親権と監護権|違いや分けた場合のメリット、デメリットについて

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

監護権とは、親権の一部で、未成年の子供と日常生活を送るなかで、子供の世話をしたり教育したりする権利をいいます。離婚するときは、親権者が監護権を持つのが通常ですが、例外的に、親権者と監護権者を別にする場合もあります。

本ページでは、親権と監護権の関係や、親権者と監護権者を分ける場合、分けた場合のメリット・デメリット等、《親権と監護権》に関する知識をご紹介します。

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

離婚問題ご相談予約受付来所相談30分無料

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

お電話でのご相談受付

0120-979-164

24時間予約受付・年中無休・通話無料

メールでのご相談受付

メールで相談する

親権と監護権の関係

親権とは、未成年の子供と日常生活を共にしながら、子供の世話や教育をしたり、子供の財産管理を行なったりする、親に課せられた権利義務のことです。

親権の内容は、「財産管理権」と「身上監護権」の大きく2つに分類でき、このうちの「身上監護権」を取り出したものが「監護権」です(「養育権」といわれることもあります。)。

監護権には、主に次の4つの権利が含まれています。

  • 身分行為の代理権・同意権
  • 居所指定権
  • 懲戒権
  • 職業許可権
親権の内訳

親権者と監護権者を分ける場合

子供の福祉(幸せ)のため、一般的に、親権者と監護権者は同一人物であることが好ましいと考えられています。
したがって、親権者が監護権を持つのが通常です。

しかし、財産管理は経済的に余裕のある父親が適任であるものの、子供が幼いため、日々の世話をするのは母親が適任である、といったケースもあるでしょう。このようなケースでは、例外的に、親権者と監護権者を分けて指定することがあります。

親権者と監護権者を分けた場合には、どのようなメリット・デメリットがあるのか、続けて確認していきましょう。

メリット

離婚の早期解決

親権は、離婚時に揉めやすい問題です。お互いが譲らない姿勢をとり続けると、争いは平行線のままとなってしまい、なかなか離婚成立には至りません。そこで、親権者と監護権者を分けることが早期解決の打開策となり得る可能性があります。

子供と親の繋がり

親権と監護権の違いを正しく理解できていなくても、親の片方が親権者、もう片方が監護権者となることで、子供は父親と母親の両方と繋がりを持てていると実感できるでしょう。また、非監護権者の親にとっても子供との繋がりを感じられることになります。子供と非監護権者の親にそれぞれ安心感を与えられるという点も、親権者と監護権者を分けるメリットの一つといえるでしょう。

デメリット

財産管理等の手続きの煩わしさ

親権者と監護権者を分けた場合、監護権者としては、財産管理等の手続きの煩わしさを感じることがあります。というのも、子供と一緒に暮らしていくのは監護権者ですが、監護権者が子供の財産管理やその財産に関する法律行為を行うには、親権者の同意が必要になるからです。

そのため、例えば子供名義の預金口座を作るにしても、監護権者だけで手続きを進めることはできず、親権者の同意を得なければなりません。なかでも親権者が遠くに住んでいる場合には、財産管理等の手続きに特に煩わしさを感じるでしょう。

監護権者は戸籍に載らない

離婚時に役所に提出する離婚届には、親権者に関して記載する欄はあっても、監護権者に関する記載欄は設けられていません。そのため、親権者と監護権者を分けたとしても、戸籍に載るのは親権者だけで、監護権者は載りません。

離婚後、監護権者である旨を主張しても、証拠がなく認められないといったトラブルが生じるおそれもありますので、夫婦間の話し合い(協議)で親権者と監護権者を分けると決めた場合には、合意内容を書面に残しておいた方が良いでしょう。

