の決め方は、親権者の決め方とほぼ同じです。離婚手続を進める流れのなかで、離婚と併せて決めていくのが通常です。親権者の決め方については、下記のページで解説していますので、ぜひご覧ください。

ただし、監護権者のみであれば、離婚後に決めることも可能です。離婚時に必ず決めなければならない親権者とは、大きく異なる点です。当事者間の話し合いで決まらなければ、「子の監護者の指定調停(または審判)」という裁判所の手続を行うことになります。監護者指定の手続について、詳しい内容は下記のページをご覧ください。

さらに詳しく
監護者指定の手続

親権者と監護権者を分けるときの注意点

親権者と監護権者を分けるとき、離婚時の当事者間の話し合い(協議)で取り決めた場合には、合意内容を書面に残しておいた方が良いでしょう。というのも、合意できた後に市区町村役場に提出する離婚届には、親権者に関する記載欄がある一方で、監護権者に関する記載欄は設けられていません。そのため、離婚後、監護権者である旨を主張しても、証拠がなく認められないといったトラブルが生じることが懸念されます。

また、親権者とは異なり、監護権者には、子供の父母以外の第三者がなることもできます。子供の福祉に資するには誰が監護権者となるべきか、よく考えたうえで取り決めるよう、ご注意ください。

監護権がなくても子供に会える方法

監護権を得られなくても、子供と会えるようにするには、面会交流について決めておくことをおすすめします。面会交流について、詳しくはこちらをご覧ください。

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一度決めた監護権は変更できる?

一度決めた監護権であっても、当事者間の合意があれば、変更できます。話し合ってもなかなか合意に達しない場合等には、家庭裁判所の調停や審判の手続を利用することもできます。また、変更したとしても、市区町村役場に届出をする必要はありません。

これに対して、親権を変更する場合、必ず家庭裁判所の調停や審判を行う必要があり、当事者間の合意だけでは変更できませんし、変更後は、調停成立または審判確定の日から10日以内に、市区町村役場に親権者変更の届出をしなければなりません。

このように、監護権と親権とでは、変更手続の煩雑さや変更のハードルの高さに差があります。

もし、監護を怠ってしまった場合

監護権は、権利であると同時に義務でもあります。監護権を得たものの、子供の世話等をろくにせず、監護を怠り、子供の生命や安全に危険が生じた場合、保護責任者遺棄罪で処罰されるおそれがあります。

監護権に関するQ&A

Q:

祖父母でも監護権を獲得することはできますか?

Q:

監護権の侵害とはどんなことをいいますか?

Q:

親権者と監護権者を分けた場合、親権者に養育費を請求することはできますか?

Q:

監護権のみを持っている場合でも児童扶養手当をもらうことができますか?

A:

子供の監護権者であれば、基本的に児童扶養手当をもらうことができます(ただし、所得制限等によって支給を受けられない場合もあります。)。

なお、申請の際には、児童扶養手当認定請求書等、様々な書類が必要となります。どのような書類が必要になるかについては、自治体ごとに異なる場合がありますので、お住まいの地域にお問い合わせください。

監護権についてわからないことは弁護士にご相談ください

離婚後、子供と共に暮らして育てていくのは、監護権を有している者です。通常、親権を得た者が監護権を有することになりますが、例外的に、親権と監護権を別々に定めることができる場合もあります。

しかし、監護権はあくまでも親権の一部であるため、親権とは異なる扱いがなされるケースも多く、親権者と監護権者を分けるときには注意が必要です。また、親権者と監護権者を分けた場合、離婚後も、元配偶者とコミュニケーションをとる必要も生じ得ます。そのため、ご自身の状況に合わせ、どのような取り決めをしたら良いのか、判断していくことが大切です。

監護権に関するお悩みは、ぜひ弁護士にご相談ください。ご相談者様の状況を丁寧に伺い、適切なアドバイス・サポートをいたします。また、相手方との交渉や裁判所の手続を引き受けることも可能です。離婚する際、子供の親権・監護権の取り決めは、慎重に行うべきです。後悔したり、不利益を被ってしまったりすることのないよう、弁護士の力を借りてみてはいかがでしょうか。

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