再婚し養子縁組するときにトラブルになりやすい

親権者と監護権者を分けていると、たとえば、監護権者が再婚し、一緒に暮らす子供を再婚相手の養子にしたい場合にトラブルになる可能性があります。

法律上、15歳未満の子供との養子縁組には法定代理人の代諾が必要であり、法定代理人となるのは親権者です。そのため、子供が再婚相手の養子になることについて親権者が同意してくれない場合、親権者ではない監護者は再婚できたとしても一緒に暮らす子供を再婚相手の養子にはできない可能性があるのです。

親権と監護権の違い

親権 監護権
監護教育権
身分行為の代理権・同意権
居所指定権
懲戒権
職業許可権
子供の財産管理権 ×
財産に関する法律行為の代理権 ×
子供がした法律行為への同意権 ×

身上監護権(=監護権)の内訳

身上監護権

身上監護権は、簡単に言うと、子供と共に暮らして身の回りの世話を行い、子供を監護・養育・教育する権利のことです。そのほか、以下のような内容も含まれます。

身分行為の代理権・同意権

未成年の子供が結婚するときには、監護権者の同意が必要になります。
このように、子供が結婚や認知、養子縁組といった身分法上の行為を行う際に、代理または同意する権利が、身分行為の代理権・同意権です。

なお、これらは、財産管理権に含まれるとする説もありますが、本ページでは、身上監護権の一つとしてご紹介します。

居所指定権

子供の住む場所を指定する権利のことで、民法821条に規定されています。共に暮らして子供を育てていくためには、欠かせない権利です。

懲戒権

子供に対し、懲戒を行う権利と定義付けされています。「懲戒」と聞くと、親子関係になじまないように感じられるかもしれませんが、例えば、子供が悪いことをしたら叱るといった、しつけをする権利と考えをシフトすると、想像しやすいかと思います。

なお、懲戒権を規定している民法822条では、しつけと称して虐待に及ぶことのないよう、「監護及び教育に必要な範囲内で」と明示しています。

職業許可権

子供が職業を営むことを許可する権利のことで、民法823条に規定されています。
また、一度許可したとしても、子供がその営業に堪えることができない事由があるときは、許可を取り消す、または制限することもできます。

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

離婚問題ご相談予約受付来所相談30分無料

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

お電話でのご相談受付

0120-979-164

24時間予約受付・年中無休・通話無料

メールでのご相談受付

メールで相談する

親権と監護権を分ける手続き

夫婦間で話し合って合意できれば、親権と監護権を分けることができます。ただ、離婚届には親権の記載欄しかないので、「公正証書」等の書面を作成して親権と監護権を分けたことを記録しておきましょう。

夫婦間の話し合いで決められそうにないときは「離婚調停」を行い、家庭裁判所の調停委員を通した話し合いで、離婚と併せて親権・監護権を決めていきます。それでも合意できないときは「離婚裁判」を起こし、裁判所に判断を求めます。ただし、裁判所は親権と監護権を分けることを認めることはほぼないので、離婚調停で合意したり裁判で認められたりすることはほとんどありません。

なお、監護権のみであれば、離婚前・離婚時・離婚後どのタイミングで決めても構いません。当事者同士で話し合って決めるのが難しいときは、「子の監護者の指定調停や審判」を行います。「子の監護者の指定調停」について、詳しい内容は下記のページをご覧ください。

監護権をとるために必要なこと

監護権について夫婦間の話し合いで決められず、最終的に裁判所に判断されることになったとき、監護権をとるには、裁判所に「監護権者としてふさわしい」と認められる必要があります。

裁判所は、子供に対する愛情や、これまでの子育ての状況、今後の子育ての環境、子供の年齢、子供の意思など、様々な事情を総合的に考慮します。そのうえで、父親と母親どちらのもとで暮らした方が子供にとって幸せかを判断し、監護権者を決めます。

下記のページでは、親権者・監護権者の判断基準を紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

さらに詳しく
監護者指定

一度決めた監護権は変更できる?

一度決めた監護権は、当事者間で話し合って合意できれば変更が可能です。当事者間で話し合っても合意できない場合等には、家庭裁判所の調停手続きを利用し、調停委員を間に挟んだ話し合いを行います。監護権変更の調停は、子供の親だけではなく、子供の親族も申し立てることができます。

調停でも合意できないときは審判の手続きに進み、裁判所の判断で監護権を変更するかどうかが決められます。裁判所が変更を認めるのは、変更することが子供の利益に繋がると判断した場合です。例えば、監護権者が子供を虐待している場合や、病気になって子供の面倒を見られなくなった場合などでは、監護権の変更が認められる可能性があります。

なお、親権の変更は、必ず調停や審判の手続きを行わなければなりません。監護権とは違い、当事者間の話し合いで変更することはできないのでご注意ください。

監護権を獲得できなくても子供に会える方法

監護権を獲得できなくても、子供に会える方法はあります。それが「面会交流」です。

監護権を獲得できなかったときは、監護権を持つ親に「面会交流をしたい」と求めましょう。「子供に会わせたくない」と拒否されることもありますが、親の都合だけで拒否することは認められません。面会交流は、子供が健やかに成長するために重要なものだと考えられているからです。かつて子供に暴力を振るっていた等の特別な事情がない限り、基本的に裁判所は面会交流を認める傾向にあります。

そもそも面会交流とは何なのか、詳しく知りたい方は下記のページをご覧ください。

監護を怠った場合の罰則

監護権は、親が子供の面倒を見る“権利”であると同時に、子供を守るための親の“義務”でもあります。

監護権を得たものの、子供の面倒もろくに見ず監護を怠り、子供の生命や安全に危険が生じた場合には、保護責任者遺棄罪で処罰されるおそれがあります。監護権を得れば、それだけ重い責任を負うことになるのです。

現実的に子供を育てていける状況にあるのか、きちんと考えたうえで監護権について決めていくようにしましょう。

監護権に関するQ&A

Q:

祖父母でも監護権を獲得することはできますか?

Q:

監護権の侵害とはどんなことをいいますか?

Q:

親権者と監護権者を分けた場合、親権者に養育費を請求することはできますか?

Q:

監護権のみを持っている場合でも児童扶養手当をもらうことができますか?

A:

子供の監護権者であれば、基本的に児童扶養手当をもらうことができます(※所得制限等によって支給を受けられない場合もあります。)。

なお、申請の際には、「児童扶養手当認定請求書」など、様々な書類が必要となります。どのような書類が必要になるかについては、自治体ごとに異なる場合がありますので、お住まいの地域の役所に問い合わせて確認しましょう。

親権や監護権についてわからないことは弁護士にご相談ください

通常、親権を獲得した者が監護権を持ちますが、極めて例外的に親権と監護権を分けることもあります。しかし、親権と監護権を分ける場合には注意が必要です。子供と一緒に暮らしていくことになるのは監護権を持つ者ですが、子供名義の預金通帳を作るときなど、親権者の同意が必要になる場面もあるからです。

親権や監護権についてわからないことがあるときは、ぜひ弁護士にご相談ください。ご相談者様にとって最善の解決方法を考え、適切にアドバイス・サポートいたします。また、相手との交渉や裁判所の手続きを引き受けることもできます。

親権・監護権は、子供のこれからの成長に関わる重要な内容です。後悔する事態とならないよう、ご不安やお悩みを抱えている方は、弁護士の力を借りることをおすすめします。

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います

離婚問題ご相談予約受付来所相談30分無料

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

お電話でのご相談受付

0120-979-164

24時間予約受付・年中無休・通話無料

メールでのご相談受付

メールで相談する
弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修:谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員 弁護士
保有資格弁護士(愛知県弁護士会所属・登録番号:41560)

弁護士法人ALG&Associates 事務所情報

お近くの事務所にご来所いただいての法律相談は30分無料です。お気軽にお問い合せください。

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。

関連記事